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9,友達
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六月。再び図書委員の当番がやってきた。今回も芽室先輩とペアを組むことになっていて、私は一つの決意をして放課後の図書室に向かった。
図書室には既に到着していた芽室先輩。見渡しても他の生徒たちはまだ来ていないようだった。私は挨拶をしながら図書カウンターの中に入る。
「今日もよろしくね、池田ちゃん」
何事もなかったかのように笑顔の芽室先輩に、心が痛む。
前回のように何も知らない状況ではない。耀くんのことを気にかけ、いじめられていると知れば先生を呼びに行っていたこと。そして妹さんのことも、知ってしまった。今の私が五月の時点に戻ったのなら、芽室先輩を最低だと罵ることは絶対にできない。
私の心には罪悪感があって、これを無視して隣に座ることはできなかった。かばんを手にしたまま、先輩に向けて頭を下げる。
「芽室先輩、ひどいことを言ってすみませんでした」
「え? な、なんのこと」
「前回、先輩のことを『最低』と言ってしまったからです。本当は芽室先輩が先生を呼びにいったんだと聞きました。何も知らずにひどいことを言って……本当にごめんなさい」
最初は目を丸くしていた芽室先輩も、次第に落ち着きを取り戻していく。肩の力を抜くように息を吐いた後、「座って」と隣の椅子を数回叩いた。
「……謝らなくていいよ。オレも、最低なやつだと思っているから」
隣に私が座ると、芽室先輩がゆっくりとこちらに向き直る。その表情に諦めのようなものが滲み、紡がれた言葉は自嘲が混ざっていた。肯定も否定もせずに黙ってそれを見つめていると芽室先輩が続ける。
「何をどこまで聞いたのかはわからないけど。耀がいじめられているのを見て見ぬふりしているのは池田ちゃんの言う通り。池田ちゃんのように飛びこむ勇気はなくて、先生を呼びにいくことしかできない。最低なやつだって……わかってる」
その声は震えていた。見れば、カウンターの上に乗せていた手は固く握りしめられていて、芽室先輩が抱いていた虚しい気持ちがそこにあったのかもしれない。
でも。耀くんがいじめられる理由を知ってしまった今、芽室先輩が飛びこめない気持ちはわかるのだ。このいじめの原因は、芽室先輩の妹。部外者の私のように軽い気持ちで飛びこめる問題ではない。
「それよりもさ。楽しい話をしようよ。オレ、池田ちゃんに興味あるんだよね」
何も言えずにいる私に、芽室先輩は笑った。
「興味……ですか?」
「そう。たとえば、耀と池田ちゃんはどこで知り合ったのとか」
当初は芽室先輩に警戒していた心も、耀くんを守りたいという仲間なのだと思えば絆されていた。隠れ場所のことは伏せつつ、ぽつぽつと話していく。
「去年の一二月、に知り合いました。近所の公園で」
「え。何それ、耀と家が近いの?」
「学区は同じだと思います。耀くん、私と同じ中学校だったみたいですし」
それを聞いた芽室先輩は目を輝かせた。そして「オレも!」と満面の笑みで自らを指で示す。
「オレも耀と同じ中学だったから。じゃあ池田ちゃん後輩か」
「ふふ。三人みんな同じ、ですね」
「オレだけ仲間外れにならなくてよかったよ。それで、近所の公園で耀と知り合ったの?」
本当は芽室先輩の家がどこらへんにあったのかは、ニュースの記事で察していた。おそらく同じ中学校だったのだろうと予想していたが、そのことには触れなかった。
「えっと……私がちょっと学校に行けなくて、いわゆる不登校になっていたんです。その時に耀くんと知り合って、励ましてくれて……って感じですね」
「不登校かあ。そんな風には見えなかったよ、強い子だなと思ってた。勇気あるのに」
芽室先輩は首を傾げているけれど、それは耀くんと知り合った今の私だからだ。あの頃の私なら、きっと耀くんを守ろうと飛びこむことはできなかった。
勇気があると賞賛をされても、その裏に白猫と私だけが知る地球の死があるから、どうにでもなれとやけを起こして行動をしているだけ。この夏に地球が終わるのだと知らなければ、きっと私は耀くんを守ろうと飛びこむことができなかった。
だから、芽室先輩の言葉を素直に受け止めることができない。私にあるのはずるい勇気なのだ。乾いた笑いで答えるしかなかった。
