虚弱体質の俺が全寮制学園に入った結果

めがてん

文字の大きさ
17 / 41

北斗学園の食堂#3

しおりを挟む
「普通はそうかもしれないけど……双子で付き合ってるの、この学校には居るんだよ……」
「え?マジで!?」
「うん。そろそろ来るんじゃないかな。……あ、耳栓持ってるなら、した方がいいよ」
「「?」」

疑問に思いつつも、北峯君に言われたとおりに篠北先生から貰った耳栓をはめた。
するとその直後のことだった。

『――きゃあああああああ!!』

「!?」

耳栓越しにも聞こえる、すごい叫び声が響いた。

「な……、何今の……」
「生徒会が来たんだよ」

生徒会!?
それだけでこんな絶叫起きる!?

驚きながら、食堂の入り口の方へ振り返ると、数人の美形が並んでそこに居た。

『きゃー!会長ー!今日もカッコいいー!』
『副会長!俺を踏んでくれええ!!』
『書記様、可愛いー!』
『会計様、抱いてー!』
『庶務様方、今日も目の保養~!』

な、なんじゃこりゃ……
まるでアイドルへの掛け声みたいなのが、食堂の至る所から発せられている。

「なるほど、だから耳栓ね……」

祥吾が納得したように頷いていた。
これ、確かに耳栓なかったらうるさくて仕方なかったな……
だけどこれいつまで続くの?

「――黙れ」

すると、美形軍団の真ん中に居た一人が静かに言い放った。

――シーン……

嘘だろ!?あれだけうるさかったのに皆一気に黙ったんだけど!?

そして、美形軍団は静かになった食堂の中央を、ウエイターに連れられて突っ切っていった。

「あ、もう耳栓外して大丈夫だよ」
「北峯君……今の何……?」
「食堂のある意味名物。生徒会って最早うちのアイドル的存在だから」

北峯君によると、生徒会メンバーは全校生徒からの推薦投票によって決まるらしい。
あくまで推薦投票であるため、皆、自分の好きな人に投票する。
つまり生徒会メンバーは学校で一番人気のある人たちがなるということであり、必然的に生徒会は学校のアイドル的存在になるということらしい。

「そういう人気の生徒には、親衛隊っていう、ファンクラブみたいなのが必ずあって……今の叫び声はほぼ親衛隊によるものだね」
「ふ、ファンクラブとかあるんだ……本当にアイドルじゃん……」
「だから言ったでしょ、アイドルだって」

まあ確かに生徒会の人たち、ずば抜けて美形だったもんな……

どうやら生徒会は生徒会専用のテーブル席があるらしく、皆そこに座っていた。

(ま、眩しいな、あそこだけ……)

あまりにもそこに座っている人が皆美形なので、そこだけなんだか別空間のように見えた。


「ねえ、どれがどの役職の人なの?」

祥吾が聞くと、北峯君は頷き、教えてくれた。

「さっきの、黙れって言ったのが会長の北條ほうじょう亮介りょうすけ。当然だけど一番人気で、親衛隊の数も一番だよ。それで、その右隣に座ってるのが副会長のみなもと美里みさと。眼鏡かけてる人ね」

会長はキリっとした正統派のイケメンという感じ。
副会長は、カッコいいというよりは美人というのがしっくりくる感じだった。

「で、会長の左隣が書記の吉野よしのまこと。大人しそうな感じの人ね。そのさらに左が、会計の天沢あまさわ悠馬ゆうま。いかにもチャラ男って感じの奴」
「え?あの人って……」

書記は確かに無口で大人しそうだけど、目が大きく可愛い印象を受ける人だった。
それはいいんだけど、問題は会計の方だった。
……どうにも見覚えがある。
この学校に来て最初の登校日に会った、よくわからない発言をして去っていったあのチャラ男じゃないか?

「なあ祥、あの会計ってさ……」
「オレに勇気をくれた人だ!あの人、生徒会だったのか!!」

祥吾がそう言っているということは、やっぱり間違いなさそうだ。
まさかとは思ったけど、チャラ男が生徒会とは……いや別にいいんだけど……


「会計のこと知ってたんだ?あの人はよくわからないけど、たまにお悩み相談室とかやってるの見たことあるな」
「お、お悩み相談室?」
「そこで恋の相談をすると、成功する確率が高いっていう謎のジンクスがあるらしいよ」
「なんだそれ……」

俺が呆れている隣で、祥吾がなぜか目を輝かせていた。

「それで庶務が、会長の正面に座ってる顔そっくりな二人で、名前が日野ひの朝陽あさひ日野ひの夕陽ゆうひ。あれがさっき言ってた付き合ってる双子」
「……本当にあの二人、付き合ってるの……?」
「うん。平気で廊下とかでキスしてるからね、あの二人。で、そのキス写真をSNSにアップしてた」
「嘘!?」

庶務の双子は、鏡写しのようにそっくりだが、やっぱり美形だった。
二人は互いしか見えていないような感じで、スペースは十分にあるのに、二人ピッタリくっついて座り、時折互いにちょっかいを出したり頭を撫で合ったり指を絡め合ったりしていた。

やがて生徒会のいるテーブルに料理が運ばれてきた。
生徒会の双子は、偶然にも俺達と同じオムライスを頼んでいた。
ちょっと場所が遠いが、俺の耳には、二人が話していることが聞こえてきた。

「――朝陽、あーん」
「あーん。はい、夕陽も」
「あーん」

……やってる!食べさせ合ってる!

「「美味しいねー!」」

めっちゃハモってる!

「あ、朝陽、ご飯粒ついてるよ」
「え?どこ?取って~」
「ここ」

ほっぺについたご飯キスして取ってる!

「えへへ、ありがと~夕陽!」
「どういたしまして~」

めっちゃラブラブしてる!

「北峯君……俺達あそこまではしてないぞ!?」
「でも傍から見ると、君たちも彼らと同じようにしか見えないんだよ」
「ええ!!?」

俺達、あんなん!?あんな風に見えてんの!?
茫然とする俺の横で、祥吾がそわそわしながらこちらを見てきた。

「ね、柊……ご飯粒ついちゃった……取って?」
「取らないからな!?」

早速影響されてやがる!

「えー……ケチ」
「ケチじゃない!」

そのあとは、双子庶務に話を聞きたいと近付こうとする祥吾を無理矢理引っ張って教室に戻った。

もう食堂には、どうしても必要なとき以外には来ないようにしよう……


***

しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

この変態、規格外につき。

perari
BL
俺と坂本瑞生は、犬猿の仲だ。 理由は山ほどある。 高校三年間、俺が勝ち取るはずだった“校内一のイケメン”の称号を、あいつがかっさらっていった。 身長も俺より一回り高くて、しかも―― 俺が三年間片想いしていた女子に、坂本が告白しやがったんだ! ……でも、一番許せないのは大学に入ってからのことだ。 ある日、ふとした拍子に気づいてしまった。 坂本瑞生は、俺の“アレ”を使って……あんなことをしていたなんて!

趣味で乳首開発をしたらなぜか同僚(男)が近づいてきました

ねこみ
BL
タイトルそのまんまです。

ビッチです!誤解しないでください!

モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃 「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」 「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」 「大丈夫か?あんな噂気にするな」 「晃ほど清純な男はいないというのに」 「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」 噂じゃなくて事実ですけど!!!?? 俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生…… 魔性の男で申し訳ない笑 めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!

平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜

ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。 王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています! ※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。 ※現在連載中止中で、途中までしかないです。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は未定 ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い ・本格的に嫌われ始めるのは2章から

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

処理中です...