189 / 869
連載
祭り②
しおりを挟む
販売当日、私と母は早くに支度をしてパーティーハウスを出た。パーカーさんがわざわざ迎えに来てくれて、ルージュと一緒に出発。
基本的に早起きの父に、晃太や仔達の朝御飯、神様へのお供えも御願いする。流石に朝早いかと思って、小声でごあいさつだけした。
『ふわぁ』
「ごめんね、ルージュ、眠かよね」
『いいわ、ユイを1人にしておけないもの』
「ありがとう」
バザー会場に到着。
既にジョシュアさんとパトリックさんが、設営を始めている。
運動会とかで設営されるテントだ。私達の2つ分のスペース。半分はビアンカとルージュの待機場所となっている。ちょっと申し訳ないけど、ビアンカとルージュは大きいし、仔達も後からくるからね。前が販売・試着ブース。後ろに待機スペースだ。
両隣のお店の人にまずごあいさつ。もし、荷物が多かったら、どうぞ、と言っておいた。
左右は職人ギルドが借り、いくつか工房所属の新人さん、見習いさんの作品が並ぶ。左は革製品は財布や靴、ポーチ、鞄がならびに、通常よりお安め。右は籠や、木製、陶器製の皿やカップが並ぶ。私が挨拶にうかがうと、若い職人さんが、噴き出していた。後ろにいたルージュね。
それから、Sサイズのマジックバッグから、母作成の服を出す。私はテーブルにリボンが付いたヘアゴムを並べていき、ジョシュアさんとパトリックさんが、手際よく、キャスター付きハンガーラック(父設計)に次々に服を下げていく。ルージュは待機場所でゴロリ。
「ケイコさん、やはり、これはメインとなりますからトルソーに着せましょう。目を引きます」
「でも、これが一番高いんですよ、もっと手軽なものを」
「そちらは店先に出しましょう。こちらはテント内で、お客様が思わず中に入りたくなるような位置に」
「そうですね、では、これをここにして」
パーカーさんと母が色々設置。一番高価なワンピースは、グラデーションのラベンダー色で、袖も肘くらいでふわっとシンプル。ただ、これは着る人を選びそう。私の顔では絶対に合わない。私はと言うと、母作成、ぺんたごんの綿麻のワンピース、腕回りゆったり、ウエストは紐調整できる優れもの。
「なすび体型でも大丈夫」
と、母が。
…………………………
時々、思う。晃太はこういう所が母に似ているんだろうなあ。
きいぃ。
本当の事だから反論できない。
ぶちぶち思いながら、私は子供用のトルソーに白地に水色のリボンの付いたセーラー服を着せる。
く、かわいか。
準備を整えていると、あっという間に時間が過ぎて、開始時間となる。
わぁ、とお客さんが流れ込んでくる。
さ、セールス、セールス。
やはり、お手頃のヘアゴムが人気。
ヘアゴムは私が担当。鏡を見せながら、営業スマイル炸裂だ。
「こちらの色はいかがですか? こちらはシルク地を使用していますので、光沢が違いますよ」
慣れないことすると、頬骨が痛いこと。
それでも、ちょいちょい売れた。
服装系はパーカーさん親子が大健闘している。
もともとパーカーさんのお店で何点か出していたので、今回の出店を聞いたお客さんが来てくれていた。姿見の前で合わせ、試着する。流れるように動いている。母お会計。途中でダイアナちゃんを連れたフィナさんが合流。フィナさんも販売員になり、ダイアナちゃんはルージュにぴったり張り付く。
私は慣れない販売員をしてもたもた。顔が痛か。
しばらくしてヘアゴムがぱたり、と売れなくなり一呼吸する。
ただ、服装コーナーは大盛況だ。やはり、ぺんたごんの布で出来たのが、売れている。シルク地と桁が違うからね。
「ユイさん、少し回って来てください。せっかくのお祭りですし。ヘアゴムは自分達が見てますから」
ジョシュアさんが気を使ってくれた。お言葉に甘えて、ちょっと回る。
『ユイ、待って、私も行くわ』
「そんな遠くにいかんよ。ダイアナちゃん寝とるし」
私は手ぶらでうろうろ。近くを一周する。本当に人が凄いなあ。あまり長く離れるわけにもいかないから、直ぐに戻る。結局誰も私の事なんて振り向きもしない。当然やね、ビアンカとルージュがいるから私だと分かるくらいだろうからね。
ふと、左の革製品を扱っているブースに止まる。小銭入れがズラリと並ぶ。価格は一律1000。うん、サイズ的にいいかな。
「見てもいいですか?」
「はいっ、こちらはディアーの革でとても柔らかいです」
新人さんが熱心に説明してくれる。
硬貨が30枚程入るサイズだ。
これ、寄付の時にいいかも。確か、ノータでは紙に包んだ気がする。やっぱり袋に入れた方がいいかな。これ安いしね。
「これと、これ、これもください。ギルドカード使えます?」
「はい」
