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第3章 司会のお姉さんの好きな人と思い出
019 5日目 冬香と真々美からオルアへ
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【前書き】
医師(白石冬香)に愛情を注がれた結果、司会(中路真々美)が復活した。
【本文】
真々美と冬香はシャワーを浴びて、何事も無かったように見えるように身支度を整えた。
時刻は、15:50 もうすぐ、オルアとアリムさんが帰ってくる。
司会(中路真々美)
「オルアはどんな反応をするだろうな。」
医師(白石冬香)
「ショックを受けるでしょうが出来る限り柔らかく伝えるしかありませんね。」
司会(中路真々美)
「まず、受伝台の助言からかな?」
医師(白石冬香)
「まだるっこしいので、オルアの立ち位置と姉妹関係の存在についてからですね。」
司会(中路真々美)
「絵美と姉妹関係を結ぶときは、国王様から説明を受けたのだったな。
絵美とは仲良くしていたが、姉妹関係には至っていなかったからな。」
真々美は昔を思い出して遠い目をしている。
医師(白石冬香)
「真々美と姉妹関係を結ぶときは、絵美様から説明を受けましたね。」
冬香は昔を思い出して遠い目をしている。
◇
ドアがノックされた。
オルア=サーパース
「ただいま戻りました。」
オルアは見守りテレビを出して机に置いた。
司会(中路真々美) こころの声
『アリムさんは、となりの待合室にいるのだろう。
心配性だなオルアは。
もうさすがに大丈夫だろうが、アリムさんに万一のことが起こったら嫌なのだろうな。』
司会(中路真々美)
「始めるか? 冬香。」
医師(白石冬香)
「ええ、お願いね。真々美。」
オルア=サーパース
「なにか深刻な話なの?」
司会(中路真々美) こころの声
『オルアの表情から余裕がうかがえる。』
司会(中路真々美)
「その様子だと、アリムさんは心身ともに安定しているようだな。」
オルア=サーパース
「うん、午後は訓練をお休みにして正解だったわ。」
司会(中路真々美)
「少し、いや、かなり深刻な話になる。
もう少し日程に余裕があると思っていたのだが、急いだほうが良い状況だ。
オルアに正式に冬香の直属の部下となってもらいたい。」
オルア=サーパース
「あれ? わたしはそのつもりで働いていたけれど、ちがったの?」
医師(白石冬香)
「正式には未だ補助者の状態で、直属の部下ではないの?」
オルア=サーパース
「どういうこと?」
医師(白石冬香)
「オルアを正式に直属の部下とするためには、あなたと私が姉妹関係を結ぶ必要があるの。」
オルア=サーパース
「わたしは、真々美と冬香のことを本当のお姉ちゃんのように思っているわ。
だから、そんな深刻そうに確かめる必要はないんじゃない。」
司会(中路真々美)
「組織が正常に機能するためには、信頼関係が必要だ。
相手が自分を裏切ったり不利益を与えてこないと信じられる確かな手ごたえが必要となる。」
オルア=サーパース
「どうしたらいいのかな? 最高位の存在に誓えと言うなら誓うわ。
宣誓書を書けというなら書いて署名サインするわ。」
オルア=サーパース こころの声
『なにを心配しているのか? まったく分からない。
ふたりとも、どうしたのかな?』
司会(中路真々美)
「カセイダード王(女性だから女王)は、5人の女性と姉妹関係を結んでいる。
5人の女性とは、白沢絵美様と4人のことだ。
そして、絵美と私も姉妹関係を結んでいる。」
医師(白石冬香)
「そして、真々美と私も姉妹関係を結んでいます。
私とオルアで姉妹関係を結びたいと考えています。」
オルア=サーパース
「話が見えてこないわ。 わたしが嫌がったり、反対すると思っているの?
そんな訳ないじゃない。」
司会(中路真々美)
「姉妹関係とは低俗な言い方をすれば、女性同士の愛情交換をすることだ。
お互いの恥ずかしい姿を見せあうことで、お互いを深く知って安心するのだ。」
オルア=サーパース
「えっ? それは、冬香が相手なら嫌ではないけれど、こころの準備が必要だわ。」
医師(白石冬香)
「オルアには心の準備をする時間をあげたかったのだけれど、それができない可能性が高いの。」
冬香はオルアが動揺を隠しきれないように見えた。
医師(白石冬香)
「オルア、よく聞いて、これはあなたのためなの。
もし、オルアが断ったら、わたしは他のひとと姉妹関係を結ぶことになってしまう。
そうなったとき、いままでのようにあなたをそばに置くことは出来なくなってしまう。
それは、あなたのことを守れなくなることを意味するの。」
オルア=サーパース
「なぜ、わたしのためなんて言い方をするの?
