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第一章
もう最悪なはじまり
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俺はド変態にある日突然誘拐監禁され、手足全部をぶった切られてそれはもう筆舌に尽くしがたいクソな事をされた。
数年経ってどうにか発見保護され、そいつは長期間ぶち込まれたが、あまり良い義肢は貰えず、相当どんよりとした不自由な日々を過ごす事となった。
もうこんなに微妙な義肢ならいっそ付けなくてもいいや、と外し何もかもされるがまま数か月をズルズルと過ごしていた。
もう一生このまま最低な日々を送るんだろうなぁ、とか鬱になってたある日。
「こんにちは。君、相当しんどいって聞いたんで会いに来たよ」
「うんまあ超絶しんどいけど、君だれ」
「僕ね、まああんまり大きい声で言えないんだけど、国から極秘の任務を受けて仕事してるの」
「で、君かなりその素質があるから、スカウトしに来たの」
「いや、でも俺見ての通り何一つ出来ないし、無理でしょ」
「大丈夫。うち来れば超高性能の義肢貰えるし、酷い目に遭った子ってそういう素質すごい上がるし、たぶん何も修行しなくても大丈夫だよ」
「という訳で、君が良ければすぐ行こうよ」
「…う、うん」
そのままからからと車椅子を彼に押してもらい、その職場に辿り着く。
「なんか普通の雑居ビルみたいだけど、どんな仕事なの」
「うんまあ、所謂妖怪ハンターとか霊能力者みたいな感じのやつ」
「ふーん。まあ俺確かに霊感ある方だけど」
「はい着いたよ。さっそく、これが義肢ね」
「へー。お人形みたいで綺麗だね」
「うん、すごく貴重な神木で作ってあるの。完璧に動かせるし、身体能力かなり上がるよ」
「じゃあさっそく取り付け手術しよう。麻酔かけるから全然痛くないよ」
「はい手術終わり。君素質あるし相性いいから、たぶんリハビリもほとんどいらないよ」
「うん。すごく軽いしよく動かせる。ありがと」
「じゃあ元気だし早速お仕事行こうか。まあ流石にいきなり長距離歩行は可哀想だから、また車椅子押すからね」
「う、うん。かなり急だけどいいよ」
そうしてまたからからと車椅子を押され。
「はいここ。この廃墟ビルに、要するに悪霊が色々出て、取り壊し出来なくて困ってるって依頼が来たの」
「うん、いかにも出そうな廃墟だね」
「ここの4階以降だよ。さ、行こ」
「うわ、本当に超ボロいね。崩れないかな」
「まあ年季入ってるけど基礎工事はしっかりしてるし、大暴れしなけりゃ大丈夫だよ」
「あ、ほら見えてきた。ほらあれ」
「うわー。確かにいかにもな悪霊がうようよしてるね」
「でも、ぶっつけ本番で大丈夫なの」
「うん、君元々素質あるし、めっちゃ酷い目遭って霊力上がってるし義肢凄いし絶対大丈夫だよ」
「じゃあ、僕は霊刀で戦うから、君はこのお札とか数珠とか使って。あと義肢でぶん殴っても大丈夫だよ」
「う、うん分かった」
「じゃ、行くよー」
そんな訳で俺はお札をぶん投げたり数珠で引っぱたいたり、お札が切れてきたら義肢でぶん殴ったり蹴り飛ばしたりしてなんとかした。
彼は流れるような動きで駆け回り、悪霊どもを次々に一刀両断していった。
「はい終わり。お疲れ様。うん、ケガもほとんどしてないね」
「うん、ありがと。義肢丈夫だし、超素早く動けるようになってたからほぼ大丈夫だった。早すぎてずっこけちゃったけど」
「うん、お疲れ様。やっぱり君すごく適正あるよ」
「うん、楽しかったし。これからよろしく」
「じゃあ帰ってお給料貰おう。依頼こなす度に即日貰えるよ。で、たぶん普通のバイトよりかなりお賃金良いよ」
確かに帰還後貰ったお給料は一般的な学生バイトよりかなり良かった。
「あ、そう言えばまだ君の名前聞いてなかったね」
「あー俺、最悪過ぎる偶然だけど達磨って言うの。もう最悪すぎるから改名したいんだけど、DQNネームじゃないから出来ないし」
「あー、それは確かに最悪すぎる偶然だね。じゃあたっくんって呼ぶね」
「うん、良いよ。君はなんて言うの」
「あ、僕相当特殊な生い立ちでさ。名前無いんだ。だから好きに呼んでいいよ」
「え、そうなの。じゃあなんとなく、ゆうちゃんで」
