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そろそろマズいかなと考える。
頭の中で泣きわめく翔と玲の顔が思い浮かんでいた。
「ククルさんお願いがあるんですけーー」
「なんでしょうっ!」
食い気味に身を乗り出し聞いてくるククルに商人って怖いなと思った。
「すいませんが暫くヨナちゃんを預かってもらうことって出来ますか?」
「構いませんよ。どれぐらいですか?」
「そうですね……では一週間ほど」
「長っ…いですね。すいません、勝手に数時間ぐらいの話しだと思ってました」
驚くククルに、家族が心配のため一度帰宅したいと伝えれば少し悩みつつも引き受けてくれた。
ただ一週間は長過ぎるかと3日ほどお願いすることにする。
「戻ってきたらお人形とお揃いの可愛い服見せて下さいね」
「………うん」
あからさまに元気がなくなったヨナを抱き上げると、コツンと額を合わせる。
「必ず戻って来ますから。それまでアリーさんたちの言うことをよく聞いて、いっぱいご飯を食べて、よく寝て元気で待っていて下さいね。何かあったら誰でもいいから言うこと」
頷くヨナに微笑むと、任せてと笑って頷いてくれたアリーたちにヨナをお願いする。
「お兄ちゃんたちもお願いしますね。戻ってきたら今度は一緒に何か作りましょう」
「「ーーっ、はい!」」
ここまで言っておけば縁がいなくとも放置されるなんていうこともないだろう。
イアラもクアラも妹だと喜んでくれ、それを見たアリーたちもこれなら暫く大人しくしているだろうと苦笑いしている。
「流石はエニシさんね。この子たちがこんなに素直に言うこときくなんて」
縁からすれば2人は会った時から素直な子たちだったが、本当の彼らはどうも違うらしい。
「確かに。そういえばエニシくんはAランクの冒険者とも知り合いとか。よければ今度この子たちに話しを聴かせてやって下さい」
マジで!?とばかりに目を見開き近づいて来ようとする2人をアリーが叩いて止めてくれる。
「私に聞くより本人たちに聞くのが一番だと思いますよ。今度コリンさんたちにお願いしてみますね」
「「お願いしますっ!」」
冒険者をやっているだけあってノリが体育会系だ。
勢いよく頭を下げる2人に隣りではヨナが首を傾げていた。
「お兄ちゃんたちは強いですから、何があってもヨナちゃんを守ってくれますよ。怖いことがあったらお兄ちゃんたちと一緒にいなさい」
「……うん」
縁の言葉に照れながらも任せなさいとばかりに兄弟もポンポンとヨナの頭を撫でてやっていた。
頼ってばかりで申し訳ないと言えば、アリーさんは笑い……
「良い機会よ。この子たちもいい加減女の子の扱いを学ばないとね。放っておくとすぐ冒険やら金儲けのことしか考えないんだから。まったく誰に似たんだか」
「だから母さんだよ」
「そうそう。どう見ても母さーー痛ったっ!」
またしても拳骨をくらい蹲る兄弟にこれがこの家族の日常なんだと悟った。
色んな家族がいるものだ。
「私の娘も私に似てるとよく言われるんですけど……何故ですかね?」
愛依はそうでもないのだが、繋は何故かパパたちにも、マーガレットたちにも、挙句にはレオナルドにも言われた。なぜ?