冬香と私が姉妹関係を結ぶことが、なぜ私のためになると決めつけるの?
真々美と冬香のことは非常に親しい存在だと思っているけれど、これって、セクハラよね。
仕事のためだから、あなたのためだからと愛情交換をせまるのは、セクハラでしかない。
真々美もなんとか言ってよ。
私が移民審査船に乗り込むことになった理由は、クラスター候補者とパートーナー関係を結んで、生殖刑が執行された状態にするためって説明してくれたよね。
それがどうして、冬香と姉妹関係を結ぶ話が出てくるの?
そんなことしないと信頼関係を結べないなんて、おかしすぎるわ。
最初から、その予定だったの?
真々美、答えて!」
司会(中路真々美)
「1つ目の目的は、その通りだ。
クラスター候補者とパートーナー関係を結ぶことだ。
2つ目の目的は、オルアには言わなかったが、冬香と姉妹関係を結ぶことだ。」
オルア=サーパース
「どうして、あらかじめ言ってくれなかったの?」
司会(中路真々美)
「あらかじめ話してしまえば、オルアは逃げて隠れただろう?
そうなれば、移民審査船の出航までに探せなくなってしまうからな。
だから、冬香と相談して、移民審査船の中で話そうと考えた。」
オルア=サーパース
「光元国に着くまでの日数を無駄にした理由は?」
司会(中路真々美)
「何十歳も年上で、容姿が残念で、なんの魅力もない男性でも受け入れる覚悟をすることに集中して欲しかったからだ。 事実、苦しんでいたから、負荷を増やしたくなかった。」
オルア=サーパース
「でも、アリムさんは、覚悟していたことに比べれば、はるかに良いひとだったわ。」
司会(中路真々美)
「嬉しい誤算だったな。そのことは非常に嬉しく思っている。」
オルア=サーパース
「だったら、その後に話をできたはずよ。 どうして、今すぐ決断しろって、迫るの?」
医師(白石冬香)
「事情が変わって、面接担当の2人が戻る明日の朝までには、姉妹関係を結んでおくべきと感じたからよ。」
オルア=サーパース
「あの二人には、特に問題は感じなかったけれど? 真々美に忠実じゃない?」
司会(中路真々美)
「そうかもしれないし、違うかもしれない。」
オルア=サーパース
「なにを訳が分からないことを言っているの?
どうしても、今日中にレズる必要があるなら、二人がかりで私を襲えばいいじゃない。」
医師(白石冬香)
「オルア、落ち着いて聞いて。 あなたに納得して欲しいの。」
オルア=サーパース
「どうやって、納得しろと? できるわけないわ。」
司会(中路真々美)
「実を言うと、オルアが納得してくれない場合は、力づくでもと考えている。
わたしだけでなく、冬香もな。」
司会(中路真々美) こころの声
『たとえ、それが最高位の存在を裏切ることになるとしても・・・』
オルアは、真々美のなにかを決意したような無表情な顔を見て、裏切られたような気持ちになった。
司会(中路真々美)
「そして、み」
オルア=サーパース
「いや、もう耐えられない。 ここに居たくない。」
オルアは、部屋を飛び出していった。
司会(中路真々美)
「オルア!」
医師(白石冬香)
「待って!」
司会(中路真々美) こころの声
『オルアが落ち着くまで待つしかないか。
流石に海に飛び込んだりはしないだろう。』
◇
オルアが残していった見守りテレビから、オルアの声が聞こえた。
『アリムさん聞いてー。 真々美と冬香がひどいこと言うのよ。』
海に飛び込まれなくて良かった。
ふたりはひとまず安心したが、アリムさんに期待することはできないな。
タイミングを見計らって、オルアを迎えに行こうと思った。
【後書き】
オルア=サーパース
「アリムさーん。」
オルアは、大泣きしていた。
アリム
「オルアさん、とても悲しいことがあったんだね。
泣きたいときは泣いた方がいいから。
ボクがそばにいるよ。」
【読者様へ】
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医師(白石冬香)に愛情を注がれた結果、司会(中路真々美)が復活した。
【本文】
真々美と冬香はシャワーを浴びて、何事も無かったように見えるように身支度を整えた。
