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22.ミシェル視点
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私は内心ウキウキしながらアリスを伴って学園の廊下を歩いていた。
今までは大人しくしていたが、今日からは反撃を始めるつもりでいる。
用意を始めてから三日で準備が完了できるのだから、一流の職人が揃っていると言える。セルジオ兄様には感謝の意を伝えなければならない。
無理を言っても快く引き受けてくれた職人たちにも感謝だ。謝礼は弾む予定だ。
ただ、思っていたより費用が嵩んでいっているため懐が寒くなっているがいかしかたあるまい。
全てセイラの為なのだから後悔はない。
そして、その時は訪れた。
いつもの取り巻きがやってきたのだ。五人ほどが集まり私を蔑むような目で見てくる。
団体様でしか活動できない小心者の集まりか?
この顔が怒りや困惑で歪むのかと思えばワクワクしかないのだが。
「いい加減にしてくれませんか?いくら女性とはいえ、やっていいことと悪いことがあるでしょう?」
たしか、オールド国のアリゼード・ベイス伯爵令息だったか?
「やっていい事と悪い事?あなた方がそれをいいますの?」
睨まれても怖くない。
私は何もしていないもの、今は・・・。
私は一笑した。
「丁度良かったですわ。あなた方の大事なレイチェル様に合わせていただけますかしら?」
「なっ!またレイチェルをいじめる気か?」
「またとは失礼ね?あなた方は私がそのレイチェル様を虐めたのを直接見た事あるのかしら?」
「・・・それは?」
ないでしょうねぇ・・・。
でもそんな事関係ないわ。
「以前、ペンを私が盗ったと聞きましたわ。どのペンなのか確認してしていただきたいのですわ」
にっこりと最上級で微笑んでみた。
私は持っていた鞄からペンを5本だした。
「あなたがたに本物かわかりますの?本人に確認していただかないといけませんわよね?」
彼らはぐうの音もでないらしい。
「あと、その正式な証人として、シェリナ様にも立ち会っていただきましょう」
「なっ?」
「当たり前ですわ。私より高位な身分となれば、皇族たるシェリナ様だけですわ。心配なら、他にも王族の方はいらっしゃいますから、ぜひおよびしましょう」
そう言えば彼らはしぶしぶと返事で了承した。
それを確認してアリスに伝言を託して呼びに行ってもらった。
自分らとお近づきになれ、私を孤立できるとでも思ったのかもしれない。
軽い足取りでやってきたシェリナ様が言ってくる。
「面白いことをするようね。他にも観客を連れてきたわ」
「申し訳ありません。わざわざご足労を願いました」
「いいのよ。そちらの女王に会いに行くのも悪くないわ」
嫌味たっぷりだわ。
シェリナ様の後ろにはアフタル殿下、そして、つい先日留学してきたサージャス国王太子のロディク殿下がいた。
彼はにこにこと私を見ていた。
やりにくい・・・。
それは私たちはレイチェルのいる教室に向かった。
男たちをはべらかして談笑していたレイチェルは私ーいや、私の後ろにいたアフタル殿下とロディク殿下をみて黄色い声を上げたのだった。
そして、その中で約二名、顔色を悪くした者もいた。ファルスとカルロ。
私はその二人を見てつい口意地悪くも口角が上がってしまったのだった。
今までは大人しくしていたが、今日からは反撃を始めるつもりでいる。
用意を始めてから三日で準備が完了できるのだから、一流の職人が揃っていると言える。セルジオ兄様には感謝の意を伝えなければならない。
無理を言っても快く引き受けてくれた職人たちにも感謝だ。謝礼は弾む予定だ。
ただ、思っていたより費用が嵩んでいっているため懐が寒くなっているがいかしかたあるまい。
全てセイラの為なのだから後悔はない。
そして、その時は訪れた。
いつもの取り巻きがやってきたのだ。五人ほどが集まり私を蔑むような目で見てくる。
団体様でしか活動できない小心者の集まりか?
この顔が怒りや困惑で歪むのかと思えばワクワクしかないのだが。
「いい加減にしてくれませんか?いくら女性とはいえ、やっていいことと悪いことがあるでしょう?」
たしか、オールド国のアリゼード・ベイス伯爵令息だったか?
「やっていい事と悪い事?あなた方がそれをいいますの?」
睨まれても怖くない。
私は何もしていないもの、今は・・・。
私は一笑した。
「丁度良かったですわ。あなた方の大事なレイチェル様に合わせていただけますかしら?」
「なっ!またレイチェルをいじめる気か?」
「またとは失礼ね?あなた方は私がそのレイチェル様を虐めたのを直接見た事あるのかしら?」
「・・・それは?」
ないでしょうねぇ・・・。
でもそんな事関係ないわ。
「以前、ペンを私が盗ったと聞きましたわ。どのペンなのか確認してしていただきたいのですわ」
にっこりと最上級で微笑んでみた。
私は持っていた鞄からペンを5本だした。
「あなたがたに本物かわかりますの?本人に確認していただかないといけませんわよね?」
彼らはぐうの音もでないらしい。
「あと、その正式な証人として、シェリナ様にも立ち会っていただきましょう」
「なっ?」
「当たり前ですわ。私より高位な身分となれば、皇族たるシェリナ様だけですわ。心配なら、他にも王族の方はいらっしゃいますから、ぜひおよびしましょう」
そう言えば彼らはしぶしぶと返事で了承した。
それを確認してアリスに伝言を託して呼びに行ってもらった。
自分らとお近づきになれ、私を孤立できるとでも思ったのかもしれない。
軽い足取りでやってきたシェリナ様が言ってくる。
「面白いことをするようね。他にも観客を連れてきたわ」
「申し訳ありません。わざわざご足労を願いました」
「いいのよ。そちらの女王に会いに行くのも悪くないわ」
嫌味たっぷりだわ。
シェリナ様の後ろにはアフタル殿下、そして、つい先日留学してきたサージャス国王太子のロディク殿下がいた。
彼はにこにこと私を見ていた。
やりにくい・・・。
それは私たちはレイチェルのいる教室に向かった。
男たちをはべらかして談笑していたレイチェルは私ーいや、私の後ろにいたアフタル殿下とロディク殿下をみて黄色い声を上げたのだった。
そして、その中で約二名、顔色を悪くした者もいた。ファルスとカルロ。
私はその二人を見てつい口意地悪くも口角が上がってしまったのだった。
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