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「良かったじゃん。一緒に過ごせて。結局、想いを昇華させるのはまだだったってことだな」
「ごめん。せっかく合コン誘ってくれたのに」
「いや、それはいいよ。半分は自分のためだからな」
「それで彼女できた?」
「残念ながら空振りだな」

 クリスマスを終えた年末。俺はバイト終わりに拓真と待ち合わせしてファミレスに来てた。
 クリスマスのことを拓真に報告したのだ。涼介と一緒に過ごせたこと。まだ涼介から卒業できないことを。

「香川のことは、大学入って物理的距離があけばまた違うかもしれないな。今はまだ学校も一緒だからかもしれないし」

 確かに拓真の言う通り、大学入って距離があけば違うのかもしれない。そうしたらそのときに合コンとか行けばいいのかもしれないな。

「初詣も一緒に行くんだろ?」
「うん。勉強あるけど、逆に初詣行って合格祈願してきたいって」
「でも陽翔と香川ってほんと仲良いのな。香川もなんだかんだ陽翔のこと優先してるだろ。そりゃ陽翔は俺のだ発言もするよな」
「子供の頃からのことだから」
「かもしれないけど、ほんとに陽翔のこと大事なんだな。そんな愛しの陽翔を二度も合コンに連れていった俺って大丈夫? 殺されない?」
「大袈裟だよ。合コン行ったのは俺の意志なんだから」
「香川もそう思ってたらいいけどな」
「大丈夫だよ。気にしすぎ」

 涼介はクリスマスも一緒に過ごしたし、初詣も一緒に行くから、そんなに気にしないと思うけどな。
 まぁ、一度、合コンは一人で行けってって言われたから拓真としては気になるんだろうな。 

「香川と行かないなら初詣誘うとこだったけど、邪魔はしないよ。馬に蹴られたくないからな」
「涼介とはそんなんじゃないよ」
「そうかな? ひょっとしたらひょっとするかもじゃん? 香川の陽翔に対する独占欲見てたらそんな感じする」
「何言ってんだよ。涼介も俺も男だぞ」
「その男同士でも好きなのは陽翔だろ」
「そうだけどさ。そんなに世の中甘くないよ。涼介とはほんとにずっと一緒だったから。それでだよ」
「普通の幼馴染みより仲良いよな?」
「そう?」

 そうなのかな? 他の幼馴染みは引っ越したり学校が別だったりするから比較できないんだよな。
 それに、ほんとに涼介や妹の里奈ちゃんとはずっと一緒にいたからな。その延長な気がするんだよな。

「まぁ、陽翔が香川と約束してないときは遊ぼうぜ。もう受験も終わったし。伸び伸びと遊べる!」
「そうだな。推薦取れて良かったよな」
「そうそう。香川には悪いけど、陽翔借りる」
「涼介のこと気にしすぎだ」
「そっか。ならいいけど」
「どこか遠出する?」
「それより俺、ゲーム思い切りやりたい。ゲーム封印してたんだよ」
「そう言えば、あのゲームやりたいな」
「だろだろ?」

 拓真は涼介のこと気にするけど、全然気にしなくていいのにな。
 そう思いながら冬休みの計画を話しあった。
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