悠久の Madrugada〈マドゥルガダ〉 -蒼い闇- 《本編完結》「後日譚」連載開始しました

桜楽-sakura-

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La Madrugada 12 〔静癒〕# R18

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 肛門アヌスの洗浄が終わったことにほっとして油断ゆだんしたーー弟は、そう思った。

 後宮の姫妃達の様に全身をみがかれる施術せじゅつ……オイルでマッサージされ、身体をほぐされていくのは、動かない身体には確かににありがたかった。

 だが、頭の先から爪先まで、マッサージされていく中でーー直ぐに弟は、位置的に外されているを悟る。おのれがこれから泣かされるだろうということも。弟はそれをどこか、他人事ひとごとのように感じていた。

「あ……」

 身体を表に返されて、首から下をマッサージされ、鎖骨から腋窩えきか、腕を滑り、そして胸へとその手が滑《すべ》る前に、弟は日陰シェイドを呼んだ。

日陰シェイ!……日陰シェイド、お願い、待って!」

 日陰シェイドは聞き入れ、滑らせていた手を止めた。

「知っているでしょう? 僕が兄さまに頼んで……してもらったこと」

 弟は、手を握り両の拳の《こぶし》を合わせて、とん、と日陰シェイドの胸を打った。

「して。上につないで」

 真っ直ぐに日陰シェイドを見上げ、不遜ふそんに命じる主-あるじ-性奴隷愛する弟ーー
 日陰シェイドは頷いて、弟の両手首をいましめ、ヘッドボードからの鎖で頭上につないだ。

