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本編
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そして裁判の当日。私は王宮に来ておりました。王宮と言っても、王宮の中にある審判の部屋にいますの。目の前にはマデリン様とジョセフ様がすわっている。ふたりの顔はとても余裕そうだ。その余裕顔すぐに崩して見せよう。
「これより審判を開始する。」
陛下が言って、審判が始まった。
「それでは最初にマデリン嬢とジョセフ殿の言い分を聞かせて頂こうか。」
「はっ。陛下、このクソ女は私の大切な存在マデリンを虐めたのであります。」
「ほう、そうか。では、具体的にどんなことをしたのだ?」
その質問には、マデリン様が目に涙を溜めながら、答えた。
「ミ・・・ミリアリア様はいつも私のものを隠したり壊したりしてきていて、・・・っ」
そしてボロボロと涙を流し出した。するとそんなマデリン様にジョセフ様は駆け寄って抱きしめる。
「やはり貴様か!!やはりお前は最悪だな」
ちょっと待て。そんなことしておりませんわ!そんなしょうもないこと、誰がするのでしょう?全くこれだから馬鹿は嫌いなのですわ。
「して、その行為をミリアリア嬢がしたという証拠はあるのか?」
陛下はあくまで優しく、マデリン様に問いかけた。
「な・・・ないです。ですが、本当に彼女にされたのです・・・!」
するとジョセフ様もマデリン様を援護するように言う。
「陛下、いじめを受けた張本人が言っているのです。間違ってはいないでしょう。」
陛下は一瞬顔を歪めたが、またすぐに優しい顔をされて、言ったのだ。
「そうであったか、大変であったのだな。」
「はい。もう心が張り裂けそうでした。」
マデリン様は顔を一瞬だけ、陛下が自分の味方となったと勘違いしたのかいやらしい笑みを浮かべた。でもすぐに、その顔を庇護欲のそそるような泣き顔にかえて、自分が可哀想アピールを続けている。
・・・はぁ、馬鹿ですわ。本物の馬鹿ですわ。こんな方々と話している時間が勿体ないわ。こんな茶番早く終わらせてしまいましょう。
さぁ陛下、存分に暴れてくださいませ。
ー後書きー
読んでいただきありがとうございます!
この小説ですが、なんと順位が27位になっていました!本当にびっくりです。
お気に入り登録をしてくれた方及びこの小説を読んでくださった皆様に感謝でいっぱいです。
本当にありがとうございます
「これより審判を開始する。」
陛下が言って、審判が始まった。
「それでは最初にマデリン嬢とジョセフ殿の言い分を聞かせて頂こうか。」
「はっ。陛下、このクソ女は私の大切な存在マデリンを虐めたのであります。」
「ほう、そうか。では、具体的にどんなことをしたのだ?」
その質問には、マデリン様が目に涙を溜めながら、答えた。
「ミ・・・ミリアリア様はいつも私のものを隠したり壊したりしてきていて、・・・っ」
そしてボロボロと涙を流し出した。するとそんなマデリン様にジョセフ様は駆け寄って抱きしめる。
「やはり貴様か!!やはりお前は最悪だな」
ちょっと待て。そんなことしておりませんわ!そんなしょうもないこと、誰がするのでしょう?全くこれだから馬鹿は嫌いなのですわ。
「して、その行為をミリアリア嬢がしたという証拠はあるのか?」
陛下はあくまで優しく、マデリン様に問いかけた。
「な・・・ないです。ですが、本当に彼女にされたのです・・・!」
するとジョセフ様もマデリン様を援護するように言う。
「陛下、いじめを受けた張本人が言っているのです。間違ってはいないでしょう。」
陛下は一瞬顔を歪めたが、またすぐに優しい顔をされて、言ったのだ。
「そうであったか、大変であったのだな。」
「はい。もう心が張り裂けそうでした。」
マデリン様は顔を一瞬だけ、陛下が自分の味方となったと勘違いしたのかいやらしい笑みを浮かべた。でもすぐに、その顔を庇護欲のそそるような泣き顔にかえて、自分が可哀想アピールを続けている。
・・・はぁ、馬鹿ですわ。本物の馬鹿ですわ。こんな方々と話している時間が勿体ないわ。こんな茶番早く終わらせてしまいましょう。
さぁ陛下、存分に暴れてくださいませ。
ー後書きー
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