「ということは相当の美少女!」
「品があって、料理上手ということですね!」
いいなぁと想像する兄弟に、しかし彼らの想像と娘の姿が結びつかない。
可愛いとは思うが親の良く目というものがある。
アズに似たのか外で走り回るより部屋で本を読む方が好きだが、品があるかと聞かれれば違うと言える。
よく手伝いはしてくれるが、それほど料理のレパートリーがあるわけではない自分が教えてやれるものは少ないため料理上手と言っていいのかも分からない。
縁は自己評価が低かった。
首を傾げ続ける縁に、何か察したのか苦笑いするククルに肩を叩かれるのだった。
「エニシくんは自覚がないだけで十分魅力的ですよ」
「そう、ですかね?」
そもそもの兄弟の想像が縁を元に形作られるといると未だに本人だけが気が付いていないのだった。
「アリーも張り切っていますから安心して下さい。上手く出来るかは分かりませんがエニシくんの期待に沿えるように頑張りますので!」
「……………えーと、はい、よろしくお願いします」
そんな力一杯宣言してくれなくとも構わなかったのだが、こちらは頼んでいる身なので否定するのも申し訳ないとよろしくと頭を下げておくのだった。
頭の中で泣きわめく翔と玲の顔が思い浮かんでいた。
「ククルさんお願いがあるんですけーー」
「なんでしょうっ!」
食い気味に身を乗り出し聞いてくるククルに商人って怖いなと思った。
「すいませんが暫くヨナちゃんを預かってもらうことって出来ますか?」
「構いませんよ。どれぐらいですか?」
「そうですね……では一週間ほど」
「長っ…いですね。すいません、勝手に数時間ぐらいの話しだと思ってました」
驚くククルに、家族が心配のため一度帰宅したいと伝えれば少し悩みつつも引き受けてくれた。
ただ一週間は長過ぎるかと3日ほどお願いすることにする。
「戻ってきたらお人形とお揃いの可愛い服見せて下さいね」
「………うん」
あからさまに元気がなくなったヨナを抱き上げると、コツンと額を合わせる。
「必ず戻って来ますから。それまでアリーさんたちの言うことをよく聞いて、いっぱいご飯を食べて、よく寝て元気で待っていて下さいね。何かあったら誰でもいいから言うこと」
頷くヨナに微笑むと、任せてと笑って頷いてくれたアリーたちにヨナをお願いする。
「お兄ちゃんたちもお願いしますね。戻ってきたら今度は一緒に何か作りましょう」
「「ーーっ、はい!」」
ここまで言っておけば縁がいなくとも放置されるなんていうこともないだろう。
イアラもクアラも妹だと喜んでくれ、それを見たアリーたちもこれなら暫く大人しくしているだろうと苦笑いしている。
「流石はエニシさんね。この子たちがこんなに素直に言うこときくなんて」
縁からすれば2人は会った時から素直な子たちだったが、本当の彼らはどうも違うらしい。
「確かに。そういえばエニシくんはAランクの冒険者とも知り合いとか。よければ今度この子たちに話しを聴かせてやって下さい」
マジで!?とばかりに目を見開き近づいて来ようとする2人をアリーが叩いて止めてくれる。
「私に聞くより本人たちに聞くのが一番だと思いますよ。今度コリンさんたちにお願いしてみますね」
「「お願いしますっ!」」
冒険者をやっているだけあってノリが体育会系だ。
勢いよく頭を下げる2人に隣りではヨナが首を傾げていた。
「お兄ちゃんたちは強いですから、何があってもヨナちゃんを守ってくれますよ。怖いことがあったらお兄ちゃんたちと一緒にいなさい」
「……うん」
縁の言葉に照れながらも任せなさいとばかりに兄弟もポンポンとヨナの頭を撫でてやっていた。
頼ってばかりで申し訳ないと言えば、アリーさんは笑い……
「良い機会よ。この子たちもいい加減女の子の扱いを学ばないとね。放っておくとすぐ冒険やら金儲けのことしか考えないんだから。まったく誰に似たんだか」
「だから母さんだよ」
「そうそう。どう見ても母さーー痛ったっ!」
またしても拳骨をくらい蹲る兄弟にこれがこの家族の日常なんだと悟った。
色んな家族がいるものだ。
「私の娘も私に似てるとよく言われるんですけど……何故ですかね?」
愛依はそうでもないのだが、繋は何故かパパたちにも、マーガレットたちにも、挙句にはレオナルドにも言われた。なぜ?
「ということは相当の美少女!」
「品があって、料理上手ということですね!」
いいなぁと想像する兄弟に、しかし彼らの想像と娘の姿が結びつかない。
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アズに似たのか外で走り回るより部屋で本を読む方が好きだが、品があるかと聞かれれば違うと言える。
よく手伝いはしてくれるが、それほど料理のレパートリーがあるわけではない自分が教えてやれるものは少ないため料理上手と言っていいのかも分からない。
縁は自己評価が低かった。
首を傾げ続ける縁に、何か察したのか苦笑いするククルに肩を叩かれるのだった。
「エニシくんは自覚がないだけで十分魅力的ですよ」
「そう、ですかね?」
そもそもの兄弟の想像が縁を元に形作られるといると未だに本人だけが気が付いていないのだった。
「アリーも張り切っていますから安心して下さい。上手く出来るかは分かりませんがエニシくんの期待に沿えるように頑張りますので!」
「……………えーと、はい、よろしくお願いします」
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