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Episode2~はじめてのおしり~
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若田部緒詩莉として産まれてきて、はじめて『緒詩莉』=『お尻』と意識した出来事がありました。
私が4歳のときだったでしょうか。朝起きると、4歳年上の姉が母に叱られていました。どうやら、母の言いつけを守らなかったことによる『おねしょ』が原因だったようです。私は1階の寝室で父と母と寝ていたので分からなかったのですが、2階の子供部屋では、見事な世界地図が出来上がっておりました。
「だから言ったでしょ!寝る前に飲みすぎないでって!ちゃんとトイレ行ったの?」
「・・・」
ここだけの話、姉は恥ずかしくて自分から口に出しませんでしたが、おねしょ癖は結構遅くまでありました。そのたびに、母から叱られていたのですが、この日はいつもと少し違いました。
「これは、『おしり』ね!」
母はこのように姉に向かって言ったのです。『おしり』ってことは私?そう思って、
「ママ、なあに?」
と母にたずねました。すると、
「『緒詩莉』ちゃんのことじゃないのよ。瞳に『おしり』って言ったの。」
私は頭の中が「?」だらけになりましたが、そのあとで意味が分かったのです。なかば半べそ状態の姉が母に連れられて隣の和室に歩を進めると、
ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ!
という乾いた音と姉のうめき声が聞こえてきたのです。気になった私がその様子を見に行こうとすると、出勤前の父から、
「緒詩莉ちゃん、見ちゃダメだよ。お姉ちゃん、おしおきされてるんだから。」
「おしおき?」
「そうだよ。悪い子はね、お尻をぺん、ぺんってされちゃうんだよ。」
「おしりを?」
「そう、お尻。緒詩莉ちゃんもお尻ペンペンされないように、いい子でいるんだよ?」
「うん。」
そのあと、右手でお尻をおさえ、左手で目を拭っている姉が部屋から出てきました。普段は3人兄弟の長女でしっかり者の姉ですが、しっかりとお仕置きされて弱っている姿を初めて見ました。
当時は、まだ家庭でのお仕置きなんて特別問題視されていない頃だったので、ごく自然なことだったのかもしれませんが、「私の家にもお尻ペンペンってあるんだ」と、このとき知ったのです。
(お姉ちゃんが泣いちゃうような『おしりペンペン』をされないようにしよう)
『緒詩莉』が『お尻』をたたかれる。そんなの絶対に嫌だ。みんなに笑われるし、恥ずかしい。そして、いろんな意味で『イタイ』。
そう心に誓った私でしたが、お尻を叩かれる日はやってくるのです。
その話は、また今度にしましょう。
(続)
私が4歳のときだったでしょうか。朝起きると、4歳年上の姉が母に叱られていました。どうやら、母の言いつけを守らなかったことによる『おねしょ』が原因だったようです。私は1階の寝室で父と母と寝ていたので分からなかったのですが、2階の子供部屋では、見事な世界地図が出来上がっておりました。
「だから言ったでしょ!寝る前に飲みすぎないでって!ちゃんとトイレ行ったの?」
「・・・」
ここだけの話、姉は恥ずかしくて自分から口に出しませんでしたが、おねしょ癖は結構遅くまでありました。そのたびに、母から叱られていたのですが、この日はいつもと少し違いました。
「これは、『おしり』ね!」
母はこのように姉に向かって言ったのです。『おしり』ってことは私?そう思って、
「ママ、なあに?」
と母にたずねました。すると、
「『緒詩莉』ちゃんのことじゃないのよ。瞳に『おしり』って言ったの。」
私は頭の中が「?」だらけになりましたが、そのあとで意味が分かったのです。なかば半べそ状態の姉が母に連れられて隣の和室に歩を進めると、
ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ!
という乾いた音と姉のうめき声が聞こえてきたのです。気になった私がその様子を見に行こうとすると、出勤前の父から、
「緒詩莉ちゃん、見ちゃダメだよ。お姉ちゃん、おしおきされてるんだから。」
「おしおき?」
「そうだよ。悪い子はね、お尻をぺん、ぺんってされちゃうんだよ。」
「おしりを?」
「そう、お尻。緒詩莉ちゃんもお尻ペンペンされないように、いい子でいるんだよ?」
「うん。」
そのあと、右手でお尻をおさえ、左手で目を拭っている姉が部屋から出てきました。普段は3人兄弟の長女でしっかり者の姉ですが、しっかりとお仕置きされて弱っている姿を初めて見ました。
当時は、まだ家庭でのお仕置きなんて特別問題視されていない頃だったので、ごく自然なことだったのかもしれませんが、「私の家にもお尻ペンペンってあるんだ」と、このとき知ったのです。
(お姉ちゃんが泣いちゃうような『おしりペンペン』をされないようにしよう)
『緒詩莉』が『お尻』をたたかれる。そんなの絶対に嫌だ。みんなに笑われるし、恥ずかしい。そして、いろんな意味で『イタイ』。
そう心に誓った私でしたが、お尻を叩かれる日はやってくるのです。
その話は、また今度にしましょう。
(続)
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