「でもどうして不登校になったの?」
その一言に、ぴたりと私の体が凍りつく。
不登校になった理由。中学校。嫌な記憶、記憶。戸惑ってしまうほど、まだ口にできるほど昇華できていないのだ。
その間に芽室先輩も気づいたらしい。慌てた様子で両手を振る。
「ご、ごめん! 答えなくて大丈夫だから!」
芽室先輩は後悔まじりにうつむく。誰が見てもわかるほど落ちこんでいた。
「オレ、そういうところ無神経に入りこんじゃう癖があるらしくてさ……よく妹にも怒られていたんだけど」
「い、いえ……私こそすみません……」
答えられないだけでここまで落ちこませてしまうなんて。その落ちこみ方が激しくなんだか申し訳ない気持ちになって私も謝ると、芽室先輩は顔をあげた。
「池田ちゃんは悪くないでしょ。なんで謝ってるの」
「……え、っと」
「なんか二人して謝り合ってるのっておかしいね」
今度はけたけたと笑い出す。落ちこんだり笑ったりと忙しい人だ。そのころころと変わる表情が面白くて、つい私も笑ってしまう。
そうして二人で笑いあっていた時、芽室先輩が言った。
「お詫びにさ、何でも聞いていいよ。オレに聞きたいこと、あるんじゃない?」
突然の提案に、しばし悩む。正直に言えば、芽室先輩に聞きたいことはたくさんあった。特に貴音さんについては、ニュースや上級生から語られる以外のことを知らず、芽室先輩から聞いてみたい気もした。
けれど――それを口にしてはいけない気がした。
「あ、あの……」
「うん。何でもいいよ」
「耀くんと芽室先輩の関係が知りたいです。さっき『耀』って言っていたので、二人は仲がいいのかなって気になったので」
その質問は予想外のものだったのか、芽室先輩は数度まばたきをした後、私をじっと見た。
「……池田ちゃんってさ。結構、耀のことが好きだよね」
「え? ええ!? な、何でも聞いていいって言ったじゃないですか……!」
「そりゃ言ったけど。池田ちゃんはいつも耀のこと話してるなって思ってさ」
確かに耀くんのことは好きだけれど、こんな形で他の人に気づかれてしまうなんて。私はそんなにわかりやすいのだろうか。慌てふためく私に対し、芽室先輩は苦笑していた。
「質問についてだけど。うん……仲がよかったよ」
「友達、だったとか?」
「まあね。小学校から高校まで一緒。オレと耀はずっとサッカーやってたから特に仲がよくてさ。オレに双子の妹がいるんだけど、その三人でよく遊んでいたんだよ。近所に住んでたし、幼馴染ってやつかな」
双子の妹と聞いて浮かぶ。貴音さん。その名を知ってはいたけれど飲みこんで、芽室先輩の話に耳を傾ける。
「でも色々あったから……今はどうやって耀に接していいかわからないんだ」
「普通に話しかける、じゃだめなんですか?」
「声かけても耀が避けるんだよ。そのうちに、どうやってあいつと話していたのかわからなくなってさ」
おそらく、色々あったというのは火事のことだろう。でもどうして耀くんが芽室先輩を避けるのか。それはやはり耀くんのお父さんが絡んでいるからなのか。
「今の状況もわかってる。耀のことを助けてやりたい。だけどあいつがオレを避けるから、助けていいのか助けてほしくないのか、それすらもわからないんだよな……」
「確かに……耀くんは、先生にもいじめられていることを隠しているみたいです」
「オレだけが手を伸ばしても意味ないんだ。あいつも掴んでくれないと、引き上げられない」
入学したばかりの私に『学校で声をかけるな』と忠告するほど優しい耀くんならば、誰かに助けを求めることも難しいだろう。耀くんの気持ちもわかるけれど、芽室先輩の言うこともわかる。手を伸ばしても掴んでくれなかったら意味がない。耀くんの周りには、心配している人たちもいる。けれどみんな、手を差し伸べられなかったり、手を伸ばしても掴んでもらえず空振りになったりとすれ違っているのだ。
なんて、難しいのだろう。どんな方法が正解なのだろう。考えれば考えるほど、頭の中がごちゃごちゃとしてくる。
「だから、池田ちゃんはすごいと思ったよ」
そこでぽつりと芽室先輩の掠れた呟きが落ちた。
「オレに池田ちゃんみたいな勇気があれば……みんな救えたのかな」
その『みんな』には耀くんだけではなく他の人が混ざっているのだろうか。顔も知らない貴音さんのことを思い浮かべ、その内に図書室に生徒がやってきたので、私も芽室先輩もこの話題はやめた。
