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第23章 敵軍、迫る
ヴァリアスへの侵攻
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セネルへ帰還すると、すぐさま状況を知らせる為にヴァリアスの国王と王女に使者を出した。
デュランダルの国王はひとまず治療院へと運ばれ、薬学に精通する治療院をまとめる医師に託してあらゆる検査をすることとなった。
医師の説明によると、毒も使われているが正確にはブレイクダウン・ポイズンという魔法ということが解明した。
そこでアリシアは医師に尋ねた。
「その魔法は解くことは可能なのですか?毒を盛られていた件は解毒に対する効果は時間が解決するものだとは思いますが、魔法を受けたことによる精神的な症状が戻るのかどうか・・・その点が気になります」
「う~ん・・・何とも言えぬな。毒による効果はなんとかなると思うのだが、魔法による効果は治癒に特化した魔法師が必要不可欠となるだろう。その魔法師を見つけ出すのは困難と言えるだろう・・・この魔法は直接脳に作用しておる。呪いの魔法であれば、高度な聖水を用いればあるは・・・だが、この魔法はカースの魔法ではない。つまり呪いの魔法ではないということだ。残念ながら回復は難しいであろうな」
そういうと医師は他の患者の診察へと向かっていった。
アリシアは、フローレンシアたちが揃っている部屋へと足を運んだ。
部屋の扉を開けるとすでに対策会議が開かれていた。
「今回の作戦は、なんとかうまくいきましたね。ゼルガディスを倒せたことは大きいですね。ですが、レイジース・レコードも上手く倒せるかどうか・・・実際に戦ったことのある私から言わせれば、戦闘力の面ではゼルガディスを大きくしのぐほどの強さ。再生能力まであるとは思いもよりませんでしたわ」
「私たちの戦力を集結させなければ、勝ち目は薄いでしょう」
とフローレンシアが続ける。
「それに、ガルヴァーとランガスもまだ生き残っている。彼らが何を企んでいるのか、全く分からない状態です。」
ラルクは顔をしかめ、静かに頷いた。
「情報を集める必要がある。敵の動きを探る手段を考えよう。」
和人も真剣な表情で頷き、次の作戦を練り始めた。
「こういうのはどうだろうか?各地にスパイを派遣して動きを把握する。そのうえで新たな作戦を練る。これにはヴァリアスの支援も絶対に必要になるだろうな。ヴァリアスに送った使者が手紙を国王に渡していると思う。それを読めばヴァリアスの国王と女王は協力してくれるだろう。スパイを派遣するのには理由がある。ガルヴァーとランガス、それにレイジース・レコードが姿を消した件だ。恐らくはアジトを別に構えているんじゃないかな?」
和人はしばらく頭を抱えて考え込んでから言い放った。
「まず、今回の戦闘の時に気づいた事がある。レイジース・レコードには強い魔力を感じ取れた。それを現す意味が何なのかフローレンシアはわかるか?」
「強い魔力ですか・・・それはもしかしてレイジース・レコードがいればマダスカスの力を開放できる確率が高いということでしょうか?もしそうだとしたのならば、新たな敵の出現・・・でしょうか?」
「そうだ。最悪な事態として考えたんだが、魔界との空間がつながる確率が高い・・・それに魔法の聖地の存在だ。まだ高ランクの魔法師が存在していてもおかしくはない。魔法の聖地を束ねる長がいたとしたらどうだろう?俺がガルヴァーだったら、それを使わない手はない。今すぐにでも魔法の聖地の防衛に向かうのが得策だろうな。軍を編成してすぐにでも向かわせる必要があると俺は思う」
フローレンシアは立ち上がり、和人の意見に乗り、兵士を呼んで書状を渡して急ぎヴァリアスへ向かわせた。
そのころ、ヴァリアスではすでにオルスターの手によって軍が編成されていた。
ヴァリアスの国王は独自で自営行動をとっていたらしい。
国王は書状を読むと、すぐに城の外へと軍を配置させ、フローレンシアに書状を送った。
