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第十二章 いざ退治
79.蛟、大人になる
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祓詞を唱えるアキラの背中から、ゆらりと龍の影が浮き上がってきた。
蛟を驚愕の表情で見上げる蓮の祓詞が止まる。
「これは……先程まではまだ成体ではなかったのに!」
結界の中を優雅に泳ぐ蛟は、先程までの亮太三人分位の長さ、胴回りは亮太の腕を回していっぱいいっぱい程度だったのが、恐らくもうその倍の大きさに育っていた。
八岐大蛇の頭と今の蛟の頭の大きさはほぼ同等程度だ。
これが成体、大人の蛟龍だというのか。
亮太はその壮大な光景に目を奪われた。蛟の透き通る水の塊の様な身体に八咫鏡の光の粒子が乱反射して、まるで川の底から天の川を見上げている様だった。
その蛟の口の中から草薙剣が光りながらゆっくりと出て来、亮太はそれを手に取った。
「レン! まだ止めないで!」
苦しそうな声でアキラが叫んだ。呆然と見ていた蓮が慌てて印を結び直し祓詞を唱え始めたが、アキラの様子がおかしい。身体に水が打ち付ける中、一枚岩へとがく、と伏せてしまった。
「あ……あああああ!」
「アキラ!」
絞り出す様な悲鳴の中、背中から首が浮き出てくっきりと形を持った。鱗がはっきりと見える。かなり実体に近くなっている様だった。
「ありゃあ……何だ?」
首の下の方に、噛み付いている顎が見えた。まるでウロボロスの様なその光景に、亮太は総毛立つ。
「亮太さん! もう一匹居る!」
「亮太! あれではアキラ様が持ちません! 引き剥がせませんか!」
リキと蓮が同時に声を上げた。亮太はアキラの元に急行する。
「コウ! 首に光を当ててくれ!」
「分かった!」
コウが一匹目の首に食らいついている二匹目の首に光を当てると、当たった部分がもわ、と蒸発していく。亮太は飛び石の上を駆け、アキラに向かって言った。
「アキラ! 顔絶対上げるな!」
アキラの返事はなかった。聞こえていると思いたい。亮太は一枚岩の上にダン! と踏み込むと、光が当たり黒煙となっている部分に全力で斬りつけた。二匹目はまだアキラの背中と繋がっている。今ならまだ切り離せる、そう感じた。
刃が固い物に当たる感触があったが、亮太は脇腹にグッと力を込めて歯を食いしばりそのまま押し込んだ。
「お前は、まだ、出てくるなああああ!」
「亮太さん、いけいけ!」
結界の外から椿が応援してきた。椿はどうも緊張感にかけて思わず亮太の口の端が上がり、お陰で余計な力が抜け剣を振り抜くことに全ての力を注ぐことが出来た。
草薙剣が貫通した。
首を付けた首がふわりと上に昇っていく。
「コウ! 水で下に降りてこない様に遮ってくれ!」
「分かったのー!」
「リキさん! アキラをコウ……妹さんに預けてくれ!」
「任せて!」
蛟が水撃を繰り出し首を結界の上へと移動させる。その隙にリキが飛び石の上を飛ぶ様に走ってくると、しゃがんだアキラをその形のままひょいと抱え上げ結界のぎりぎりに立つコウの元へあっという間に辿り着くと結界を出、予め敷いてあったレジャーシートの上にアキラをそっと置いた。
「コウちゃん、アキラちゃんをお願い」
「分かった。椿さん、手伝って」
「おう!」
コウも結界を出ると、リキが結界の中へと走り戻って来る。
「椿さん、着替えさせるからバスタオルを持って中から見えない様にしてもらえるか」
「着替え! 俺も見ない様にする!」
椿が結界の方を向きバスタオルで視界を遮った。チラチラと八咫鏡の光を遮る影が動く。アキラも何とか起き上がった様子が影で分かった。まずは一安心だ。
飛び石の上を走り、亮太は安定する地面の上に戻って草薙剣を構えた。
「コウ、一旦ストップ!」
「はあーい!」
コウの水撃が止み、上空を泳ぐ龍の首を見ると。
「おいおい……まじか」
食らいついていた方の首が、食らいつかれていた方の首を今正に飲み込まんとしているところだった。
蓮が必死で結界を強くしようと唱え続けている。その顔には焦りがあった。こいつはいつもいつも。亮太は蓮の隣に行くとポン、と肩を叩いた。
「アキラは起き上がったみたいだから心配すんな。だから肩の力抜いてこっちに集中しろ」
「亮太……申し訳ございません……!」
「だから気にすんなって。お前は生真面目過ぎるんだよ。椿さんを見習ったらどうだ?」
すると、ようやく蓮の肩の力がふっと抜け、表情に笑顔が戻ってきた。
「あれは、さすがに遠慮しておきます」
「だろうな」
亮太はにやりと笑うと、上空で大きな一匹の龍の首へと変わっていった八岐大蛇を見上げる。でかい。そしてとても固そうだ。しかも首の部分がちょっと長くないか?
