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第16章 主人公をロックオンした美女たち

092 【挿絵】 絵美様の決意

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 17日目 PM  18:00 夕方
《2日に一度の会議: 偶数日の予定、本日は無し。

 一番権利者: 真々美。》





 絵美様たちが、お帰りになりました。
 アリムは、少し身構えた。

アリム
「みんな、お帰りなさい。」

絵美
「ただいま、アリムさん。」

 絵美は、輝く笑顔で返事した。
 呼び捨てで呼び合うはずなのに、アリムさんと「さん付け」で呼ばれたことに、アリムは違和感を覚えた。

アリム
「お帰りなさい。絵美様。」

絵美
「アリムさん、絵美さんと呼んでね。
 やり直してね。」

 圧を感じる笑顔だった。

アリム
「絵美さん、お帰りなさい。」

絵美
「ただいま、アリムさん。」

真々美
「アリム、夕食のことだがな。」

アリム
「冷蔵庫に材料が無いから、買出しに連れて行って欲しいんだけれど。」

真々美
「ああ、明日の予定に入れよう。
 今日は、お惣菜そうざいをいろいろと買ってきたから、大丈夫だ。」

オルア
「アリムは目覚めたばかりだから、無理しないでね。」

 真々美とオルアは、買ってきたものを見せてくれた。

オルア
「アリムの気持ちは伝えたんだけれどね。」

絵美
「直接、アリムさんの気持ちを聞きたいと思うのよね。」

真々美
「では、席順を決めようか?」

 真々美に指示された席順に座った。

   真々美 絵美
[   テーブル   ]
 冬香 アリム オルア

のように座った。

アリム
「冬香? 深刻そうな顔をしているね。
 いや、それとも、体調が悪いの?」

 冬香はビクッと身震みぶるいした。

冬香
「い、いいえ。」

絵美
「アリムさん、冬香さんは精神的に悩んでいるのよ。
 冬香さんを元気にしたいと思うのなら、わたしとアリムさんの会話が実りあるものになるように、協力してね。」

アリム
「はい、絵美様。」

絵美
「絵美さんね、アリムさん、言い直して!」

アリム
「はい、絵美さん。」

絵美
「よろしい。
 真々美、司会進行は任せるわ。」

真々美
「分かった。 夕食の19時には終わりたいと思う。
 みんな、よろしく頼む。」

絵美、アリム、オルア
「「「はい。」」」

冬香
「・・・」

 冬香は黙ったままだった。

アリム
「大丈夫? 冬香?」

絵美
「アリムさん?
 乙女のこころに踏み込みすぎないようにね。
 冬香さんのことを気遣ってくれることは、とてもうれしいわ。
 でもね、冬香さんがこころの整理を付けるまで、もう少し時間が掛かるの。
 静かに見守って待っていてあげてね。」

アリム
「絵美さん、分かりました。
 冬香? 落ち着いたら、声を掛けてね。」

 冬香は黙って首を縦に振った。
 YESの意味だ。

真々美
「では、始めるぞ。
 アリム、この席の配置の意味はな、アリムの安全のためだ。

 アリムが絵美の逆鱗げきりんに触れて怒らせたとき、わたしとオルアが絵美を抑えつける。
 ただ、冬香は、いま余裕がないので、同席するだけだ。」

アリム
「冬香の具合はそんなに悪いの?」

 アリムはオロオロし始めて、うろたえた。

真々美
「アリム、心配してくれてありがとう。
 だが、冬香の具合が悪い理由については言えない。
 2~3日くらいは待ってやってくれ。」

アリム
「はい。」

絵美
「真々美?
 そろそろ始めてもいいかな?」

真々美
「ああ、待たせて済まない。」

絵美
「オルアさん、要約をアリムさんに説明してあげてくれる?」

オルア
「はい、絵美。
 って、呼び捨てても良いのかな?」

 絵美は、冬香の方を見ながら答えた。

絵美
「悪いけど、関係を巻き戻して、絵美様って呼んでくれる?
 それで良いわね? 冬香さん。」

冬香
「はい、絵美様。」

絵美
「冬香さんのOKも得たから、オルアさん、よろしくね。」

オルア
「アリム?
 こっちを向いてくれる?」

アリム
「はい、オルア。
 お願いします。」

オルア
「アリムの気持ちを、絵美様に伝えました。
 絵美様とお布団の中で【愛情交換】することは延期して欲しいということで良いわね。」

アリム
「はい、その通りです。」

絵美 こころの声
『ああ、【延期】というのは、オルアさんのオブラートか。
 やわらかく包んでにがくないようにしてくれたようだけれど、アリムさんの本心は【中止】みたいね。
 もしも、直接言われたら、アリムさんを背負い投げして、アリムさんの腹を踏みつけていたかもね。