書状の内容はヴァリアスの軍をセネルに派遣して強化するという内容で、自由に使って欲しいとのことだった。
これにより、セネルの戦力は大幅に強化された。
その強化された一部隊を魔法の聖地へと派遣した。
一方そのころガルヴァーとランガスはレイジース・レコードを引き連れてすでに魔法の聖地へと侵入していた。
派遣した軍が到着したころには手遅れで女子供は虐殺され魔法師は連れ出され捕らえられていた。
酷いありさまだった。
そこらじゅうが血で染まり、血なまぐさい臭いと数多くの死体。
かろうじて生き延びた住人の話によると高ランクの魔法師と長は縄で拘束され、連れ去られてしまったという。
いったいどこへ連れ去られたのか・・・
フローレンシアは同時に様々な手をうっており、デュランダルにも兵士を派遣していたが、城の中は静まり返り兵士はいない状態だったという。
城下町の住人に被害がなかったのだけが救いだった。
これは貴族の手により城下町が強化された結果なのだろう。
「くそっ・・・一歩遅かったか!最悪の事態だな。まさかこんなに行動が早いとは・・・狙っていたとしか思えない。デュランダル場内はもぬけの殻・・・いったい奴らのアジトはどこなんだ?調べる方法を何とか探さないと事態はさらに悪化する。探す方法はあるが時間がかかりすぎる。探す手掛かりは、錬金術師が作り出した秘宝だ。秘宝同士は共鳴する。近くに行けば秘宝に反応は出るが、この広い大地を素早く探し出すのは無理だ・・・何か手立てはないものか・・・クレアの精霊術で探し出すことはできないのか?俺が元の世界で良く読んでいた本に精霊術は式を放って居場所を探し出せるようなことは書いてあったが、作者の単なる作り話だからな・・・」
「あの・・・和人さん、古式魔法の一つで式神を放ってある程度は探し出すことは可能ですよ・・・ただ、見つけ出せるかは分かりません。ある程度の範囲は決まっていますから、移動しながら式を放つしかないです。それらしい場所を当たって式神を放つ以外方法はありません」
和人はしばらく無言で難しい表情をしていた。
そしてみんなに向かって話し出した。
「これは予想なんだが、居場所がわからなくても相手から仕掛けてくる次の場所は特定できる。これはかなりの確率で高い。次に攻め込むとしたらヴァリアスが危ないと俺は思う。理由は古代の錬金術師が作り出したそれぞれの秘宝の能力についてだ。そこにあった文献にはそれぞれの能力が記された文献があった。そしてヴァリアスにあるディストラの能力は魔力の増大だ。そして、奴らが持っているマダスカスの力は一国を滅ぼすほどの強大な力があるとか、強大な力を持つ魔物を召喚することが出来る点だ。秘宝を使うには高ランクの魔法師が必要不可欠だ。ヴァリアスにあるディストラを用いればマダスカスの効果はさらに増すだろう」
フローレンシアは馬に乗ると和人たちに言った。
「では、私が一足先にヴァリアスに向かいましょう。この魔法の聖地の虐殺を見る限り手遅れかもしれませんが、私が一足先に国王に今の状況とこれから起こるかもしれない状況を説明しに行きます。もしかしたら、もう戦争が起こっているかもしれませんが、私が対処します」
和人はフローレンシアの手をつかみ一つの案を言った。
「お前はセネルのかなめだ。そこでだ、もう一つ策がある。シンシアを一緒に連れて行ってくれ。一度、セネルに戻ってシンシアを連れて行く手間は増えるが、シンシアの得意魔法は闇属性の魔法だ。もし、襲い掛かっていたとしても幻影魔法で撹乱することも可能だろう。それともう一つ、まだ攻め込まれていなかったら・・・シンシアには荷が重いとは思うが幻影魔法でヴァリアスの城下町と城を幻影で時間稼ぎができると思う。シンシアにそれを伝えて一緒にヴァリアスに向かってくれ」
フローレンシアは話を聞くと頷き、馬を走らせて急ぎセネルへと戻り、事情をシンシアに話とフローレンシアの馬の後ろに乗せてヴァリアスに向かって急いだ。
そして、ヴァリアスに着くなり、国王との謁見を門番に伝えると謁見の間で国王を待つことになった。
暫くすると国王と女王が姿を現し、フローレンシアは今までの細かい情報を伝えた。
