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32 強制ヒート その2 ※R18
しおりを挟む乳首で逝きそうなほど感じてるのに、まだヒートになりきっていないからダメってどう言うこと!?
ってか、そうだ!!そうだよ!!
僕、そろそろヒートなんだった。
予期せぬ出来事のせいで危うく忘れるところだった。
確かにまだ完全にヒートにはなっていない。
ヒートになったらこんなこと考えてる余裕すらないだろう。
早く一ノ瀬さんから離れなくちゃ・・・・手遅れになる前に。
「一ノ瀬さん、もっ、離して。僕、ホテル行かなくちゃ・・・・。」
下腹部は苦しいけど、トイレにでも行って一人で処理すれば取り敢えずは大丈夫だろう。
手首を縛り付ける手錠をガチャガチャ鳴らして、取ってほしいことをアピールする。
「ダメに決まってるだろ。第一こんなものを持っていくくらいなら最初から俺に頼めばよかったのに。」
そう言って、一ノ瀬さんがひらひら揺らすのは、僕がこっそりカバンに忍ばせた彼のハンカチだ。
「・・・・っ、」
「いけない子だなぁ、沖くん。泥棒だよ?」
「ご、ごめんなさい。」
・・・・バレた。
一ノ瀬さんの匂いを持ち出そうとしたのが。
ヒートの時に匂いのするものを持っていくのは、その人が好きだと言ってるのと同義だ。
だから同じものまで用意してバレないように隠していたのに・・・・。
ごめんなさい、ごめんなさい、と譫言(うわごと)のように繰り返す僕を一ノ瀬さんは目を細めて見つめている。
「悪いと思ってるなら、俺の言うこと聞けるよな?」
コクコクと頷くと、一ノ瀬さんが手に持つハンカチで僕の陰茎の根本をキツく結んだ。
「なにをっ・・・・」
「言うこと聞けるってさっき言ったよな?」
温度のない冷徹な声に体が震える。
ハンカチを盗んだから怒ってるのかもしれない。
・・・・それはそうだ、自分の匂いを嗅いで、僕がヒート中、自慰しようとしてるなんて
本人からしたら気持ちのいいものではないだろう。
「・・・・っ、ごめんなさい、」
「許してあげる。その代わりにヒート中は俺と一緒にいるんだ、いいな?」
・・・・正直怖い。
ヒートを一緒に過ごしたら、一ノ瀬さんのこときっともっと好きになってしまう。
本能で一ノ瀬さんを求めるようになってしまう。
でも、どの道、手は繋がれているし、逃げ出すこともできない。
「分かり・・・・ました。」
「よしよし、いい子だ。俺と一緒に狂おうな?」
いつもみたいに優しくて爽やかな笑顔なのに、キャラメル色のその瞳が恐ろしくて体が震えた。
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