 オルアさんを経由したアリムさんの判断と
 【延期】と言葉を変えたオルアさんの判断は

  <<< 大正解 >>>

になるわね。』

絵美
「アリムさん、わたしの心の準備は出来ているから、直接話して欲しいわ。
 言葉づかいに無礼ぶれいがあっても、不問ふもんすから安心してね。」

真々美
「アリム、絵美が言うと、角が立って悪い印象を与えてしまうから、わたしが代わりに言うぞ。
 絵美と直接、口をきいて話しても良い男性は非常に限定されている。
 直接話すことを、その、なんだ、遠慮せずに、名誉だと思って絵美の目を見ながら話して欲しい。」

真々美 こころの声
『アリムが、絵美をこわがっているように見えるが、気付かなかった振りをさせてもらおう。』

絵美
「真々美は大げさね。誇張こちょうしすぎよね。

 それはさておき、あいだひとをはさむと
  1.伝言ゲームになったり、
  2.悪意が込められて、意図いとしない結果になること
は経験しているわね。

 オルアさんや真々美と冬香さんの場合は心配いらないけれど、多くの人の場合は危険だわ。
 だから、今の私のことを多少怖いと感じても、怖い人と直接話す訓練をして欲しいと思ったことは確かね。

 わたしは精神せいしん修養しゅうようが十分ではないから、強い圧をアリムさんに掛け続けると思うけれど、それに耐えきって、アリムさんの気持ちを聞かせて欲しいわ。

 ここまでは分かりますか?」

アリム
「はい、分かります。」

 アリムはこころを強くして答えた。

絵美
「では、わたしといっしょにお布団に入ることを延期えんきしたいって、どういうことかな?」

 絵美は、ひきつった笑顔で、強い圧【怒気当て】をアリムに放った。

 アリムは頭が真っ白になってしまった。
 それに気付いたオルアが手を握ってくれた。

 アリムがオルアの方を向くと温かい視線をくれた。

オルア こころの声
『大丈夫よ。 わたしが、ついているわ。』

アリム こころの声
『オルア ありがとう。
 こころの中でトゥートを唱えて、精神力を高めて対抗しなくては。

 そう言えば、
  最悪の精神状態でもコールできる第1呪文は、トゥートにしなさい。
 と、ナームがきびしく決めてくれたことを思い出すな。』

アリム
「絵美様、お答えします。

 絵美様は、シクペリア《※》で一番に素敵な女性だと理解しています。」

作者の注釈
「シクペリアは、大宇宙の一番外側という広大な領域です。
 カセイダード王国を含むオリガスト星系のひとたちは、シクペリアと呼んでいます。」


アリム
「ですが、絵美様と私の間には、仲良しのレベルが上がるためのイベントが1つも発生していません。」

絵美
「確かにその通りね。」

アリム
「わたしが絵美様のことで知っていることは、高い地位と美しい容姿、優れた能力をお持ちということだけです。

 言い換えれば、わたしのことを何も知らない御方です。」

絵美
「そんなことはないわ。
 真々美と冬香さん、オルアさんから聞いているから知っているわ。」

アリム
「それは、光栄です。
 しかし、私の方から見れば、

   とても美しい女性があらわれた。

 ただ、それだけです。

 絵美様の人格力の素晴らしさを体験していません。
 絵美様の世界において、わたしの相対的な価値がどの程度かも知りません。

 ということは、現時点においては無関係の他人です。

 美しい女性だからと【愛情交換欲求】をぶつけることは失礼だと考えています。

 美味しそうな超高級ケーキがあるから食べようかな?
という気軽な気持ちで【愛情交換】はできません。」

絵美
「それは、納得するけれど、
  ぜんわぬは男のはじ
とも言うわよね。」

アリム
「反対の例としては、
  「したいだけなら美人として!」
とも言いますね。」

絵美
「なによ、それ?
 男性だったら、本能ほんのう忠実ちゅうじつになっても良いのではなくて?」

アリム
「男性は美しい容姿の女性を見たら、すぐにそういう気持ちになると言われていますね。
 でも、わたしは、相手の人格を見極めてからでないと、そういう気持ちになれません。

