76 / 209
第12章 ねむり続ける主人公
074 【挿絵】 15日目 シュウピンからの御礼の言葉
しおりを挟む「裏運営……、ムトウさんからのメールで決心がつきました」
『えー、何のー?』
シュウカさんがのんびりと聞いてくるのを、シュウさんが小突く。
『分からないのか』
『分かんない』
画面の向こうで肩をすくめているシュウカさん。かわいい。
「私、やっぱりログインします」
『ああ、そのことねー。あたしも付き合うー。でもさっきより気分は楽になったかもー。だって再ログインしたとしても、3日後には強制ログアウトできるんだもんね』
そう。ログインしたとしても、ログアウトできない状況にはならない。少なくとも、3日後には強制的にログアウトさせられる。
再ログインの権限は前回ログアウトする前にもらったけど、自由にログアウトできる権限が付与されているかどうかは保証されていなかったからちょっと怖かったんだよね。
「とはいえ、色々と考えることがありそうですね」
そもそも、さっきのシュウカさんの話に関連してるけど、このゲームのヘッドギアってまだまだ品薄状態が続いているんじゃなかったっけ?
据え置き型ゲーム機や携帯ゲーム機の新世代バージョンが出ると大概、品薄状態になる。店頭や通販での予約は早々に終了となり、発売日には店頭に長蛇の列ができたりする。
そもそもこのゲーム、元々はそれ以上に、抽選での購入権戦争が激しかったってSNSで確認している。
予約合戦、抽選合戦、店頭当日張り込み合戦に負けてしまった人たちは、購入を諦めるか、テンバイヤーから購入するかの二択になる。
テンバイヤー。転売を目的とする買占め屋さん。どうしても増産を待てず、今遊びたいという人たちは、テンバイヤーから購入することになる。テンバイヤーは、定価の倍以上の値段で商品を売っているから、大きな出費だ。
「テンバイヤーさんから購入した人たちからも、文句が出そうですね……」
これからたくさん遊ぶつもりで定価の倍以上の金額で購入したのに、まさかこんなすぐに、ゲームで遊べなくなるなんて、誰も想像してなかったよね。
しかも自分が飽きて遊ばなくなるのは仕方がないことだけど、言ってみればサービス終了でゲームが強制的に終了してしまったわけだよね。しかも発売してから何年も経ったわけじゃないし、プレイしている人の人口が少ない訳でもない。絶対文句が出る。
「それに少なくとも、あと3日間は自由にログアウトできない状況が続くということになりますし……」
私たちみたいにムトウさんが設定した条件をクリアした人は別だけど、それ以外の人は、3日間はログアウトできない。そうなると、ログインしている人たちの現実に影響が出るよね。
「3日間後にはログアウトできるとしても、それまでに私生活に影響が出てまずい人たちもいるはずです。やっぱりログアウト条件を知っている以上、ほっておけませんし、ログインします」
『えー、何のー?』
シュウカさんがのんびりと聞いてくるのを、シュウさんが小突く。
『分からないのか』
『分かんない』
画面の向こうで肩をすくめているシュウカさん。かわいい。
「私、やっぱりログインします」
『ああ、そのことねー。あたしも付き合うー。でもさっきより気分は楽になったかもー。だって再ログインしたとしても、3日後には強制ログアウトできるんだもんね』
そう。ログインしたとしても、ログアウトできない状況にはならない。少なくとも、3日後には強制的にログアウトさせられる。
再ログインの権限は前回ログアウトする前にもらったけど、自由にログアウトできる権限が付与されているかどうかは保証されていなかったからちょっと怖かったんだよね。
「とはいえ、色々と考えることがありそうですね」
そもそも、さっきのシュウカさんの話に関連してるけど、このゲームのヘッドギアってまだまだ品薄状態が続いているんじゃなかったっけ?
据え置き型ゲーム機や携帯ゲーム機の新世代バージョンが出ると大概、品薄状態になる。店頭や通販での予約は早々に終了となり、発売日には店頭に長蛇の列ができたりする。
そもそもこのゲーム、元々はそれ以上に、抽選での購入権戦争が激しかったってSNSで確認している。
予約合戦、抽選合戦、店頭当日張り込み合戦に負けてしまった人たちは、購入を諦めるか、テンバイヤーから購入するかの二択になる。
テンバイヤー。転売を目的とする買占め屋さん。どうしても増産を待てず、今遊びたいという人たちは、テンバイヤーから購入することになる。テンバイヤーは、定価の倍以上の値段で商品を売っているから、大きな出費だ。
「テンバイヤーさんから購入した人たちからも、文句が出そうですね……」
これからたくさん遊ぶつもりで定価の倍以上の金額で購入したのに、まさかこんなすぐに、ゲームで遊べなくなるなんて、誰も想像してなかったよね。
しかも自分が飽きて遊ばなくなるのは仕方がないことだけど、言ってみればサービス終了でゲームが強制的に終了してしまったわけだよね。しかも発売してから何年も経ったわけじゃないし、プレイしている人の人口が少ない訳でもない。絶対文句が出る。
「それに少なくとも、あと3日間は自由にログアウトできない状況が続くということになりますし……」
私たちみたいにムトウさんが設定した条件をクリアした人は別だけど、それ以外の人は、3日間はログアウトできない。そうなると、ログインしている人たちの現実に影響が出るよね。
「3日間後にはログアウトできるとしても、それまでに私生活に影響が出てまずい人たちもいるはずです。やっぱりログアウト条件を知っている以上、ほっておけませんし、ログインします」
15
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。
果たして、阿宮は見知らぬ世界でどう生きていくのか————。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
1~8巻好評発売中です!
※2022年7月12日に本編は完結しました。
◇ ◇ ◇
ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。
ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。
晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。
しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。
胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。
そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──
ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?
前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる