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しおりを挟む午後すぐにグートハイル伯爵がやってきた。昨日廊下で出会った美青年だった。この人も竜人の血を引いていると言うから、美形なのかもしれない。そしてこの人にも番がいると言うことだ。ぜーーーーーたいに絶対に好きになってはいけない人だ。好みだからと言って気を許すまじ!
「エレオノーラ王女殿下、私はリヒャルト・グートハイルと申します」
美形はにこやかに笑うと2倍増だ!ううう目が痛い。美形は立ったまま優雅に腰を折った。仕草も綺麗だ。
「どうぞ、お座り下さい」
どうだ!見惚れてるとわからないだろう!王女としての威厳は保てたけど、私の座るソファの横に控えるエレナがぼぉっと見惚れてる。ごらぁああーーー
「面会を快諾していただけて、光栄です」
美形はエレナのような視線に慣れているのか、微動だにしない。
この部屋には中に私の侍女三人と扉前には我が国の護衛。扉の外にはまた我が国の護衛がいる。単身で乗り込んでくるにはそれなりの理由があるだろう。
「まず、私がお仕えする王太子殿下の無作法をお詫びいたします」
リヒャルトはそう言って頭を下げてから、美しい所作で座った。
「ここにはレーゼル王国の方以外おりません。エレオノーラ王女殿下と本音で話がしたいのですが」
どう言うつもりかわからないが、王妃はこの人を番反対派だと言って聞いてみよう。
「何をお聞きになりたいの?」
「エレオノーラ王女殿下は、今回何故、我が国までおいでいただいたかご存知ですか」
「王太子殿下と交流を図って欲しいと言われたけれど、王太子殿下はその気は無いようなので、もう帰国したいです。でもその前にーーー」
「その前に?」
「婚約を解消していただきたいの」
そうズバリと言うと、美麗な眉がぴくりと動いた。
「正直に申します。王太子殿下はあくまで番にこだわっている。歴代の国王陛下のように、形だけの婚姻はしたくないと言っています」
「でしたら、私はいらないじゃないですか、婚約を解消して下されば、自国でゆうゆうお一人様生活ができます」
リヒャルトがぷっと吹き出した。何よ。美形は何しても様になるじゃないの。ふんっ!
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