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第一章

第三十九話ミドラ族長の思惑でワープした場所がバラバラだった結果スミカと二人で買い物をすることになったよ

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第三十九話ミドラ族長の思惑でワープした場所がバラバラだった結果スミカと二人で買い物をすることになったよ


 私たちはミドラ族長の計らいでワープさせてもらったのだが……私の隣にはスミカしかいない……なんだか心臓の鼓動が早くなってる気がするけど多分気のせいだよね
 そう考えていたらスミカが
「ねっねえエル私たち二人になっちゃったね(どうして二人きりなの!? ああもう好きな人と二人きりなんて……というかいつまでかも分からないのに……心臓が持たない……いや持たす! せっかくのチャンスなんだから、ミリアとシャルロッテさんが付き合えたんだから頑張れば私だってエルと……付き合える……のかな、いくら私がエルのこと好きでもエルが私のことどう思ってるかなんて知らないよ。もし……もしも嫌われてたら私……もう、ダメだダメだ弱気になったら! 今日こそ伝えるんだ!! エルにあなたが好きですって)」
 今日はなんだかスミカの顔がころころ変わってなんだか、かわいいな……って何考えてるの私! いつもは思わないのに……かわいいとは思うけどその……理屈で言えないというかなんというか、でも二人きりなんだったら、せっかくなら思い出作っておきたいな……本当はみんなの心配をしないといけないっていうのは分かってる。なのにスミカのことばかり考えてる……私って最低だな。
 その時突然ミドラ族長の声が頭の中で聞こえてきた……どうして?
「あーあーマイクテス、マイクテス聞こえるかルミエル、今俺のスキルで頭の中に直接話しかけてるぞ! 今スミカのことばかり考えてみんなの心配しなかった自分を最低って言っただろ、安心しろ!他のやつらの無事だから思う存分スミカと楽しめよ! あばよ!」
 えっ今まで考えてたことバレてるの
「そりゃ聞こえるさ俺の能力でな! これでも龍族の族長を長年勤めてるからな! いろいろ能力があるからなびっくりするなよな!(まあ大半の能力は他人の恋愛話が知りたくて手に入れたことは誰にも言えないがな……だって俺がそんなに恋愛話が好きすぎて強くなったなんて絶対笑われるだろ! まあ今回ワープの場所を変えたのは……せっかくカップルが誕生したんだし、いちゃいちゃさせてやらないとな……その風景を覗き見……はやめておこうかな、あいつらからしたらせっかくの時間だからこれで覗き見は休憩を挟んでちょこっとだけするか)」
 そして族長がみんなは無事と言ったのを聞いて私は安心した。
 その時スミカが心配そうにこう言った。
「ねえエル大丈夫? さっきから辛そうな顔してたけど(本当にどうしたんだろそんな辛そうな顔して何かあったのかな……よしっ! 私が少しでもエルを笑顔にしてみせる!)エルこれから一緒に買い物行くよ!」
「えっ突然どうしたのスミカ!?」
 私はスミカに手を引かれ走った。
 最初に行ったお店はトレーニング施設だった……買い物だよねこれ
 そして中に入りスミカがこう言った。
「ねえエルここで模擬戦してさ、お腹空かせてからご飯食べに行こうよ!」
 私はいいよとそう答えた。
 模擬戦の時間は五分
 トレーニング施設のお金はというと店員さんが『運動することの楽しさを知ってもらうために十回施設を使うまでは無料でいいからね』と言われたので感謝している。
 そして私とスミカは模擬戦を始めた。
 まず最初に攻撃したのはスミカだった。
「私ね一度でいいからエルと模擬戦したかったの!(だってそうしたらエルのこともっと知れそうって思ったし二人で高めあう仲ってなんか憧れるから!)」
 そう言われたので私は
「私も思ってた!」
 よく拳で語るって言葉を聞くからこういうふうに戦ったら相手のことをもっと知られるのかなぁって思ってたから……でも私弱いし……
 そうやって戦って一分が過ぎたころ突然店員さんから『そこまでです! お客様早く戦うのやめてください!』と言われてしまった。
 なぜだろうと思い聞いてみたら
「あなたたちの戦いが激しすぎて施設の機械が壊れちゃったんです!……本当は弁償してほしいですけど、これからも利用してくれるなら許しますから……私のモットーはお客様第一なので……ちゃんと利用してくださいよ! 本当に!」
「「壊してしまい申し訳ありません!!! ちゃんと利用します!」」
 でもこれだけで許してくれるって……私が言うのもなんだけど……迷惑な客が来たとき心配なんだけど……あれ? 今までの私とスミカだったらここまではならなかった。
 もしかしてあの試練のおかげなのかな?
 次に行った場所はゲームセンターだった。
 そこで気になる二人がいた
「なあ姉貴ここに本当に隊長の元カノがいるのかよ」
「知らんそれよりおいダイス今のドンのところ叩けてないぞ」
「うわぁほんとだ! これじゃフルコンボ失敗じゃん! まさか姉貴また……」
「当たり前じゃんフルコンボ成功するまで帰さないから」
「これで三百十九回目だぞ!!」
「全部ダイスが一回ミスるからだぞ!」
「もういやだ帰りたい」
「ダメぇ!」
「これだから姉貴の完璧主義……それもゲームのときだけは嫌なんだよ! そんなだったら自分の部屋も片付けてくれよ」
「えー面倒くさいもんダイスがやって」
「はあ、分かってたけど……はあこっちの身にもなってくれよ姉貴」
 そんな会話をしながら難易度裏鬼を一回ミスで終わらせていた。
 私はこのゲーム苦手すぎてニコンボもできない、ぐぬぬ
 すると隣のスミカが目を輝かせながらこう言った。
「ねえエル私たちもやろうよ!!」
 そんな顔で言われて断れるわけもなく先にやらせてもらえないかとこの二人に言ってやらせてもらった。
 するとダイスと呼ばれていた人が
「ありがとうございます! これでやっと開放されましたぁぁ」
 と言ったら姉貴と呼ばれていた人はこう言った。
「じゃあ別のゲームセンターでまたやろうか!」
「もういやだぁぁぁぁ」
 そしてダイスさんは引きずられながら連れて行かれた。
 早く帰られますように、私はそう願いことしかできない。
 そしてスミカとやることになった。
 プレイした曲は『!!!チルノのパーフェクトさんすうタイム!!!』だった。スミカが選んでいた。
 そしてやっぱり私は失敗したのだが、失敗してもこんなに楽しかったのはスミカと一緒だからかな?
 そう考えながら太鼓の達人を終わらせた。
 その後何軒かお店をまわった。
 そしてみんなを探すことになった。
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