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ダンジョン攻略
悠里! そこがダメなのはお約束だろう?
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リリーナさんが、応仁の乱を語る京都人のように、歴史上の人物のことを昨日のことのように語るのを聞きながら、俺たちはダンジョンを進む。
ザコキャラが時々出現するが、そんなの親父やゲボルグさんの敵ではない。
本当にここが四天王のダンジョンなの? て、疑いたくなるくらい何の問題もなく進んでいく。
広間のような部屋。
いくつかのモンスターの石像が置かれている。
「こういう時こそ、危ないんだ」
指差し呼称で石像を指差し、ヨシヨシ言いながら進む親父。いや、「スライム、ヨシ!」とか、意味分からないし。
そこ、ヨシ! って、指差してどうなる物でもないだろう。そもそも、指差し呼称を異世界に持ってこないでほしい。
「親父……指差しは……」
俺が文句を言おうとした時だった。
「何これ! 可愛い!」
悠里がそう言って、これ見よがしにど真ん中に置かれていたグリフォンの石像の頭を撫でる。
ガコン
石像から怪しい音が響く。石像の目が赤く輝き出す。
これは……やってしまったのではないだろうか。
「さ、下がって!」
ゲボルグさんが慌てる。
ていうか、何も分かっていないキョトンとした悠里以外のパーティ全員の顔がひきつる。
「ふえ?」
悠里が石像の赤い光に包まれる。
「(=^ェ^=)!!」
なんて? え、何て言ったの??
何語かさっぱり分からない言葉をリリーナさんが叫ぶ。
悠里の周りに青い光が広がる。
そして、そのまま悠里の姿は消えてしまった。
「強制ワープですね。どこかに移動させられたのでしょう」
リリーナさんが慌てて地図を確認する。
「さっきのは魔法?」
「ええ。ワープさせられる前に、悠里さんに強力なバリアをかけました。バリアが効いている間は、どんな攻撃も悠里さんにはできません!」
ああ、あの赤い服の髭キャラが星を手に入れた状態ってことかな?
「ですが、すぐ効力は切れてしまいます。早く見つけないと」
「どこだ?」
「さぁ……かつて勇者は、こんなこれ見よがしな罠の確認はしなかったようですので。地図には残念ながら明記されていなくて」
だよな。
ダンジョン慣れしていたであろう勇者なら、こんな分かりやすい罠はスルーするはずだ。
そして、ここが四天王の城と言うならば、ここに来る冒険者は、皆、ダンジョン慣れしていて、悠里みたいにそう簡単に罠に引っ掛かりはしないだろう。
「地図にない。だが、悠里を早く見つけなければならない! ならば、やることは決まっている!」
親父はそう断言して、グリフォンの頭をむんずと掴む。
悠里がこのグリフォンを触って強制ワープさせられたのならば、俺たちもわざと罠にかかってやれば、話は早い。同じところへ飛ばされる可能性が高いというのだ。
「私たちも行きます!」
「おお!」
「え、ちょ……心の準備が!」
俺たちは置いていかれないように親父の体を掴んだ。この城の中でこれ以上仲間がバラバラになるなんてあり得ない。
ガコンという音。そして、グリフォンの赤い光が俺たちを包んだ。
ザコキャラが時々出現するが、そんなの親父やゲボルグさんの敵ではない。
本当にここが四天王のダンジョンなの? て、疑いたくなるくらい何の問題もなく進んでいく。
広間のような部屋。
いくつかのモンスターの石像が置かれている。
「こういう時こそ、危ないんだ」
指差し呼称で石像を指差し、ヨシヨシ言いながら進む親父。いや、「スライム、ヨシ!」とか、意味分からないし。
そこ、ヨシ! って、指差してどうなる物でもないだろう。そもそも、指差し呼称を異世界に持ってこないでほしい。
「親父……指差しは……」
俺が文句を言おうとした時だった。
「何これ! 可愛い!」
悠里がそう言って、これ見よがしにど真ん中に置かれていたグリフォンの石像の頭を撫でる。
ガコン
石像から怪しい音が響く。石像の目が赤く輝き出す。
これは……やってしまったのではないだろうか。
「さ、下がって!」
ゲボルグさんが慌てる。
ていうか、何も分かっていないキョトンとした悠里以外のパーティ全員の顔がひきつる。
「ふえ?」
悠里が石像の赤い光に包まれる。
「(=^ェ^=)!!」
なんて? え、何て言ったの??
何語かさっぱり分からない言葉をリリーナさんが叫ぶ。
悠里の周りに青い光が広がる。
そして、そのまま悠里の姿は消えてしまった。
「強制ワープですね。どこかに移動させられたのでしょう」
リリーナさんが慌てて地図を確認する。
「さっきのは魔法?」
「ええ。ワープさせられる前に、悠里さんに強力なバリアをかけました。バリアが効いている間は、どんな攻撃も悠里さんにはできません!」
ああ、あの赤い服の髭キャラが星を手に入れた状態ってことかな?
「ですが、すぐ効力は切れてしまいます。早く見つけないと」
「どこだ?」
「さぁ……かつて勇者は、こんなこれ見よがしな罠の確認はしなかったようですので。地図には残念ながら明記されていなくて」
だよな。
ダンジョン慣れしていたであろう勇者なら、こんな分かりやすい罠はスルーするはずだ。
そして、ここが四天王の城と言うならば、ここに来る冒険者は、皆、ダンジョン慣れしていて、悠里みたいにそう簡単に罠に引っ掛かりはしないだろう。
「地図にない。だが、悠里を早く見つけなければならない! ならば、やることは決まっている!」
親父はそう断言して、グリフォンの頭をむんずと掴む。
悠里がこのグリフォンを触って強制ワープさせられたのならば、俺たちもわざと罠にかかってやれば、話は早い。同じところへ飛ばされる可能性が高いというのだ。
「私たちも行きます!」
「おお!」
「え、ちょ……心の準備が!」
俺たちは置いていかれないように親父の体を掴んだ。この城の中でこれ以上仲間がバラバラになるなんてあり得ない。
ガコンという音。そして、グリフォンの赤い光が俺たちを包んだ。
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