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第8章:夫自慢バトル
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「さて!」
瑞希は腕を組みながら、満面の笑みを浮かべた。
「いよいよ、私たちが最終的に選んだ“最高の相手”について語る時が来たわけよ!」
「……なんか、大げさじゃない?」
「大げさじゃないでしょ!
だって、これまで散々元カレや初恋の話をしてきたけど、最終的に結婚したのは今の夫なわけじゃん?
つまり、私たちが“最強の男”として選び抜いた相手ってことよ!」
「……まぁ、確かにそう言われるとそうかも」
「というわけで、まずは私から語らせていただきます!」
瑞希は自信満々に胸を張ると、大きく頷いた。
「うちの翔太はね、もう本当に最高の夫なのよ!」
「へぇ、具体的に?」
「まずね、優しい!
これは絶対に外せないポイント。
私がちょっとでも体調悪いと、“無理しないで休んで”ってすぐに気遣ってくれるし、落ち込んでる時は気づいてす ぐにフォローしてくれるの」
「おぉ……」
「しかも家事もちゃんとやる!
いや、最初はちょっと怪しかったんだけど、言えばちゃんとやってくれるし、自分から気づいてやることも増えてきた!」
「それは確かにポイント高いね」
「あとね、仕事も真面目!
変な遊びとかもしないし、ちゃんと堅実に働いてるし、貯金もしっかりしてる!」
「……なんか、もう完璧じゃん」
「でしょ!?
もうね、私が“結婚するならこんな人がいい”って思ってた理想を全部クリアしてるのよ!」
瑞希はドヤ顔でカップを持ち上げ、一口飲む。
「はい、どう?
これ、私の勝ちじゃない?」
「……いやいやいや、ちょっと待って」
桜子は苦笑しながら、ゆっくりとカップを置いた。
「私の圭介も負けてないから」
「ほう、聞こうじゃないの」
「まず、うちの圭介はね……
何より頼りになるの」
「ほう?」
「私が困った時には、必ず助けてくれる。
仕事で嫌なことがあった時も、“大丈夫、俺がついてる”って言ってくれるし、何かあったら必ず話を聞いてくれる」
「……うん、それはいいね」
「しかも、料理ができる!」
「えっ、ほんとに!?
料理できる夫ってすごいね!」
「まぁ、最初はまったくできなかったけどね。
でも、結婚してからちゃんと覚えて、今では私より上手い料理もある」
「マジで!?
それはポイント高いわ」
「しかもね、私が疲れてる時は黙って皿洗いをしてくれるし、“お疲れ様”って言いながら肩を揉んでくれるの」
「……ちょっと待って、それ聞いたら翔太が負けた気がしてきた」
「でしょ?」
二人は顔を見合わせて笑った。
「でもさ、こうやって話してみると、どっちもいい旦那じゃない?」
「うん、結局はそれぞれ違う良さがあるんだよね」
「でしょ?
だから、どっちが勝ちとかじゃなくて、どっちも勝ち!」
「……そういうオチにするの?」
「当然でしょ!」
二人はくすくすと笑いながら、カップを掲げた。
しかし、この夫自慢バトル、ここで終わるわけではなかった——。
瑞希は腕を組みながら、満面の笑みを浮かべた。
「いよいよ、私たちが最終的に選んだ“最高の相手”について語る時が来たわけよ!」
「……なんか、大げさじゃない?」
「大げさじゃないでしょ!
だって、これまで散々元カレや初恋の話をしてきたけど、最終的に結婚したのは今の夫なわけじゃん?
つまり、私たちが“最強の男”として選び抜いた相手ってことよ!」
「……まぁ、確かにそう言われるとそうかも」
「というわけで、まずは私から語らせていただきます!」
瑞希は自信満々に胸を張ると、大きく頷いた。
「うちの翔太はね、もう本当に最高の夫なのよ!」
「へぇ、具体的に?」
「まずね、優しい!
これは絶対に外せないポイント。
私がちょっとでも体調悪いと、“無理しないで休んで”ってすぐに気遣ってくれるし、落ち込んでる時は気づいてす ぐにフォローしてくれるの」
「おぉ……」
「しかも家事もちゃんとやる!
いや、最初はちょっと怪しかったんだけど、言えばちゃんとやってくれるし、自分から気づいてやることも増えてきた!」
「それは確かにポイント高いね」
「あとね、仕事も真面目!
変な遊びとかもしないし、ちゃんと堅実に働いてるし、貯金もしっかりしてる!」
「……なんか、もう完璧じゃん」
「でしょ!?
もうね、私が“結婚するならこんな人がいい”って思ってた理想を全部クリアしてるのよ!」
瑞希はドヤ顔でカップを持ち上げ、一口飲む。
「はい、どう?
これ、私の勝ちじゃない?」
「……いやいやいや、ちょっと待って」
桜子は苦笑しながら、ゆっくりとカップを置いた。
「私の圭介も負けてないから」
「ほう、聞こうじゃないの」
「まず、うちの圭介はね……
何より頼りになるの」
「ほう?」
「私が困った時には、必ず助けてくれる。
仕事で嫌なことがあった時も、“大丈夫、俺がついてる”って言ってくれるし、何かあったら必ず話を聞いてくれる」
「……うん、それはいいね」
「しかも、料理ができる!」
「えっ、ほんとに!?
料理できる夫ってすごいね!」
「まぁ、最初はまったくできなかったけどね。
でも、結婚してからちゃんと覚えて、今では私より上手い料理もある」
「マジで!?
それはポイント高いわ」
「しかもね、私が疲れてる時は黙って皿洗いをしてくれるし、“お疲れ様”って言いながら肩を揉んでくれるの」
「……ちょっと待って、それ聞いたら翔太が負けた気がしてきた」
「でしょ?」
二人は顔を見合わせて笑った。
「でもさ、こうやって話してみると、どっちもいい旦那じゃない?」
「うん、結局はそれぞれ違う良さがあるんだよね」
「でしょ?
だから、どっちが勝ちとかじゃなくて、どっちも勝ち!」
「……そういうオチにするの?」
「当然でしょ!」
二人はくすくすと笑いながら、カップを掲げた。
しかし、この夫自慢バトル、ここで終わるわけではなかった——。
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