後宮の隠し事 嘘つき皇帝と餌付けされた宮女の謎解き料理帖

四片霞彩

文字の大きさ
上 下
2 / 16
1巻

1-2

しおりを挟む
「ああ、『溝鼠』ね……そういえば何か月か前も汚らしい『溝鼠』が後宮内の残飯ざんぱんあさっていたって話題になっていたわね。あの『溝鼠』なら確か捕まって、牢に入れられたような……」
「その話なら聞いたわ。私の知り合いの、そのまた知り合いの女官が見たんですって。早朝に仕事をしていたら皇帝付きの衛兵が捨てていたらしいわよ。その『溝鼠』の死体を」

 女官たちは嗤笑こうしょうしながら渡り廊下を通り過ぎる。
 女官たちがいなくなり、声が遠くなっても、笙鈴はしばらく息をひそめてその場で待っていた。

(もう出てもいいかな……)

 おそるおそる顔を出して渡り廊下に誰もいないことを確認すると、ようやく安堵の息を吐く。
 上級女官たちが話していた「溝鼠」というのは、笙鈴の前に下級女官をしていた者のことに違いない。笙鈴に嫌がらせをしてくる先輩女官たちが、笙鈴が来る前に嫌がらせをしており、彼女は笙鈴と入れ違いになる形で後宮から追い出されたと聞いている。
 なんでも笙鈴と同じ方法で嫌がらせをされ、とうとう空腹に耐えきれなくなって皇帝一家の残飯に手をつけてしまったところ、それが皇帝付きの衛兵に知られて手酷い罰を与えられたという。そして、後宮から放り出されたと聞いている。
 だがその後に下級女官の姿を見た者がいないことから、実は下級女官は処刑されており、むくろは後宮の外に捨てられたのではないかというのがもっぱらの噂だ。

(そんな酷い扱いを受けるなんて……)

 だが、食べ物に困ったことのない上級女官たちからしたら、残飯を漁っていたら同じ女官であろうが仲間でもなんでもなく、全て溝鼠としか感じないのだろう。
 実際に下級女官の笙鈴は数日おきにしか身体を流せず汚い格好をしているので、溝鼠のような見苦しさは否定できなくないが……
 そんな考えに捉われながらも、笙鈴は他の者たちと鉢合わせをしないように注意深く周囲を見渡す。そして誰もいないことを確認すると、鳴り続ける腹を抱えたまま、建物の陰に隠れながらまた歩きだした。饅頭マントウの匂いを辿たどるようにして……


 そのまま少し歩くと、わずかに開けられた窓から小さな煙が立ち昇る古ぼけた建物が見えてくる。
 笙鈴はもう一度周囲を見まわし誰もいないことを確認すると、やっとたどり着いた建物の中に入っていく。

「こんばんは~! 今日もつまみ食いに来ました!」
「まったく……今日も食い物の匂いに釣られてやってきたのか、鼠娘」

 出迎えたのは、油染みで汚れた藍鉄あいてつ色の長袍チャンパオを着た料理人の青年だ。
 つやのある漆黒しっこくの長い髪を頭の上で一つに結び、年の頃は笙鈴より十ほど上と思しい。
 しかしその青年のいかめしい罵声ばせいも、笙鈴には気にならない。というのも、彼の手には見るからに具がぎっしりと詰まった、蒸し立ての包子パオズが載った皿があるからだ。
 青年は笙鈴の視線の先が自身ではなく、自身が持つ皿に向かっているのに気付くと、眉間みけんしわを深くする。

「よくもまあ、飽きもしないで俺の料理を食べに来るものだな」
「えへへ……だってロンさんの作る料理はどれも美味しいんだもん」
「やっぱり、鼠だな」
「鼠じゃありません! もう、年頃の娘に失礼じゃないですか!」

 ぶっきらぼうな竜の言葉にもめげず笙鈴がそうっと包子パオズに手を伸ばそうとすると、竜は大げさな溜め息を吐く。

「手ぐらい洗え」

 そして皿に伸ばしかけた笙鈴の手をパシッと叩いて皿を持ち上げると、そのまま卓に持っていってしまった。
 笙鈴が叩かれた手にふーふーと息を吹きかけていると、竜は背を向けたまま呆れたように話す。