「なあレン。最後の首ってもしかして体ごと出てくるなんてことは」
「あると思います」
即答だった。亮太は思わず蓮の顔を覗き見る。
「まじか?」
「まじです。だから最後の首は強いのです」
「だからさ、そういうことは始めにさ……」
「言ったところで状況は変わらないでしょう?」
「いやまあ、そうなんだけど、心構えとかさ」
蓮が難しい顔をしながら先を続けた。
「しかも、今回の二匹目を途中で千切ってしまいましたからね、残りの首がそれを吸収している可能性があります」
そうだった。六匹目の切れっ端はアキラの中に戻って行っている。というか亮太の心構え云々に対する反応はゼロか。
「全く、本当レンはレンだな!」
つい笑ってしまった。結界を分厚くしきった蓮も薄っすらと笑った。
「つまり、この首を倒せば残りはあと二匹の可能性が高いです」
「大分短縮出来たってことか」
「そうなりますね。まあ、その分強いでしょうが」
あとはコウが八咫鏡で結界の上の部分を照らし首を下に降ろしてくれればいよいよスタートだ。亮太は結界の外の様子を伺うと、人影が三人分確認出来た。八咫鏡でアキラを温めている段階なのだろう、光はまだこちらを差してきてはいない。
「しかし、いきなり蛟がこんなに成長するとは思いも寄りませんでした。池の清掃の時、何があったんですか?」
「何が……って、もう一度変化してもらった時はまだここまで大きくなくて、池の水を空に巻き上げてその後寝ちまって」
「それだけですか?」
蓮が首から視線を逸らさないまま眉をくいっと上げた。器用なものである。イケメンがやると決まるが、きっと亮太がやると睨みをきかせている様にしか見えないだろう。
あの後、蛟が眠くなってポーチに納まったので、亮太はコウに言った。それは勿論覚えているが。
「いや、その、まあ、ああ、あれがもしかして」
「何です?」
あれはでも蛟の言うところの『仲良し』ではない。別にいちゃついた訳でもないが、ただ考えようによってはある意味最高に『仲良し』だ。そして亮太は蛟がポーチに入ってすぐに言った。うとうとしていた蛟がそれを聞いていた可能性は高い。
「プ、プロポーズをした」
「ええ!? 亮太さん本当!?」
横からリキが大慌てで飛んできた。顔が紅潮していた。蓮が若干引いているのが感じ取れたが、亮太はきちんと答えることにした。別に隠す様なことでもない。
「しました」
「コウちゃんの返事は!?」
「はい、って」
「きゃー! いつの間にそんなこと! やだ私すっごい嬉しい! コウちゃんてばやるじゃない!」
興奮したのか、リキは物干し竿をブンブンと振り回し始めた。危なくて仕方がないので亮太は一歩下がった。
「そうですか、ではそれが恐らく最後のきっかけとなったのでしょう」
「最後? てことは、あれはもう大人か?」
蓮が頷いた。
「あれが蛟龍の成体の姿です」
地面の上スレスレを浮き、蛟は上空の八岐大蛇を睨みつけている。その目の力強さは、確かに今までの様な幼いものではなく、はっきりとした意思を持ったものの様に見えた。
だがしかし。
「プロポーズで成獣……何でだ?」
亮太は素朴な疑問を口にした。
蛟を驚愕の表情で見上げる蓮の祓詞が止まる。
「これは……先程まではまだ成体ではなかったのに!」
結界の中を優雅に泳ぐ蛟は、先程までの亮太三人分位の長さ、胴回りは亮太の腕を回していっぱいいっぱい程度だったのが、恐らくもうその倍の大きさに育っていた。
八岐大蛇の頭と今の蛟の頭の大きさはほぼ同等程度だ。
これが成体、大人の蛟龍だというのか。
亮太はその壮大な光景に目を奪われた。蛟の透き通る水の塊の様な身体に八咫鏡の光の粒子が乱反射して、まるで川の底から天の川を見上げている様だった。
その蛟の口の中から草薙剣が光りながらゆっくりと出て来、亮太はそれを手に取った。