国王は神妙な面持ちで話を聞くと、まずは城下町の住人の非難を考えた。
国王の考えを理解したフローレンシアはセネルにいる貴族のペールに国王直々に書状を届けさせた。
ペールは商人を通じて建築家を雇い、城より少し離れた場所に仮住まいを急ピッチで作り上げた。
国民の中にはよく思わないものも数多くおり、渋々移動していった。
そして夜半過ぎ、狙っていたかのように何者かが大規模な進行でヴァリアスに近づきつつあった。
要約目視で捕らえられるくらいの距離まで来ると、それは魔物の軍勢だった。
「シンシア、お願い。体制を立てる間だけでも幻影魔法で敵をかく乱させて!大規模な魔法発動になると思うけど、時間を稼いでちょうだい」
フローレンシアはシンシアにそう告げると、シンシアは頷いて一言言った。
「フローレンシアさん、ここは幻影魔法よりも幻術の方が適していると思います。フィアーという幻術をかけます。フィアーは相手に恐怖を与える効果があります。時間を稼ぎます!出来るだけ早く準備をお願いします」
シンシアは詠唱を始めると敵軍全員に大規模なフィアーをかけた。
中には頭を抱えるものや、むやみやたらに武器を振るうものまで様々だ。
フィアーの効果はてきめん。
代償として、魔法発動をかけ続けなければないということ。
すなわち、シンシアの魔力が大幅になくなってしまう。
そのころ、フローレンシアは辺りを見まわしている。
そう、一番恐れているレイジース・レコードの存在の確認だ。
もしもレイジース・レコードが現れた際に対して天高くのろしの合図として魔法を放つことを作戦に立てていた。
その時、フローレンシアの視線の先に、闇の中から一際異彩を放つ影が現れた。
レイジース・レコードだ。
彼女の心に恐怖が走る。
しかし、シンシアの魔法が効果を発揮しているうちに、何とか反撃の準備を整えなければならない。
フローレンシアは自らの剣を握りしめ、仲間たちに叫んだ。
「皆、心を一つに!私たちの力を合わせて、この危機を乗り越りきりましょう!さぁ、狼煙の合図として空高くに魔法を放ってください!造園が来るまでの間、私が一騎打ちを仕掛けます。」
仲間たちはフローレンシアの叫びに応え、覚悟を決める。
それぞれが自らの力を信じ、心を一つにして闇の影に立ち向かう準備をする。
フローレンシアはシンシアの魔法を頼りに、レイジース・レコードに立ち向かう決意を固める。
彼女の剣は光を放ち、勇気を湧き起こさせる。
闇の影は徐々に姿を現し、その姿は次第に明確になっていった。
それは、かつてフローレンシアが敵として戦った相手レイジース・レコードだった。
彼女は心の中で、過去の戦いを思い出しながら、再び闘志を燃やした。
「増援が来るまでなんとか堪えなければなりませんね・・・正直、一人で耐えられるかどうか・・・」
フローレンシアは自己加速術式をかけ、一気に間を詰め、そのまま横一線、剣を振りぬいた。
レイジース・レコードはフローレンシアの位置とは違う方向に剣を振るっている。
横一線に振りぬいた剣はレイジース・レコードの腹部にあたり、鮮血が飛び散ったが、傷は浅い。
切った瞬間に後ろに引いた感じで完全には切り裂いていない。
フローレンシアは振り返り、続きざまに闇雲に剣を振るっているレイジース・レコードの左腕が大きく振りかぶった隙を見逃さずに素早い剣速で切り裂いた。
「はぁー!旋風剣、一式・風なぎ!」
レイジース・レコードは明らかにおかしな行動をとっていることに気づいた。
「フローレンシアさん、レイジース・レコードにフィアーの魔法を強くかけました。おそらくフローレンシアさんの幻影を見ているのだと思います。幻影が解かれない今のうちに!」
シンシアはフィアーを一点に集中してレイジース・レコードにかけたことにより、魔物の軍勢のフィアーの効果がなくなってしまい、群れをなして一気にヴァリアスの軍勢に襲い掛かってきた。
時間を稼げたこともあって、第一部隊と第2部隊の魔法の詠唱はすでに完了している。
シンシアが第一部隊に叫んだ。