時刻は、15:50 もうすぐ、オルアとアリムさんが帰ってくる。
司会(中路真々美)
「オルアはどんな反応をするだろうな。」
医師(白石冬香)
「ショックを受けるでしょうが出来る限り柔らかく伝えるしかありませんね。」
司会(中路真々美)
「まず、受伝台の助言からかな?」
医師(白石冬香)
「まだるっこしいので、オルアの立ち位置と姉妹関係の存在についてからですね。」
司会(中路真々美)
「絵美と姉妹関係を結ぶときは、国王様から説明を受けたのだったな。
絵美とは仲良くしていたが、姉妹関係には至っていなかったからな。」
真々美は昔を思い出して遠い目をしている。
医師(白石冬香)
「真々美と姉妹関係を結ぶときは、絵美様から説明を受けましたね。」
冬香は昔を思い出して遠い目をしている。
◇
ドアがノックされた。
オルア=サーパース
「ただいま戻りました。」
オルアは見守りテレビを出して机に置いた。
司会(中路真々美) こころの声
『アリムさんは、となりの待合室にいるのだろう。
心配性だなオルアは。
もうさすがに大丈夫だろうが、アリムさんに万一のことが起こったら嫌なのだろうな。』
司会(中路真々美)
「始めるか? 冬香。」
医師(白石冬香)
「ええ、お願いね。真々美。」
オルア=サーパース
「なにか深刻な話なの?」
司会(中路真々美) こころの声
『オルアの表情から余裕がうかがえる。』
司会(中路真々美)
「その様子だと、アリムさんは心身ともに安定しているようだな。」
オルア=サーパース
「うん、午後は訓練をお休みにして正解だったわ。」
司会(中路真々美)
「少し、いや、かなり深刻な話になる。
もう少し日程に余裕があると思っていたのだが、急いだほうが良い状況だ。
オルアに正式に冬香の直属の部下となってもらいたい。」
オルア=サーパース
「あれ? わたしはそのつもりで働いていたけれど、ちがったの?」
医師(白石冬香)
「正式には未だ補助者の状態で、直属の部下ではないの?」
オルア=サーパース
「どういうこと?」
医師(白石冬香)
「オルアを正式に直属の部下とするためには、あなたと私が姉妹関係を結ぶ必要があるの。」
オルア=サーパース
「わたしは、真々美と冬香のことを本当のお姉ちゃんのように思っているわ。
だから、そんな深刻そうに確かめる必要はないんじゃない。」
司会(中路真々美)
「組織が正常に機能するためには、信頼関係が必要だ。
相手が自分を裏切ったり不利益を与えてこないと信じられる確かな手ごたえが必要となる。」
オルア=サーパース
「どうしたらいいのかな? 最高位の存在に誓えと言うなら誓うわ。
宣誓書を書けというなら書いて署名サインするわ。」
オルア=サーパース こころの声
『なにを心配しているのか? まったく分からない。
ふたりとも、どうしたのかな?』
司会(中路真々美)
「カセイダード王(女性だから女王)は、5人の女性と姉妹関係を結んでいる。
5人の女性とは、白沢絵美様と4人のことだ。
そして、絵美と私も姉妹関係を結んでいる。」
医師(白石冬香)
「そして、真々美と私も姉妹関係を結んでいます。
私とオルアで姉妹関係を結びたいと考えています。」
オルア=サーパース
「話が見えてこないわ。 わたしが嫌がったり、反対すると思っているの?
そんな訳ないじゃない。」
司会(中路真々美)
「姉妹関係とは低俗な言い方をすれば、女性同士の愛情交換をすることだ。
お互いの恥ずかしい姿を見せあうことで、お互いを深く知って安心するのだ。」
オルア=サーパース
「えっ? それは、冬香が相手なら嫌ではないけれど、こころの準備が必要だわ。」
医師(白石冬香)
「オルアには心の準備をする時間をあげたかったのだけれど、それができない可能性が高いの。」
冬香はオルアが動揺を隠しきれないように見えた。
医師(白石冬香)
「オルア、よく聞いて、これはあなたのためなの。
もし、オルアが断ったら、わたしは他のひとと姉妹関係を結ぶことになってしまう。
そうなったとき、いままでのようにあなたをそばに置くことは出来なくなってしまう。
それは、あなたのことを守れなくなることを意味するの。」
オルア=サーパース
「なぜ、わたしのためなんて言い方をするの?
