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第十四章 狗神と蛟
91.狗神
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丘の頂上付近まで蛟の背中に乗って飛んできた亮太とコウの視界に飛び込んできたのは、雷雲の様な真っ黒なもやだった。それが頂上一帯を渦巻く様に覆っている。あれが全部瘴気だとしたら、中にいる蓮は一体どうなっているのか。緊張で喉がカラカラになっていた。亮太は唾をごくりと呑み込むと、汗で滑りそうになっていた草薙剣をしっかりと握り直す。
これを使う相手は八岐大蛇だけならいいのだが。蓮は、亮太にとって剣を向けることなど出来る相手ではない。
「亮太、降りるの! しっかり捕まって!」
「分かった!」
亮太とコウはそれぞれ蛟の角を掴む手に力を入れ、跨る足にも出来うる限り力を込めた。ぐん、と一気に高度を下げて蛟が黒煙に突っ込む。亮太は目を開けていたが、突入した途端目の前が真っ暗になった。まるで太陽の光が届かない谷底か、地底深い洞窟に迷い込んだかの様な錯覚を覚える。
胸の上の八尺瓊勾玉が熱を帯び始めた。熱い、これまでの比較にならない程熱い。まるでその熱で瘴気や邪気を浄化するかの様に、確かにそれは内から燃えていた。
「アキラ! いるか!?」
闇の深淵へ向かって声を張り上げる。もう目の前にいるコウすら見えなかった。コウと触れている部分に感じる体温で、辛うじてコウがそこにいることだけが分かる。
すると、コウも声を上げ始めた。
「アキラ! 返事をしてくれ! チー鱈を持ってきたぞ!」
いつの間にそんな物を仕込んでいたんだろうか。こんな状況だというのに亮太はふっと笑ってしまった。そうだ、あの大食漢のアキラが絶食の後に全ての八岐大蛇を出し切った。絶対にお腹を空かせている筈だ。
亮太もコウに倣うことにした。
「アキラー! チー鱈だぞ!」
「一袋しか持ってきてないから早いもの勝ちだぞ!」
コウの呼びかけがどんどん具体的になっていく。亮太は声を出して笑ってしまった。これだからコウは好きだ。
「返事しないと食っちまうぞー!」
「亮太は本気だぞ!」
笑わせないでくれ、大声が出なくなる。更に笑い声が漏れそうになり震える身体を押さえつけていると、微かな声が聞こえた気がした。
「亮太、何か聞こえた」
「俺もだ」
亮太とコウが耳を済ます。すると、枯れた様な声が思ったよりも近くから聞こえた。
「そ……そのチー鱈は私の……!」
「アキラ!」
「どこだ!?」
丁度そのタイミングで蛟が地面に着く。
「コウ」
「うん」
亮太がコウに手探りで手を貸すと、コウがポケットから取り出した八咫鏡を取り出し小さく唱え始めた。光がふわ、と滲む様に闇を侵食していく。闇を睨むコウの顔が見え始めた。
その顔は怒りに満ちていた。こんなにも美しい怒った顔を亮太はこれまでの人生で一度だって見たことはなかった。
「リキやアキラや私の人生を散々振り回して……! 八岐大蛇、私の本気を舐めるなよ!」
コウが叫ぶ。すると、これまでの量とは比較にならない光量で八咫鏡が輝き始めた。眩しすぎて目が開けられず、亮太は思わず腕で目を庇う。
奥の方で、グオオ、という獣が唸る様な声がした。
どれ位そうしていただろうか。もしかしたら一瞬だったのかもしれない。だが亮太には永遠にも感じられた。腕で覆っているのに瞼の裏が光で溢れているのが分かったが、先程よりも眩しくはない。亮太は薄っすらと目を開けてみると、闇が消え失せていた。
空を見上げると、青空が広がっている。コウが闇を祓ったのだ。
次いでコウがいた方を見ると、コウがその場に座り込んでいた。
「コウ!」
亮太が駆け寄ると、汗だくのコウがふ、と笑った。
「のぼせた」
「コウ……!」
亮太はコウを思わず抱き締めた。身体中が汗ばんでいる。神力を全力で使ったのだ。亮太の背中に回された腕の力は弱々しかった。
「亮太、鏡が割れた」
「……え?」