「第一部隊の皆さん!一斉に魔法を撃ち放ってください」
シンシアの合図とともに各属性の魔法が宙を舞い魔物たちに直撃していく。
だが、勢いは止まらずに、シンシアは第二部隊に攻撃の指示を出し、下がった第一部隊は再び詠唱を始め、次の攻撃に備えている。
その頃、フローレンシアの方は、フィアーの効果が切れて激しい剣の打ち合いをしている。
フローレンシアがバランスを崩した瞬間、レイジース・レコードは素早い突きの攻撃を顔面をめがけてきた。
だが、その素早い攻撃をフローレンシアは顔を横に向けて間一髪のところで避けると同時に横一回転をして、剣のつかをレイジース・レコードの後頭部に直撃させ、前のめりになると、その隙を見逃さず、後ろからレイジース・レコードの背中に突き刺した。
突き刺さった剣を力いっぱいに横なぎをして、一気に切り裂いた。
レイジース・レコードはうめき声をあげると同時に黒い闘気を身にまとった。
その瞬間、切り裂いた部分の傷がみるみるうちにふさがっていった。
黒い闘気を纏うと、更にスピードは上がり、激しい連撃を放ってきた。
3本の腕での激しい連撃と剣風は流石に全ては交わしきれずに後退しつつも腕にあたり、鎧にあたり、ももにあたり、服も鮮血で染まっていった。
自己加速術式を駆使しながら、剣にも魔法を込めて戦っているため、体力の消耗は激しいものだった。
激しく力強い一撃が来ると何とか剣で受け止めるが、数メートル後ろに吹き飛ばされ、たまらず片膝をつき、呼吸も乱れてきている。
レイジース・レコードは切り落とされた腕を拾うとくっつけて、更に突進してきた。
フローレンシアは立ち上がれずに万事休すかと思われた瞬間、涼音とソフィーがフローレンシアの前に立ちはだかった。
「待たせてごめんね・・・ソフィー!仕掛けて時間を稼いでちょうだい。私はタメを作るわ」
涼音がそういうとソフィーが2本のレイピアを構え、突進してくるレイジース・レコードに立ち向かった。
その時、光り輝く3本の何かがレイジース・レコードの背中に突き刺さった。
それはベルクールが放った矢だった。
一瞬、動きが止まり、それを見逃さずに、和人の魔法が付与されている2本のレイピアで連撃を繰り出した。
一方、涼音は闘気を貯めこみ、居合の態勢をとっている。
レイジース・レコードは2本の腕で防御をしながら、残りの2本で攻撃を繰り出している。
ソフィーは避けながらも攻撃をするが当たらずに、何回か攻撃を受けてしまっている。
「ソフィー!準備ができたわ!レイピアで閃光を放って目くらましをして後退してちょうだい」
ソフィーは2本のレイピアを十字に重ね合わせると激しい光が辺りを照らし、そのまま後退すると同時に涼音が消えたかと思えるような素早さで前進して間を一気に詰めるとレイジース・レコードのモモをめがけて居合抜きを繰り出した。
片足は見事切り落とされ、レイジース・レコードは片足を手に取り、激しい眼光で睨みつけながら動きを止めた。
「敵に隙を与えるな!出来る限り魔法を繰り出し、敵の動きを鈍くさせるんだ!」
それを確認すると、和人は魔族の一軍に対して広範囲魔法の詠唱を唱え始めた。
「食らいやがれ!炎系最強の範囲魔法・・・・・カグヅチ!」
敵軍中央から爆発を起こし、それが広範囲へ広がっていき敵軍を丸ごと飲み込んだ。
辺り一帯は灼熱と化し、敵軍は塵となって消えていった。
レイジース・レコードは足を再生させると闇の中へと消えていった。
「なんとか間一髪だったな。あのままだったらフローレンシアは倒されていたかもしれない。それに、敵軍も雑魚で助かった。だが、これは本腰を入れた争いではないと俺は思う。単なる戦力を削るだけの者だろうな。一刻も早くヴァリアスの国王に報告して、こちらからも積極的に攻め込まないとならない・・・だがそのためにはアジトを調べる必要がある」
この後、一旦セネルへ帰還してから貴族たちも含めて全員でヴァリアスへと向かうことにした。
そこで今後の方針について会議を行うこととなる。
デュランダルの国王はひとまず治療院へと運ばれ、薬学に精通する治療院をまとめる医師に託してあらゆる検査をすることとなった。
