【完結】わたしの欲しい言葉

彩華(あやはな)

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「どう言うことですか?話が違う!!」
「手紙の内容は全てわたしに託されています。あなた方の行為一つで変えて良いとの判断をいただいております」
「行為?何がいけなかったのですか?」

王太子は叫びます。
まあ、そうなりますよね。
原因がわからなければ・・・。

「なぜ、靴の話をしたとお思いですか?あなた方のこの靴を見た瞬間からこの運命は決まったのですよ」

国王陛下夫妻も王太子もわかりませんよね?
でも、同罪なんですよ。

「こんな聖女様を妻にしたことを悔いていただきましょう」

わたしは立ち上がります。
窓辺に行く。

手入れされた庭が見える。
四季咲きのバラが美しく咲き誇っている。
憎いほどに綺麗だ。

「こんな国、滅びればいい」


滅びればいい。
こんな国、なくなってもかまわない。

「エイト、アミー嬢、申し訳ありません」

「カイト、君の言った通りだな」

カイト様は薄く笑いながら頭をさげた。
エイト様は蔑むように彼らを見た。

「いつまでたっても、最低なあなた方にはお似合いではありませんか」
「何をおっしゃているのですか?」
「王太子殿下は、本当に知らないのですね?聖女様の姉は見知らぬ地で置いていかれたのですよ?気づくのに2日。捜査に半日。それが事故扱い?冷遇されて育ったことさえ知らないのでしょう?」

憎い。
憎い。
どうして・・・?

「なぜ?はここにいるのに気づいてくれないの?なぜ喜んでもくれないの?」


なぜ?
わたしはあなたたちの前で生きて現れたのにー。

わたしは自分にかけた魔法をとく。
髪の色が元にもどる。
聖女と同じ色。

なぜ?
髪の色を変えただけなのに・・・。
気づいてくれないの?

わたしは何?


「お前は・・・」

名前を呼んでよ。
生きていて嬉しいと言ってよ。
会いたかったって言ってよ。
抱きしめてよ。

どうして言ってくれないの?
なんで、してくれないの?

「すまない・・・」


あぁ、
・・・求めるのではなかった。

期待、するべきでなかった。

わたしの家族は彼らだけなのだ。



わたしの役目は終わった。


「カイト、残念だったな」
「いえ、エイト、アミー嬢。分かりきっていた事です」

「皇帝陛下もセシル様も、わたしが嫌なものは潰して良いとおっしゃってくださいました。わたしは本当の両親が嫌いです。聖女が嫌いです。聖女を崇めるこの国が嫌いです」
「そんな不合理な・・・」
「そうね・・・。だから攻めるのは勘弁してあげる。代わりに協定解除をします。今後、帝国の保護下から外れます」

もう一通の手紙を差し出す。

「お待ちください。なぜ、身内の事を国を巻き込むのです」

国王が必死です。
それはそうですね。

帝国の庇護を外れると、信用もガタ落ちですし、ほかの国からも狙われますもの。



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