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19お祭り①
しおりを挟む目的地に辿り着くと私は枢木君に捕まったままちらりと慎也君を見ながら電車から降りた。
慎也君は不機嫌な顔でこちらを見ながら電車から降りている。
「真斗兄、そろそろどけって。結奈をさっさと返せ」
「慎也、猫が剥がれてんぞ。神田さんにセクハラをしないと約束をするなら間男は離れてやるよ」
枢木君は冗談の様に言うと慎也君は顔を背けて静かに頷く。
「分かったよ。い、ま、だけは触らない。い、ま、だけな。結奈約束するから戻って来い」
私は枢木君を見ると彼は頷いてくれた為そっと手を離してゆっくり慎也君の元に行くと、突然抱きしめられた。
「っち、真斗兄の匂いがべっとりついてやがる。くっせー香水なんて付けやがって。結奈には俺の匂いをしっかり毎日つけていたのに…」
『…匂いを毎日??』
私が戸惑うと慎也君は急に笑顔になり私に話しかける。
「あ、結奈さん。今日は終電を逃す予定なので泊まらせて下さい。ってか泊めろ」
『え、え、え??それってなんか可笑しくない?』
「可笑しくねぇよ。じゃあ行きましょうか結奈さん、あと、真斗兄この借りは絶対倍にして返してやる」
「おー、怖っ。俺は一人寂しく何処かに遊びに行くよ帝王さん」
「その名で呼ぶなって…」
慎也君は枢木君に声をかけると私を引っ張って駅のホームから離れていった。
◯◯◯◯
お祭りに着くと昼間なのに沢山の人がいた。
夜よりは少ないとはいえ、結構な人混みだ。
屋台は食べ物から射的まで様々な物が並んでいて、懐かしさを感じさせた。
「…何をそんな感傷に浸っているんですか?もしかして、誰かと来た事が有りますか?」
『……元カレと昔この場所じゃないけど行った事があるかな』
「もと…彼。その話は初めて聞いましたけど、その男は誰です?」
『えっと、もう忘れちゃった。だって私を捨てて海外に行っちゃったんだもん。その上浮気もしていたの…。だからね、もう良いの』
私の言葉に慎也君は突然抱きしめると頭を撫でててくれる。
その大きな手が私のマンコを夢で触っている事を思い出し急に顔が赤くなる。
「結奈さん、俺はあなたを捨てたりしませんよ。俺の人生であなたが最後の女になる大事な人です」
『……うん、有難う』
いつもなら抵抗する筈なのに私は素直に頷いてしまった。
慎也君は嬉しそうな笑顔で私の頭を撫でていた。
『あの、慎也君目立つので離れてもらえると嬉しいです』
「絶対に嫌です」
『ですよね~』
私はもう毒されていたのかもしれない。
慎也君の返事に納得してしまった。
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