(完結)お荷物聖女と言われ追放されましたが、真のお荷物は追放した王太子達だったようです

しまうま弁当

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国王やリゼラを待ち受けた結末

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リゼラが悪びれる様子もなく国王に言いました。

「だってバイルとの婚約破棄も解消も認めてくれないんだもの。だったらせめて今のうちだけでも贅沢しなきゃいけないでしょう?言っとくけどもう金貨を使い切ってないからね。」

パルシス伯爵がリゼラに言いました。

「ふん、リゼラ?とんでもない悪女だと知られた以上どうせお前はもうだれとも婚約などできんよ。全くとんだ親不孝な娘だ。俺まで巻き込みおって。」

リゼラがパルシス伯爵に言いました。

「お父様だってろくに謹慎してなかったじゃないですか?盗んだお金で新しいお屋敷作ろうとしてたし。」

するとリゼラが尋ねた。

「ねえまさか私を地下牢に放り込むつもりじゃないでしょうね?」

市民の一人が言いました。

「もちろんそのつもりだ。暗い地下牢の中でお前の罪をしっかり反省するんだな。」

すると騎士が国王とパルシス伯爵とリゼラに言いました。

「国王とパルシス伯爵とリゼラの3人には終身刑を言い渡す。アニア様を追い出した罪を一生薄暗い地下牢の中で悔いて生き続けろ!!分かったな!!!」

リゼラが驚いた様子で尋ねました。

「一生地下牢に閉じ込めるつもりなの?」

騎士がリゼラの問いに答えました。

「そうだ。リゼラが入るのは凶悪犯用の最も深い場所にある地下牢だもちろん警備も厳重だ。もう外の景色を一生見れない事を保証してやる。今のうちに外の景色を見ておく事だ。これからは一生牢屋暮らしなんだからな。」

リゼラが涙目で叫びました。

「待って、二度と外に出られないなんて!!そんなのいやよー!!!誰か代わってよ!!」

国王が無様に泣き叫びました。

「余もそんなの嫌じゃ!!だれか助けてくれ!!」

騎士がリゼラに言いました。

「ちょうどいいじゃないか、お前の婚約者のバイルがすでに凶悪犯用の地下牢の中に入っている。二人仲良く暗い凶悪犯用の地下牢の中で一生を過ごせばいい。愛する者同士なんだろう??」

リゼラは大きな声で泣き叫びました。

「そんなの絶対にいやー!!!お願い!!私だけでいいからだれか助けてよ!!!」

もちろん誰もリゼラを助けるはずがなく、国王とパルシス伯爵とリゼラの3名は市民側に味方した騎士達によって王宮の地下牢へと引きずられていきました。

それから数日後、ベスタール帝国の大宮殿の謁見の間に私は居ました。

私の横にはクラインがいました。

衛兵の報告を私は冷静に聞いていました。

「申し上げます。王都で発生した暴動の続報でございます。王国では大きく税が5倍に引き上げられ、取り立ても相当に厳しくしようとしていたようでそれに対する反発によって暴動が起こったものと思われます。どうやら以前と変わらぬ贅沢な豪遊を国王やリゼラは続けていたようです。」

クラインが衛兵に尋ねました。

「しかしリゼラはバイル王太子との関係は悪くなっていたようだったが?」

衛兵がクラインに言いました。

「それがリゼラはバイル王太子との婚約解消が叶わなかったようです。そして肝心のバイル王太子も地下牢に閉じ込めらてしまったので王宮の金庫から金貨を全て盗んで豪遊していたようです。これには父親のパルシス伯爵も関わっていたようです。」

クラインが言いました。

「なんか聞いてるだけで頭が痛くなってくる。せっかくアニアに最後のチャンスをもらったというのに、あいつらは。以前と変わらぬ贅沢な豪遊を続けていたとはな。何も反省していないではないか。」

私もクラインに賛同しました。

「呆れてものも言えませんね。」

衛兵がクラインに言いました。

「市民派はすでに王宮を占拠した模様です。さらに国王と伯爵とリゼラの3人には終身刑(しゅうしんけい)を言い渡し責任を取らせる為に地下牢にその3人を放り込んだとの事です。」

私がクラインに言いました。

「終身刑ですからもう二度とリゼラ達は牢屋の外に出てくる事はできないでしょうね。」

クラインが私に言いました。

「ああ、あいつらはアニアにひどい仕打ちをしたんだからな当然の報いだろう。一生をかけて自分達の行いを償うべきだ。」

衛兵がクラインに言いました。

「リヒテル王国の市民派を代表して使者が来ております。これまで通りの友好関係を維持してほしいとの事。」

クラインが衛兵に言いました。

「リヒテル王国の民達の怒りは最もだ。今回の事の発端は全てリヒテル王家とリゼラ達にある。分かった。ベスタール帝国としてはこれまで通り友好関係を維持すると、そう使者の方にお伝えしてくれ。」

