317 / 820
連載
結婚式まで⑤
しおりを挟む
パーティーハウスに戻り、花の大歓迎を受ける。あははははん、かわいか、ぽちゃぽちゃ。仔達は母に群がる。
ルームに入り、父が帰って来るまでに色々話す。仔達は疲れたのか、従魔の部屋で寝ている。鷹の目の皆さんは装備品のお手入れの為に、自分達のスペースに引っ込んでいる。
「シルクの布ね」
母がお茶を淹れながら、悩んでいる。どうやら今ある布で色々作ろうと考えていたようだ。
「どうせ、ダンジョン行くんやけん、新しく手に入らんね? ほら、あのご褒美部屋」
晃太が慎重にお茶を啜る。
「やけど、あれは条件があるやん。冒険者ギルドでも分からんのに」
ホークさんや、リティアさんがそう言ってた。だが、晃太が事もなく言う。
「親父に冷蔵庫ダンジョンば鑑定してもらったら?」
「はあ、冷蔵庫ダンジョンを鑑定? だ、大丈夫ね」
父を冷蔵庫ダンジョンに連れていくのは、ちょっと抵抗が。
「いくらなんでも大きすぎんね?」
「外からご褒美部屋がどうすれば出るかを絞って鑑定すればよくないね?」
「そうかねえ」
とりあえず、ご褒美部屋の出現鑑定に関しては、明日休みの父にお願いしてみることに。私はぺんたごんに通わなくてはならないしね。よし、第一陣や。
「晃太、ぺんたごん行くよ」
「分かった」
その日、私は魔力に注意しながらぺんたごんに通う。途中で晃太から力持ちのチュアンさんに交代して、せっせと通った。
次の日。
晃太と父は冷蔵庫ダンジョンに向かった。ビアンカとルージュ、仔達、ホークさんとマデリーンさん、エマちゃんとテオ君も付いていった。外から出来るか分からないが、鑑定してみると。帰りにスライム部屋に寄るからと、母がお弁当を持たせていた。
私はチュアンさんとぺんたごんに通う。ミゲル君は母のお手伝いをしている。
魔力の回復具合を見ながら、せっせと通う。今回は全て30mで揃えてみた。綿のレースや刺繍糸もたくさんゲット。
お昼を済ませて、休み休みぺんたごんに通う。かなりの量を手にいれた。よしよし。
「チュアンさん、ありがとうございます」
「これくらい大したことありません」
両脇に大量の布を抱えたチュアンさん。ルームでは、お手伝いが一段落したミゲル君が数をチェックしてくれている。
休みの間にお茶をする。さくら庵の特製マロンロールケーキ。冷蔵庫ダンジョンに向かったメンバーの分もね。
「くうん、くうん、くうーん」
花がロールケーキの匂いに鳴く。わんこビスケットでごまかす。
ふう、満腹。しかし、静かだ。いつもなら、ビアンカとルージュがおねだりビームを飛ばすし、仔達はわんわんにゃんにゃん大合唱なんだけど。ゆっくりケーキを味わう。チュアンさんはゆっくり味わっているし、ミゲル君も大事に食べてる。他愛ない会話をしながら、のんびり。
でも、静かだけど、ちょっと寂しいかな? わんわんにゃんにゃんないから。
ミゲル君が書いてくれたリストの数をチェック。よし。布もレースも糸もこんなもんかね。晃太が帰って来たら、アイテムボックスにいれてもらおう。
お茶の後に夕御飯の準備。
今日はクレイバンオの塩焼き、彩り野菜と冷蔵庫ダンジョンの21階のフィレのオイスター炒め、ほうれん草の玉子とじ。後は、町の洋食みつよしからI市特産野菜のサラダ。準備中に花が微妙にお尻を足の甲に乗せる。
うん、準備完了。完了だけど。
「遅かね」
そう、晃太達がなかなか帰って来ない。母が皿にクレイバンオの塩焼きを並べながら、時計を気にする。確かに、遅かなあ。今回は父が同行しているから、いつもと違う。それにビアンカやルージュ達の主人である私もいないから、あまり歩き回る事もないだろうけど。もう19時過ぎてる。
