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オリバーの子守り

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夕刻、オリバーはハラルトを腕に抱き、窓の外を眺めていた。

「ハラルト見てください。あれが一番星ですよ。綺麗ですね。」

まだ少し薄明るい空に光る一粒の光を指差す。まだ4か月のハラルトにはもちろん分からないだろうが、何となく機嫌良く外を眺めているようにも見えた。

二人でのんびり星を見ていると、バルコニーの下からいきなり巨大な獣が飛び出してきて、思わず後ろに転びそうになる。
オリバーは足を踏ん張り何とか耐え、今しがた人間の姿へと形を変えたレオに対して苦言を呈した。

「もうびっくりするじゃないですかっ!!帰りが随分早いですが、まさかさっきの姿で街中を走ってきたんじゃないですよね?」

「最短距離で走ってきたさ。ハルがヒートだって!?どこにいる!?」

帰った途端、キョロキョロとハルを探し始めたのはレオだ。
オリバーはハルからヒートの話を聞いた後すぐに遣いの者をレオの元へと走らせていた。
最近、レオは魔力のコントロールが上手くなり、頻繁に獅子の神獣に姿を変える。

子供の頃、魔力を暴走させて部屋を半壊させてからは、よっぽどのことじゃなければ変身などしてこなかったのだが前回のハルのことがあり必要性を感じたらしい。


だが、それに伴いそこら中から神獣の目撃情報が上がるため、オリバーはその度に火消しに走らなければならなかった。
今回も恐らく街中大騒ぎになってるに違いない。
オリバーは分かりやすく大きなため息を漏らした。

「ハルなら客室ですよ。」
「ありがとう。迷惑ついでに明日の朝までハラルトを見ていてもらってもいいかな?

ハラルト、パパは今からハルと番ってくるからね。オリバーと仲良く寝んねしててね。」

ハラルトの額に一つキスを残すと、レオは足早に客室へと歩き出していた。

嵐のように部屋を出て行ったレオを見て、オリバーとハラルトは顔を見合わせる。

「・・・・ミルクでも飲みますか。」
「バブッ」


ハラルトを腕に抱き、ミルクを飲む可愛い姿を見ているとオリバーはつくづく思ってしまう。

なぜ私だけ相手がいないんだ・・・・と。

「恋人・・・・真剣に探してみましょうかね。」

トントン 「ゲホッ」

ハラルトは賛成するかのようにゲップの返事を一つくれた。
まぁ、オリバーが出させたんだが。
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