医師の説明によると、毒も使われているが正確にはブレイクダウン・ポイズンという魔法ということが解明した。
そこでアリシアは医師に尋ねた。
「その魔法は解くことは可能なのですか?毒を盛られていた件は解毒に対する効果は時間が解決するものだとは思いますが、魔法を受けたことによる精神的な症状が戻るのかどうか・・・その点が気になります」
「う~ん・・・何とも言えぬな。毒による効果はなんとかなると思うのだが、魔法による効果は治癒に特化した魔法師が必要不可欠となるだろう。その魔法師を見つけ出すのは困難と言えるだろう・・・この魔法は直接脳に作用しておる。呪いの魔法であれば、高度な聖水を用いればあるは・・・だが、この魔法はカースの魔法ではない。つまり呪いの魔法ではないということだ。残念ながら回復は難しいであろうな」
そういうと医師は他の患者の診察へと向かっていった。
アリシアは、フローレンシアたちが揃っている部屋へと足を運んだ。
部屋の扉を開けるとすでに対策会議が開かれていた。
「今回の作戦は、なんとかうまくいきましたね。ゼルガディスを倒せたことは大きいですね。ですが、レイジース・レコードも上手く倒せるかどうか・・・実際に戦ったことのある私から言わせれば、戦闘力の面ではゼルガディスを大きくしのぐほどの強さ。再生能力まであるとは思いもよりませんでしたわ」
「私たちの戦力を集結させなければ、勝ち目は薄いでしょう」
とフローレンシアが続ける。
「それに、ガルヴァーとランガスもまだ生き残っている。彼らが何を企んでいるのか、全く分からない状態です。」
ラルクは顔をしかめ、静かに頷いた。
「情報を集める必要がある。敵の動きを探る手段を考えよう。」
和人も真剣な表情で頷き、次の作戦を練り始めた。
「こういうのはどうだろうか?各地にスパイを派遣して動きを把握する。そのうえで新たな作戦を練る。これにはヴァリアスの支援も絶対に必要になるだろうな。ヴァリアスに送った使者が手紙を国王に渡していると思う。それを読めばヴァリアスの国王と女王は協力してくれるだろう。スパイを派遣するのには理由がある。ガルヴァーとランガス、それにレイジース・レコードが姿を消した件だ。恐らくはアジトを別に構えているんじゃないかな?」
和人はしばらく頭を抱えて考え込んでから言い放った。
「まず、今回の戦闘の時に気づいた事がある。レイジース・レコードには強い魔力を感じ取れた。それを現す意味が何なのかフローレンシアはわかるか?」
「強い魔力ですか・・・それはもしかしてレイジース・レコードがいればマダスカスの力を開放できる確率が高いということでしょうか?もしそうだとしたのならば、新たな敵の出現・・・でしょうか?」
「そうだ。最悪な事態として考えたんだが、魔界との空間がつながる確率が高い・・・それに魔法の聖地の存在だ。まだ高ランクの魔法師が存在していてもおかしくはない。魔法の聖地を束ねる長がいたとしたらどうだろう?俺がガルヴァーだったら、それを使わない手はない。今すぐにでも魔法の聖地の防衛に向かうのが得策だろうな。軍を編成してすぐにでも向かわせる必要があると俺は思う」
フローレンシアは立ち上がり、和人の意見に乗り、兵士を呼んで書状を渡して急ぎヴァリアスへ向かわせた。
そのころ、ヴァリアスではすでにオルスターの手によって軍が編成されていた。
ヴァリアスの国王は独自で自営行動をとっていたらしい。
国王は書状を読むと、すぐに城の外へと軍を配置させ、フローレンシアに書状を送った。
書状の内容はヴァリアスの軍をセネルに派遣して強化するという内容で、自由に使って欲しいとのことだった。
これにより、セネルの戦力は大幅に強化された。
その強化された一部隊を魔法の聖地へと派遣した。
一方そのころガルヴァーとランガスはレイジース・レコードを引き連れてすでに魔法の聖地へと侵入していた。
派遣した軍が到着したころには手遅れで女子供は虐殺され魔法師は連れ出され捕らえられていた。
酷いありさまだった。
そこらじゅうが血で染まり、血なまぐさい臭いと数多くの死体。