「ユイさん、冷蔵庫ダンジョンまで様子を見に行きましょうか?」
チュアンさんが申し出てくれたが、丁度、晃太達が帰って来た。
「お帰り、遅かったね」
「まあ、ちょっとな。花、ただいま」
花がぽちゃぽちゃボディで、疲れた顔の晃太の足元でのたうち回る。かわいか。
「お父さん、お帰り」
「うん、ただいま」
父も疲れた顔だ。
ホークさん達も特に怪我なし。良かった。
「わんわんっ」
「みゃーっ」
「くうん、くうん」
「くーん、くーん」
『ねえね、おなかへったー』
「はいはい。お帰り」
仔達が群がって来るので、当然もふもふ、もふもふ、もふもふん。
『たくさん動いて、お腹減ったのです』
『そうね。ちょっと魔力を使ったわ。ユイ、エビがいいわ』
「……………ビアンカさんや、ルージュさんや」
私は、ある仮説が頭に浮かぶ。
「ずいぶん、遅くなったね? 何で?」
ビアンカとルージュは、ぷい。
『さあなのですー』
『疲れたわー』
「………………………ダンジョンダンジョン言ったんやない?」
ぷぷい。完全に向こう向いてる。
よくよく考えたら、ビアンカとルージュがダンジョン前にして、行かない訳ない。しばらくダンジョンにも行ってないからね。仔達もスライム部屋では収まらない様になってきているだろうしね。きゅるん、きゅるん、とやったんじゃない?
「流石やね、姉ちゃん」
花を抱っこした晃太が正解を告げる。
「やっぱり」
私はため息。
ビアンカとルージュは向こう向いたままだ。もう。
「とりあえず入り、夕御飯にしよ」
ホークさん達の怪我ないかチェックして、ルームに入る。
今日はアルコール解禁とした。ホークさん達も、チュアンさん達も頑張ってもらったからね。はいはい、ミゲル君はビールね。
「「「「「頂きます」」」」」
うーん、クレイバンオが脂が乗って美味しい。ビアンカとルージュも仔達もたらふく食べてる。ルージュがエビエビとリクエストしてきたので、紫竜でエビチリ追加した。
「で、どうやったん?」
ほうれん草の玉子とじに箸を伸ばしながら晃太に聞く。
「ん、ああ、実はな」
初めは、父が冷蔵庫ダンジョンを外から見て、鑑定して、スライム部屋を何往復してから帰ろとしたと。
「あの『ご褒美部屋』やけど。出るのは脱出用魔法陣が出るボス部屋や」
そこまで分かったけど、それが分かった時点で父がギブアップ。鑑定するにしても、対象が今回大きすぎた。魔力切れだ。慎重派の父は私のように倒れる程はしなかった。軽く休憩しながら、近くの屋台で果実のジュースを飲みながらまったり。
「外からはこれ以上は無理やな」
父がポツリ。
『だったら、中から見るのです』
『そうね。ボス部屋に行きましょう』
流石に冷蔵庫ダンジョンに入るのは父はためらいがあったが。
『大丈夫なのです、お父さん。私とルージュがいるのです』
『そうよ。心配ないわ、お父さん』
きゅるん、きゅるん。
仔達も加わり、きゅるん、きゅるん。
私の父だからね、折れたそうだ。ホークさんが抵抗。完全に一般人の還暦越えの父をダンジョンに連れていくのはためらうわね。
まあ、でも結局冷蔵庫ダンジョンに行ったそうだ。ビアンカとルージュがいるからね。一階ならまだしも、主人の私がいないのに、スキップシステムで上層階に入れたのは、警備の人が晃太を覚えていたから。晃太的には直ぐ出るつもりだったしね。
「10階か15階を確認して直ぐ帰るつもりだったんやけどねぇ」
ふー、と晃太が日本酒を一口。
「明太子のだし巻き」
然り気無く、リクエスト。はいはい。
まずは10階のボス部屋に挑んで、ドロップ品を回収中に父がボス部屋鑑定。
「『ご褒美部屋』の出現条件が分かったんよ」
