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いきまーす
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「ではまいります。高いたかーーい」
「なにしてんの!?」
大きく振りかぶって………はないが、勢いをつけて上空高く放り投げられた繋は楽しそうに笑いながら落ちてくる。
楽しい親子のふれあいだったのだが、慌てたように駆け寄ってきたエルによって中断を余儀なくされた。
「見たことありませんか?高い高い」
子どもなら一度はしてもらったことがあると思っていたのだが、こちらの世界ではないのだろうか?
「そこじゃない!高さ!高さ考えて!」
あ、そこか。
「大丈夫ですよ。ちゃんと魔法使ってますし、繋もこの方が楽しいらしくて」
ポスンと落ちてきた繋をキャッチすると再び空高く放り投げる。
ハラハラと隣で見ているエルが面白い。
止めたいけど繋が本当に楽しそうなのが分かり、けれど危ないのではと繋と一緒に身体が上下している。
「無意識だと思いますが、繋も自分で浮くようにしてるみたいです」
そのため縁の思った高さよりさらに高く上がっているのだ。
縁もさすがに危ないと加減はしている。
だが繋も無意識にしろ魔法を使っているためどんどんと高さが増していくのだ。
「どんな赤ん坊だよ!怖い、見てるの怖い!」
早く終わってと震えるエルにこれ以上は可哀想かと本日の高い高いは終了した。
繋は若干不服そうではあったが。
「エルの子どもの頃ってどんな感じだったんですか?」
「オレ?えーー、普通に言いつけ通り部屋で本を読むいい子だったよ」
にっこり笑顔が逆に怪しい。
「ま、それだけじゃないけど。人の解体方法とか、拷問方法とか……知識って大事だなぁとは思った」
「………」
知識とはいったい……
「それもあんまり保たなかったけどね。ジッと本だけ読んでるなんてつまんないじゃん」
早々に飽きてくれて良かった。
興味を持たれて実践しようとした日には将来が不安でしかなくなる。
「エニシは?」
「私ですか?私は……木登りして足を滑らせては骨折するヤンチャな子、でしたね」
「………は?」
何それとばかりにこちらを見てくるエルに笑う。
「母が得意だったんですよ。で、私も真似して登ってはあと少しのところで毎回足を滑らせて……今なら出来るかな?」
「………一回落ちてなんで諦めないの?」
「母があまりにもスルスル簡単に登っていくもので、男の私が出来ないのはおかしいだろうと頑張ってました。まぁ、その努力は実りませんでしたけど」
懐かしい思い出だ。
結局心配した父により泣いて止められ断念したのだ。
もちろん父も木登りは不得意だった。
「あ、でも読書も好きでしたよ。学校ではよく読んでました」
図書室に入り浸っては色々読んではいた。
両親を亡くしてからは日増しにそれも多くなり、少しの暇を見つけては無心に読み続けていた。
「オレにはもうエニシがよく分かんないよ」
「そうですか?」
そう難しい性格ではないと思うが。
「それより!あの双子止めて!」
急にどうしたと思ったが、引きずられるように部屋に連れていかれ中を見て理解した。
「これはまた豪快な」
獣人であり成長が早い双子はすでにハイハイを卒業し、1人歩きが出来るようになっていた。
そうなればどうなるか。お分かりだろうか?
部屋中歩き回り、机に乗っていただろう品々を落として回り、それを片付けている間にもそこら中荒らして回る。
挙句どこかにぶつけたのだろう真が痛いと大声で泣いている。
「真はいい加減泣き止め!愛依はジッとしてなさい!」
落ちた物を拾いながらロンが叫んでいるが、その声に真がさらに号泣し、つられて愛依まで泣き出してしまった。
………申し訳ない。
「繋はエルと遊んでなさい。真、愛依おいで」
名前を呼べば泣きながら歩いてきた2人を受け止める。
少しだけと繋と外に出ていた縁のせいだ。
「どうしました?さっきまでいい子にねんねしていたでしょう?」
だからこそ縁も双子をロンに任せ外に出ていたのだが。
「「まま、ないないの~」」
「私を探してくれていたんですか?」
それは誠に申し訳ない。
ごめんねと謝り、ぎゅっと抱きしめてやれば漸く泣き止んでくれた。
「ロンもごめんなさい。大変だったでしょう?」
自分だけでは手に負えないとエルに助けを求めたに違いない。
「まぁ、なんだ。こいつらも起きたらお前がいなくて慌てたんだろう」
仕方がないと言ってくれるロンには感謝しかない。
「2人もごめんなさいしましょうね」
「「……めんね~」」
「反省したならいい」
今度から気をつけろと頭を撫でられ機嫌が良くなった2人はロンに抱きつきにいっていた。
そう、縁がいる分には双子も大人しく仲良く遊んでいる。
「目が覚めてしまったようなので今日は外にお散歩に行きましょうか」
「ケイも!」
「そうですね。繋も一緒に行きましょう。けど私から絶対に離れないように。守れないようなら今度から繋だけお留守番ですからね」
「うん!」
元気な返事に笑うとロンと、一緒に行きたいと言ったエルを連れ外に向かうのだった。
「なにしてんの!?」
大きく振りかぶって………はないが、勢いをつけて上空高く放り投げられた繋は楽しそうに笑いながら落ちてくる。
楽しい親子のふれあいだったのだが、慌てたように駆け寄ってきたエルによって中断を余儀なくされた。
「見たことありませんか?高い高い」
子どもなら一度はしてもらったことがあると思っていたのだが、こちらの世界ではないのだろうか?