「つまみ食いする気で来たのなら、いつまでもそこに突っ立っていないで中に入ったらどうだ?」
「は~い! じゃあお言葉に甘えて失礼します!」

 笙鈴は言われた通りに手を洗うと、卓に着く。
 そこには先程竜が置いた包子パオズ以外にも、水餃子スイギョーザ小籠包ショーロンポー、春巻き、麻婆豆腐マーボードウフ白湯パイタンなどがすでにところ狭しと並んでおり、ますます空腹を刺激された。
 竜は笙鈴に「鼠娘」という口さがない罵声を浴びせてくるが、こうして笙鈴のためにいつも料理を提供してくれる。だから笙鈴にとって竜が言う「鼠」は、女官たちがさげすんで言う「溝鼠」という言葉とは違った響きをもって感じられる。
 笙鈴は料理に目を輝かせながら、まだ料理を作っている竜にちらりと視線を移す。
 竜は料理人ながらも引き締まった身体つきをしており、重いなべを軽々と扱う腕は、袖から覗く部分だけでもほどよく鍛えられているのが一目で分かる。背中に流した長い髪を揺らしながら真剣に調理に向き合う横顔には、どこか気品さえ感じられた。
 竜には絶対に言わないが、実はその料理人らしからぬ貴族のようなたたずまいは、異性にまったく興味がない笙鈴でも時折魅了されそうになることがある。

「おい、食わないなら下げるぞ」

 そんな思いにふけっていると竜に言われ、笙鈴は慌てて目を卓に戻す。

「だめですよ、そんなのっ! いただきま~す!」

 それからお腹がペコペコの笙鈴は、夢中になって食事に手をつけ始める。
 白い湯気を立てる蒸し立ての包子パオズは中身の肉と野菜のあんからあふれ出てきたうまみを濃縮した汁が熱々で、舌を火傷やけどしそうになる。白濁した汁物である白湯パイタンには、ほどよく煮込まれた野菜がたっぷり入っていて、出汁だしとして使用したのか魚介の味がした。
 きつね色に揚げられた細長い春巻きはパリパリと音を立て、中に詰まったたけのこ椎茸しいたけなどの餡はひき肉や春雨と絡み合ってトロトロと口中でとろけ合い、噛めば噛むほどに旨みが溢れた。
 火を通した焼餃子はサクッと焼かれた皮の触感がたまらない。ほのかに香る胡麻油ごまあぶらにらねぎの刺激的な匂いと絡み合い、白菜の甘みと脂身を多く含んだ豚肉の具を引き立てた。普段食べる瑞々みずみずしい水餃子ものどごしがよく食べやすいが、焼いた餃子も春巻きとは違ったおもむきと新しさがあった。
 豆腐がさいの目状に均等に切られた麻婆豆腐は、辛さを連想する赤色をしていながらも、唐辛子の量を調整しているのか辛過ぎずに食べやすい。とろみのある餡の中にコクのある甘みをわずかに感じられるので、呑み込んでしまうのがもったいないくらいだ。強火でいためた時に消えてしまう大蒜にんにく生姜しょうがなどの香味こうみ野菜の香りをほんのり残しているので、ますます食が進むのだった。
 卓いっぱいの料理をはしを休ませることなく食べ続ける笙鈴の前に茶を置きながら、竜は呆れた顔をする。

「しかし、今日もよく食うな?」
「どれも美味しいです! まともな食事は昨日ぶりなので、いくらでもお腹に入りそうな気がします」
「……昨日ぶり? いくら下級女官でも食事くらい出されるだろう」
「そうなんですけどね。その……ちょっと色々理由がありまして……」
「理由? どうせいやしい鼠娘のことだ。料理が少なくて食べ足りないんだろう」
「違っ……いえ! 実はそうなんです。料理が食べ足りなくて困っていて、あははは……」