 オルア、真々美、冬香とは十分な時間を掛けて、仲良くなるためのイベントや出来事が運良くあったから、【愛情交換】する段階まで来たのです。

 ですから、絵美様、お願いします。

 もしも、わたしのことを良いと評価してくださるのであれば、
  【はじめの一歩】
という子どもの遊びのように、気付かないうちに少しずつ二人のこころの距離きょりちぢまるように日数を掛けて頂けませんか?」

絵美
「うーん、そうしても良いけれど、すぐに落ちない所が気に入らないわね。
 いっそのこと、指折りの美女の技とか攻撃こうげき魅了みりょうを使おうかなあ。」

アリム
「かえって長引くので、止めて欲しいです。」

絵美
「そんなことはないわ。」

アリム
「わたしは、オルア、真々美、冬香とナイトバインド《ナイト契約》しました。
 だから、白沢絵美様でも、ナームでも、短期攻略は無理なはずです。」

絵美
「ナームさんからは防御策ぼうぎょさくを習っているのかな?」

アリム
「ええ、習いました。
 ナームとは、まだ話をされていませんよね。」

絵美
「まだよ。
 カセイダード大学の卒業式の日に遠くから見ただけ。」

アリム
「じゃあ、未来の話はやめておきますね。」

絵美
「ナームさんのことを1つだけ聞いても良いかな?」

アリム
「問題ない範囲でしたら、お答えいたします。」

絵美
「ナームさんは、わたしのことをどう思っているのかな?」

アリム
「かなり未来の話ですから、聞かなくても良いのではないですか?」

絵美
「知りたいわ。
 もしかして、わたしと再会しても、わたしとは仲良くするなとか、わたしのことを悪く言っていたのかな?」

アリム
「とんでもありません。
 ナームは、こう言ってました。」

ナーム 《アリムの回想《かいそう》》
「白沢絵美様にだけは、かなわない。
 わたしが唯一ゆいいつ尊敬そんけいする女性だわ。
 わたしとサークの仲を認めてくれただけでなく、わたしが不安にならないように非常に配慮はいりょしてくれた。

 あの方の素晴すばらしさが分からなかったアリムには、
    「あほ ボケ カス 間抜け 駄目ダメ」
と1時間くらい言い続けても足りないわ。

 わたしが白沢絵美様に勝ったと思うためには、アリムを素敵すてきな男性にみちびくしかないわ。

 あなたに時間をいて色々ときたえる理由は3つだけ。
 1つ目、サークに頼まれたから。
 2つ目、白沢絵美様への恩返おんがえし。
 3つ目、白沢絵美様をえたいから。」

アリム
「というくらいでしたから、いま、ボクが白沢絵美様に【愛情交換】しようとさそわれたと知ったら、ガッツポーズでよろこぶでしょうね。」

絵美
「へー、そうなんだ。」

オルア こころの声
『また、ナームさんかあ?
 出会うことが有れば、勝負しなきゃいけないわね。』

絵美
「じゃあ、わたしに足りないことはアリムと過ごす日数だけかな?」

アリム
「日数だけでなく、理由が必要ですね。」

絵美
「どんな理由が必要なのですか?」

アリム
「1.前世のボク、つまり、りゅうゴット利益りえきになること。
 2.白沢絵美様に利益があること。
 3.オルア、真々美、冬香が納得なっとくできる必要性があること。