「ありがとう、日陰シェイド……んっ…………あ……」
  
 胸をすべる手に簡単に声が上がるーー身体。

「もう知って解っている……から。こらえ性《しょう》ないもの。リシェ身体からだ……」
 “知っているでしょう?” 弟は 日陰シェイドにそう言って苦笑した。

 日陰シェイド貴方あなたわからない筈がないーーと。

「こうして……つながれるのがーー好きなコトイイのも」

 そうしている内に脚を開かれ、膝裏ひざうらから内腿、鼠径そけい部を流されていく。

「は…………ぁ…………」
 会陰えいんを柔らかく丁寧ていねいでられ、肛門アヌスの入り口をそっとなぞられ声が上がる。ーー声は、抑えない。

「はしたなくあしを開いて……恥ずかしいコトをされるのもーー好き」

 ーー兄さまにしてもらうのはもっとスキ。
 ふふっと笑って、そう弟は告白した。

 ひと時日陰シェイドの指が離れた後、肛門アヌスの入り口をなぞる指先から、立ちのぼる香りが代わった。

 軟膏ハーブ香……これは消炎のーー

 「ん…………日陰シェイド肛門アヌス、の中……早…く、って? ーーあん……!」

 つぷ……

 軟膏ハーブまとった指が肛門アヌスに入れらたが、日陰シェイドは根本まで指を入れた後、そのまま動かさない。

日陰シェイッ!…………日陰シェイド!! やだッ……! やだッ…………指、動かして!!」

 きゅ…………ッと、弟は肛門アヌスを引き絞ってしまう。

 弟からは悲鳴が上がっても、日陰シェイドは、反対の手で腰をがっちり押さえつけ、尻を振ることもさせなかった。

「イヤ…………指、動かして…………お尻……振らせて…………何で、ダメなの…………?」

 ひくっ…………弟が泣き出しても、日陰シェイドは指を動かさなかった。

「や……ぁ…………」



「ーー治療だから。もう少しだけ、我慢しなさい。リシェ」

 肛門アヌスが切なくうずくのをこらえられずに泣く弟の耳に、兄の声が届いた。

「兄……さま…………来て、くれたの?」
 弟は、涙で兄の顔がにじんで見えた。

「昨夜、兄さまが無理をいたから」
 兄が弟の髪を撫でながらこたえる。

「違う……リシェが痛くするのをお願いしたから…………」
 弟の眼からポロポロと、新たな涙が流れ出す。

「ごめんなさい、兄さま……」
「分かっているから、もう泣くんじゃない。ーーゆっくりさせておくよう言ったのに、いけないな日陰シェイドは」

 あるじげん日陰シェイドの片眉が上がる。

日陰シェイドは……悪くない……」
 ふるふるっと弟が首を振るのに、兄が微笑する。

「知っている。良い子だな、リシェ。
 ーー代わろう、日陰シェイド。……リシェ、力を抜けるか?」

 弟は、首を振る。
「できな……んっ」
「兄さまの口づけだけ、感じてごらん……」

 ちゅく……ちゅ…………くちゅり…………ぴちゃ…………

「は……」
 弟は、兄の口づけを夢中になって受け、日陰シェイドの指がする、と抜ける。

 日陰シェイドは、直ぐに主の指に軟膏ハーブまとわせた。

「入れるよ、リシェ。だが、しばらくは動かせない」

「はい、兄さま……だから、リシェに口づけ、して……ください。いっぱい……」

「良いだろう。リシェ……口づけもーー兄さまの男根ペニスくわえて、しゃぶる時も……なるべく、いやらしい音を立ててしなさい……その方が感じる」

「はい、兄さま」

 ぴちゃ……くちゅり…………ちゅく…………
 あおるように、あおられるように、婬猥いんわいな音を立てながら、濃厚な口づけが何度も重ねられた。

「あんっ…………」
 する、と兄の指が抜かれると、切なく甘えた声が弟かられた。

「よく我慢したね、リシェ。えらいよ」

「あっ……ん! に…さま……!! ーーんっ」

 兄は、すっかりっている胸のとがりを吸い上げ、舌で弟の首筋をめ上げると、また濃厚な口づけに戻る。

 弟の肛門アヌスから抜かれた指は、当たり前のように日陰シェイドへ差し出されており、日陰シェイドは差し出された指に軟膏ハーブまとわせる。
 そっともう一度弟の肛門アヌスに兄の指がゆっくり挿入そうにゅうされると、今度はその指はそこに留まらず、ゆるく抜き差しされた。

「尻を振ってもいいよ、リシェ」
 兄からの、その卑猥ひわいな許可に、それだけで弟の身体は悦びに震え、弟のまなじりに溜まっていた涙が落ちた。

「あ……や…………ぁ、兄さま……っ!」

「今日は、激しく動かしてあげられない……だが、大丈夫だね。感じているだろう? リシェ」

「ん…………ぃーー気持ち、い……兄さま…………」
 兄が抜き差ししてくれる指に合わせて、弟は、ゆるゆると尻を振り……悦楽を追った。

「イけるか? リシェ」

 優しく問う兄を、涙に濡れる眼で見上げ、弟は聞いた。
リシェ、イっても……いいの?」

 兄は笑んで弟に応えた。
「兄さまは、男根ペニスだけでイくことを許さないと言ったね……だからリシェ、肛門アヌスで気持ち良くなって、イくのは大丈夫だよ」

「兄さま……リシェ肛門アヌスが気持ちイイ……。イっても、いい……?」

「良いよ。肛門アヌスで気持ち良くなって、イきなさい、リシェ」

 兄は、弟の前立腺イイところを探り、柔らかく刺激した。
「あ……リシェ、イく……兄、さま…………!」

 弟は首を仰け、トロっ……トクん……と、激しさなく極めた射精したが、それでも官能を帯びた吐息がらされた。
……ぃ…………」



 §



「大丈夫か? リシェ」
「は……い、兄さま…………」
 どこか夢現ゆめうつつに、弟は応えた。

「兄さまは行くが、日陰シェイドに任せて、今日は休みなさい」

「はい、兄さま」
 切ないが、兄を引き留めてはいけない。今度ははっきりと、弟は応えた。でも、

「兄さま……は? リシェ、できる…よ……」

 兄は弟の頭をで、唇に口づけを与えて言った。
「次にな。リシェが、兄さまを呼びながらイったから、兄さまも気持ちかったーー大丈夫だ、リシェ」

 ちゅ……兄はもう一度、弟の額に唇に口づけした。

「リシェは性奴隷の身体になったねーー兄さまの、可愛い性奴隷リシェ
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