父が早速明太子入りだし巻き卵をぱくり。
おお、冒険者ギルドでも分からなかったのに。流石最強スキル、鑑定SSS。
各ダンジョンで出現条件は違うが、冷蔵庫ダンジョンの条件。
脱出用魔法陣が出るボス部屋。
ボス部屋に出る魔物を一掃し、宝箱の中身を取り出した後の3分以内。カップラーメンかい。
特定の魔法を、一定以上の威力でボス部屋の壁に当てる。
「10階と15階は水、20階は火、25階は風魔法な。28階は行っとらんけど、おそらく雷やろう」
「そうやな。あん時、元気が雷当てたしね」
フィレのオイスター炒めをぱくり。
「でもな、これを満たしても出現率は1割以下で、結局今回出らんやった」
そうそう出らんわな。
ボス部屋なんて普通は総力戦で、終わった後はくたくた。3分以内にあれだけの威力の魔法を当てるなんてできない。あの時は、元気が魔法補助がある杖を咥えて雷を放った。結構な威力だったし。
晃太達はボス部屋でちゅどん、どかん。宝箱チェック、壁に魔法を当てて『ご褒美部屋』が出ないかチェック。脱出用魔法陣で冷蔵庫ダンジョンから出て、上層階にスキップ。4回ボス部屋に挑んだわけね。ビアンカとルージュがのりのりで、行くのです、行きましょう、きゅるん、きゅるん。で、10階、15階、20階、25階を行っては出てを繰り返した。
「それで遅くなったんね」
「まあな。でもまたダンジョンが改修とかになったら、条件が変わるやろうな」
晃太がクレイバンオを一口、日本酒をぐびり。
「お疲れ様、お父さん大変やったね」
「まあ、いい経験やったよ。ああ、ドロップ品どうすると? リティアさんとタージェルさんが走って来たけど、優衣の意見ば聞かんとな」
目に浮かぶ、華麗にすっ飛んできたリティアさんとタージェルさん。ビアンカとルージュの主人である私がいないし、どうしたものかと思って、渡していないと。
「そうやね」
10階の家鴨のお肉と卵、15階の牛のお肉と乳製品は孤児院に寄付と炊き出し用にある程度引き取る事にした。後はホークさんの弓の為に羽ね。20階の蛇は基本的にいらない。25階も特に必要ないかな。宝箱は全部宝飾品だったそうだ。キラキラや。明日布を出すからその時でいいや。
晃太が引き取りたいドロップ品を引いて、物品リストを作成。明日ギルドに回そう。
後片付けして、早めに就寝。仔達も疲れていたのか、すぐに寝ている。冷蔵庫ダンジョンに同行してくれたホークさん、マデリーンさん、エマちゃんとテオ君もお風呂の後、疲れていたのか、そうそうに休んでいた。
ルームに入り、父が帰って来るまでに色々話す。仔達は疲れたのか、従魔の部屋で寝ている。鷹の目の皆さんは装備品のお手入れの為に、自分達のスペースに引っ込んでいる。
「シルクの布ね」
母がお茶を淹れながら、悩んでいる。どうやら今ある布で色々作ろうと考えていたようだ。
「どうせ、ダンジョン行くんやけん、新しく手に入らんね? ほら、あのご褒美部屋」
晃太が慎重にお茶を啜る。
「やけど、あれは条件があるやん。冒険者ギルドでも分からんのに」
ホークさんや、リティアさんがそう言ってた。だが、晃太が事もなく言う。
「親父に冷蔵庫ダンジョンば鑑定してもらったら?」
「はあ、冷蔵庫ダンジョンを鑑定? だ、大丈夫ね」
父を冷蔵庫ダンジョンに連れていくのは、ちょっと抵抗が。
「いくらなんでも大きすぎんね?」
「外からご褒美部屋がどうすれば出るかを絞って鑑定すればよくないね?」
「そうかねえ」
とりあえず、ご褒美部屋の出現鑑定に関しては、明日休みの父にお願いしてみることに。私はぺんたごんに通わなくてはならないしね。よし、第一陣や。
「晃太、ぺんたごん行くよ」
「分かった」