になると思います。」

絵美
「1.と2.はクリアしているわ。
 問題は3.よね。」

冬香 こころの声
『アリム、本当にうれしいわ。
 【愛情交換欲求】を満たしたいだけの男性や、
 たねをまき散らしたいだけの男性と大きく違うわね。』

絵美
「3.の必要性については考えるわ。

 もしかしてだけど、わたしはアリムさんの好みのタイプと違うのかもしれないわね。

 いいわ。 わかったわ。

 アリムさん、
 わたしが、チータマルム星に滞在たいざいできる間に、少し余裕よゆうをもって10月31日までに・・・

 わたしのことを、好きになってもらうわ。」




アリム
「すでに、絵美様のことは好きですよ?
 りゅうゴットとして、絵美様のことを好きだったという記憶きおくりますから。」

絵美
「えっ? そうなの?」

真々美
「アリム、よく分からないのだが、絵美との【愛情交換】を延期えんきしたい理由は、本当のところ、なんなんだ?」

アリム
「わたしは今とてもしあわせです。
 オルア、真々美、冬香の3人とナイトバインドして満たされています。
 これ以上を望む理由は無いです。

 あとは、ナームの訓練で、正性知識1800をコールする訓練くんれんきびしかったので、その成果でしょうね。

 つまり、美しい女性に出会っても、短い時間で【愛情交換】を始めるようなことは考えられなくなりました。

 多くの男性と比べると身持ちがかたい方だと思います。」

絵美、真々美、冬香、オルア こころの声
『いやいや、去勢きょせいされているのか?
 というくらいかたすぎるぞ!』

真々美
「分かった。 アリム。
 提案ていあんだが、明日、絵美と2人で食材などの買出しに行ってくれ。
 そうすれば、絵美とのしたしさも深まるだろう。

 絵美、変装へんそうしても、絵美の輝く魅力みりょくかくしきれないから、普段通りの服装ふくそうでアリムの買い物に付き合ってくれ。」

絵美
「良い案ね。
 アリム?
 わたしと二人きりでも大丈夫かな?

 それとも、どきどきして何も話せなくなっちゃうかな?」

アリム
「お返事の前に、すこし時間を頂けますか?」

絵美
「いいわ。 よく考えてね。」

アリム
「オルア、真々美、冬香?
 確認したいのだけれど、
 絵美様と2人でお出かけしてもかまいませんか?」

オルア
「うーん、腕組うでくんで歩くまでは大丈夫ね。
 でも、どんなに進んでもハグまでね。
 キスとか、【愛情交換】は駄目だめだからね。」

真々美
「そんなところだな。
 冬香は?」

冬香
「赤い光を出すことも禁止して欲しいわ。」

絵美
「もしかして、サトスの光?」

オルア、真々美、冬香
「「「そうです。」」」

☆ 039 目に見えない赤い糸の真実 参照

絵美
「もしかして、3人とも、サトスの光が出るくらいの仲なの?」

オルア、真々美、冬香
「「「そうです。」」」

絵美
「すごいわ。

 大事なことだから、もう一度言うわね。

 アリム!
 わたしのことを好きになってもらうわ。」

絵美 こころの声
『わたしの方が立場的に優位ゆういだと思っていたけれど、
 頭を下げてでも、仲良くなってもらうだけの価値がアリムさんにはあるわね。』

アリム
「もっと好きになるように、ってことですか?」

絵美
「本当の意味で好きになってもらうわ。」







 オルアは、気疲きづかれしたアリムを連れて、個室で休んでいる。

 リビングには、絵美、真々美、冬香の3人がのこっている。

絵美
「という訳で、明日の会議は欠席させていただきます。

 今日1日で、アリムさんが皿洗いを全部済ませてくれたみたいね。
 それでも、洗濯物はまだまだ残っているし、片付けとゴミ出しも残っているわ。
 アリムさんといっしょに家事をして、アリムさんと仲良くするための時間カウントを増やしたいのよ。

 いいわよね。」

真々美
「ああ、わたしは良いと思う。
 冬香は?」

冬香
「絵美様、くどいかもしれませんが、アリムとの【愛情交換】は待っていただけますか?
 私の こころの準備 が出来ませんから。」

絵美
「大丈夫よ。
 前にも言った通り、冬香さんにきらわれてまで、アリムさんを欲しいとは思わないわ。

 ねえ、冬香さん。
 その泣きそうな顔を見ていると、なぐさめてあげたくなるわ。

 抱きしめても構いませんか?」

冬香
「どうぞ。」

 冬香は、なく答えた。

 絵美は冬香をやさしく抱きしめた。

絵美
「冬香さん、あなたのこころをみだして、ごめんなさい。
 でも、お願いだから、わたしのことを嫌いにならないでね。」

冬香
「・・・」

真々美
「冬香、無視むししないでくれ!
 絵美にちゃんと返事をしてくれ。」

冬香
「絵美様、余裕よゆうが無くて、申し訳ありません。
 今までは、アリムのことで余裕が無くなるオルアを、少しあきれて見ていました。
 しかし、今は、アリムのことで余裕よゆうが無くなったのです。