芽室先輩が語るような勇気を私が持っていたのなら――この夏が終わると共に地球が終わることも、言えたのだろうか。意気地なしで、薄っぺらな勇気しかない私はただ黙るしかなかった。
図書室には既に到着していた芽室先輩。見渡しても他の生徒たちはまだ来ていないようだった。私は挨拶をしながら図書カウンターの中に入る。
「今日もよろしくね、池田ちゃん」
何事もなかったかのように笑顔の芽室先輩に、心が痛む。
前回のように何も知らない状況ではない。耀くんのことを気にかけ、いじめられていると知れば先生を呼びに行っていたこと。そして妹さんのことも、知ってしまった。今の私が五月の時点に戻ったのなら、芽室先輩を最低だと罵ることは絶対にできない。
私の心には罪悪感があって、これを無視して隣に座ることはできなかった。かばんを手にしたまま、先輩に向けて頭を下げる。
「芽室先輩、ひどいことを言ってすみませんでした」
「え? な、なんのこと」
「前回、先輩のことを『最低』と言ってしまったからです。本当は芽室先輩が先生を呼びにいったんだと聞きました。何も知らずにひどいことを言って……本当にごめんなさい」
最初は目を丸くしていた芽室先輩も、次第に落ち着きを取り戻していく。肩の力を抜くように息を吐いた後、「座って」と隣の椅子を数回叩いた。
「……謝らなくていいよ。オレも、最低なやつだと思っているから」
隣に私が座ると、芽室先輩がゆっくりとこちらに向き直る。その表情に諦めのようなものが滲み、紡がれた言葉は自嘲が混ざっていた。肯定も否定もせずに黙ってそれを見つめていると芽室先輩が続ける。
「何をどこまで聞いたのかはわからないけど。耀がいじめられているのを見て見ぬふりしているのは池田ちゃんの言う通り。池田ちゃんのように飛びこむ勇気はなくて、先生を呼びにいくことしかできない。最低なやつだって……わかってる」
その声は震えていた。見れば、カウンターの上に乗せていた手は固く握りしめられていて、芽室先輩が抱いていた虚しい気持ちがそこにあったのかもしれない。
でも。耀くんがいじめられる理由を知ってしまった今、芽室先輩が飛びこめない気持ちはわかるのだ。このいじめの原因は、芽室先輩の妹。部外者の私のように軽い気持ちで飛びこめる問題ではない。
「それよりもさ。楽しい話をしようよ。オレ、池田ちゃんに興味あるんだよね」
何も言えずにいる私に、芽室先輩は笑った。
「興味……ですか?」
「そう。たとえば、耀と池田ちゃんはどこで知り合ったのとか」
当初は芽室先輩に警戒していた心も、耀くんを守りたいという仲間なのだと思えば絆されていた。隠れ場所のことは伏せつつ、ぽつぽつと話していく。
「去年の一二月、に知り合いました。近所の公園で」
「え。何それ、耀と家が近いの?」
「学区は同じだと思います。耀くん、私と同じ中学校だったみたいですし」
それを聞いた芽室先輩は目を輝かせた。そして「オレも!」と満面の笑みで自らを指で示す。
「オレも耀と同じ中学だったから。じゃあ池田ちゃん後輩か」
「ふふ。三人みんな同じ、ですね」
「オレだけ仲間外れにならなくてよかったよ。それで、近所の公園で耀と知り合ったの?」
本当は芽室先輩の家がどこらへんにあったのかは、ニュースの記事で察していた。おそらく同じ中学校だったのだろうと予想していたが、そのことには触れなかった。
「えっと……私がちょっと学校に行けなくて、いわゆる不登校になっていたんです。その時に耀くんと知り合って、励ましてくれて……って感じですね」
「不登校かあ。そんな風には見えなかったよ、強い子だなと思ってた。勇気あるのに」
芽室先輩は首を傾げているけれど、それは耀くんと知り合った今の私だからだ。あの頃の私なら、きっと耀くんを守ろうと飛びこむことはできなかった。
勇気があると賞賛をされても、その裏に白猫と私だけが知る地球の死があるから、どうにでもなれとやけを起こして行動をしているだけ。この夏に地球が終わるのだと知らなければ、きっと私は耀くんを守ろうと飛びこむことができなかった。
だから、芽室先輩の言葉を素直に受け止めることができない。私にあるのはずるい勇気なのだ。乾いた笑いで答えるしかなかった。
「でもどうして不登校になったの?」
その一言に、ぴたりと私の体が凍りつく。
不登校になった理由。中学校。嫌な記憶、記憶。戸惑ってしまうほど、まだ口にできるほど昇華できていないのだ。
その間に芽室先輩も気づいたらしい。慌てた様子で両手を振る。