「レン! まだ止めないで!」
苦しそうな声でアキラが叫んだ。呆然と見ていた蓮が慌てて印を結び直し祓詞を唱え始めたが、アキラの様子がおかしい。身体に水が打ち付ける中、一枚岩へとがく、と伏せてしまった。
「あ……あああああ!」
「アキラ!」
絞り出す様な悲鳴の中、背中から首が浮き出てくっきりと形を持った。鱗がはっきりと見える。かなり実体に近くなっている様だった。
「ありゃあ……何だ?」
首の下の方に、噛み付いている顎が見えた。まるでウロボロスの様なその光景に、亮太は総毛立つ。
「亮太さん! もう一匹居る!」
「亮太! あれではアキラ様が持ちません! 引き剥がせませんか!」
リキと蓮が同時に声を上げた。亮太はアキラの元に急行する。
「コウ! 首に光を当ててくれ!」
「分かった!」
コウが一匹目の首に食らいついている二匹目の首に光を当てると、当たった部分がもわ、と蒸発していく。亮太は飛び石の上を駆け、アキラに向かって言った。
「アキラ! 顔絶対上げるな!」
アキラの返事はなかった。聞こえていると思いたい。亮太は一枚岩の上にダン! と踏み込むと、光が当たり黒煙となっている部分に全力で斬りつけた。二匹目はまだアキラの背中と繋がっている。今ならまだ切り離せる、そう感じた。
刃が固い物に当たる感触があったが、亮太は脇腹にグッと力を込めて歯を食いしばりそのまま押し込んだ。
「お前は、まだ、出てくるなああああ!」
「亮太さん、いけいけ!」
結界の外から椿が応援してきた。椿はどうも緊張感にかけて思わず亮太の口の端が上がり、お陰で余計な力が抜け剣を振り抜くことに全ての力を注ぐことが出来た。
草薙剣が貫通した。
首を付けた首がふわりと上に昇っていく。
「コウ! 水で下に降りてこない様に遮ってくれ!」
「分かったのー!」
「リキさん! アキラをコウ……妹さんに預けてくれ!」
「任せて!」
蛟が水撃を繰り出し首を結界の上へと移動させる。その隙にリキが飛び石の上を飛ぶ様に走ってくると、しゃがんだアキラをその形のままひょいと抱え上げ結界のぎりぎりに立つコウの元へあっという間に辿り着くと結界を出、予め敷いてあったレジャーシートの上にアキラをそっと置いた。
「コウちゃん、アキラちゃんをお願い」
「分かった。椿さん、手伝って」
「おう!」
コウも結界を出ると、リキが結界の中へと走り戻って来る。
「椿さん、着替えさせるからバスタオルを持って中から見えない様にしてもらえるか」
「着替え! 俺も見ない様にする!」
椿が結界の方を向きバスタオルで視界を遮った。チラチラと八咫鏡の光を遮る影が動く。アキラも何とか起き上がった様子が影で分かった。まずは一安心だ。
飛び石の上を走り、亮太は安定する地面の上に戻って草薙剣を構えた。
「コウ、一旦ストップ!」
「はあーい!」
コウの水撃が止み、上空を泳ぐ龍の首を見ると。
「おいおい……まじか」
食らいついていた方の首が、食らいつかれていた方の首を今正に飲み込まんとしているところだった。
蓮が必死で結界を強くしようと唱え続けている。その顔には焦りがあった。こいつはいつもいつも。亮太は蓮の隣に行くとポン、と肩を叩いた。
「アキラは起き上がったみたいだから心配すんな。だから肩の力抜いてこっちに集中しろ」
「亮太……申し訳ございません……!」
「だから気にすんなって。お前は生真面目過ぎるんだよ。椿さんを見習ったらどうだ?」
すると、ようやく蓮の肩の力がふっと抜け、表情に笑顔が戻ってきた。
「あれは、さすがに遠慮しておきます」
「だろうな」
亮太はにやりと笑うと、上空で大きな一匹の龍の首へと変わっていった八岐大蛇を見上げる。でかい。そしてとても固そうだ。しかも首の部分がちょっと長くないか?
