上 下
139 / 209
第22章 お昼ごはんと、なんでもできる?美女たち

137 食べるよりも楽しい

しおりを挟む
 オルアと冬香が帰ってきた。

アリム
おそかったね、ふたりとも。
 お皿に、3切れずつせてあるよ。
 まだ、ほんの少しあたたかいから、早く食べてね。

 はい、ソース、青のり、かつおの粉。

 お好みのりょう遠慮えんりょせずに使ってね。」

冬香、オルア
「「ありがとう。」」

真々美
「おかえり、冬香、オルア。
 なかなか美味うまいぞ。」

冬香、オルア
「「そう、楽しみね。 いただきます。」」

 メラニィさんの番だった。

メラニィ
「アリム様、こんな感じですか?」

 メラニィは、両手に持ったヘラを、片面が焼けたお好み焼の下にすべませた。

アリム
「うん、いいポジションだよ。
 あとは、こわがらずに思い切って、ひっくり返すだけだよ。」

メラニィ
「失敗しそうで、緊張きんちょうする。
 アリム様、掛け声をいただけますか?」

アリム
「じゃあ、
  3、2、1 はい!
 という掛け声で、ひっくり返すのは、どうかな?」

メラニィ
了解りょうかい。」

アリム
「3、2、1 はい!」

 メラニィさんは、上手にひっくりかえした。

メラニィ
「アリム様、成功だよな。」

アリム
「ええ、お見事です。
 メラニィさん。」

メラニィ
「やったぜ。 アリム様のおかげだよ。」

 メラニィさんは、普段の姿からは想像できないくらい、キャキャして楽しそうだ。

冬香 (小声)
「ね、オルア、早めに戻って、良かったでしょ!」

オルア(小声)
「本当に、ね。 こんな楽しいイベントだとは思わなかったわ。」

 オルアの目に闘志とうし宿やどっていた。

セーラ
「あの、冬香様、オルア様、次は、おふたりが先に順番に入ってください。」

冬香
「えっ、いいの?」

オルア
「セーラさん、ありがとう。」

セーラ
「いえいえ、絵美様からもOKもらっていますから安心してください。」

絵美
「そうよ、”アリムさんと作る”お好み焼をたのしみましょうね。」

冬香、オルア
「「はい、絵美様。」」

 なんでも、できるはずのオルアがお好み焼きを上手くひっくり返せなかった。

オルア
「きゃ、失敗しちゃった。
 アリム~、どうしよう。」

アリム
「大丈夫、やり直せばいいよ。
 もう一度、挑戦しようよ。」

オルア
「ねえ、アリム、いっしょにヘラを握ってくれる?」

アリム
「うん、これでいいかな?」

 ボクは、オルアの手の上に自分の手を重ねて、オルアの手ごとヘラを握った。

オルア
「アリムの合図で、ひっくり返すわ。」

アリム
「じゃあ、いくよ。
 3、2、1、はい!」

オルア
「やった、上手くできたわ。」

 オルアはボクに抱きついてきた。

アリム
「上手だよ。 オルア。」

 次は、冬香の番だ。

冬香
「アリム~、ヘラがお好み焼の裏に入らないわ。」

 ヘラをあげたら、鉄板にお好み焼の大部分が残っていた。

アリム
「ああ、見えないから、どれくらい焼けたか分かりにくいね。
 こうやって、少しだけめくって確かめる方法がおすすめだよ。」

冬香
「まあ、いい方法ね。
 アリム、上手ね。」

アリム
「ありがとう、いろいろと失敗したからね。」

冬香
「失敗は成功のもとって、ことわざは、真実だったのね。」

アリム
「そうだね。 冬香は励まし上手だね。」

 ボクが優しく微笑んだら、冬香も微笑み返してくれた。

 とまあ、こんな感じで、
 ボクは、お好み焼を食べることよりも
作ることの方が楽しいんだと思えたのだった。

 8人全員が、3枚目のお好み焼を焼くころには、7人ともボクよりも上手だった。

真々美
あおあいよりでてあいよりあおし。
 ということわざは、こういうときに使うのだろうな。」

アリム
「お見事です。 あなたたちに教えることはもうなにもありません。」

オルア
「アリム、有名なマンガのセリフだよね。
 言ってみたかったんでしょ!」

アリム
「その通りだよ。」


【読者様へ】

 あなたの10秒で、この作品にパワーをください。
「お気に入りに追加」 【 ↓ 】 お願いします。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?

おもち
恋愛
アプリで知り合った女の子。初対面の彼女は予想より断然可愛かった。事前に取り決めていたとおり、2人は恋愛NGの都合の良い関係(セフレ)になる。何回か関係を続け、ある日、彼女の家まで送ると……、その家は、見覚えのある家だった。 『え、ここ、幼馴染の家なんだけど……?』 ※他サイトでも投稿しています。2サイト計60万PV作品です。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

エロゲーの悪役に転生した俺、なぜか正ヒロインに溺愛されてしまった件。そのヒロインがヤンデレストーカー化したんだが⁉

菊池 快晴
ファンタジー
入学式当日、学園の表札を見た瞬間、前世の記憶を取り戻した藤堂充《とうどうみつる》。 自分が好きだったゲームの中に転生していたことに気づくが、それも自身は超がつくほどの悪役だった。 さらに主人公とヒロインが初めて出会うイベントも無自覚に壊してしまう。 その後、破滅を回避しようと奮闘するが、その結果、ヒロインから溺愛されてしまうことに。 更にはモブ、先生、妹、校長先生!? ヤンデレ正ヒロインストーカー、不良ヤンキーギャル、限界女子オタク、個性あるキャラクターが登場。 これは悪役としてゲーム世界に転生した俺が、前世の知識と経験を生かして破滅の運命を回避し、幸せな青春を送る為に奮闘する物語である。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。 そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは? そこで彼は思った――もっと欲しい! 欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―― ※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~

ぐうのすけ
ファンタジー
高校生で18才の【黒野 速人】はクラス転移で異世界に召喚される。 城に召喚され、ステータス確認で他の者はレア固有スキルを持つ中、速人の固有スキルは呪い扱いされ城を追い出された。 速人は気づく。 この世界、俺がやっていたエロゲ、プリンセストラップダンジョン学園・NTRと同じ世界だ! この世界の攻略法を俺は知っている! そして自分のステータスを見て気づく。 そうか、俺の固有スキルは大器晩成型の強スキルだ! こうして速人は徐々に頭角を現し、ハーレムと大きな地位を築いていく。 一方速人を追放したクラスメートの勇者源氏朝陽はゲームの仕様を知らず、徐々に成長が止まり、落ちぶれていく。 そしてクラス1の美人【姫野 姫】にも逃げられ更に追い込まれる。 順調に強くなっていく中速人は気づく。 俺達が転移した事でゲームの歴史が変わっていく。 更にゲームオーバーを回避するためにヒロインを助けた事でヒロインの好感度が限界突破していく。 強くなり、ヒロインを救いつつ成り上がっていくお話。 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』 カクヨムとアルファポリス同時掲載。

処理中です...