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16)空虚な愛の言葉*
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「うう……っ、ふ」
「翔李さん……苦しいですよね……すみません」
「く、お前……言ってることと……っ、ヤッてることがっ、違……っ」
「それはだって、ホラ。翔李さんが煽るから」
強引に侵入した由岐の楔が根本まで埋め込まれるのに、そう時間はかからなかった。俺は小さく呻きながら、襲い来る圧迫感をやり過ごす。今日は細いエネマグラで慣らされた程度なので、挿入にはそれなりの圧迫感を伴った。
「すごい。殆ど慣らしていないのに入りましたね。まだ苦しいですか?」
「あ、ぁぁ……っ、苦し……っ」
「ふふっ、苦しい思いをさせてすみません。翔李さんがあんまり可愛いので、翔李さんのココに僕の形を教え込みたくなっちゃいまして」
「な、……だよ、それ……っ、ぁ……ぁ……っ、やめ、まだ、動くなぁっ」
俺の言葉を微笑みで封じた由岐は、拘束により突き出す形になっている腰を両手で掴んだ。由岐に左右に大きく尻の割れ目を開かれ、意地悪くグリグリと中をかき混ぜられる。
睾丸の裏あたりを由岐のモノが内側から掠めた時、ゾクリと甘美な感覚が体の中に生まれる。先程エネマグラによって敏感にされたままのその一点は、擦られるたびに俺の中で甘い波を起こして、下腹部の内側にぞわぞわと響く。
「あ……あ、あ…………っ、ゃ………ぁ」
半勃ちのまま下向きに垂れたペニスの先から、たらりと糸を引くものがシーツへこぼれ落ちる。散々由岐に刺激された先端はシーツに触れただけでも堪らなくて、俺はビクンと腰を揺らした。
その様子を見ていたらしい由岐がクスリと笑って、手のひらで優しく背中を撫でる。
「翔李さん。僕の事、覚えてくれますか?」
「っ……ふ、ああ……っ」
「ほら、今中にいるこの形が僕です。忘れないでくださいね」
そんな言葉と共にピストンが始まると、リズムに合わせて体の中心に甘美な麻薬が溶け出るかのように、深く生々しい快楽が俺の四肢を痺れさせる。
「翔李さんの中、キツくてすごく気持ちいいです……僕のここに絡みついてきますよ」
「し、知らな…………ッ、はぁっ、……ああっ! やぁっ……」
「気持ちがいい時に『イヤ』っていうのは癖ですか? 中はこんなにトロトロなのに」
「だって……っ、ぁぁあ、……イクっ……い、……ッ」
だって、自分の身体じゃないみたいで怖いから……。
そう言葉を繋ぎたかったけれど、快楽に痺れた舌がもつれて、もはや言葉を紡げない。
「イッても良いですよ……、僕の可愛い翔李さん……っ」
「あ、ああ……っ、も、イッ、く……、イク……っ……!!」
由岐のそんな甘い囁きが鼓膜を揺らして、俺は内側に由岐を咥え込んだまま吐精した。
「あ……あ、かなでっ、まだ動くな……っ、イッてる、イッてるから……っ」
「ふふ、知ってます……っ。翔李さんの中、きゅうきゅう締まっていますよ……すごく気持ちいい」
「や、やめ……ぅあ……ッ」
精を吐き出している最中にまた由岐に中を擦られて、俺は気持ち良すぎる辛さに鳴いた。由岐があの場所を狙って突くと、達したばかりにも関わらず俺の中に新たな快楽の火が灯って、じんじんと燻り始める。
「はぁ……っ、翔李さんの中、すごく熱い……っ。全部絡め取られてっ……しまいそう、ですよ……」
由岐が切なそうな声音でそう言って、深い所を淫らに抉る。根本まで埋め込まれて優しく揺すられると、俺は生理的な涙と唾液でぐしゃぐしゃに濡れた顔面をシーツに擦りつけて喘いだ。
吐精を終えたペニスはとっくに萎えているにも関わらず、体の深い所で燻り続けていた熱が、由岐にかき混ぜられて荒れ狂う。
直腸で得る快楽が俺の体を支配して、未知の恐怖と快楽がないまぜのまま俺を襲っている。
「ま、またイク……、駄目……何っ、……こ、怖い……ッ」