かろうじて生き延びた住人の話によると高ランクの魔法師と長は縄で拘束され、連れ去られてしまったという。
いったいどこへ連れ去られたのか・・・
フローレンシアは同時に様々な手をうっており、デュランダルにも兵士を派遣していたが、城の中は静まり返り兵士はいない状態だったという。
城下町の住人に被害がなかったのだけが救いだった。
これは貴族の手により城下町が強化された結果なのだろう。
「くそっ・・・一歩遅かったか!最悪の事態だな。まさかこんなに行動が早いとは・・・狙っていたとしか思えない。デュランダル場内はもぬけの殻・・・いったい奴らのアジトはどこなんだ?調べる方法を何とか探さないと事態はさらに悪化する。探す方法はあるが時間がかかりすぎる。探す手掛かりは、錬金術師が作り出した秘宝だ。秘宝同士は共鳴する。近くに行けば秘宝に反応は出るが、この広い大地を素早く探し出すのは無理だ・・・何か手立てはないものか・・・クレアの精霊術で探し出すことはできないのか?俺が元の世界で良く読んでいた本に精霊術は式を放って居場所を探し出せるようなことは書いてあったが、作者の単なる作り話だからな・・・」
「あの・・・和人さん、古式魔法の一つで式神を放ってある程度は探し出すことは可能ですよ・・・ただ、見つけ出せるかは分かりません。ある程度の範囲は決まっていますから、移動しながら式を放つしかないです。それらしい場所を当たって式神を放つ以外方法はありません」
和人はしばらく無言で難しい表情をしていた。
そしてみんなに向かって話し出した。
「これは予想なんだが、居場所がわからなくても相手から仕掛けてくる次の場所は特定できる。これはかなりの確率で高い。次に攻め込むとしたらヴァリアスが危ないと俺は思う。理由は古代の錬金術師が作り出したそれぞれの秘宝の能力についてだ。そこにあった文献にはそれぞれの能力が記された文献があった。そしてヴァリアスにあるディストラの能力は魔力の増大だ。そして、奴らが持っているマダスカスの力は一国を滅ぼすほどの強大な力があるとか、強大な力を持つ魔物を召喚することが出来る点だ。秘宝を使うには高ランクの魔法師が必要不可欠だ。ヴァリアスにあるディストラを用いればマダスカスの効果はさらに増すだろう」
フローレンシアは馬に乗ると和人たちに言った。
「では、私が一足先にヴァリアスに向かいましょう。この魔法の聖地の虐殺を見る限り手遅れかもしれませんが、私が一足先に国王に今の状況とこれから起こるかもしれない状況を説明しに行きます。もしかしたら、もう戦争が起こっているかもしれませんが、私が対処します」
和人はフローレンシアの手をつかみ一つの案を言った。
「お前はセネルのかなめだ。そこでだ、もう一つ策がある。シンシアを一緒に連れて行ってくれ。一度、セネルに戻ってシンシアを連れて行く手間は増えるが、シンシアの得意魔法は闇属性の魔法だ。もし、襲い掛かっていたとしても幻影魔法で撹乱することも可能だろう。それともう一つ、まだ攻め込まれていなかったら・・・シンシアには荷が重いとは思うが幻影魔法でヴァリアスの城下町と城を幻影で時間稼ぎができると思う。シンシアにそれを伝えて一緒にヴァリアスに向かってくれ」
フローレンシアは話を聞くと頷き、馬を走らせて急ぎセネルへと戻り、事情をシンシアに話とフローレンシアの馬の後ろに乗せてヴァリアスに向かって急いだ。
そして、ヴァリアスに着くなり、国王との謁見を門番に伝えると謁見の間で国王を待つことになった。
暫くすると国王と女王が姿を現し、フローレンシアは今までの細かい情報を伝えた。
国王は神妙な面持ちで話を聞くと、まずは城下町の住人の非難を考えた。
国王の考えを理解したフローレンシアはセネルにいる貴族のペールに国王直々に書状を届けさせた。
ペールは商人を通じて建築家を雇い、城より少し離れた場所に仮住まいを急ピッチで作り上げた。
国民の中にはよく思わないものも数多くおり、渋々移動していった。
そして夜半過ぎ、狙っていたかのように何者かが大規模な進行でヴァリアスに近づきつつあった。