冬香と私が姉妹関係を結ぶことが、なぜ私のためになると決めつけるの?
真々美と冬香のことは非常に親しい存在だと思っているけれど、これって、セクハラよね。
仕事のためだから、あなたのためだからと愛情交換をせまるのは、セクハラでしかない。
真々美もなんとか言ってよ。
私が移民審査船に乗り込むことになった理由は、クラスター候補者とパートーナー関係を結んで、生殖刑が執行された状態にするためって説明してくれたよね。
それがどうして、冬香と姉妹関係を結ぶ話が出てくるの?
そんなことしないと信頼関係を結べないなんて、おかしすぎるわ。
最初から、その予定だったの?
真々美、答えて!」
司会(中路真々美)
「1つ目の目的は、その通りだ。
クラスター候補者とパートーナー関係を結ぶことだ。
2つ目の目的は、オルアには言わなかったが、冬香と姉妹関係を結ぶことだ。」
オルア=サーパース
「どうして、あらかじめ言ってくれなかったの?」
司会(中路真々美)
「あらかじめ話してしまえば、オルアは逃げて隠れただろう?
そうなれば、移民審査船の出航までに探せなくなってしまうからな。
だから、冬香と相談して、移民審査船の中で話そうと考えた。」
オルア=サーパース
「光元国に着くまでの日数を無駄にした理由は?」
司会(中路真々美)
「何十歳も年上で、容姿が残念で、なんの魅力もない男性でも受け入れる覚悟をすることに集中して欲しかったからだ。 事実、苦しんでいたから、負荷を増やしたくなかった。」
オルア=サーパース
「でも、アリムさんは、覚悟していたことに比べれば、はるかに良いひとだったわ。」
司会(中路真々美)
「嬉しい誤算だったな。そのことは非常に嬉しく思っている。」
オルア=サーパース
「だったら、その後に話をできたはずよ。 どうして、今すぐ決断しろって、迫るの?」
医師(白石冬香)
「事情が変わって、面接担当の2人が戻る明日の朝までには、姉妹関係を結んでおくべきと感じたからよ。」
オルア=サーパース
「あの二人には、特に問題は感じなかったけれど? 真々美に忠実じゃない?」
司会(中路真々美)
「そうかもしれないし、違うかもしれない。」
オルア=サーパース
「なにを訳が分からないことを言っているの?
どうしても、今日中にレズる必要があるなら、二人がかりで私を襲えばいいじゃない。」
医師(白石冬香)
「オルア、落ち着いて聞いて。 あなたに納得して欲しいの。」
オルア=サーパース
「どうやって、納得しろと? できるわけないわ。」
司会(中路真々美)
「実を言うと、オルアが納得してくれない場合は、力づくでもと考えている。
わたしだけでなく、冬香もな。」
司会(中路真々美) こころの声
『たとえ、それが最高位の存在を裏切ることになるとしても・・・』
オルアは、真々美のなにかを決意したような無表情な顔を見て、裏切られたような気持ちになった。
司会(中路真々美)
「そして、み」
オルア=サーパース
「いや、もう耐えられない。 ここに居たくない。」
オルアは、部屋を飛び出していった。
司会(中路真々美)
「オルア!」
医師(白石冬香)
「待って!」
司会(中路真々美) こころの声
『オルアが落ち着くまで待つしかないか。
流石に海に飛び込んだりはしないだろう。』
◇
オルアが残していった見守りテレビから、オルアの声が聞こえた。
『アリムさん聞いてー。 真々美と冬香がひどいこと言うのよ。』
海に飛び込まれなくて良かった。
ふたりはひとまず安心したが、アリムさんに期待することはできないな。
タイミングを見計らって、オルアを迎えに行こうと思った。
【後書き】
オルア=サーパース
「アリムさーん。」
オルアは、大泣きしていた。
アリム
「オルアさん、とても悲しいことがあったんだね。
泣きたいときは泣いた方がいいから。
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