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第二章 魔王は再び蘇る?
同族殺し
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「それは"同族殺し"って奴ですかぁ~?」
『正解♡』
また、面倒な事に…………。
ちなみに同族殺しとは、魔物が同種の魔物を喰らう事で異常に進化する工程の名称だ。
極たまにだが、同族を喰らう事により、常識では考えられない程の強さを持った個体が生まれるらしい。
過去の文献には、人の言葉を理解した個体もあったとか…………。
その個体が持っていた特殊能力を使えるようになったとか…………。
色々とある。
だが、今回は更に厄介な事に--------
「ちなみに、魔法を使える個体が同族殺しをしたらどうなりますかぁ~?」
そうあの悪魔は『魔法を使える』のだ。
魔法名は《不死の贖罪》--------
体全体に特殊な付与がされた魔法がどんな状況からでも、発動したものを蘇生させてしまう禁忌の魔法。
例え、体の一部を失っても、魔法によって再生され、生えて来る。
そのため、あの悪魔が纏う魔法を無力化しなければ、息の根を止める事は、例え勇者の聖剣を用いようが、どんな事をしても不可能なのだ。
それ故に、俺は《雷電》や《アームドナイフ》に《死への誘い》の神聖を内蔵して、あの悪魔の魔法を無力化する事により、俺は決して死ぬ事のない悪魔共を倒していた。
しかし、その悪魔が同族…………デリヘラが言う《大罪の悪魔》を喰らったのだとすると…………。
魔法を使える個体だと考えた方が良い。
『もちろん、喰らった相手の魔法を使えるようになるよ♡』
やっぱり…………。
もう面倒事を増やさないでくれないかなぁ~…………。
あぁ、泣きたい…………。
「一応、聞きますがぁ~…………。
魔法の詳細は教えてくれたりはぁ~…………」
『うん♡ 良いよ♡』
そうですよね。
オーケー…………んん?
「良いのぉ~!!!??」
思わず、素っ頓狂な声を上げる俺を見て、クスクスと笑うデリヘラ。
前回は何だかんだで、はぐらかされた上、最終的に聞き出すまでに、かなりの苦労させられたと言うのに…………。
どういう心境の変化だ……?
『ライハちゃんが何を考えているのかは分かるけど♡
私ってそんなに理不尽じゃないんだぞ♡』
ツンっと、俺の鼻頭を突くデリヘラは何か何時もに増して、優し過ぎる気がする。
何か、違和感を感じる。
初めて、会った時、デリヘラって、こんな感じだったか……?
そういえば…………。
「ねぇ、デリヘラさぁ~ん」
『何♡ ライハちゃん♡』
「私が何考えているか…………分かりますか……?」
『……………………』
突然、ビクリと固まるデリヘラを見て確信した。
「あなたはぁ~…………一体、誰ですかぁ~……?」
確信を込めて、尋ねると、見るからに動揺するデリヘラの姿をした何か…………。
『な、なんのこと…………ですか~……?』
おい…………。
口調が変わってるぞ…………。
まず、あのクソ女神ことデリヘラが、人の心を読まない事はない。
それは前回の交渉の時に、痛い程理解しているつもりだ。
むしろ、あの女神なら、平気でズカズカと人の心に踏み込んで来る。
それをやらない時点で、お前は偽者だよ。
「それでぇ~…………?