「僕も……っ、そろそろイキそうです……っ。大丈夫、僕が側にいますから……ッ」
じんわりと首元に由岐の体温を感じて、その華奢な体が俺の腰のあたりを抱きしめてくれていることに気がつく。そうされると不思議と恐怖が薄れて、俺は強ばる体の力を抜いた。
「いい子ですね、翔李さん。愛しています……」
「あ……あ……、ゆ……っ、か、かなで……っ」
優しい由岐の言葉と共に中に精を注ぎ込まれた俺は、『愛しています』という甘い言葉の響きに胸が高鳴っている事に気が付く。
偽りの愛で満たされた体は、偽りであっても俺に幸福感を与え、思考を痺れさせる。
目の前の快楽と、孤独を癒やしてくれる由岐。由岐といる時はユウキを忘れられる。けれど…………。
行為を終えた由岐がズルリと俺の中から楔を抜き取ったその時、俺は思考をやめて、くたりとシーツに突っ伏した。
◇◆◇◆◇◆
「翔李さんっ、翔李さんっ」
由岐の声で再び俺が目覚めたのは夕刻だった。いや、時刻としては夕刻のはずだが、外は夜のように真っ暗だった。
「悪い……寝ちまった」
目をこすりながら上半身を起こすと、いつの間にか由岐によって、両手両足の枷が外されていることに気が付く。
「こちらこそ、すみません。翔李さんがあまりに可愛かったので、無理をさせてしまいました」
由岐はいつものようにペットボトルの水を俺に手渡しながらそう言って、ベッドの縁に腰掛けた。由岐の言葉に先程の己の痴態を思い出した俺は、一気に頬が紅潮する。
「………っ、あのさぁ。前から言ってるけど、その『可愛い』ってーの、やめてくれないか? それから、エッチの最中に『愛してる』って言うのも」
「え? なぜです?」
「なぜって…………」
真っ直ぐに俺を見つめながら小首をかしげる由岐に、俺は返答に困って頭をかいた。そんな俺を不思議そうに覗き込んだ由岐は、ふんわりと笑顔を浮かべた。
「だって、セックスってそういうものでしょう? 愛の言葉を囁いて、お互いに気分良く体を繋げて、快楽を貪って、互いの寂しさを埋める」
悪びれずにそう言って笑う由岐に、俺は深いため息をついた。
「翔李さん……苦しいですよね……すみません」
「く、お前……言ってることと……っ、ヤッてることがっ、違……っ」
「それはだって、ホラ。翔李さんが煽るから」
強引に侵入した由岐の楔が根本まで埋め込まれるのに、そう時間はかからなかった。俺は小さく呻きながら、襲い来る圧迫感をやり過ごす。今日は細いエネマグラで慣らされた程度なので、挿入にはそれなりの圧迫感を伴った。
「すごい。殆ど慣らしていないのに入りましたね。まだ苦しいですか?」
「あ、ぁぁ……っ、苦し……っ」
「ふふっ、苦しい思いをさせてすみません。翔李さんがあんまり可愛いので、翔李さんのココに僕の形を教え込みたくなっちゃいまして」
「な、……だよ、それ……っ、ぁ……ぁ……っ、やめ、まだ、動くなぁっ」
俺の言葉を微笑みで封じた由岐は、拘束により突き出す形になっている腰を両手で掴んだ。由岐に左右に大きく尻の割れ目を開かれ、意地悪くグリグリと中をかき混ぜられる。
睾丸の裏あたりを由岐のモノが内側から掠めた時、ゾクリと甘美な感覚が体の中に生まれる。先程エネマグラによって敏感にされたままのその一点は、擦られるたびに俺の中で甘い波を起こして、下腹部の内側にぞわぞわと響く。
「あ……あ、あ…………っ、ゃ………ぁ」
半勃ちのまま下向きに垂れたペニスの先から、たらりと糸を引くものがシーツへこぼれ落ちる。散々由岐に刺激された先端はシーツに触れただけでも堪らなくて、俺はビクンと腰を揺らした。
その様子を見ていたらしい由岐がクスリと笑って、手のひらで優しく背中を撫でる。
「翔李さん。僕の事、覚えてくれますか?」
「っ……ふ、ああ……っ」
「ほら、今中にいるこの形が僕です。忘れないでくださいね」
そんな言葉と共にピストンが始まると、リズムに合わせて体の中心に甘美な麻薬が溶け出るかのように、深く生々しい快楽が俺の四肢を痺れさせる。