要約目視で捕らえられるくらいの距離まで来ると、それは魔物の軍勢だった。
「シンシア、お願い。体制を立てる間だけでも幻影魔法で敵をかく乱させて!大規模な魔法発動になると思うけど、時間を稼いでちょうだい」
フローレンシアはシンシアにそう告げると、シンシアは頷いて一言言った。
「フローレンシアさん、ここは幻影魔法よりも幻術の方が適していると思います。フィアーという幻術をかけます。フィアーは相手に恐怖を与える効果があります。時間を稼ぎます!出来るだけ早く準備をお願いします」
シンシアは詠唱を始めると敵軍全員に大規模なフィアーをかけた。
中には頭を抱えるものや、むやみやたらに武器を振るうものまで様々だ。
フィアーの効果はてきめん。
代償として、魔法発動をかけ続けなければないということ。
すなわち、シンシアの魔力が大幅になくなってしまう。
そのころ、フローレンシアは辺りを見まわしている。
そう、一番恐れているレイジース・レコードの存在の確認だ。
もしもレイジース・レコードが現れた際に対して天高くのろしの合図として魔法を放つことを作戦に立てていた。
その時、フローレンシアの視線の先に、闇の中から一際異彩を放つ影が現れた。
レイジース・レコードだ。
彼女の心に恐怖が走る。
しかし、シンシアの魔法が効果を発揮しているうちに、何とか反撃の準備を整えなければならない。
フローレンシアは自らの剣を握りしめ、仲間たちに叫んだ。
「皆、心を一つに!私たちの力を合わせて、この危機を乗り越りきりましょう!さぁ、狼煙の合図として空高くに魔法を放ってください!造園が来るまでの間、私が一騎打ちを仕掛けます。」
仲間たちはフローレンシアの叫びに応え、覚悟を決める。
それぞれが自らの力を信じ、心を一つにして闇の影に立ち向かう準備をする。
フローレンシアはシンシアの魔法を頼りに、レイジース・レコードに立ち向かう決意を固める。
彼女の剣は光を放ち、勇気を湧き起こさせる。
闇の影は徐々に姿を現し、その姿は次第に明確になっていった。
それは、かつてフローレンシアが敵として戦った相手レイジース・レコードだった。
彼女は心の中で、過去の戦いを思い出しながら、再び闘志を燃やした。
「増援が来るまでなんとか堪えなければなりませんね・・・正直、一人で耐えられるかどうか・・・」
フローレンシアは自己加速術式をかけ、一気に間を詰め、そのまま横一線、剣を振りぬいた。
レイジース・レコードはフローレンシアの位置とは違う方向に剣を振るっている。
横一線に振りぬいた剣はレイジース・レコードの腹部にあたり、鮮血が飛び散ったが、傷は浅い。
切った瞬間に後ろに引いた感じで完全には切り裂いていない。
フローレンシアは振り返り、続きざまに闇雲に剣を振るっているレイジース・レコードの左腕が大きく振りかぶった隙を見逃さずに素早い剣速で切り裂いた。
「はぁー!旋風剣、一式・風なぎ!」
レイジース・レコードは明らかにおかしな行動をとっていることに気づいた。
「フローレンシアさん、レイジース・レコードにフィアーの魔法を強くかけました。おそらくフローレンシアさんの幻影を見ているのだと思います。幻影が解かれない今のうちに!」
シンシアはフィアーを一点に集中してレイジース・レコードにかけたことにより、魔物の軍勢のフィアーの効果がなくなってしまい、群れをなして一気にヴァリアスの軍勢に襲い掛かってきた。
時間を稼げたこともあって、第一部隊と第2部隊の魔法の詠唱はすでに完了している。
シンシアが第一部隊に叫んだ。
「第一部隊の皆さん!一斉に魔法を撃ち放ってください」
シンシアの合図とともに各属性の魔法が宙を舞い魔物たちに直撃していく。
だが、勢いは止まらずに、シンシアは第二部隊に攻撃の指示を出し、下がった第一部隊は再び詠唱を始め、次の攻撃に備えている。
その頃、フローレンシアの方は、フィアーの効果が切れて激しい剣の打ち合いをしている。
フローレンシアがバランスを崩した瞬間、レイジース・レコードは素早い突きの攻撃を顔面をめがけてきた。