その日、私は魔力に注意しながらぺんたごんに通う。途中で晃太から力持ちのチュアンさんに交代して、せっせと通った。
次の日。
晃太と父は冷蔵庫ダンジョンに向かった。ビアンカとルージュ、仔達、ホークさんとマデリーンさん、エマちゃんとテオ君も付いていった。外から出来るか分からないが、鑑定してみると。帰りにスライム部屋に寄るからと、母がお弁当を持たせていた。
私はチュアンさんとぺんたごんに通う。ミゲル君は母のお手伝いをしている。
魔力の回復具合を見ながら、せっせと通う。今回は全て30mで揃えてみた。綿のレースや刺繍糸もたくさんゲット。
お昼を済ませて、休み休みぺんたごんに通う。かなりの量を手にいれた。よしよし。
「チュアンさん、ありがとうございます」
「これくらい大したことありません」
両脇に大量の布を抱えたチュアンさん。ルームでは、お手伝いが一段落したミゲル君が数をチェックしてくれている。
休みの間にお茶をする。さくら庵の特製マロンロールケーキ。冷蔵庫ダンジョンに向かったメンバーの分もね。
「くうん、くうん、くうーん」
花がロールケーキの匂いに鳴く。わんこビスケットでごまかす。
ふう、満腹。しかし、静かだ。いつもなら、ビアンカとルージュがおねだりビームを飛ばすし、仔達はわんわんにゃんにゃん大合唱なんだけど。ゆっくりケーキを味わう。チュアンさんはゆっくり味わっているし、ミゲル君も大事に食べてる。他愛ない会話をしながら、のんびり。
でも、静かだけど、ちょっと寂しいかな? わんわんにゃんにゃんないから。
ミゲル君が書いてくれたリストの数をチェック。よし。布もレースも糸もこんなもんかね。晃太が帰って来たら、アイテムボックスにいれてもらおう。
お茶の後に夕御飯の準備。
今日はクレイバンオの塩焼き、彩り野菜と冷蔵庫ダンジョンの21階のフィレのオイスター炒め、ほうれん草の玉子とじ。後は、町の洋食みつよしからI市特産野菜のサラダ。準備中に花が微妙にお尻を足の甲に乗せる。
うん、準備完了。完了だけど。
「遅かね」
そう、晃太達がなかなか帰って来ない。母が皿にクレイバンオの塩焼きを並べながら、時計を気にする。確かに、遅かなあ。今回は父が同行しているから、いつもと違う。それにビアンカやルージュ達の主人である私もいないから、あまり歩き回る事もないだろうけど。もう19時過ぎてる。
「ユイさん、冷蔵庫ダンジョンまで様子を見に行きましょうか?」
チュアンさんが申し出てくれたが、丁度、晃太達が帰って来た。
「お帰り、遅かったね」
「まあ、ちょっとな。花、ただいま」
花がぽちゃぽちゃボディで、疲れた顔の晃太の足元でのたうち回る。かわいか。
「お父さん、お帰り」
「うん、ただいま」
父も疲れた顔だ。
ホークさん達も特に怪我なし。良かった。
「わんわんっ」
「みゃーっ」
「くうん、くうん」
「くーん、くーん」
『ねえね、おなかへったー』
「はいはい。お帰り」
仔達が群がって来るので、当然もふもふ、もふもふ、もふもふん。
『たくさん動いて、お腹減ったのです』
『そうね。ちょっと魔力を使ったわ。ユイ、エビがいいわ』
「……………ビアンカさんや、ルージュさんや」
私は、ある仮説が頭に浮かぶ。
「ずいぶん、遅くなったね? 何で?」
ビアンカとルージュは、ぷい。
『さあなのですー』
『疲れたわー』
「………………………ダンジョンダンジョン言ったんやない?」
ぷぷい。完全に向こう向いてる。
よくよく考えたら、ビアンカとルージュがダンジョン前にして、行かない訳ない。しばらくダンジョンにも行ってないからね。仔達もスライム部屋では収まらない様になってきているだろうしね。きゅるん、きゅるん、とやったんじゃない?