「うん、いいよ。たっくんこれからよろしくね」
「うん、ゆうちゃんよろしく」
そんな訳で最悪だった俺の人生は突然超明るくなった。
数年経ってどうにか発見保護され、そいつは長期間ぶち込まれたが、あまり良い義肢は貰えず、相当どんよりとした不自由な日々を過ごす事となった。
もうこんなに微妙な義肢ならいっそ付けなくてもいいや、と外し何もかもされるがまま数か月をズルズルと過ごしていた。
もう一生このまま最低な日々を送るんだろうなぁ、とか鬱になってたある日。
「こんにちは。君、相当しんどいって聞いたんで会いに来たよ」
「うんまあ超絶しんどいけど、君だれ」
「僕ね、まああんまり大きい声で言えないんだけど、国から極秘の任務を受けて仕事してるの」
「で、君かなりその素質があるから、スカウトしに来たの」
「いや、でも俺見ての通り何一つ出来ないし、無理でしょ」
「大丈夫。うち来れば超高性能の義肢貰えるし、酷い目に遭った子ってそういう素質すごい上がるし、たぶん何も修行しなくても大丈夫だよ」
「という訳で、君が良ければすぐ行こうよ」
「…う、うん」
そのままからからと車椅子を彼に押してもらい、その職場に辿り着く。
「なんか普通の雑居ビルみたいだけど、どんな仕事なの」
「うんまあ、所謂妖怪ハンターとか霊能力者みたいな感じのやつ」
「ふーん。まあ俺確かに霊感ある方だけど」
「はい着いたよ。さっそく、これが義肢ね」
「へー。お人形みたいで綺麗だね」
「うん、すごく貴重な神木で作ってあるの。完璧に動かせるし、身体能力かなり上がるよ」
「じゃあさっそく取り付け手術しよう。麻酔かけるから全然痛くないよ」
「はい手術終わり。君素質あるし相性いいから、たぶんリハビリもほとんどいらないよ」
「うん。すごく軽いしよく動かせる。ありがと」
「じゃあ元気だし早速お仕事行こうか。まあ流石にいきなり長距離歩行は可哀想だから、また車椅子押すからね」
「う、うん。かなり急だけどいいよ」
そうしてまたからからと車椅子を押され。
「はいここ。この廃墟ビルに、要するに悪霊が色々出て、取り壊し出来なくて困ってるって依頼が来たの」
「うん、いかにも出そうな廃墟だね」
「ここの4階以降だよ。さ、行こ」
「うわ、本当に超ボロいね。崩れないかな」
「まあ年季入ってるけど基礎工事はしっかりしてるし、大暴れしなけりゃ大丈夫だよ」
「あ、ほら見えてきた。ほらあれ」
「うわー。確かにいかにもな悪霊がうようよしてるね」
「でも、ぶっつけ本番で大丈夫なの」
「うん、君元々素質あるし、めっちゃ酷い目遭って霊力上がってるし義肢凄いし絶対大丈夫だよ」
「じゃあ、僕は霊刀で戦うから、君はこのお札とか数珠とか使って。あと義肢でぶん殴っても大丈夫だよ」
「う、うん分かった」
「じゃ、行くよー」
そんな訳で俺はお札をぶん投げたり数珠で引っぱたいたり、お札が切れてきたら義肢でぶん殴ったり蹴り飛ばしたりしてなんとかした。
彼は流れるような動きで駆け回り、悪霊どもを次々に一刀両断していった。
「はい終わり。お疲れ様。うん、ケガもほとんどしてないね」
「うん、ありがと。義肢丈夫だし、超素早く動けるようになってたからほぼ大丈夫だった。早すぎてずっこけちゃったけど」
「うん、お疲れ様。やっぱり君すごく適正あるよ」
「うん、楽しかったし。これからよろしく」
「じゃあ帰ってお給料貰おう。依頼こなす度に即日貰えるよ。で、たぶん普通のバイトよりかなりお賃金良いよ」
確かに帰還後貰ったお給料は一般的な学生バイトよりかなり良かった。
「あ、そう言えばまだ君の名前聞いてなかったね」
「あー俺、最悪過ぎる偶然だけど達磨って言うの。もう最悪すぎるから改名したいんだけど、DQNネームじゃないから出来ないし」
「あー、それは確かに最悪すぎる偶然だね。じゃあたっくんって呼ぶね」
「うん、良いよ。君はなんて言うの」
「あ、僕相当特殊な生い立ちでさ。名前無いんだ。だから好きに呼んでいいよ」
「え、そうなの。じゃあなんとなく、ゆうちゃんで」
「うん、いいよ。たっくんこれからよろしくね」
「うん、ゆうちゃんよろしく」
そんな訳で最悪だった俺の人生は突然超明るくなった。
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