「なあレン。最後の首ってもしかして体ごと出てくるなんてことは」
「あると思います」
即答だった。亮太は思わず蓮の顔を覗き見る。
「まじか?」
「まじです。だから最後の首は強いのです」
「だからさ、そういうことは始めにさ……」
「言ったところで状況は変わらないでしょう?」
「いやまあ、そうなんだけど、心構えとかさ」
蓮が難しい顔をしながら先を続けた。
「しかも、今回の二匹目を途中で千切ってしまいましたからね、残りの首がそれを吸収している可能性があります」
そうだった。六匹目の切れっ端はアキラの中に戻って行っている。というか亮太の心構え云々に対する反応はゼロか。
「全く、本当レンはレンだな!」
つい笑ってしまった。結界を分厚くしきった蓮も薄っすらと笑った。
「つまり、この首を倒せば残りはあと二匹の可能性が高いです」
「大分短縮出来たってことか」
「そうなりますね。まあ、その分強いでしょうが」
あとはコウが八咫鏡で結界の上の部分を照らし首を下に降ろしてくれればいよいよスタートだ。亮太は結界の外の様子を伺うと、人影が三人分確認出来た。八咫鏡でアキラを温めている段階なのだろう、光はまだこちらを差してきてはいない。
「しかし、いきなり蛟がこんなに成長するとは思いも寄りませんでした。池の清掃の時、何があったんですか?」
「何が……って、もう一度変化してもらった時はまだここまで大きくなくて、池の水を空に巻き上げてその後寝ちまって」
「それだけですか?」
蓮が首から視線を逸らさないまま眉をくいっと上げた。器用なものである。イケメンがやると決まるが、きっと亮太がやると睨みをきかせている様にしか見えないだろう。
あの後、蛟が眠くなってポーチに納まったので、亮太はコウに言った。それは勿論覚えているが。
「いや、その、まあ、ああ、あれがもしかして」
「何です?」
あれはでも蛟の言うところの『仲良し』ではない。別にいちゃついた訳でもないが、ただ考えようによってはある意味最高に『仲良し』だ。そして亮太は蛟がポーチに入ってすぐに言った。うとうとしていた蛟がそれを聞いていた可能性は高い。
「プ、プロポーズをした」
「ええ!? 亮太さん本当!?」
横からリキが大慌てで飛んできた。顔が紅潮していた。蓮が若干引いているのが感じ取れたが、亮太はきちんと答えることにした。別に隠す様なことでもない。
「しました」
「コウちゃんの返事は!?」
「はい、って」
「きゃー! いつの間にそんなこと! やだ私すっごい嬉しい! コウちゃんてばやるじゃない!」
興奮したのか、リキは物干し竿をブンブンと振り回し始めた。危なくて仕方がないので亮太は一歩下がった。
「そうですか、ではそれが恐らく最後のきっかけとなったのでしょう」
「最後? てことは、あれはもう大人か?」
蓮が頷いた。
「あれが蛟龍の成体の姿です」
地面の上スレスレを浮き、蛟は上空の八岐大蛇を睨みつけている。その目の力強さは、確かに今までの様な幼いものではなく、はっきりとした意思を持ったものの様に見えた。
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