よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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チップはお城噺

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 1520年、時のフランス国王であったフランソワ1世は、侍従にコートを脱ぐ手伝いをしてもらっていた。

 チップ欲しさの行動だと察した国王は、チップをやろうとしたが財布がない。

 ポケットをまさぐると、偽証罪の罪によって没収したル・コードレー・モンペンシェル城の権利を証明する書類が入っていた。

「まぁ、これでいいか」と、フランソワ1世はこのお城の権利を侍従に与えてしまったのだ。

 当然ながら侍従は驚いた。

 おそらくラッキーだと喜ぶよりも、あまりに信じられない幸運に、足ががくがくと震える思いだっただろう。

 この幸運な出来事のおかがで、彼の子孫はその後200年にわたってお城で悠々自適な生活を送ることができたのである。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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