「流石やね、姉ちゃん」
花を抱っこした晃太が正解を告げる。
「やっぱり」
私はため息。
ビアンカとルージュは向こう向いたままだ。もう。
「とりあえず入り、夕御飯にしよ」
ホークさん達の怪我ないかチェックして、ルームに入る。
今日はアルコール解禁とした。ホークさん達も、チュアンさん達も頑張ってもらったからね。はいはい、ミゲル君はビールね。
「「「「「頂きます」」」」」
うーん、クレイバンオが脂が乗って美味しい。ビアンカとルージュも仔達もたらふく食べてる。ルージュがエビエビとリクエストしてきたので、紫竜でエビチリ追加した。
「で、どうやったん?」
ほうれん草の玉子とじに箸を伸ばしながら晃太に聞く。
「ん、ああ、実はな」
初めは、父が冷蔵庫ダンジョンを外から見て、鑑定して、スライム部屋を何往復してから帰ろとしたと。
「あの『ご褒美部屋』やけど。出るのは脱出用魔法陣が出るボス部屋や」
そこまで分かったけど、それが分かった時点で父がギブアップ。鑑定するにしても、対象が今回大きすぎた。魔力切れだ。慎重派の父は私のように倒れる程はしなかった。軽く休憩しながら、近くの屋台で果実のジュースを飲みながらまったり。
「外からはこれ以上は無理やな」
父がポツリ。
『だったら、中から見るのです』
『そうね。ボス部屋に行きましょう』
流石に冷蔵庫ダンジョンに入るのは父はためらいがあったが。
『大丈夫なのです、お父さん。私とルージュがいるのです』
『そうよ。心配ないわ、お父さん』
きゅるん、きゅるん。
仔達も加わり、きゅるん、きゅるん。
私の父だからね、折れたそうだ。ホークさんが抵抗。完全に一般人の還暦越えの父をダンジョンに連れていくのはためらうわね。
まあ、でも結局冷蔵庫ダンジョンに行ったそうだ。ビアンカとルージュがいるからね。一階ならまだしも、主人の私がいないのに、スキップシステムで上層階に入れたのは、警備の人が晃太を覚えていたから。晃太的には直ぐ出るつもりだったしね。
「10階か15階を確認して直ぐ帰るつもりだったんやけどねぇ」
ふー、と晃太が日本酒を一口。
「明太子のだし巻き」
然り気無く、リクエスト。はいはい。
まずは10階のボス部屋に挑んで、ドロップ品を回収中に父がボス部屋鑑定。
「『ご褒美部屋』の出現条件が分かったんよ」
父が早速明太子入りだし巻き卵をぱくり。
おお、冒険者ギルドでも分からなかったのに。流石最強スキル、鑑定SSS。
各ダンジョンで出現条件は違うが、冷蔵庫ダンジョンの条件。
脱出用魔法陣が出るボス部屋。
ボス部屋に出る魔物を一掃し、宝箱の中身を取り出した後の3分以内。カップラーメンかい。
特定の魔法を、一定以上の威力でボス部屋の壁に当てる。
「10階と15階は水、20階は火、25階は風魔法な。28階は行っとらんけど、おそらく雷やろう」
「そうやな。あん時、元気が雷当てたしね」
フィレのオイスター炒めをぱくり。
「でもな、これを満たしても出現率は1割以下で、結局今回出らんやった」
そうそう出らんわな。
ボス部屋なんて普通は総力戦で、終わった後はくたくた。3分以内にあれだけの威力の魔法を当てるなんてできない。あの時は、元気が魔法補助がある杖を咥えて雷を放った。結構な威力だったし。