あなたは一体誰なんですかぁ~?」
『ぅぅっ…………』
まるで震える子羊のように、縮こまって涙目になる偽者。
「あっ…………」
その背後には、冷徹な笑みを浮かべる本人がいて…………。
『…………?』
俺の視線に気付いたのか、偽者がギギギっと恐る恐る振り返って、本人と目があった。
『何をしているのかな♡』
ニコリと偽者は答える事が出来ない。
というより、蛇に睨まれたカエルのように、固まってしまっている。
『ちょっと、お話しましょうか♡』
そのまま、工房の奥へと連れて行かれた偽者。
その後、工房の奥で何が行われていたのか…………。
工房内に響き渡る悲鳴を聞けば、何となく察する事が出来た。
とりあえず、デリヘラを怒らせたら、怖いという事が分かっただけでも、収穫だな…………。
『正解♡』
また、面倒な事に…………。
ちなみに同族殺しとは、魔物が同種の魔物を喰らう事で異常に進化する工程の名称だ。
極たまにだが、同族を喰らう事により、常識では考えられない程の強さを持った個体が生まれるらしい。
過去の文献には、人の言葉を理解した個体もあったとか…………。
その個体が持っていた特殊能力を使えるようになったとか…………。
色々とある。
だが、今回は更に厄介な事に--------
「ちなみに、魔法を使える個体が同族殺しをしたらどうなりますかぁ~?」
そうあの悪魔は『魔法を使える』のだ。
魔法名は《不死の贖罪》--------
体全体に特殊な付与がされた魔法がどんな状況からでも、発動したものを蘇生させてしまう禁忌の魔法。
例え、体の一部を失っても、魔法によって再生され、生えて来る。
そのため、あの悪魔が纏う魔法を無力化しなければ、息の根を止める事は、例え勇者の聖剣を用いようが、どんな事をしても不可能なのだ。
それ故に、俺は《雷電》や《アームドナイフ》に《死への誘い》の神聖を内蔵して、あの悪魔の魔法を無力化する事により、俺は決して死ぬ事のない悪魔共を倒していた。
しかし、その悪魔が同族…………デリヘラが言う《大罪の悪魔》を喰らったのだとすると…………。
魔法を使える個体だと考えた方が良い。
『もちろん、喰らった相手の魔法を使えるようになるよ♡』
やっぱり…………。
もう面倒事を増やさないでくれないかなぁ~…………。
あぁ、泣きたい…………。
「一応、聞きますがぁ~…………。
魔法の詳細は教えてくれたりはぁ~…………」
『うん♡ 良いよ♡』
そうですよね。
オーケー…………んん?
「良いのぉ~!!!??」
思わず、素っ頓狂な声を上げる俺を見て、クスクスと笑うデリヘラ。
前回は何だかんだで、はぐらかされた上、最終的に聞き出すまでに、かなりの苦労させられたと言うのに…………。
どういう心境の変化だ……?
『ライハちゃんが何を考えているのかは分かるけど♡
私ってそんなに理不尽じゃないんだぞ♡』
ツンっと、俺の鼻頭を突くデリヘラは何か何時もに増して、優し過ぎる気がする。
何か、違和感を感じる。
初めて、会った時、デリヘラって、こんな感じだったか……?
そういえば…………。
「ねぇ、デリヘラさぁ~ん」
『何♡ ライハちゃん♡』
「私が何考えているか…………分かりますか……?」
『……………………』
突然、ビクリと固まるデリヘラを見て確信した。
「あなたはぁ~…………一体、誰ですかぁ~……?」
確信を込めて、尋ねると、見るからに動揺するデリヘラの姿をした何か…………。
『な、なんのこと…………ですか~……?』
おい…………。
口調が変わってるぞ…………。
まず、あのクソ女神ことデリヘラが、人の心を読まない事はない。
それは前回の交渉の時に、痛い程理解しているつもりだ。
むしろ、あの女神なら、平気でズカズカと人の心に踏み込んで来る。
それをやらない時点で、お前は偽者だよ。
「それでぇ~…………?
あなたは一体誰なんですかぁ~?」
『ぅぅっ…………』
まるで震える子羊のように、縮こまって涙目になる偽者。
「あっ…………」
その背後には、冷徹な笑みを浮かべる本人がいて…………。
『…………?』
俺の視線に気付いたのか、偽者がギギギっと恐る恐る振り返って、本人と目があった。
『何をしているのかな♡』
ニコリと偽者は答える事が出来ない。
というより、蛇に睨まれたカエルのように、固まってしまっている。
『ちょっと、お話しましょうか♡』
そのまま、工房の奥へと連れて行かれた偽者。
その後、工房の奥で何が行われていたのか…………。
工房内に響き渡る悲鳴を聞けば、何となく察する事が出来た。
とりあえず、デリヘラを怒らせたら、怖いという事が分かっただけでも、収穫だな…………。
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