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No.65
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新たな転生者(お花畑疑惑あり)の情報をサーシャ達が手にしている頃、王宮にある自室にてクリスがルイスと共にお茶をしていた。
「………さて、今頃私の可愛い弟は意中の少女と上手くやっているかな?」
楽しげに笑いながら優雅に紅茶を飲むクリスを見ながら、ルイスは呆れた様に口を開く。
「何が『上手くやってるかな?』ですか。トールディン公爵家に、現在アベルシュタイン嬢がお見舞いで訪れている事を知っていながらガダル様を送り出したくせに」
(本当に、性格の悪いガキだな)
自身の可愛い弟がアベルシュタイン嬢を苦手に思っている事を知っているくせに、数刻前笑顔で送り出したクリスを思い出す。
兄がこんな性格だと知らないで、あんなに純粋にクリスを慕っているガダルをルイスは哀れに思った。
「君がガダルを『様』付けで呼ぶなんて変な感じだね。いつも通りにガダルって呼べば良いのに。君は、私達の大切な従兄弟なんだから。それに、口調もいつも通りでいいよ。此処には私達二人だけだからね」
ルイスの母は、現国王アーノルドの異母姉であるキャロライン。キャロラインは、当時一目惚れしたフォトガデル侯爵子息に降嫁したのだ。つまり、ルイスはクリス達の従兄弟である。
「………それじゃあ、お言葉に甘えて。あ~、敬語なんてマジで疲れる」
その言葉と共に、先程までの上品な雰囲気が一瞬にして消える。そんなルイスを見て、クリスは楽しそうに笑う。
「本当、君の本来の姿はその顔と全然あってないね。見た目は物凄いお淑やかな美人なのに、中身は全然お淑やかじゃない」
「うるせー。人の目がある時は、周りの奴等に俺とお前の中は良好だと思わせる為に大人しめの態度で接してるんだ」
現在、王位継承権一位はクリス。
次がガダルで、その次が従兄弟であるルイスだ。
現国王アーノルドの異母姉キャロラインを母に持つ、クリスより年上のルイス。そんな彼を王にして、権力を握ろうとする馬鹿な貴族達にそんな隙を与えない様にする為に、普段はクリスの下にいる様な態度で接しているのだった。
「それは勿論分かってるよ。だけど、普段の君を知ってるから時折笑いそうになるよ」
「いや、たまに笑ってるだろ」
「気のせいじゃ無い?………それより、頼んでた事は調べてくれた?」
クリスの言葉に、ルイスは目の前のテーブルに数枚の書類を無造作に放り出した。
「………さて、今頃私の可愛い弟は意中の少女と上手くやっているかな?」
楽しげに笑いながら優雅に紅茶を飲むクリスを見ながら、ルイスは呆れた様に口を開く。
「何が『上手くやってるかな?』ですか。トールディン公爵家に、現在アベルシュタイン嬢がお見舞いで訪れている事を知っていながらガダル様を送り出したくせに」
(本当に、性格の悪いガキだな)
自身の可愛い弟がアベルシュタイン嬢を苦手に思っている事を知っているくせに、数刻前笑顔で送り出したクリスを思い出す。
兄がこんな性格だと知らないで、あんなに純粋にクリスを慕っているガダルをルイスは哀れに思った。
「君がガダルを『様』付けで呼ぶなんて変な感じだね。いつも通りにガダルって呼べば良いのに。君は、私達の大切な従兄弟なんだから。それに、口調もいつも通りでいいよ。此処には私達二人だけだからね」
ルイスの母は、現国王アーノルドの異母姉であるキャロライン。キャロラインは、当時一目惚れしたフォトガデル侯爵子息に降嫁したのだ。つまり、ルイスはクリス達の従兄弟である。
「………それじゃあ、お言葉に甘えて。あ~、敬語なんてマジで疲れる」
その言葉と共に、先程までの上品な雰囲気が一瞬にして消える。そんなルイスを見て、クリスは楽しそうに笑う。
「本当、君の本来の姿はその顔と全然あってないね。見た目は物凄いお淑やかな美人なのに、中身は全然お淑やかじゃない」
「うるせー。人の目がある時は、周りの奴等に俺とお前の中は良好だと思わせる為に大人しめの態度で接してるんだ」
現在、王位継承権一位はクリス。
次がガダルで、その次が従兄弟であるルイスだ。
現国王アーノルドの異母姉キャロラインを母に持つ、クリスより年上のルイス。そんな彼を王にして、権力を握ろうとする馬鹿な貴族達にそんな隙を与えない様にする為に、普段はクリスの下にいる様な態度で接しているのだった。
「それは勿論分かってるよ。だけど、普段の君を知ってるから時折笑いそうになるよ」
「いや、たまに笑ってるだろ」
「気のせいじゃ無い?………それより、頼んでた事は調べてくれた?」
クリスの言葉に、ルイスは目の前のテーブルに数枚の書類を無造作に放り出した。
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