 心配をかけさせたくないと、とっさに笙鈴が言葉を濁したからか、それ以上は竜も何も聞いてこなかった。その代わりに、どこかいぶかしむように眉をひそめる。

「……まだ試作の段階だが、湯圓タンユエンもあるぞ。食後に食ってみろ」
「いいんですか!? ありがとうございます。食べます!」

 笙鈴は目の前に並べられた料理をすっかり平らげ、試作品と言いつつも完成度の高い湯圓タンユエン――餡を餅粉もちこで包んだ甘味かんみも堪能した。


 ◆


 笙鈴が初めて竜と出会ったのは、後宮で働き始めたばかりの頃だった。
 その日も笙鈴は先輩女官たちの嫌がらせが原因でたびたび食事を捨てられ、お腹を空かせていた。だが後宮に来たばかりということもあって、その頃はまだ先輩女官たちが笙鈴に嫌がらせをしていると知らず、自分だけ食事が出されないことを不思議に思いつつも働いていたのだ。
 笙鈴は、この日はとうとう空腹が限界に達してしまい、なんでもいいから口にしたくて仕方なくなった。えている草花に食べられるものがないかと薄闇の庭を探しまわる。
 すると――風に乗ってどこからか饅頭マントウや胡麻油の匂いが漂ってきたのだ。そして匂いを頼りに白壁の穴を通り、見知らぬ建物沿いに進むと、竜が料理を作るこの場所にたどり着いたのだった。
 竜と出会った時の笙鈴は今よりもっと薄汚れた格好をしていた。そのせいか竜からは開口一番に「溝鼠!!」と言われて外に追い払われた。けれどもおこぼれだけでももらえないかと外から中の様子を窺っていたところ、しばらくして竜が完成した料理を一口も食べずに捨てようとしていた。ちなみに後から知ったが、あまり上手くいかなかった試作品だったらしい。
 笙鈴は半泣きになりながら竜にしがみついた。そして自分が空腹であることを竜に話し、捨てられるところだった料理をくれないかと頼んだのだった。
 竜は最初こそやめるように言ってきた。だが包子パオズを持った笙鈴が泣きながら食べている姿を見ているうちに情が湧いたのか、はたまた呆れ果てたのか、作った料理を無言で出してくれるようになったのである。


 ◆


「は~! 今日も美味しかった!」
「本当に変わった鼠娘だな。俺が料理に毒を盛っていたらどうするつもりなんだ?」

 笙鈴が食後に茶を飲みながら月餅げっぺいを食べていると、竜が嫌味を言うように声を掛けてきた。

「えっ、竜さんが毒を盛るんですか? まさか竜さんは暗殺者とか?」

 皇族が毒殺されるというのは、この仙皇国の歴史の上では珍しいことではない。
 そういえば何度か竜の料理を食べに来ているが、笙鈴は竜が食べているのを見たことがない。竜に料理を食べないのかと聞いたがそのたびに無視されるので、何か理由があって食べないのかもしれないと考えていた。
 ちなみにこの場所で竜が料理をするのは夜だけだ。仕事を抜け出して昼間に来ても、ここには竜どころか誰もいない。それもあって笙鈴は、竜は皇族の夜食を担当する料理人ではないのかと思っている。夜食担当の料理人はいつでも料理を提供できるよう毒見役も担うため、皇帝の信任を得ている者の中から選ばれると聞いたことがある。男性である竜がここにいるのも、そのためだろう。
 きっと昼間の竜はどこか別の場所で休み、夜間になるといつ皇族から夜食の所望があってもいいように、ここで待機しているのだ。

「……お前の食欲に呆れているだけだ。本気にするな」
「いたたたっ……!」

 そんなことを考えていると竜に人差し指で額をグリグリと押されて、笙鈴は声を上げる。
 竜は人差し指を離すと、「茶のお代わりは?」と茶壺ちゃこを持ち上げる。

「お代わりください……」

 笙鈴が額を押さえていると、竜は茶壺から茶を注いでくれた。

「まったく……ここで食わせないと、お前のことだ。その辺に落ちているものでも平気で拾い食いするだろうからな」
「心配してくれるんですか?」
「お前は本当に随分とおめでたい頭をしているな」
「そ~ですか? そんなことはないと思うんですけど~!」
「言っておくが、褒めてるわけじゃないぞ」

