23 / 50
介
しおりを挟む
「非はこちらにあるわけですし、話は聞きます」
ギルドマスターの頼み事に、恐らくとんでもない厄介後だろうと腹を括る。
「そうかい、それは良かった」
「で、頼み事とは? 」
「そうそう、それでね。とある依頼を受けて欲しいんだよ」
「依頼? 」
「うん、本当に厄介な依頼でね。ある程度の実力者で、尚且つ信用が置ける人でないとダメなんだぁ」
信用ならば、何故俺達のようなぽっとでなのだろうか。確かに、表で冒険者を倒した''実力''はあるにせよ、信用の面では納得がいかない。
「信用が、俺達にあるんですか? 」
「無いねぇ。え、あると思ってるの? 」
――クフッ、あははは~
そう言って笑い出すギルドマスターに、つい殺意が湧いてでる。
が、俺は隣のシャルロットを咎めるので精一杯だ。
突っかかる余裕などない。
「ごめんごめん、面白くてね」
本当に、この人はデリカシーというものか著しく欠如している。
「じゃ、なんで俺たちなんですか? 」
「それはねぇ、取引だからだよ」
「取引? 」
「今回の騒動を、水に流す。だから、こちらの条件通りに依頼を受けて欲しいんだぁ」
そういう事かと、俺は納得する。
このギルドマスターは、中々のゲスのようだ。
要は、俺達を脅している。
こちらに従わなければ、今回の騒動を大きな問題に発展させると。
そうすることで、信用とは言えない信用を作り上げるつもりらしい。
だが、分かってて尚敢えて聞く。
「断ったら? 」
「分かってるくせにぃ~」
ヘラヘラと、満面の笑みで返すギルドマスター。
「もちろん、報酬金は弾むよ。君、お金ないでしょ? 」
「いくらほどだ? 」
「金貨にして15枚。破格だと思うけど」
「ほう……」
一応、金銭の価値は把握している。
城にいた頃に、確認しておいた。
「分かった。うけ、よう……」
ここで、俺は少し引っかかる。
何故、俺が金を持ち合わせていないことがこの男に透けている?
ラルスさんに案内はされていたが、どの場面でも''金銭が無いこと''は明らかにしていない。
昨日の酒場にいれば話は別だが……。
あの時、こんな男はいなかった。
ギルドマスターは、目立つ派手髪だ。元日本人の俺が見れば、嫌でも印象に残るだろう。
いや、待てよ。あのシャルロットにやられた冒険者。確かにテンプレではあろうが、周りの目が異様なまでに普通過ぎなかったか?
ここで、俺は1つの答えに辿り着いた。
<hr>
ランキングが上位の間は、更新頻度を格段に上げます。
ギルドマスターの頼み事に、恐らくとんでもない厄介後だろうと腹を括る。
「そうかい、それは良かった」
「で、頼み事とは? 」
「そうそう、それでね。とある依頼を受けて欲しいんだよ」
「依頼? 」
「うん、本当に厄介な依頼でね。ある程度の実力者で、尚且つ信用が置ける人でないとダメなんだぁ」
信用ならば、何故俺達のようなぽっとでなのだろうか。確かに、表で冒険者を倒した''実力''はあるにせよ、信用の面では納得がいかない。
「信用が、俺達にあるんですか? 」
「無いねぇ。え、あると思ってるの? 」
――クフッ、あははは~
そう言って笑い出すギルドマスターに、つい殺意が湧いてでる。
が、俺は隣のシャルロットを咎めるので精一杯だ。
突っかかる余裕などない。
「ごめんごめん、面白くてね」
本当に、この人はデリカシーというものか著しく欠如している。
「じゃ、なんで俺たちなんですか? 」
「それはねぇ、取引だからだよ」
「取引? 」
「今回の騒動を、水に流す。だから、こちらの条件通りに依頼を受けて欲しいんだぁ」
そういう事かと、俺は納得する。
このギルドマスターは、中々のゲスのようだ。
要は、俺達を脅している。
こちらに従わなければ、今回の騒動を大きな問題に発展させると。
そうすることで、信用とは言えない信用を作り上げるつもりらしい。
だが、分かってて尚敢えて聞く。
「断ったら? 」
「分かってるくせにぃ~」
ヘラヘラと、満面の笑みで返すギルドマスター。
「もちろん、報酬金は弾むよ。君、お金ないでしょ? 」
「いくらほどだ? 」
「金貨にして15枚。破格だと思うけど」
「ほう……」
一応、金銭の価値は把握している。
城にいた頃に、確認しておいた。
「分かった。うけ、よう……」
ここで、俺は少し引っかかる。
何故、俺が金を持ち合わせていないことがこの男に透けている?
ラルスさんに案内はされていたが、どの場面でも''金銭が無いこと''は明らかにしていない。
昨日の酒場にいれば話は別だが……。
あの時、こんな男はいなかった。
ギルドマスターは、目立つ派手髪だ。元日本人の俺が見れば、嫌でも印象に残るだろう。
いや、待てよ。あのシャルロットにやられた冒険者。確かにテンプレではあろうが、周りの目が異様なまでに普通過ぎなかったか?
ここで、俺は1つの答えに辿り着いた。
<hr>
ランキングが上位の間は、更新頻度を格段に上げます。
1
お気に入りに追加
990
あなたにおすすめの小説
職業通りの世界
ヒロ
ファンタジー
この世界では、職業が全て。
勇者「俺が魔王を倒す!」
魔法使い「魔法で援護する!」
剣士「剣で切り刻んでやる!」
そんな中、主人公である館山陸人(たてやまりくと)の職業は……
執事「何なりとお申し付けください」
予想とは裏腹に、万能な執事という職業で、陸人は強くなっていき、勇者をも超える存在に!?
投稿ペースは不定期ですが、投稿する時は20時に投稿します!
2作目になります。前作と繋がっているところはほとんどありませんので、気にせず読んでもらって結構です。
前作も良ければ読んで頂くと、かなり後の展開をより楽しめると思います。
誤字脱字の報告や感想はいつでもお待ちしております!
Twitterもやりますので、感想を書くのが恥ずかしいとかある場合はそちらに是非!質問もある程度はお答えします!
ヒロ @hi_rosyumi
~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。
破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。
小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。
本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。
お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。
その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。
次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。
本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
女神様から同情された結果こうなった
回復師
ファンタジー
どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~
楠富 つかさ
ファンタジー
地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。
そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。
できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!!
第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる