よもやまメモ噺

いんじんリュウキ

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暴動対策噺

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 パリの道路はシャンゼリゼ通りをはじめとして、広くて立派なものが多い。

 それらの大通りは、19世紀半ばに時の皇帝であったナポレオン3世によって計画的に造られたものなのである。

 ナポレオン3世が皇帝になった当時、パリは人口急増で衛生状態が悪化し、建物の配置も乱雑だった。

 そこで、ナポレオン3世は青年期を過ごしたロンドンの街を手本に、パリを整然とした都市に大改造させる。

 その際、エトワール凱旋門を中心に12本の大通りが整備されることになったのだが、道路を広くした目的のひとつに暴動対策があったのだ。

 というのも、1789年に起きたフランス革命以来、パリでは市民が何度も暴動を起こしていた。

 その戦法が道路にバリケードを築くことだったので、ナポレオン3世は見通しの良い広い道路を造れば、バリケードを築くことができなくなり、暴動を防げるに違いないと考えたのである。

 ちなみに、このパリ大改造はその後ウィーンやローマをはじめ、世界中の都市計画に大きな影響を与えることになったのだ。

 では、今回はこの辺で失礼をば。
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