「ご、ごめん! 答えなくて大丈夫だから!」
芽室先輩は後悔まじりにうつむく。誰が見てもわかるほど落ちこんでいた。
「オレ、そういうところ無神経に入りこんじゃう癖があるらしくてさ……よく妹にも怒られていたんだけど」
「い、いえ……私こそすみません……」
答えられないだけでここまで落ちこませてしまうなんて。その落ちこみ方が激しくなんだか申し訳ない気持ちになって私も謝ると、芽室先輩は顔をあげた。
「池田ちゃんは悪くないでしょ。なんで謝ってるの」
「……え、っと」
「なんか二人して謝り合ってるのっておかしいね」
今度はけたけたと笑い出す。落ちこんだり笑ったりと忙しい人だ。そのころころと変わる表情が面白くて、つい私も笑ってしまう。
そうして二人で笑いあっていた時、芽室先輩が言った。
「お詫びにさ、何でも聞いていいよ。オレに聞きたいこと、あるんじゃない?」
突然の提案に、しばし悩む。正直に言えば、芽室先輩に聞きたいことはたくさんあった。特に貴音さんについては、ニュースや上級生から語られる以外のことを知らず、芽室先輩から聞いてみたい気もした。
けれど――それを口にしてはいけない気がした。
「あ、あの……」
「うん。何でもいいよ」
「耀くんと芽室先輩の関係が知りたいです。さっき『耀』って言っていたので、二人は仲がいいのかなって気になったので」
その質問は予想外のものだったのか、芽室先輩は数度まばたきをした後、私をじっと見た。
「……池田ちゃんってさ。結構、耀のことが好きだよね」
「え? ええ!? な、何でも聞いていいって言ったじゃないですか……!」
「そりゃ言ったけど。池田ちゃんはいつも耀のこと話してるなって思ってさ」
確かに耀くんのことは好きだけれど、こんな形で他の人に気づかれてしまうなんて。私はそんなにわかりやすいのだろうか。慌てふためく私に対し、芽室先輩は苦笑していた。
「質問についてだけど。うん……仲がよかったよ」
「友達、だったとか?」
「まあね。小学校から高校まで一緒。オレと耀はずっとサッカーやってたから特に仲がよくてさ。オレに双子の妹がいるんだけど、その三人でよく遊んでいたんだよ。近所に住んでたし、幼馴染ってやつかな」
双子の妹と聞いて浮かぶ。貴音さん。その名を知ってはいたけれど飲みこんで、芽室先輩の話に耳を傾ける。
「でも色々あったから……今はどうやって耀に接していいかわからないんだ」
「普通に話しかける、じゃだめなんですか?」
「声かけても耀が避けるんだよ。そのうちに、どうやってあいつと話していたのかわからなくなってさ」
おそらく、色々あったというのは火事のことだろう。でもどうして耀くんが芽室先輩を避けるのか。それはやはり耀くんのお父さんが絡んでいるからなのか。
「今の状況もわかってる。耀のことを助けてやりたい。だけどあいつがオレを避けるから、助けていいのか助けてほしくないのか、それすらもわからないんだよな……」
「確かに……耀くんは、先生にもいじめられていることを隠しているみたいです」
「オレだけが手を伸ばしても意味ないんだ。あいつも掴んでくれないと、引き上げられない」
入学したばかりの私に『学校で声をかけるな』と忠告するほど優しい耀くんならば、誰かに助けを求めることも難しいだろう。耀くんの気持ちもわかるけれど、芽室先輩の言うこともわかる。手を伸ばしても掴んでくれなかったら意味がない。耀くんの周りには、心配している人たちもいる。けれどみんな、手を差し伸べられなかったり、手を伸ばしても掴んでもらえず空振りになったりとすれ違っているのだ。
なんて、難しいのだろう。どんな方法が正解なのだろう。考えれば考えるほど、頭の中がごちゃごちゃとしてくる。
「だから、池田ちゃんはすごいと思ったよ」
そこでぽつりと芽室先輩の掠れた呟きが落ちた。
「オレに池田ちゃんみたいな勇気があれば……みんな救えたのかな」
その『みんな』には耀くんだけではなく他の人が混ざっているのだろうか。顔も知らない貴音さんのことを思い浮かべ、その内に図書室に生徒がやってきたので、私も芽室先輩もこの話題はやめた。
芽室先輩が語るような勇気を私が持っていたのなら――この夏が終わると共に地球が終わることも、言えたのだろうか。意気地なしで、薄っぺらな勇気しかない私はただ黙るしかなかった。
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