晃太達はボス部屋でちゅどん、どかん。宝箱チェック、壁に魔法を当てて『ご褒美部屋』が出ないかチェック。脱出用魔法陣で冷蔵庫ダンジョンから出て、上層階にスキップ。4回ボス部屋に挑んだわけね。ビアンカとルージュがのりのりで、行くのです、行きましょう、きゅるん、きゅるん。で、10階、15階、20階、25階を行っては出てを繰り返した。
「それで遅くなったんね」
「まあな。でもまたダンジョンが改修とかになったら、条件が変わるやろうな」
晃太がクレイバンオを一口、日本酒をぐびり。
「お疲れ様、お父さん大変やったね」
「まあ、いい経験やったよ。ああ、ドロップ品どうすると? リティアさんとタージェルさんが走って来たけど、優衣の意見ば聞かんとな」
目に浮かぶ、華麗にすっ飛んできたリティアさんとタージェルさん。ビアンカとルージュの主人である私がいないし、どうしたものかと思って、渡していないと。
「そうやね」
10階の家鴨のお肉と卵、15階の牛のお肉と乳製品は孤児院に寄付と炊き出し用にある程度引き取る事にした。後はホークさんの弓の為に羽ね。20階の蛇は基本的にいらない。25階も特に必要ないかな。宝箱は全部宝飾品だったそうだ。キラキラや。明日布を出すからその時でいいや。
晃太が引き取りたいドロップ品を引いて、物品リストを作成。明日ギルドに回そう。
後片付けして、早めに就寝。仔達も疲れていたのか、すぐに寝ている。冷蔵庫ダンジョンに同行してくれたホークさん、マデリーンさん、エマちゃんとテオ君もお風呂の後、疲れていたのか、そうそうに休んでいた。
1,815
お気に入りに追加
7,674
あなたにおすすめの小説
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
妹だけを可愛がるなら私はいらないでしょう。だから消えます……。何でもねだる妹と溺愛する両親に私は見切りをつける。
しげむろ ゆうき
ファンタジー
誕生日に買ってもらったドレスを欲しがる妹
そんな妹を溺愛する両親は、笑顔であげなさいと言ってくる
もう限界がきた私はあることを決心するのだった
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
お姉ちゃん今回も我慢してくれる?
あんころもちです
恋愛
「マリィはお姉ちゃんだろ! 妹のリリィにそのおもちゃ譲りなさい!」
「マリィ君は双子の姉なんだろ? 妹のリリィが困っているなら手伝ってやれよ」
「マリィ? いやいや無理だよ。妹のリリィの方が断然可愛いから結婚するならリリィだろ〜」
私が欲しいものをお姉ちゃんが持っていたら全部貰っていた。
代わりにいらないものは全部押し付けて、お姉ちゃんにプレゼントしてあげていた。
お姉ちゃんの婚約者様も貰ったけど、お姉ちゃんは更に位の高い公爵様との婚約が決まったらしい。
ねぇねぇお姉ちゃん公爵様も私にちょうだい?
お姉ちゃんなんだから何でも譲ってくれるよね?
別に構いませんよ、離縁するので。
杉本凪咲
恋愛
父親から告げられたのは「出ていけ」という冷たい言葉。
他の家族もそれに賛同しているようで、どうやら私は捨てられてしまうらしい。
まあいいですけどね。私はこっそりと笑顔を浮かべた。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。