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プロローグ
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長い間眠り続けていた姫君の美しい瞳が再び見開かれた時、私はこの恋が終わったことを悟った。
私が仕える上司にして、この国の公爵家次男であるルバート様の婚約者であるクレア王女は、十年前突然倒れ、それから眠り続けていた。
それは原因不明の奇病「眠り姫病」と言われる不治の病だった。
眠り姫病は、その名の通り物語の眠り姫のように深い眠りについてしまう病だ。
全く飲食できない状態にも関わらず、衰弱もせず、成長も止まってしまうため、魔力が原因とされる魔病の一種と目されてはいた。
大昔からその病は知られていたけれど、これまで誰も治すことができなかった。
寿命を全うするほど生きたという記録もあるが、早い人は半年ほどで亡くなることもある病気だ。
けれど、王女の婚約者であるルバート様は、王女の病を治すため魔術を学び、研究し、そして遂にそんな不治の病の治療法を発見したのだ。
「私は一体・・・?」
目覚めたクレア王女は、物語の眠り姫のようにゆっくりと起き上がり、集まった人々に眼差しを向けた。
何が起こったのか分かっていないようで、不思議そうに人々の顔を見渡している。
側で見守っていた国王夫妻をはじめとする多くの人たちが、声を詰まらせ、目の前の奇跡に身を震わせ、やがて上がる歓声。
いつも冷静で威厳のある姿しか見せない国王夫妻が声をあげて泣き崩れ、クレア王女に駆け寄るのが見えた。
長年ルバート様の研究を支援してきた王太子のフェリクス様は、感激のあまり声もなくルバート様に抱きつき、涙を堪えて繰り返し感謝の言葉を伝えている。
そのすぐ隣では、王太子妃となられたソフィア様がルバート様の背中を叩きながら、大粒の涙をこぼしていた。
私は、そんな様子を部屋の一番端で見届けた後、そっと扉の外に出た。
おめでとうございます、ルバート様。
そう心の中で呟き、足早にその場を離れた。
泣いたらいけない。今は喜ぶところなんだからと、自分に言い聞かせる。
今までがおかしかっただけ。元に戻るだけ。
眠り姫病の研究という目的がなかったら、私はルバート様の側にいられるような身分の人間じゃないのだから。
私が仕える上司にして、この国の公爵家次男であるルバート様の婚約者であるクレア王女は、十年前突然倒れ、それから眠り続けていた。
それは原因不明の奇病「眠り姫病」と言われる不治の病だった。
眠り姫病は、その名の通り物語の眠り姫のように深い眠りについてしまう病だ。
全く飲食できない状態にも関わらず、衰弱もせず、成長も止まってしまうため、魔力が原因とされる魔病の一種と目されてはいた。
大昔からその病は知られていたけれど、これまで誰も治すことができなかった。
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けれど、王女の婚約者であるルバート様は、王女の病を治すため魔術を学び、研究し、そして遂にそんな不治の病の治療法を発見したのだ。
「私は一体・・・?」
目覚めたクレア王女は、物語の眠り姫のようにゆっくりと起き上がり、集まった人々に眼差しを向けた。
何が起こったのか分かっていないようで、不思議そうに人々の顔を見渡している。
側で見守っていた国王夫妻をはじめとする多くの人たちが、声を詰まらせ、目の前の奇跡に身を震わせ、やがて上がる歓声。
いつも冷静で威厳のある姿しか見せない国王夫妻が声をあげて泣き崩れ、クレア王女に駆け寄るのが見えた。
長年ルバート様の研究を支援してきた王太子のフェリクス様は、感激のあまり声もなくルバート様に抱きつき、涙を堪えて繰り返し感謝の言葉を伝えている。
そのすぐ隣では、王太子妃となられたソフィア様がルバート様の背中を叩きながら、大粒の涙をこぼしていた。
私は、そんな様子を部屋の一番端で見届けた後、そっと扉の外に出た。
おめでとうございます、ルバート様。
そう心の中で呟き、足早にその場を離れた。
泣いたらいけない。今は喜ぶところなんだからと、自分に言い聞かせる。
今までがおかしかっただけ。元に戻るだけ。
眠り姫病の研究という目的がなかったら、私はルバート様の側にいられるような身分の人間じゃないのだから。
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