 絵美様は私よりも数段上の素敵すてきな女性です。
 しかも、わたしのことを気遣きづか余裕よゆうやさしさをお持ちです。

 でも、わたしは本当に余裕が無くて、さけびだしたい気持ちをおさえることでせいいっぱいなのです。」

絵美
「わかったわ。
 気持ちを言葉にして打ち明けてくれて、本当にありがとう。
 冬香さんのことはアリムさんのことよりも大好きよ。

 そして、わたしには、カセイダード本星で待っているりゅうくんがいるわ。

 その竜くんを攻略するために、生まれ変わりであるアリムさんにいろいろと情報をもらいたいのよ。」

冬香
「頭では分かっているのですが、本能ほんのう邪魔じゃましている感じです。」

 絵美は、冬香とのハグを終わらせて、冬香の両肩りょうかたに手をおいて、冬香の目を見ながら話した。

絵美
「冬香さんの様子から、いかにアリムさんが素敵すてきな男性かということが分かるわね。
 受電台じゅでんだいの予言 【稀有けうなクラスター】 は、正しかったわね。」

作者の注釈
稀有けうは、スーパーレア という感じです。」

☆   015 白沢絵美様は、お見通し 参照のこと


冬香
「そうですね。」

 冬香はうなづいた。YESの意味だ。

冬香 こころの声
『ここまで、アリムのことを好きになるなんて、予想よそうもしなかったわ。
 もしも、この恋がやぶれたら、免疫めんえきができて、男性を好きにならないように強くなってしまうのでしょうね。
 アリムのこころの中にわたしの場所が残りますように! といのりましょう。』





絵美
「真々美、冬香さん、1つだけ確認しておいて欲しいことがあります。」

真々美
「なにかな?」

絵美
「シュウピンさんとメラニィさんは十分に仲が良さそうね。」

真々美
「そうだな。」

絵美
「セーラさんは、メラニィさんが仲良くする予定があるか確認して欲しいの。
 メラニィさんが駄目なら、シュウピンさんになるけれど、理想は、メラニィさんがいいわ。

 姉妹関係の儀式ぎしきを教えることはできないけれど、
 シュウピンさんとメラニィさん。
 メラニィさんとセーラさん。
という順位じゅんい付けで仲良くなって欲しいわ。」

真々美
「その方が平和だな。」

絵美
「それに加えて、
 真々美とシュウピンさん。
 冬香さんとメラニィさん。
という組み合わせでも仲良くなって欲しいわ。

 急に言うとびっくりするだろうから、今のうちに言っておくわね。」

真々美、冬香
「「???」」

絵美
「そんなに驚かなくても良いでしょ?
 見ていたら、分かるわよ。」

真々美
「まあ、確かに。」

冬香
「そうね。」

 冬香はようやく冷静さを取り戻しつつあった。

絵美
「もともとチータマルム星の支国しこくは、真々美と冬香が中心となっておさめている国だから、わたしが会議に出る必要は無いからね。

 ただし、セーラさんの居場所については、気に掛ける様にして欲しいわ。

 それと、オルアさんとセーラさんにも同じように仲良くなって欲しいわ。
 冬香さんとオルアさんのような強い結びつきを、メラニィさんとセーラさんにも持って欲しいのよ。」

真々美
「約束はできないが、そうなるように見守ることにする。」

冬香
「メラニィさんは、セーラさんのことを気に掛けているから、そのうちにそうなるだろうけれど、セーラさんはびっくりするかもね。」

冬香 こころの声
『セーラさんが元男性ということは、シュウピンさん、メラニィさん、セーラさんと私だけの秘密だから、言葉にできないわ。

 あ、絵美様にバレてしまったときに、真々美とオルアにも知られてしまったわね。』

☆ 冬香
☆ 「絵美様、気付かれていたのですか?」
☆ 
☆ 絵美
☆ 「気付いていたというか、
☆  冬香さんが私の思う通りの人なら、そうしただろうと思ってかまをかけたのよ。」
☆ 
☆ 076 アリムの記憶、絵美の後悔

絵美 こころの声
『セーラさんは女性らしいけれど、女性が持つ余裕は感じないわね。

 元男性だったころの
  「女性ではないから、女性でありたい。」
 と心掛けているような感じが続いている気がするわ。

 なんでもかんでも、こころの中を読むことはしたくないから、セーラさんが悩んでいることには気付かなかったりをしましょう。

 まあ、冬香さんが見守っているから、そのうち違和感もなくなるでしょう。』

絵美
「冬香さん、オルアさんとアリムさんを呼んできてくれるかな?
 夜ご飯を食べましょう。」

冬香
「はい、絵美様。」

19:00



 絵美様とアリムの仲がこわれなくて、ホッとしました。


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