衛兵がクラインに言いました。

「はっ。」

クラインが私に言いました。

「最後の最後まで愚かな連中だったな。」

私は小さく頷きました。

「そうですね。」

私は話題を変えようと思いこうクラインに言いました。

「それにしても初めてこの宮殿に案内された時は驚きましたよ。」

帝国にやってきて驚きの連続でした。

ベスタール帝国には何度か来た事がありましたが、私が前に来た時よりもさらに発展しているように見えました。

大河には石造りの大きな橋がかかり、小さな川にまでちゃんと橋が掛けられていました。

帝都の大通りの両側には見渡す限り4階建て以上の建物がズラリと建ち並んでいました。

一般の帝都民ですら王国とは比べ物にならない良い生地の服を身に着けており、道路にはゴミもあまり落ちていませんでした。

道路には大量の荷を積んだ馬車が行きかい、運河にはたくさんの船が行きかっていました。

間違いなくリヒテル王国よりもベスタール帝国の方の経済が発展しており、今もそれが続いているのです。

そしてベスタール帝国に到着してから3日後に帝国の皇宮へと招待されたのでした。

ベスタール帝国の皇宮はリヒテル王国の王宮とは比べ物にならないほどに巨大な建物でした。

皇宮のあちこちには金細工や銀細工が施されており、とても華やかな雰囲気でした。

私は皇宮の壮麗さに圧倒されてながら、謁見の間へと案内されたのです。

そして謁見の間の玉座にクラインが座っていたのですから、本当に驚きました。

そしてクラインがベスタール帝国の皇帝である事を私に告げられたのでした。

私はあの時の事を思い出しながらクラインに言いました。

「クラインがまさか皇帝だったなんて。びっくりしてしまいました。」

クラインが私に言いました。

「俺が皇帝になったのもなると決まったのもつい最近だからね。3か月前までは俺自身も侯爵家の跡取りになると信じていたからね。優秀な兄上達が何人もいるからまあ皇位継承はないだろうと考えていたんだが、俺が次期皇帝に指名されてしまったんだ。しかも兄上達までが賛成してくれた。」

それは何となく想像できます。クラインは頼りがいがあって博識ですもんね。

帝国の皆さんがクラインを押すのも分かります。

私はクラインに尋ねました。

「2回目のプロポーズはどういう事だったんですか?」

クラインが私に言いました。

「君に対して隠し事をしていたをしていた訳だからね。ちゃんと俺がベスタール帝国の皇帝だと知ってもらった上でプロポーズをしたかったんだ。」

クラインは私に自分が皇帝だと伝えた後で改めて私にプロポーズをしてくれました。

クラインが私を愛してくれていると言ってくれて、私はとても救われました。

今さら自分の気持ちにウソをつく必要もありませんし、私はクラインからの2度目のプロポーズも受け入れました。

クラインが安堵した顔で私に言いました。

「正直、皇帝と知られたら断られるんじゃないかって心配してたんだ。アニアがまたプロポーズを受けてくれて本当に良かった。君とこれからずっと一緒にいられるなんて本当にうれしいよ。」

私はクラインに尋ねました。

「そんなに嬉しいんですか?」

クラインが笑顔で私に言いました。

「ああ君と一緒にいる時が本当に心地いいんだ。俺は今君が傍にいてくれて本当に満たされているんだ。」

ああまた恥ずかしくなってきました。

「僕はアニア君を愛している。君が私の傍にいてくれて本当にうれしい。絶対にアニアの傍から離れないから。」

そう言うとクラインは嬉しそう笑顔で私の言葉を待ちました。

あれ結構言うの恥ずかしいんですよ。

そうやってはっきり答えを求められると恥ずかしいんですよ。

私は恥ずかしくて言い淀んでしまいました。

「どうしたんだいアニア??はやく言ってくれよ。」

すると彼は悲しそうな顔をしてしまうのでした。

「まさか?もう俺の事が嫌いになってしまったのかい?待ってくれ、もう俺はアニア君なしでは生きていけないんだ。君のいない人生なんて考えられない。」

クラインは心配そうに私に言いました。

クラインはとても頼りになる人なんですが、私と一緒にいるときはすごく子供っぽくになってしまう時があるんですよね。

「大丈夫です。」

「えっ??」

私はそう言うと彼の唇に唇を重ねました。

彼は顔を真っ赤にしていました。

きっと私の顔も真っ赤になっている事でしょうね。

「私もクラインを愛しています。信じてもらえましたか?」

クラインが静かに頷きました。

「ああ。」

それからしばらくの間、私とクラインは赤い顔のまま見つめあいました。

END
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