だが、その素早い攻撃をフローレンシアは顔を横に向けて間一髪のところで避けると同時に横一回転をして、剣のつかをレイジース・レコードの後頭部に直撃させ、前のめりになると、その隙を見逃さず、後ろからレイジース・レコードの背中に突き刺した。
突き刺さった剣を力いっぱいに横なぎをして、一気に切り裂いた。
レイジース・レコードはうめき声をあげると同時に黒い闘気を身にまとった。
その瞬間、切り裂いた部分の傷がみるみるうちにふさがっていった。
黒い闘気を纏うと、更にスピードは上がり、激しい連撃を放ってきた。
3本の腕での激しい連撃と剣風は流石に全ては交わしきれずに後退しつつも腕にあたり、鎧にあたり、ももにあたり、服も鮮血で染まっていった。
自己加速術式を駆使しながら、剣にも魔法を込めて戦っているため、体力の消耗は激しいものだった。
激しく力強い一撃が来ると何とか剣で受け止めるが、数メートル後ろに吹き飛ばされ、たまらず片膝をつき、呼吸も乱れてきている。
レイジース・レコードは切り落とされた腕を拾うとくっつけて、更に突進してきた。
フローレンシアは立ち上がれずに万事休すかと思われた瞬間、涼音とソフィーがフローレンシアの前に立ちはだかった。
「待たせてごめんね・・・ソフィー!仕掛けて時間を稼いでちょうだい。私はタメを作るわ」
涼音がそういうとソフィーが2本のレイピアを構え、突進してくるレイジース・レコードに立ち向かった。
その時、光り輝く3本の何かがレイジース・レコードの背中に突き刺さった。
それはベルクールが放った矢だった。
一瞬、動きが止まり、それを見逃さずに、和人の魔法が付与されている2本のレイピアで連撃を繰り出した。
一方、涼音は闘気を貯めこみ、居合の態勢をとっている。
レイジース・レコードは2本の腕で防御をしながら、残りの2本で攻撃を繰り出している。
ソフィーは避けながらも攻撃をするが当たらずに、何回か攻撃を受けてしまっている。
「ソフィー!準備ができたわ!レイピアで閃光を放って目くらましをして後退してちょうだい」
ソフィーは2本のレイピアを十字に重ね合わせると激しい光が辺りを照らし、そのまま後退すると同時に涼音が消えたかと思えるような素早さで前進して間を一気に詰めるとレイジース・レコードのモモをめがけて居合抜きを繰り出した。
片足は見事切り落とされ、レイジース・レコードは片足を手に取り、激しい眼光で睨みつけながら動きを止めた。
「敵に隙を与えるな!出来る限り魔法を繰り出し、敵の動きを鈍くさせるんだ!」
それを確認すると、和人は魔族の一軍に対して広範囲魔法の詠唱を唱え始めた。
「食らいやがれ!炎系最強の範囲魔法・・・・・カグヅチ!」
敵軍中央から爆発を起こし、それが広範囲へ広がっていき敵軍を丸ごと飲み込んだ。
辺り一帯は灼熱と化し、敵軍は塵となって消えていった。
レイジース・レコードは足を再生させると闇の中へと消えていった。
「なんとか間一髪だったな。あのままだったらフローレンシアは倒されていたかもしれない。それに、敵軍も雑魚で助かった。だが、これは本腰を入れた争いではないと俺は思う。単なる戦力を削るだけの者だろうな。一刻も早くヴァリアスの国王に報告して、こちらからも積極的に攻め込まないとならない・・・だがそのためにはアジトを調べる必要がある」
この後、一旦セネルへ帰還してから貴族たちも含めて全員でヴァリアスへと向かうことにした。
そこで今後の方針について会議を行うこととなる。
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私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
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ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
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