番と言えばなんでもかなうと思っているんですか

ぐう

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 笑われてむっとした顔を見せると、無駄に美形な竜人の末は取り繕うように言った。

「いえ、聞いていたより率直な方だなと思って」

「私は先祖返りの王太子殿下との婚約は解消したい。王太子殿下は番じゃない私と婚約解消したい。意見は一致してます。あなたが王太子殿下の側近なら婚約解消に尽力していただきたいのです」

 リヒャルトは黙って聞いていたが、少し考えてから言った。

「一度も会わずに婚約解消ですか。ひょっとして王女殿下が番かもしれませんよ」

 なんだこいつ、美形だからって偉そうに←美形は関係ないわ。

「ありえません。それにーーー」

「それに?」

「億が一、私が番だったとしても、お断りです」

「どうしてですか。番だったら、望まれて婚姻できるんですよ」

 こいつ、絶対わかっていて言わせようとしてる。だから美形って嫌←本当関係ないよね。

「番は竜人にしかわからないのでしょう?残念ながら私は人間。番なんて言われても、さっぱりわかりません。番だから好きとか言われても、嬉しくないですね。私のことを何にも知らないくせに、番だから好きって馬鹿にしていると思います」

 一気にそこまで言い切ると、リヒャルトが私の前で拍手している←美形だからって以下略。

「私も同意見です。どこにいるかわからない、どんな人かわからない番がいるからと、現実に向き合わないような本能は消してしまった方がいいと思っています」

 へぇ、この人はやはり番反対派なんだ。

「これを言うと、王太子殿下にお前は先祖返りじゃないから、湧き出る本能を感じないからだと言いますが、それなら湧き出るものは蓋をすればいい」

「そんなに簡単に蓋できますか」

「王太子殿下に魔術師達の実験に付き合って欲しいのですが、残念ながら拒否されてます」

「番を感じなくする魔道具は……あの……その、副作用があるとか」

 よっし!乙女として言えない単語を言い換えたぞ!

「ああ、勃たなくなるという副作用ですね」

 こいつーーー美形なら何言っても爽やかに聞こえると思ってるな!私は思わず俯いてしまった。

「ああ、女性の前で言う言葉ではありませんでしたね」

 ちっとも悪いと思ってないだろうよ!
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