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No.51
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部屋に入ると、父ダリルが息子アランの腕からサーシャを奪い取りギュッと抱き締める。
「サーシャっ!ごめんな?一人で寂しかっただろう?パパも寂しかったよっ!」
そう言って、サーシャの頭に頬をスリスリと擦り付けたり、チュッチュっと音を立ててキスをし始める。
「お、お父様!やめて下さい!お客様の前ですよ!?」
サーシャは、羞恥の余り声を少し荒げる。
しかし、そんなサーシャを見てダリルは甘い笑みを浮かべる。
「ハァ~。私の天使は、怒っても可愛いねぇ…」
「当然だよ。だって、俺の可愛い妹のサーシャだもん」
「そうね。私の自慢の娘だもの」
親バカ発言をしたダリルの言葉に、同じくシスコンであるアランと親バカであるミランダが同意する。そんな彼等を、背後にいるクリスとソファーに座っているルイスが苦笑いで見ていた。
「ダリル殿達は、本当にサーシャ嬢を大切にしてらっしゃるんですね」
そんな中、ルイスが羞恥で頬を赤くしているサーシャに気を遣って言った。
ーーだが、悪魔クリスはそんなルイスの気遣いを無視して、此処ぞとばかりに面白がって攻撃して来た。
「本当だね。まさか、人前でこれ程可愛がって貰えるなんて、サーシャ嬢は幸せ者だね。……まぁ、私だったら恥ずかしくて耐えられないけどね」
(こっの……っ!性悪男がっ!!)
サーシャが恥ずかしいのを分かった上でのクリスの言葉に、サーシャは別の意味で顔を赤くする。そんなサーシャの様子を、クリスは愉しげに見つめる。
そうして、二人で見つめ合っていると、いきなりサーシャの顔がダリルの胸に押し付けられる。
「わっ!?」
「………殿下。私の可愛い娘を、厭らしい目で見ないで下さい」
「嫌だなぁ~。私は、別にサーシャ嬢を厭らしい目で見たりなんてしてませんよ。私は、まだ子供ですよ?それに、最初に此方を熱い視線で見つめて来たのはサーシャ嬢ですよ。もしかして、サーシャ嬢に好きになられちゃったのかな?」
確かに、クリスの事を熱い眼差しで見ていたのは事実だ。否定は出来ない。
ーーだが、間違ってもクリスを好きになる事はあり得ないと断言出来る。
(例え、この世界に二人きりになったとしてもっ!アンタだけは、間違っても好きにならないわよっ!)
そんなサーシャの考えが伝わったのだろう。
クリスは心底愉しげに微笑んでいた。
「間違っても、サーシャは殿下を好きになったりしません」
そんなクリスに向かって、ダリルがキッパリと言い放った。それに対して、アランも激しく首を縦に振り同意する。
(ーー父よ。確かにその通りだが、相手は腐っても王族。それなのに、その言葉は不敬罪になり得るのでは?)
サーシャは、同意しながらもそんな事を頭の片隅で思ったのだった。
「サーシャっ!ごめんな?一人で寂しかっただろう?パパも寂しかったよっ!」
そう言って、サーシャの頭に頬をスリスリと擦り付けたり、チュッチュっと音を立ててキスをし始める。
「お、お父様!やめて下さい!お客様の前ですよ!?」
サーシャは、羞恥の余り声を少し荒げる。
しかし、そんなサーシャを見てダリルは甘い笑みを浮かべる。
「ハァ~。私の天使は、怒っても可愛いねぇ…」
「当然だよ。だって、俺の可愛い妹のサーシャだもん」
「そうね。私の自慢の娘だもの」
親バカ発言をしたダリルの言葉に、同じくシスコンであるアランと親バカであるミランダが同意する。そんな彼等を、背後にいるクリスとソファーに座っているルイスが苦笑いで見ていた。
「ダリル殿達は、本当にサーシャ嬢を大切にしてらっしゃるんですね」
そんな中、ルイスが羞恥で頬を赤くしているサーシャに気を遣って言った。
ーーだが、悪魔クリスはそんなルイスの気遣いを無視して、此処ぞとばかりに面白がって攻撃して来た。
「本当だね。まさか、人前でこれ程可愛がって貰えるなんて、サーシャ嬢は幸せ者だね。……まぁ、私だったら恥ずかしくて耐えられないけどね」
(こっの……っ!性悪男がっ!!)
サーシャが恥ずかしいのを分かった上でのクリスの言葉に、サーシャは別の意味で顔を赤くする。そんなサーシャの様子を、クリスは愉しげに見つめる。
そうして、二人で見つめ合っていると、いきなりサーシャの顔がダリルの胸に押し付けられる。
「わっ!?」
「………殿下。私の可愛い娘を、厭らしい目で見ないで下さい」
「嫌だなぁ~。私は、別にサーシャ嬢を厭らしい目で見たりなんてしてませんよ。私は、まだ子供ですよ?それに、最初に此方を熱い視線で見つめて来たのはサーシャ嬢ですよ。もしかして、サーシャ嬢に好きになられちゃったのかな?」
確かに、クリスの事を熱い眼差しで見ていたのは事実だ。否定は出来ない。
ーーだが、間違ってもクリスを好きになる事はあり得ないと断言出来る。
(例え、この世界に二人きりになったとしてもっ!アンタだけは、間違っても好きにならないわよっ!)
そんなサーシャの考えが伝わったのだろう。
クリスは心底愉しげに微笑んでいた。
「間違っても、サーシャは殿下を好きになったりしません」
そんなクリスに向かって、ダリルがキッパリと言い放った。それに対して、アランも激しく首を縦に振り同意する。
(ーー父よ。確かにその通りだが、相手は腐っても王族。それなのに、その言葉は不敬罪になり得るのでは?)
サーシャは、同意しながらもそんな事を頭の片隅で思ったのだった。
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