「そこじゃない!高さ!高さ考えて!」
あ、そこか。
「大丈夫ですよ。ちゃんと魔法使ってますし、繋もこの方が楽しいらしくて」
ポスンと落ちてきた繋をキャッチすると再び空高く放り投げる。
ハラハラと隣で見ているエルが面白い。
止めたいけど繋が本当に楽しそうなのが分かり、けれど危ないのではと繋と一緒に身体が上下している。
「無意識だと思いますが、繋も自分で浮くようにしてるみたいです」
そのため縁の思った高さよりさらに高く上がっているのだ。
縁もさすがに危ないと加減はしている。
だが繋も無意識にしろ魔法を使っているためどんどんと高さが増していくのだ。
「どんな赤ん坊だよ!怖い、見てるの怖い!」
早く終わってと震えるエルにこれ以上は可哀想かと本日の高い高いは終了した。
繋は若干不服そうではあったが。
「エルの子どもの頃ってどんな感じだったんですか?」
「オレ?えーー、普通に言いつけ通り部屋で本を読むいい子だったよ」
にっこり笑顔が逆に怪しい。
「ま、それだけじゃないけど。人の解体方法とか、拷問方法とか……知識って大事だなぁとは思った」
「………」
知識とはいったい……
「それもあんまり保たなかったけどね。ジッと本だけ読んでるなんてつまんないじゃん」
早々に飽きてくれて良かった。
興味を持たれて実践しようとした日には将来が不安でしかなくなる。
「エニシは?」
「私ですか?私は……木登りして足を滑らせては骨折するヤンチャな子、でしたね」
「………は?」
何それとばかりにこちらを見てくるエルに笑う。
「母が得意だったんですよ。で、私も真似して登ってはあと少しのところで毎回足を滑らせて……今なら出来るかな?」
「………一回落ちてなんで諦めないの?」
「母があまりにもスルスル簡単に登っていくもので、男の私が出来ないのはおかしいだろうと頑張ってました。まぁ、その努力は実りませんでしたけど」
懐かしい思い出だ。
結局心配した父により泣いて止められ断念したのだ。
もちろん父も木登りは不得意だった。
「あ、でも読書も好きでしたよ。学校ではよく読んでました」
図書室に入り浸っては色々読んではいた。
両親を亡くしてからは日増しにそれも多くなり、少しの暇を見つけては無心に読み続けていた。
「オレにはもうエニシがよく分かんないよ」
「そうですか?」
そう難しい性格ではないと思うが。
「それより!あの双子止めて!」
急にどうしたと思ったが、引きずられるように部屋に連れていかれ中を見て理解した。
「これはまた豪快な」
獣人であり成長が早い双子はすでにハイハイを卒業し、1人歩きが出来るようになっていた。
そうなればどうなるか。お分かりだろうか?
部屋中歩き回り、机に乗っていただろう品々を落として回り、それを片付けている間にもそこら中荒らして回る。
挙句どこかにぶつけたのだろう真が痛いと大声で泣いている。
「真はいい加減泣き止め!愛依はジッとしてなさい!」
落ちた物を拾いながらロンが叫んでいるが、その声に真がさらに号泣し、つられて愛依まで泣き出してしまった。
………申し訳ない。
「繋はエルと遊んでなさい。真、愛依おいで」
名前を呼べば泣きながら歩いてきた2人を受け止める。
少しだけと繋と外に出ていた縁のせいだ。
「どうしました?さっきまでいい子にねんねしていたでしょう?」
だからこそ縁も双子をロンに任せ外に出ていたのだが。
「「まま、ないないの~」」
「私を探してくれていたんですか?」
それは誠に申し訳ない。
ごめんねと謝り、ぎゅっと抱きしめてやれば漸く泣き止んでくれた。
「ロンもごめんなさい。大変だったでしょう?」
自分だけでは手に負えないとエルに助けを求めたに違いない。
「まぁ、なんだ。こいつらも起きたらお前がいなくて慌てたんだろう」
仕方がないと言ってくれるロンには感謝しかない。
「2人もごめんなさいしましょうね」
「「……めんね~」」
「反省したならいい」
今度から気をつけろと頭を撫でられ機嫌が良くなった2人はロンに抱きつきにいっていた。
そう、縁がいる分には双子も大人しく仲良く遊んでいる。
「目が覚めてしまったようなので今日は外にお散歩に行きましょうか」
「ケイも!」
「そうですね。繋も一緒に行きましょう。けど私から絶対に離れないように。守れないようなら今度から繋だけお留守番ですからね」
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