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お礼
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「そう言えばアル爺はどうしてここに?」
「コヤツに来たければ来いと言われてな。最近会えてなんだしちょうどいいかと思ってな。ああ、そうじゃそうじゃ、お前さんに伝言じゃ。そろそろ御守りが尽きてしまうぞとな」
言わずもながらレオナルドから催促のようだ。
「早くないですか?」
「はははっ、そう言うと思ったんじゃろな。母親ならば私に感謝しろ、じゃと」
エリックのために色々頑張ってくれているのだろう。
元々忙しい中、断れるのにそうせず縁の願いをきちんと聞いてくれている。
「そうですねぇ。ならこれと……あとこれも」
「なんじゃ?この箱は」
「そちらは王子と王女様に。足りないであろう宰相様にはーー」
以前渡した多めの飴玉とは別に瓶詰めの飴玉を渡す。
色とりどりなのはその時あった材料で作ったからである。
「こちらは前に渡したものと同じですが、こちらは特別製です。なので一つ注意を。一日一粒それを守るよう必ず伝えて下さい」
「なんじゃなんじゃ。何かやばい代物か?」
そんな危ない物渡すように見られていたのだろうか。
冗談じゃとケラケラ笑うアル爺に苦笑いしながらも、瓶から一粒出し渡す。
躊躇うことなく口に入れるのは信用されていると喜んでいいのか、確認もせず危ないではないかと注意した方がいいのか。
「ん?これは……少量じゃが回復効果があるようじゃな」
「そうです。以前アル爺に貰った回復薬を薄めて入れてみました。ただ舐めている間効果があるのであまり多用すると逆に危ないと思っーーぐぇ」
いきなりの抱擁に変な声を上げればジンとマーガレットが慌てて救出してくれた。
「なにしてんだいジジイ!」
「エニシくんから離れろイカれジジイ!」
「なんてことじゃ!そうか!そうだな!飴にし舐め続けることで徐々に回復する。その時だけの効果だけではなく続く効果!なるほど、素晴らしい!」
何か興奮しているようだが、救出のためにとマーガレットたちに殴られた頰は大丈夫だろうか?
あ、飴舐めてるんだった。
その場ですぐ効果があるのも時には大事だが、少量だが長く効果が続いたならばと作ってみたのだ。
主に気苦労が絶えない宰相のためで、これで少しでもレオナルドの疲れが取れればいい。
「あ、だからそれは宰相様にですって。アル爺が食べないで下さい。ダメです、ちゃんと渡して下さいね」
もう一粒と手を出そうとした手を叩いて止めると、きちんと蓋をし渡す。
材料はそう特別なものは使っていないので、作ろうと思えば誰でも作れるだろう。
「あやつには勿体ない儂がーー」
「だからダメですって。私がお世話になってるお礼なんですから。欲しいなら作ってあげますから。ただ貰った回復薬は全て使ってしまったので貰えればですが」
「いくらでもやろう!待っとれ」
そう言い鞄からいくつもの回復薬に加え、解毒薬なるものや魔力回復薬なるものも渡された。
「期待しとるぞ!」
「なんちゅう図々しいジジイだよ」
「これが友人だなんて恥ずかしいよ」
マーガレットとジンが呆れてしまっている。
「分かりました。その代わりそれは必ず渡して下さいね」
「分かった分かった」
「………どっちが大人か分かったもんじゃないね」
全くだ。
必ず渡してもらうよう約束し、代わりにアル爺に飴を作ってあげることになった。
「無理しなくていいからね。落ち着いたら、この子たちが落ち着いてからゆっくりでいいんだからね。第一にアンタは自分の身体のことを考えな」
「そうだよ。このクソジジイのことは思い出したらでいいから。エニシくんは自分とこの子たちを優先するんだよ」
言い聞かせるようなマーガレットたちにランとエルもうんうんと頷いていた。
アル爺だけが何かブーブー言っていたが味方はいなかった。
「ありがとうございます。また遊びに来ますね」
さて帰るかとルーに双子を任せ、エルが繋を抱えようとしたが嫌だとばかりにぐずった。
「繋ちゃん?あ、あの、ママが待ってるよ?」
「ヤーー」
随分な懐きようだ。
離れたくないとイヤイヤと首を振る繋にエルも無理矢理引き剥がすのを躊躇っている。
「では繋とはここでバイバイですね」
「っ!?ヤーーーー」
バイバイと手を振れば、置いていかれるのが分かったのだろう繋が慌ててランの膝からおり駆け寄ってこようとしーー転けた。
静まり返る室内に、次の瞬間大きな泣き声が響き渡る。
「我が子ながらすごいですね」
オロオロする周りを制し、泣きながら座り込む繋を抱き上げる。
「ママと一緒に帰りますか?」
「ま、まん、う、あー」
もはや何を言っているか分からないが、グズグズと泣きながらもぎゅっと抱きついてくる小さな手が愛おしい。
「ありがとう。私も繋が大好きですよ」
冗談で言ってみただけなのだが、やはりこうしてママがいいと手を伸ばしてくれるのは嬉しい。
「ランにはまた遊んでもらいましょうね。だから今日はもうバイバイして、ね?」
また会えるからと言えば悲しそうな顔をしながらもちゃんとバイバイしていた。
「あ、あの、また遊ぼうね」
ランも笑って繋の頭を撫でてくれ、泣き止んだ繋を抱えギルドを後にするのだった。
