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第1章 ボクの新しい名前

002 [読み飛ばしOK] 所在地、言語、為替レートについて

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『この話は、飛ばしても構いません。』

 言葉が通じないこと、生活基盤がないこと、現地のルールが分からないことなど不安がいっぱいです。
 物価が高いと生活できない・・・

 カセイダード王国の場所を GOGOGO社の地図で調べると、世界中心国と正義団結国の中間地点でした。
 私が生まれた光元《ひかりもと》国の東に位置していました。

 カセイダード王国の正確な位置(中心地)は 緯度 N35, 経度 W165 でした。
 暑すぎず、寒すぎず、理想的な位置でした。

 正五角形に似た形で周囲を海に囲まれていました。
 砂漠化の心配も無さそうだから、水不足の心配も無さそうでした。

 言語は、「栄語」(えいご、カセイダード風)でした。
 入国手続き案内の Your TV 動画を視聴すると、リスニングが苦手な私でも苦痛なく聞き取れました。
 ということから、移民申請をしました。

 為替レートは、1バーシル( Versil )が1丸(まる、光元《ひかりもと》国の通貨)でした。



 入国手続きの様子を紹介します。

 インターネットのWEBフォームに必要事項を入力しました。

 氏名、誕生日、顔写真、全身写真、身長体重、胴囲(ウエスト)、靴のサイズ、学歴、職歴だけでなく、資格や検定試験の合格状況について多くの項目に入力しました。

 資格や検定試験については、母国の光元《ひかりもと》国のひとでさえ知らないひとが多いものまでチェックリストに掲載されていました。

 ないよりは有った方が良いだろうと考えて、持っている合格証書をすべて入力しました。

 パートナーの有無を入力することが嫌でしたが、がまんして入力しました。

 無しを選択すると、新たな入力欄が表示されました。

あなたの
身体の性: 
心の性: 

理想の相手の
身体の性: 
心の性: 

口説きたい 
または
口説かれたい

外で働きたい
または
家事を担当したい

絶対に嫌なタイプ

希望するタイプ

希望の容姿

パートナーとのきずなレベル

などなど多数ありました。

 余計なお世話だと感じましたが、仕方なく入力しました。

<入力結果>

あなたの
身体の性: 男性
心の性: 男性と女性の両方

理想の相手の
身体の性: 女性
心の性: 男性と女性の両方

口説きたい : 相手による
または
口説かれたい : 相手による


外で働きたい :
 人間関係、拘束時間、仕事内容、責任範囲と権限の強さによる
または
家事を担当したい:
 水回りは他人と分けたい。 自分が満足する範囲で家事したい。

絶対に嫌なタイプ:
 精神が安定していない、怒鳴る、暴力を振るう、モラハラ、ひとを落とし入れる嘘をつく、悪口の伝書鳩をして悲しむ様子を見て喜ぶ人、味方のふりをした敵、ひとをけなして弱らせることで支配しコントロールして操ってくる人

希望するタイプ:
 精神が安定している、適切な距離感、金銭感覚、性的し好の一致

希望の容姿:
 背が高く、痩せていない、太っていない、発育している

 これだけ入力すると、ゲームのアバターのように細かく設定できる画面が表示された。
 現実には存在しないだろうレベルの AI美女を作成すると、100枚ほどの美しい画像が表示された。
 好みの画像にチェックを入れることを求められたので、70枚ほどにチェックを入れた。
 ベスト5を選ぶ画面には、好みの順番に画像を当てはめて行きました。

「こんな美女が存在したとしても、競争相手となるライバルは100万人以上だから、無意味な入力だな。」と思った。

 インターネットが発達したことにより、多くの人の目が肥えている(外観的な希望レベルが高望みになっている)ことを痛感する。

 しかし、いくら外見が良くても、自分自身のレベルを考えると不安が残る。
 外見が良い分、人柄に難(欠点)があったり、金遣いが荒かったりするひとに捕まって不幸になるくらいなら、自分と同じ程度の容姿の相手と普通の食事や買い物を楽しめる方が良いと思う。
 また、持ち物は出来る限り減らして、小さな部屋で暮らせる人が正解だという結論に至っている。
 住宅ローンほど無駄な出費は無い・・・

パートナーとのきずなレベル:
 結婚という名の奴隷契約はお断りしたい。
 特に、財布を1つにすることは極めて怖い。
 1対1で独占したいが難易度が高いので、週1回ふたりだけで食事と会話ができれば嬉しい。
 夜の相手をお願いしたいが、お返しできる経済力がないので、相手にメリットを提供できないので、あきらめている。

 これだけ書いておけば、めんどくさい奴と判断されて、人間関係に悩まされて、うつ病にならなくて済むだろう。



 2週間後に、簡易書留郵便が届きました。

 中身を確認すると、

「移民お願いします。」と
書かれていました。

「合格通知」
と書かないなんて、ずいぶん謙虚な国なんだな。

 しかし、万が一が怖いので、財産と言っても少額で恥ずかしいのだが、半分は親に預けて残すことにしました。

 それにしても、出国のためのパスポート手続きの方が手間が掛かりました。
 ※実際の手続きよりも、待ち時間の方が長かった。



 パスポートが取れたことをカセイダード王国にWEBフォームで連絡すると、豪華客船の乗船券が送られてきました。
 10日間かけて行く間に、カセイダード王国で暮らすための生活知識などを学習するための予定表と研修内容が書かれていました。
 また、残された家族のための冊子も同封されていました。
 わたしへの連絡方法と手段についても解説されていました。

 とりあえず、誘拐される心配は無さそうです。

 それにしても、非常に親切丁寧で、行き届いていると感じました。

 いよいよ出発の日が近づいてきました。
 不安もありますが、サイコロは投げられました。



 前回、届いた豪華客船の乗船券を大事に持って、船着き場に到着しました。

 豪華客船を見上げて、ほっとしました。

 最少催行人員 2,000名規模の大きい船だと嫌だなと思っていましたが、
100~300名規模の大きさとのことでした。

 客室は、全室窓付きでした。
 1階につき、左25室と右25室の合計50室でした。
 それが2階分で合計100室。

 ツアー旅行のホームページにあるような狭い部屋では無くて、ワンルームマンション、アパートのように、風呂、トイレがセパレートタイプで、洗面所、台所、洗濯機置き場、ベランダがありました。
 ただし、ベランダは透明なガラスで囲われていました。
「船から外に落ちないように、開けることはできません。」と表示がありました。

 エアコン、インターネット(1Gbit/s)、電気、ガス、全自動洗濯機、冷蔵庫、電子レンジが完備されていました。

 もちろん、トイレはウォシュレット付きの水洗トイレで、お風呂は自動追い炊き機能付きでした。

「すごい良い部屋だなあ。」と感心していると、AIイラストを短時間で生成できるデスクトップパソコンとGOGOGO社の最新スマートフォンまで揃っていました。

「足腰の健康のため、スタンディングデスクを推奨しています。」と壁に貼ってありました。

 そして、赤文字で注意書きがありました。

「到着後の生活レベルと合わせてあります。ご不満の方は、研修1日目のPM4:00(16:00)までに、辞退届を出してください。」

 わたしは、これで文句を言う人って、贅沢ぜいたくだなと感じました。



 研修会場は、学校の体育館兼講堂のような場所でした。

 並べられた椅子の指定席に座りました。
 参加者は、ざっと200名くらいでした。
 客室数の2倍以上だから、あの部屋に2人で泊まるのかな?
 水回りやエアコンの温度設定などで、ルームメイトともめそうで嫌な予感がしました。
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