雨宮課長に甘えたい

コハラ

文字の大きさ
上 下
137 / 179
拓海さんの気持ち

《10》

しおりを挟む
私の目の前を通った仲の良さそうなカップルの姿を思い出す。

「あの時、目に入ったカップルが羨ましくて。私も拓海さんとお風呂でイチャイチャしたいなと思ったからです。でも、今思うと思いっきりセクハラ発言でしたね」

「そうだね。完全に上司と部下の関係ではアウトだ」
「はい。アウトでした」
「平気で上司を動揺させるセクハラ発言をするから、今後出張に行かせるのが心配だよ。俺以外の男には言わないでくれよ」
「言いませんよ。拓海さんだったから言ったんです」
「あの時はもう一緒に風呂に入りたいぐらい俺が好きだったって事?」
「そうですよ。かなり好きでしたよ。覚えていないんですか? 私たちその次の日に初めてのキスをしたんですよ」

甘えるように見つめると、拓海さんが真面目な顔をした。
キリっとしたその表情がカッコいいい。

「覚えているよ」

拓海さんの唇が重なる。
甘くて優しいキス。

拓海さんにキスされるといつも体がふわっと浮く気がする。

「拓海さん、もっとキスして」
「そんな可愛い顔しておねだりしないで。我慢できなくなるから」
「我慢しないで。私、拓海さんが欲しい」
「奈々ちゃん……」

今度は激しいキスを拓海さんがしてくれた。唇を合わせると拓海さんの舌が深く侵入してくる。その舌と舌を絡ませ、下腹部の奥が熱くなっていくキスを繰り返す。

自然と裸の体が密着する。
立ち上がった拓海さんの首に腕を絡ませ、ぴたりと胸をくっつける。
拓海さんの逞しい腕が、私の背中を撫で、お尻を撫で、私の腰を強く抱き寄せる。

絡み合った舌は動きを止める事なく、甘い刺激を与えあい、それが大きな快楽に変わった瞬間、急に体中の力が抜けた。

恥ずかしいけど、キスが気持ち良過ぎて力が抜けてしまったよう。
キスだけで、いってしまうなんて思わなかった。

拓海さん、上手すぎる。

だらりと、拓海さんに寄り掛かるように抱き着くと、拓海さんが「なんて色っぽい顔してるんだ」と私の顔を眩しそうに見つめた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【R-18・連載版】部長と私の秘め事

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:3,842pt お気に入り:762

誘惑系御曹司がかかった恋の病

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:505pt お気に入り:62

まとめて愛せるよう善処します!!!

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:158

君はスイートハート

恋愛 / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:41

ナマください。って、そういう事じゃありません!

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:28pt お気に入り:628

【R18完結】編集長は強がる男

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:94

彼と彼女の選択

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:71

あなたと過ごす未来の話

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:427pt お気に入り:28

処理中です...