 笙鈴が笑っていると、竜は冷ややかな視線を送ってきたのだった。
 竜にはぞんざいな扱いをされているが、笙鈴にとってこの場所での時間は、空腹を満たすだけでなく、唯一気楽に話せる相手と過ごす貴重な時間だった。
 後宮で働く笙鈴には竜以外、親しく話せる間柄の者が誰もいない。先輩女官たちは意地悪を繰り返してばかりでまともに口をきいてくれず、宦官の中にも親しい者はいない。たまに言葉を交わすことはあるが、本当にただそれだけだ。
 笙鈴と話をしてくれるのは、夜半だけここで料理をする竜のみ。といっても、笙鈴が一方的に話すばかりで、竜はたまに相槌あいづちを打つだけだが。
 後はただ聞き役に徹しているのか、無視しているのかよく分からなかったが、笙鈴はそれでよかった。後宮で働く孤独な笙鈴にとって、この時間だけが数少ない人のぬくもりを感じられる至福の時だったからだ。
 その時、竜が自分の分の茶から口を離してそっと息を吐くと「ところで鼠娘」と珍しく話しかけてきた。

「最近、氷水ビンスイ……様はどうしている?」
「氷水様って……皇帝陛下の一人娘の氷水様ですか?」

 やぶから棒に振られた話があまりにも意外な内容だったこともあり、笙鈴は首をかしげてしまう。
 氷水は七歳になる仙皇国の皇女であり、この世界で唯一、飛竜皇帝の血を引く娘でもある。
 氷水の母親は、仙皇国から遠く離れた西の国から同盟のあかしとしてとついできた王女だ。いわゆる、政略結婚である。
 皇后となった彼女はその翌年には妊娠、出産をした。その時に生まれたのが氷水だ。
 西の国特有の白い肌に日の光のような金髪、澄んだ青い目をしていた皇后。そして仙皇国人らしい黒髪、黒目の飛竜。二人の血を引いた氷水は、白い肌に漆黒の髪、澄んだ青い目をした可憐な姫として誕生したという。
 笙鈴は間近に見たことはないが、両親が見目うるわしい顔立ちをしていることもあり、氷水も非常に美しいと噂されている。子供特有の愛らしさも合わせ、氷水より美しい者は存在しないという話だ。そのうちとうとう後宮内では「仙皇国一の美少女」とまで言われるようになっていた。

(なんで急に氷水様のことを尋ねてくるんだろう……?)

 そう考える笙鈴をよそに、竜は続ける。

「そうだ。最近の氷水様の様子はどうだ。元気にしているか?」
「どうかと聞かれても……私は下級女官なので、皇女様に直接お目通りできる身分でもないですし……」

 そもそもどうして一介の料理人である竜が皇女の様子を聞くのか笙鈴には不思議だった。皇族の夜食を担当しているのかもしれないが、氷水が元気かどうかは料理人の仕事とは関係ない気がする。

「些細なことでもいい……最近、表舞台に出てこないだろう」
「ただの料理人である竜さんが、どうして皇女様を気にするんですか……? あっ! まさか美少女って噂の皇女様に、よこしまな感情を抱いているとか?」
「はぁ……こっちにも色々と事情があるんだ」

 笙鈴にからかわれ、竜はうんざりした顔で返事をする。
 竜が皇女を気にする理由は気になるが、あまり深く追及しても竜が料理を食べない理由を尋ねた時と同じで無視されるかはぐらかされるだけだろう。時機が来て、そのうち教えてくれるのを待つしかない。
 そう考えた笙鈴は、氷水について思い出そうとする。
 笙鈴は下級女官なので、皇女である氷水に直接会うことは叶わない。皇族たちに直接会えるのは側付きである上級女官くらいで、笙鈴のような下級女官はせいぜい遠くから姿を見るだけで精一杯だ。

(仮に近くに来ても、叩頭こうとうするから顔が見えないんだよね)

 皇族と間近で会う機会があったとしても、笙鈴たちは皇族が許すまで顔を伏せていなければならない。なので顔を見ることはなかなか難しい。不用意に頭を上げれば、不敬としてその場で斬り捨てられかねない。

