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第23話 最高の瞬間(リリーside)
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人生で最高の瞬間。
大好きな人から、アクロバットダンスのパートナーに指名されちゃった。
ずっと見つめてたのが効いたのかな?
可愛いって思ってくれたかな? ううん、ジャックくんはそんな軽い人じゃないもん。そんなところも好きだもん。
「リリー……」
ジャックくんははっきりそう言っちゃった。
リリーの名前、あの可愛い笑顔で、ちゃんと言ってた。
みんなリリーのこと純粋だとか天使だとか言うけど、ほんとはそんなんじゃない。
リリーだって、ジャックくんとあんなことやこんなことをしたいって──思ってるんだもん!
「ジャックくん! もちろんいいよ!」
「……えっと……」
「一緒に1番取ろうね!」
「ああ……うん」
ジャックくんはほっとしてるみたい。
それもそうだよね。リリーだって緊張してたもん。
「ねね、ジャックくん、さっきのは本気で言ったの?」
ハローちゃん。
むぅ。
リリーの恋のライバル。女だからわかってる。ハローちゃんのジャックくんを見つめる目──あれは絶対狙ってる。獲物を狙う鷹さんみたいに。
リリーの方が先にジャックくんと仲よくなったのに。
最近、ハローちゃんは必要以上にジャックくんに絡んでる。
テストが終わってから。ヴィーナスちゃんも。
リリーは、テストの前から──入学してすぐにジャックくんの魅力に気づいてたんだもん!
どうしたらジャックくんに好きになってもらえるかな?
「さあ、さっきはごめんよ、ゲイルくん。選びにくいならボクが選んであげてもいいんだよ」
「……そうすか。じゃあ、どうぞ……」
ゲイルくん、完全に落ち込んでる。
さっきマーリーンちゃんに断られたから。んー、けっこうあれは冷たかったよ、マーリーンちゃん。
ジャックくんの親友ゲイルくん。
てことは今のうちから仲よくしておけば、ジャックくんの好きな食べ物とか、好きな色とか、眠る時間とか教えてもらえるかも! 頑張れ、リリー! ゲイルくんと仲よくなろう!
「マーリーンちゃん、先生とは踊れないんだよ。ゲイルくんと踊ってみたら?」
「え? リリー、それ本気?」
マーリーンちゃんとはそんなに話したことないけど、女子どうし話しやすいかなーって──。
「てかやっぱり嫌。それに、タイフーン先生がだめなら、わたしはルミナスくんと踊りたいな」
ガーン。
マーリーンちゃんをゲイルくんと踊るようにして、ゲイルくんとまずは仲よくなろう作戦、失敗。
ますますゲイルくんを傷つけた気がする。
ジャックくんはゲイルくんの背中を優しくさすってた。
いつもこうやって友達を慰めてるのかな? リリーも、ジャックくんに慰めてほしいな。背中をさすってもらったり、優しく抱き締めてもらったり──だめだめ。勝手に妄想して盛り上がるの、もうしないって決めたもん。
「僕と踊りたいのかい?」
ルミナスくんはなんでかわかんないけど、さっきから動揺してる。
じーっとヴィーナスちゃんを見て、で、ジャックくんを睨んでた。
リリーは知ってる。
ルミナスくんがジャックくんにひどいこと言ってるところ、こっそり見てたもん。
「うん、だってかっこいいし、やっぱりクラスで1番のイケメンと踊るのが──」
「僕はその……」
ルミナスくんはちらっとヴィーナスちゃんを見た。
やっぱり、気になるのかな?
「……いや、なんでもない」
「授業の残り時間は20分! 風がやまないうちに決めてしまおう! ゲイルくん、それじゃあキミは……ハロー嬢と組む、それでいいかい?」
むむむ!
タイフーン先生の決定。
ハローちゃんは最初ちょっと顔をしかめたけど、何かいいこと思いついた、みたいな顔で頷いちゃった。もしかして……ゲイルくんと仲よくなってジャックくんと距離を詰めよう作戦を考えてる!?
「あたしはいいですよ」
「……どうも」
「よーし、これで2組目が決まった。いいね、やっぱりこのクラスは。最後はヴィーナス嬢、キミが決める番だ」
いきなりのジャックくんへの告白。
その勢いでペアが成立しちゃうか不安だったけど、ジャックくんはリリーと組みたいみたいだし、よかった。
でも知らなかったよぅ。
ヴィーナスちゃんもジャックくんを狙ってるなんて……美しさじゃ絶対勝てないもん!
「ストロングさんがだめなのでしたら、わたくしは──」
「おい! オレと組め! オレはなんとしてでもジャックに勝って──」
「丁重にお断りさせていただきますわ、バーニングさん」
「あ? じゃねーとオレがライバルに勝てねーだろ!」
相変わらずのブレイズくん。
でも、前とは違う感じがする。
テストが終わってから、ジャックくんを「無能」って言わなくなった。
それに、今日の朝ご飯も一緒に仲よく食べてたもん。
むぅ。
悔しいー! リリーだってジャックくんと一緒にご飯食べたいー!
ブレイズくんに怒鳴られても、ヴィーナスちゃんは怯んでない。
そういえばヴィーナスちゃんは、有名な家系とかだったかな?
実力主義で、優秀な人を認めるって聞いた気がする! てことは……ジャックくんをパートナーに選んだのはやっぱり実力から出る魅力だった!?
ジャックくんの素の魅力に気づいてるのはリリーだけなのかな?