亮太はコウを腕に抱きかかえると、コウの手の中にある八咫鏡を見た。円盤状の八咫鏡は真ん中からヒビが入り、光を失っていた。
「八咫鏡は役割を終えたのー」
「役割?」
亮太がふわふわ浮く蛟に聞き返す。
「そう。後は本体を亮太と僕で何とかすればいいのー」
「はいはい、何とかね」
ぐるりと辺りを見回すと、すぐ近くに白装束を着たアキラが草の生えた地面に突っ伏していた。
「アキラ!」
コウを横抱きにしたまま亮太が慌てて駆け寄ると、アキラがどうにかという体で半身を起こした。
「お、お腹空いた……とりあえずチー鱈……チー鱈を……」
「分かった。亮太、降ろしてくれ。私は大丈夫だから」
亮太がアキラの横にコウをそっと降ろすと、コウはブルゾンの前を開けて内ポケットから『増量中!』とでかでかと書かれたチー鱈の袋を取り出した。そんな所に入れてたのか。
アキラはそれを奪う様に取ると、袋を勢いよく破り鷲掴みして貪り始めた。その間、亮太は頂上の様子を窺う。今いる場所は少し開けたスペースだが、すぐ近くに濃い森があるのが確認出来た。先程聞こえた獣の唸り声の本体は見当たらないので、恐らくあの中にいるに違いない。
森の中に暗闇はなく、気持ちの良さそうな陽の光が差し込んでいた。
「も、もうお腹一杯」
ゲフ、というゲップの音がして振り返ると、まだ半分以上残っているチー鱈の袋を持ったアキラの姿が目に入った。
「え……? まだ半分も食べてないぞ? どこか怪我とか具合が悪いとか」
亮太がアワアワしていると、コウがくすりと笑った。
「亮太、違う。アキラの中にはもう八岐大蛇はいない。だからもう山の様に食べる必要もなくなったんだ」
「ええっ嘘だろアキラ! お前が腹一杯なんて!」
「嘘じゃないし。あ、胸焼けしてきた」
「アキラが胸焼け……!」
「亮太、驚くところそこじゃないから」
アキラが冷静に返してきた。そうだ、何が起きたのかアキラに聞かなければならない。
亮太はとりあえず驚きは引っ込めて、アキラに尋ねた。
「アキラ、教えてくれ。何があった? レンはどうなった?」
アキラの顔が真剣なものに変わった。
「昨日からレンの様子がおかしかった。前の日はちゃんと犬の姿で一緒に寝たのに、昨夜はソワソワしてすぐ離れようとするから私もついカッとなって怒った」
一昨日は確かリキと椿も泊まっていっている。するとアキラと蓮の二人きりになったのが昨晩ということだ。
何となく亮太には分かった。きっとレンは二人きりだと意識してしまったのだろう。可哀想に。
「分かった。それで?」
「それで、頭を冷やそうと思って外に出たら、レンが追いかけてきて、また喧嘩になって」
その場面も何となく想像出来た。心配して追いかけたはいいものの、大方蓮は何も言い返せずモゴモゴするしか出来なかったのだろう。
「うん、それから?」
「レンの手を振り払ったら池の中に落ちちゃって、背中がムズムズし始めたから、とにかく何かを食べようと急いでお堂に戻った」
理解した。
「でも間に合わなくて出ちゃったんだな」
「そう。よく分かるね」
「お前は大体いつもそんな感じだからな」
「そう?」
だからお堂内部に一匹いたのだ。で、問題はこの先だ。
「その後は?」
「とりあえずレンが急いで持ってきた白装束に着替えようとしたんだけど服がびしょびしょで張り付いて脱げなくて、さすがに前は見られたくないから背中を向けて脱ぐのを手伝ってもらったら、封印をレンが見たらしく」
くっつくのも躊躇してる奴に、あれだけ見せたがらなかった背中を焦りもあったのだろうが仕方ないとはいえ見せたのか。さぞや蓮の心臓は飛び跳ねたことだろう。
「うん、それで?」
「これはいいのかとか悪いのかとか何かぶつぶつ言い始めて、着替えが終わって振り返ると八岐大蛇の瘴気がレンの周りに集まってたから慌ててレンにくっついて祓おうとしたら、最後の八岐大蛇がみよーんって引っ張られて出てきてレンに重なった」
アキラの瞳からは涙が溢れ出していた。なのに平然とした顔をしている。こいつもいつもいつもこうだ、もっと表に出せばいいのに我慢ばかり。
