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目立たないとは大変ですね

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学園生活もだいぶ慣れてきたが、どうにもクラスで浮いている。入学式で不正をしたとか言う噂も絶えない。不正もチートもしてないから現に歴史の授業の成績が微妙でしょ。
今日は社交パーティー。この学園は婚約者やコネを作るのは暗黙の了解だ。位の高い者、顔のいい者には人が寄ってきた。私はあまりにも退屈で部屋の隅の椅子で呆れ顔をしていた。

「あの。僕と踊りませんか?」

「えっとどちら様で?」

クラスでも見たことないし気が弱そうだ。彼もあの空気が嫌だったのか?とりあえず自己紹介しておきましょうか。

「ウィンレイド伯爵家の、マリアンヌ・エル・ウィンレイドと申します」

「ノクターヌ公爵家のウィリアム・フィン・ノクターヌです」

かなり位が高いようだ。ダンスが始まるまで談笑していた。ウィリアム様は公爵家の跡継ぎだけど内気で人見知りで両親に将来を心配されていたそうだ。社交パーティーが苦手な者同士気が合った。剣より魔法が得意なのも相まって女性には相手にされないとか。ならば、この方を鍛えて差し上げましょう。

「今度の休み、王都の外れにあるダンジョンに潜りましょう。私は回復魔法しかしないので自由に戦ってください。レベル五〇位には上げたいですね」

「スパルタ……」

曲がかかり皆が踊り出したので、私たちも踊った。一回目のパーティーは何も起こらないが二回目で断罪医イベントで私が糾弾されるんだった。味方を増やさないと。
そして週末。約束通りダンジョンに潜った。ウィリアム様は詠唱なしで中級魔法までなら使えるらしく簡単に最奥までたどり着いてしまった。魔物を呼び寄せるオーラを纏う便を使ってモンスターのおかわりをした。

「ウィリアム様、ここからは剣の修行です。予備の剣はたくさんあるし回復魔法も無限に打てます」

「スパルタだよ、マリアンヌ!」

日が暮れる前にダンジョンを出て寮に帰った。ウィリアム様のレベルは三五位まで上がっていた。次は学友を増やすことだ。歴史と錬金術が苦手だからそこをとっかかりにしよう。
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