「遠目から見ただけですが、お元気そうでしたよ」

 笙鈴は仕事中に偶然氷水を見かけた時のことを思い返してそう答えた。といってもかなり離れたところから目にしただけなので、詳しいことまでは分からないが。

「でもそういえば皇后様が亡くなってから、なかなか後宮内のご自分の宮から出てこなくなったらしいですね……」

 氷水の母親であり飛竜の妻でもあった皇后は、二年前に病気で亡くなった。それ以来、氷水はこもりがちになり、ほとんど自室がある宮の外に姿を見せなくなったと聞いている。飛竜も皇后亡き後、別の女性を皇后に迎えていない。
 世継ぎのために飛竜には早く別の女性を後宮に迎えてほしいと官吏たちは言っているらしいが、未だにそんな気配すらない。
 国の将来を危惧きぐした――あるいは外戚がいせきとなって皇帝に取り入ることを目論もくろむ――重鎮じゅうちんたちが自分の娘や孫娘を後宮に送っても、すぐに飛竜によって送り返されてしまうとのことだ。

「やはり母親を亡くしたのが原因か……」

 竜が独り言のように小さく呟いた。

「氷水様が宮から出ないのも気になりますが、そもそも氷水様の父親である皇帝陛下は、どうして氷水様に会いに来ないんですかね?」

 月餅を食べながら笙鈴が尋ねると、手の中で茶器を揺らしていた竜の手が一瞬だけ止まったように見えた。

「それは……おそらく、皇帝陛下には皇帝陛下なりの考えがあるんだろう」
「そーなんですね」
「それより鼠娘」
「なんですか?」

 笙鈴は月餅の最後のひと欠片かけらを呑み込むと、茶に口をつける。

「お前、氷水様の身辺を探れるか? 特に氷水様を傷付ける者がいないか調べるんだ」

 竜の言葉に驚いて飲んでいた茶が気管に入ってしまい、笙鈴は「ゴホゴホッ……」とむせる。

「えっ……! なんで私が!? というか、なんで竜さんがそんなことを気にするんですか!?」
「散々餌付けしただろう。タダ飯食いをする気か。鼠娘」
「え、餌付け……!?」

 鼠に食べさせるから餌付けか……と納得するわけにもいかず、笙鈴は断固として断る。

「嫌ですよ! ただでさえ仕事で忙しいのに、氷水様を探る機会なんてありませんよ! 氷水様が気になるなら、竜さんが探ればいいじゃないですか」
「俺には色々と事情があるんだと言ってるだろう」

 わざとらしく目をらした竜に、もしかして竜が夜食を作っている相手は氷水ではないかと笙鈴は考える。氷水が竜の作った夜食を食べないから、心配して様子を探るよう頼んでいるのではないかと。
 餌付けというのは心外だが、竜に世話になっている笙鈴は仕方なく言う。


しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです

きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」 5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。 その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?

公主の嫁入り

マチバリ
キャラ文芸
 宗国の公主である雪花は、後宮の最奥にある月花宮で息をひそめて生きていた。母の身分が低かったことを理由に他の妃たちから冷遇されていたからだ。  17歳になったある日、皇帝となった兄の命により龍の血を継ぐという道士の元へ降嫁する事が決まる。政略結婚の道具として役に立ちたいと願いつつも怯えていた雪花だったが、顔を合わせた道士の焔蓮は優しい人で……ぎこちなくも心を通わせ、夫婦となっていく二人の物語。  中華習作かつ色々ふんわりなファンタジー設定です。

側妃は捨てられましたので

なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」 現王、ランドルフが呟いた言葉。 周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。 ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。 別の女性を正妃として迎え入れた。 裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。 あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。 だが、彼を止める事は誰にも出来ず。 廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。 王妃として教育を受けて、側妃にされ 廃妃となった彼女。 その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。 実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。 それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。 屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。 ただコソコソと身を隠すつまりはない。 私を軽んじて。 捨てた彼らに自身の価値を示すため。 捨てられたのは、どちらか……。 後悔するのはどちらかを示すために。

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。

ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。 彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。 「誰も、お前なんか必要としていない」 最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。 だけどそれも、意味のないことだったのだ。 彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。 なぜ時が戻ったのかは分からない。 それでも、ひとつだけ確かなことがある。 あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。 私は、私の生きたいように生きます。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。