「レンがお堂から飛び出して行ったから、私はその後を追った。それでここに辿り着いたはいいけど真っ暗で何も見えない。瘴気も祓えない。お腹空いた。レンを呼んでも唸り声しかしない」
「アキラ」
「だから待った。亮太が来るのを待っていた」
アキラの目から溢れ出した涙が頬を伝い、顎からぽたぽたと落ちていった。
これを使う相手は八岐大蛇だけならいいのだが。蓮は、亮太にとって剣を向けることなど出来る相手ではない。
「亮太、降りるの! しっかり捕まって!」
「分かった!」
亮太とコウはそれぞれ蛟の角を掴む手に力を入れ、跨る足にも出来うる限り力を込めた。ぐん、と一気に高度を下げて蛟が黒煙に突っ込む。亮太は目を開けていたが、突入した途端目の前が真っ暗になった。まるで太陽の光が届かない谷底か、地底深い洞窟に迷い込んだかの様な錯覚を覚える。
胸の上の八尺瓊勾玉が熱を帯び始めた。熱い、これまでの比較にならない程熱い。まるでその熱で瘴気や邪気を浄化するかの様に、確かにそれは内から燃えていた。
「アキラ! いるか!?」
闇の深淵へ向かって声を張り上げる。もう目の前にいるコウすら見えなかった。コウと触れている部分に感じる体温で、辛うじてコウがそこにいることだけが分かる。
すると、コウも声を上げ始めた。
「アキラ! 返事をしてくれ! チー鱈を持ってきたぞ!」
いつの間にそんな物を仕込んでいたんだろうか。こんな状況だというのに亮太はふっと笑ってしまった。そうだ、あの大食漢のアキラが絶食の後に全ての八岐大蛇を出し切った。絶対にお腹を空かせている筈だ。
亮太もコウに倣うことにした。
「アキラー! チー鱈だぞ!」
「一袋しか持ってきてないから早いもの勝ちだぞ!」
コウの呼びかけがどんどん具体的になっていく。亮太は声を出して笑ってしまった。これだからコウは好きだ。
「返事しないと食っちまうぞー!」
「亮太は本気だぞ!」
笑わせないでくれ、大声が出なくなる。更に笑い声が漏れそうになり震える身体を押さえつけていると、微かな声が聞こえた気がした。
「亮太、何か聞こえた」
「俺もだ」
亮太とコウが耳を済ます。すると、枯れた様な声が思ったよりも近くから聞こえた。
「そ……そのチー鱈は私の……!」
「アキラ!」
「どこだ!?」
丁度そのタイミングで蛟が地面に着く。
「コウ」
「うん」
亮太がコウに手探りで手を貸すと、コウがポケットから取り出した八咫鏡を取り出し小さく唱え始めた。光がふわ、と滲む様に闇を侵食していく。闇を睨むコウの顔が見え始めた。
その顔は怒りに満ちていた。こんなにも美しい怒った顔を亮太はこれまでの人生で一度だって見たことはなかった。
「リキやアキラや私の人生を散々振り回して……! 八岐大蛇、私の本気を舐めるなよ!」
コウが叫ぶ。すると、これまでの量とは比較にならない光量で八咫鏡が輝き始めた。眩しすぎて目が開けられず、亮太は思わず腕で目を庇う。
奥の方で、グオオ、という獣が唸る様な声がした。
どれ位そうしていただろうか。もしかしたら一瞬だったのかもしれない。だが亮太には永遠にも感じられた。腕で覆っているのに瞼の裏が光で溢れているのが分かったが、先程よりも眩しくはない。亮太は薄っすらと目を開けてみると、闇が消え失せていた。
空を見上げると、青空が広がっている。コウが闇を祓ったのだ。
次いでコウがいた方を見ると、コウがその場に座り込んでいた。
「コウ!」
亮太が駆け寄ると、汗だくのコウがふ、と笑った。
「のぼせた」
「コウ……!」
亮太はコウを思わず抱き締めた。身体中が汗ばんでいる。神力を全力で使ったのだ。亮太の背中に回された腕の力は弱々しかった。
「亮太、鏡が割れた」
「……え?」
亮太はコウを腕に抱きかかえると、コウの手の中にある八咫鏡を見た。円盤状の八咫鏡は真ん中からヒビが入り、光を失っていた。
「八咫鏡は役割を終えたのー」
「役割?」
亮太がふわふわ浮く蛟に聞き返す。
「そう。後は本体を亮太と僕で何とかすればいいのー」
「はいはい、何とかね」