「ヴィーナス嬢、残る男子はあと6人。またボクが選ぼうか?」
「大丈夫ですわ、タイフーン先生。わたくし、ブリザードさんに決めましたの」
大好きな人から、アクロバットダンスのパートナーに指名されちゃった。
ずっと見つめてたのが効いたのかな?
可愛いって思ってくれたかな? ううん、ジャックくんはそんな軽い人じゃないもん。そんなところも好きだもん。
「リリー……」
ジャックくんははっきりそう言っちゃった。
リリーの名前、あの可愛い笑顔で、ちゃんと言ってた。
みんなリリーのこと純粋だとか天使だとか言うけど、ほんとはそんなんじゃない。
リリーだって、ジャックくんとあんなことやこんなことをしたいって──思ってるんだもん!
「ジャックくん! もちろんいいよ!」
「……えっと……」
「一緒に1番取ろうね!」
「ああ……うん」
ジャックくんはほっとしてるみたい。
それもそうだよね。リリーだって緊張してたもん。
「ねね、ジャックくん、さっきのは本気で言ったの?」
ハローちゃん。
むぅ。
リリーの恋のライバル。女だからわかってる。ハローちゃんのジャックくんを見つめる目──あれは絶対狙ってる。獲物を狙う鷹さんみたいに。
リリーの方が先にジャックくんと仲よくなったのに。
最近、ハローちゃんは必要以上にジャックくんに絡んでる。
テストが終わってから。ヴィーナスちゃんも。
リリーは、テストの前から──入学してすぐにジャックくんの魅力に気づいてたんだもん!
どうしたらジャックくんに好きになってもらえるかな?
「さあ、さっきはごめんよ、ゲイルくん。選びにくいならボクが選んであげてもいいんだよ」
「……そうすか。じゃあ、どうぞ……」
ゲイルくん、完全に落ち込んでる。
さっきマーリーンちゃんに断られたから。んー、けっこうあれは冷たかったよ、マーリーンちゃん。
ジャックくんの親友ゲイルくん。
てことは今のうちから仲よくしておけば、ジャックくんの好きな食べ物とか、好きな色とか、眠る時間とか教えてもらえるかも! 頑張れ、リリー! ゲイルくんと仲よくなろう!
「マーリーンちゃん、先生とは踊れないんだよ。ゲイルくんと踊ってみたら?」
「え? リリー、それ本気?」
マーリーンちゃんとはそんなに話したことないけど、女子どうし話しやすいかなーって──。
「てかやっぱり嫌。それに、タイフーン先生がだめなら、わたしはルミナスくんと踊りたいな」
ガーン。
マーリーンちゃんをゲイルくんと踊るようにして、ゲイルくんとまずは仲よくなろう作戦、失敗。
ますますゲイルくんを傷つけた気がする。
ジャックくんはゲイルくんの背中を優しくさすってた。
いつもこうやって友達を慰めてるのかな? リリーも、ジャックくんに慰めてほしいな。背中をさすってもらったり、優しく抱き締めてもらったり──だめだめ。勝手に妄想して盛り上がるの、もうしないって決めたもん。
「僕と踊りたいのかい?」
ルミナスくんはなんでかわかんないけど、さっきから動揺してる。
じーっとヴィーナスちゃんを見て、で、ジャックくんを睨んでた。
リリーは知ってる。
ルミナスくんがジャックくんにひどいこと言ってるところ、こっそり見てたもん。
「うん、だってかっこいいし、やっぱりクラスで1番のイケメンと踊るのが──」
「僕はその……」
ルミナスくんはちらっとヴィーナスちゃんを見た。
やっぱり、気になるのかな?
「……いや、なんでもない」
「授業の残り時間は20分! 風がやまないうちに決めてしまおう! ゲイルくん、それじゃあキミは……ハロー嬢と組む、それでいいかい?」
むむむ!
タイフーン先生の決定。
ハローちゃんは最初ちょっと顔をしかめたけど、何かいいこと思いついた、みたいな顔で頷いちゃった。もしかして……ゲイルくんと仲よくなってジャックくんと距離を詰めよう作戦を考えてる!?
「あたしはいいですよ」
「……どうも」
「よーし、これで2組目が決まった。いいね、やっぱりこのクラスは。最後はヴィーナス嬢、キミが決める番だ」
いきなりのジャックくんへの告白。
その勢いでペアが成立しちゃうか不安だったけど、ジャックくんはリリーと組みたいみたいだし、よかった。
でも知らなかったよぅ。
ヴィーナスちゃんもジャックくんを狙ってるなんて……美しさじゃ絶対勝てないもん!
「ストロングさんがだめなのでしたら、わたくしは──」
「おい! オレと組め! オレはなんとしてでもジャックに勝って──」
「丁重にお断りさせていただきますわ、バーニングさん」
「あ? じゃねーとオレがライバルに勝てねーだろ!」
相変わらずのブレイズくん。
でも、前とは違う感じがする。
テストが終わってから、ジャックくんを「無能」って言わなくなった。
それに、今日の朝ご飯も一緒に仲よく食べてたもん。
むぅ。
悔しいー! リリーだってジャックくんと一緒にご飯食べたいー!
ブレイズくんに怒鳴られても、ヴィーナスちゃんは怯んでない。
そういえばヴィーナスちゃんは、有名な家系とかだったかな?
実力主義で、優秀な人を認めるって聞いた気がする! てことは……ジャックくんをパートナーに選んだのはやっぱり実力から出る魅力だった!?
ジャックくんの素の魅力に気づいてるのはリリーだけなのかな?
「ヴィーナス嬢、残る男子はあと6人。またボクが選ぼうか?」
「大丈夫ですわ、タイフーン先生。わたくし、ブリザードさんに決めましたの」
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