「翔李さんの中、キツくてすごく気持ちいいです……僕のここに絡みついてきますよ」
「し、知らな…………ッ、はぁっ、……ああっ! やぁっ……」
「気持ちがいい時に『イヤ』っていうのは癖ですか? 中はこんなにトロトロなのに」
「だって……っ、ぁぁあ、……イクっ……い、……ッ」
だって、自分の身体じゃないみたいで怖いから……。
そう言葉を繋ぎたかったけれど、快楽に痺れた舌がもつれて、もはや言葉を紡げない。
「イッても良いですよ……、僕の可愛い翔李さん……っ」
「あ、ああ……っ、も、イッ、く……、イク……っ……!!」
由岐のそんな甘い囁きが鼓膜を揺らして、俺は内側に由岐を咥え込んだまま吐精した。
「あ……あ、かなでっ、まだ動くな……っ、イッてる、イッてるから……っ」
「ふふ、知ってます……っ。翔李さんの中、きゅうきゅう締まっていますよ……すごく気持ちいい」
「や、やめ……ぅあ……ッ」
精を吐き出している最中にまた由岐に中を擦られて、俺は気持ち良すぎる辛さに鳴いた。由岐があの場所を狙って突くと、達したばかりにも関わらず俺の中に新たな快楽の火が灯って、じんじんと燻り始める。
「はぁ……っ、翔李さんの中、すごく熱い……っ。全部絡め取られてっ……しまいそう、ですよ……」
由岐が切なそうな声音でそう言って、深い所を淫らに抉る。根本まで埋め込まれて優しく揺すられると、俺は生理的な涙と唾液でぐしゃぐしゃに濡れた顔面をシーツに擦りつけて喘いだ。
吐精を終えたペニスはとっくに萎えているにも関わらず、体の深い所で燻り続けていた熱が、由岐にかき混ぜられて荒れ狂う。
直腸で得る快楽が俺の体を支配して、未知の恐怖と快楽がないまぜのまま俺を襲っている。
「ま、またイク……、駄目……何っ、……こ、怖い……ッ」
「僕も……っ、そろそろイキそうです……っ。大丈夫、僕が側にいますから……ッ」
じんわりと首元に由岐の体温を感じて、その華奢な体が俺の腰のあたりを抱きしめてくれていることに気がつく。そうされると不思議と恐怖が薄れて、俺は強ばる体の力を抜いた。
「いい子ですね、翔李さん。愛しています……」
「あ……あ……、ゆ……っ、か、かなで……っ」
優しい由岐の言葉と共に中に精を注ぎ込まれた俺は、『愛しています』という甘い言葉の響きに胸が高鳴っている事に気が付く。
偽りの愛で満たされた体は、偽りであっても俺に幸福感を与え、思考を痺れさせる。
目の前の快楽と、孤独を癒やしてくれる由岐。由岐といる時はユウキを忘れられる。けれど…………。
行為を終えた由岐がズルリと俺の中から楔を抜き取ったその時、俺は思考をやめて、くたりとシーツに突っ伏した。
◇◆◇◆◇◆
「翔李さんっ、翔李さんっ」
由岐の声で再び俺が目覚めたのは夕刻だった。いや、時刻としては夕刻のはずだが、外は夜のように真っ暗だった。
「悪い……寝ちまった」
目をこすりながら上半身を起こすと、いつの間にか由岐によって、両手両足の枷が外されていることに気が付く。
「こちらこそ、すみません。翔李さんがあまりに可愛かったので、無理をさせてしまいました」
由岐はいつものようにペットボトルの水を俺に手渡しながらそう言って、ベッドの縁に腰掛けた。由岐の言葉に先程の己の痴態を思い出した俺は、一気に頬が紅潮する。
「………っ、あのさぁ。前から言ってるけど、その『可愛い』ってーの、やめてくれないか? それから、エッチの最中に『愛してる』って言うのも」
「え? なぜです?」
「なぜって…………」
真っ直ぐに俺を見つめながら小首をかしげる由岐に、俺は返答に困って頭をかいた。そんな俺を不思議そうに覗き込んだ由岐は、ふんわりと笑顔を浮かべた。
「だって、セックスってそういうものでしょう? 愛の言葉を囁いて、お互いに気分良く体を繋げて、快楽を貪って、互いの寂しさを埋める」
悪びれずにそう言って笑う由岐に、俺は深いため息をついた。
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