ぐるりと辺りを見回すと、すぐ近くに白装束を着たアキラが草の生えた地面に突っ伏していた。
「アキラ!」
コウを横抱きにしたまま亮太が慌てて駆け寄ると、アキラがどうにかという体で半身を起こした。
「お、お腹空いた……とりあえずチー鱈……チー鱈を……」
「分かった。亮太、降ろしてくれ。私は大丈夫だから」
亮太がアキラの横にコウをそっと降ろすと、コウはブルゾンの前を開けて内ポケットから『増量中!』とでかでかと書かれたチー鱈の袋を取り出した。そんな所に入れてたのか。
アキラはそれを奪う様に取ると、袋を勢いよく破り鷲掴みして貪り始めた。その間、亮太は頂上の様子を窺う。今いる場所は少し開けたスペースだが、すぐ近くに濃い森があるのが確認出来た。先程聞こえた獣の唸り声の本体は見当たらないので、恐らくあの中にいるに違いない。
森の中に暗闇はなく、気持ちの良さそうな陽の光が差し込んでいた。
「も、もうお腹一杯」
ゲフ、というゲップの音がして振り返ると、まだ半分以上残っているチー鱈の袋を持ったアキラの姿が目に入った。
「え……? まだ半分も食べてないぞ? どこか怪我とか具合が悪いとか」
亮太がアワアワしていると、コウがくすりと笑った。
「亮太、違う。アキラの中にはもう八岐大蛇はいない。だからもう山の様に食べる必要もなくなったんだ」
「ええっ嘘だろアキラ! お前が腹一杯なんて!」
「嘘じゃないし。あ、胸焼けしてきた」
「アキラが胸焼け……!」
「亮太、驚くところそこじゃないから」
アキラが冷静に返してきた。そうだ、何が起きたのかアキラに聞かなければならない。
亮太はとりあえず驚きは引っ込めて、アキラに尋ねた。
「アキラ、教えてくれ。何があった? レンはどうなった?」
アキラの顔が真剣なものに変わった。
「昨日からレンの様子がおかしかった。前の日はちゃんと犬の姿で一緒に寝たのに、昨夜はソワソワしてすぐ離れようとするから私もついカッとなって怒った」
一昨日は確かリキと椿も泊まっていっている。するとアキラと蓮の二人きりになったのが昨晩ということだ。
何となく亮太には分かった。きっとレンは二人きりだと意識してしまったのだろう。可哀想に。
「分かった。それで?」
「それで、頭を冷やそうと思って外に出たら、レンが追いかけてきて、また喧嘩になって」
その場面も何となく想像出来た。心配して追いかけたはいいものの、大方蓮は何も言い返せずモゴモゴするしか出来なかったのだろう。
「うん、それから?」
「レンの手を振り払ったら池の中に落ちちゃって、背中がムズムズし始めたから、とにかく何かを食べようと急いでお堂に戻った」
理解した。
「でも間に合わなくて出ちゃったんだな」
「そう。よく分かるね」
「お前は大体いつもそんな感じだからな」
「そう?」
だからお堂内部に一匹いたのだ。で、問題はこの先だ。
「その後は?」
「とりあえずレンが急いで持ってきた白装束に着替えようとしたんだけど服がびしょびしょで張り付いて脱げなくて、さすがに前は見られたくないから背中を向けて脱ぐのを手伝ってもらったら、封印をレンが見たらしく」
くっつくのも躊躇してる奴に、あれだけ見せたがらなかった背中を焦りもあったのだろうが仕方ないとはいえ見せたのか。さぞや蓮の心臓は飛び跳ねたことだろう。
「うん、それで?」
「これはいいのかとか悪いのかとか何かぶつぶつ言い始めて、着替えが終わって振り返ると八岐大蛇の瘴気がレンの周りに集まってたから慌ててレンにくっついて祓おうとしたら、最後の八岐大蛇がみよーんって引っ張られて出てきてレンに重なった」
アキラの瞳からは涙が溢れ出していた。なのに平然とした顔をしている。こいつもいつもいつもこうだ、もっと表に出せばいいのに我慢ばかり。
「レンがお堂から飛び出して行ったから、私はその後を追った。それでここに辿り着いたはいいけど真っ暗で何も見えない。瘴気も祓えない。お腹空いた。レンを呼んでも唸り声しかしない」
「アキラ」
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