それにしても何故あそこまでランに懐いたのか?謎が深まるばかりであった。
「コヤツに来たければ来いと言われてな。最近会えてなんだしちょうどいいかと思ってな。ああ、そうじゃそうじゃ、お前さんに伝言じゃ。そろそろ御守りが尽きてしまうぞとな」
言わずもながらレオナルドから催促のようだ。
「早くないですか?」
「はははっ、そう言うと思ったんじゃろな。母親ならば私に感謝しろ、じゃと」
エリックのために色々頑張ってくれているのだろう。
元々忙しい中、断れるのにそうせず縁の願いをきちんと聞いてくれている。
「そうですねぇ。ならこれと……あとこれも」
「なんじゃ?この箱は」
「そちらは王子と王女様に。足りないであろう宰相様にはーー」
以前渡した多めの飴玉とは別に瓶詰めの飴玉を渡す。
色とりどりなのはその時あった材料で作ったからである。
「こちらは前に渡したものと同じですが、こちらは特別製です。なので一つ注意を。一日一粒それを守るよう必ず伝えて下さい」
「なんじゃなんじゃ。何かやばい代物か?」
そんな危ない物渡すように見られていたのだろうか。
冗談じゃとケラケラ笑うアル爺に苦笑いしながらも、瓶から一粒出し渡す。
躊躇うことなく口に入れるのは信用されていると喜んでいいのか、確認もせず危ないではないかと注意した方がいいのか。
「ん?これは……少量じゃが回復効果があるようじゃな」
「そうです。以前アル爺に貰った回復薬を薄めて入れてみました。ただ舐めている間効果があるのであまり多用すると逆に危ないと思っーーぐぇ」
いきなりの抱擁に変な声を上げればジンとマーガレットが慌てて救出してくれた。
「なにしてんだいジジイ!」
「エニシくんから離れろイカれジジイ!」
「なんてことじゃ!そうか!そうだな!飴にし舐め続けることで徐々に回復する。その時だけの効果だけではなく続く効果!なるほど、素晴らしい!」
何か興奮しているようだが、救出のためにとマーガレットたちに殴られた頰は大丈夫だろうか?
あ、飴舐めてるんだった。
その場ですぐ効果があるのも時には大事だが、少量だが長く効果が続いたならばと作ってみたのだ。
主に気苦労が絶えない宰相のためで、これで少しでもレオナルドの疲れが取れればいい。
「あ、だからそれは宰相様にですって。アル爺が食べないで下さい。ダメです、ちゃんと渡して下さいね」
もう一粒と手を出そうとした手を叩いて止めると、きちんと蓋をし渡す。
材料はそう特別なものは使っていないので、作ろうと思えば誰でも作れるだろう。
「あやつには勿体ない儂がーー」
「だからダメですって。私がお世話になってるお礼なんですから。欲しいなら作ってあげますから。ただ貰った回復薬は全て使ってしまったので貰えればですが」
「いくらでもやろう!待っとれ」
そう言い鞄からいくつもの回復薬に加え、解毒薬なるものや魔力回復薬なるものも渡された。
「期待しとるぞ!」
「なんちゅう図々しいジジイだよ」
「これが友人だなんて恥ずかしいよ」
マーガレットとジンが呆れてしまっている。
「分かりました。その代わりそれは必ず渡して下さいね」
「分かった分かった」
「………どっちが大人か分かったもんじゃないね」
全くだ。
必ず渡してもらうよう約束し、代わりにアル爺に飴を作ってあげることになった。
「無理しなくていいからね。落ち着いたら、この子たちが落ち着いてからゆっくりでいいんだからね。第一にアンタは自分の身体のことを考えな」
「そうだよ。このクソジジイのことは思い出したらでいいから。エニシくんは自分とこの子たちを優先するんだよ」
言い聞かせるようなマーガレットたちにランとエルもうんうんと頷いていた。
アル爺だけが何かブーブー言っていたが味方はいなかった。
「ありがとうございます。また遊びに来ますね」
さて帰るかとルーに双子を任せ、エルが繋を抱えようとしたが嫌だとばかりにぐずった。
「繋ちゃん?あ、あの、ママが待ってるよ?」
「ヤーー」
随分な懐きようだ。
離れたくないとイヤイヤと首を振る繋にエルも無理矢理引き剥がすのを躊躇っている。
「では繋とはここでバイバイですね」
「っ!?ヤーーーー」
バイバイと手を振れば、置いていかれるのが分かったのだろう繋が慌ててランの膝からおり駆け寄ってこようとしーー転けた。
静まり返る室内に、次の瞬間大きな泣き声が響き渡る。
「我が子ながらすごいですね」
オロオロする周りを制し、泣きながら座り込む繋を抱き上げる。
「ママと一緒に帰りますか?」
「ま、まん、う、あー」
もはや何を言っているか分からないが、グズグズと泣きながらもぎゅっと抱きついてくる小さな手が愛おしい。
「ありがとう。私も繋が大好きですよ」
冗談で言ってみただけなのだが、やはりこうしてママがいいと手を伸ばしてくれるのは嬉しい。
「ランにはまた遊んでもらいましょうね。だから今日はもうバイバイして、ね?」
また会えるからと言えば悲しそうな顔をしながらもちゃんとバイバイしていた。
「あ、あの、また遊ぼうね」
ランも笑って繋の頭を撫でてくれ、泣き止んだ繋を抱えギルドを後にするのだった。
それにしても何故あそこまでランに懐いたのか?謎が深まるばかりであった。
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