私はアイテムボックスから冒険ギルドカードを出して支払いを済ませる。
よし、次に寄付する時は、これに入れてしよう。あらかじめお金も入れとこう。
再びなんちゃって販売員に扮してみた。
昼前に、ざわめきが起きる。
父と晃太がビアンカと仔達を連れてやってきたのだ。晃太はバギーを押し、抱っこひもに花をいれ、父は元気とコハクのリードを持っている。
全員裏から待機場所に移動。どうやら、しっかり遊ばせて来たのかおねむモードに。母と昨日作っておいたサンドイッチとクラムチャウダーで昼食を済ませる。もちろんパーカーさん達の分もある。
「よろしいんですか、頂いても?」
「はい、どうぞどうぞ」
お店の場所確保や色々してもらったからね、これくらいしないと。しかも今日パーカーさん達は、日当的なものは受け取らないと。
「ダイアナを助けて頂いたのです。これくらいしないと」
と。
こちらとしては、ありがたいばかりだ。サンドイッチくらい出さないとね。
ハム、ハムと卵、ハムとキュウリ、ハムとレタスとチーズ。卵、卵とキュウリ。ポテトサラダ。ツナ、ツナとキュウリ。たっぷり並べる。
ビアンカとルージュにもたっぷり。サンドイッチ用のパンではなく、マルシェのカンパーニュだけどね。
交代で休憩。
「お母さん、これ、美味しい」
ダイアナちゃんはハムと卵がお気に入りのようだ。
良かった、良かった。
お昼ご飯の後、ちょっと退屈になったダイアナちゃんを連れて、パトリックさんがバザーを回る。
売れ行きはまずまずだ。ヘアゴムは半分以上売れた。
服の売れ行きもいい、特にぺんたごんの生地の服は半数以上売れている。シルク地はまあまあかな。やっぱり価格が違うからね。
更にしばらくすると、ざわめきが、起きる。私達とは違うざわめき。
なんだろう?
人垣が割れて、1組のカップルが堂々と進む、あ、ダストン様や、隣には金髪の美しい女性が。わあ、きれいな人。奥様かな? 後ろにはセザール様と、これまたきれいな金髪のお姉さんが。それからダイアナちゃんくらいの女の子で、少し小さな女の子、更に小さな、多分男の子かな、めっちゃかわいか。きれいなお姉さんがだっこしている。あれだよ、絵画に出てくる天使的な感じだ。ダストン様は、気楽にと声を掛けながらこちらに。あ、お辞儀ね。はい、しますよ、お辞儀。
「奇遇ですなミズサワ殿」
「はい、ハルスフォン様。先日はありがとうございます」
「ふふ、それは今はなしで。せっかくの祭りです。楽しみましょう。紹介します、妻のイザベラです」
「はじめまして、ダストン・ハルスフォンの妻、イザベラでございます」
流れるような動きでスカートを摘まんでごあいさつしてくれるので、私達も慌て頭を下げる。
やっぱり奥様ね。年齢不詳な感じだったけど、とてもきれいな女性だ。うん、セザール様と仕草が似ている。セザール様は顔立ちはダストン様だけど、よくみたら目元は奥様だ。
………………え? いくつ? セザール様くらいのお子さんいるんよね?
「セザールはご存知でしょう。こちらは娘のシエナ。そして娘の子供達、私の孫になります。リザベル、タチアナ、シーマス」
この絵画に出てきそうな子供達が孫? 年の順にご紹介してくれた。女の子達は可愛くごあいさつ。男の子は恥ずかしそうにきゃっ、かわいか。こちらもペコリ。
「ミズサワ殿も買い物ですかな?」
「いいえ、母が作った服の販売をしています」
私が説明。パーカーさん一家も緊張しながらごあいさつ。
「ねえ、あなた、私少し見たいわ」
「もちろんいいさ。ゆっくり見るといい」
奥様、イザベラ様は嬉々としてテントの中に。お付きのメイドさんとさっそく見て回る。
「私も見たいわ、セザール、シーマスよろしく」
「え、ちょっと姉上…………」
シエナ様が抱えていたシーマス君をセザール様にバトンタッチ。慣れない抱っこをするセザール様。姉上って事はシエナ様はお姉さんやね。しかし、きれいなお姉さんやね。スカイランのアステリさんもきれいだったけど、この人もきれいや。
でもって、イザベラ様と並んだら姉妹みたいや。イザベラ様にこんなに大きなお孫さんがいるなんて思えない。あれや、美魔女や。うらやましか。
「きれいなお母さんとお姉さんですね」
思わず、シーマス君を抱き直すセザール様にぽつり。
「ミズサワ殿、あの表の顔に騙されてはいけません。母と姉はですね……………」
「「セザール」」
「はい、すみません」
イケメンセザール様が形無しだ。無表情で直立不動になっていた。
基本的に早起きの父に、晃太や仔達の朝御飯、神様へのお供えも御願いする。流石に朝早いかと思って、小声でごあいさつだけした。
『ふわぁ』
「ごめんね、ルージュ、眠かよね」
『いいわ、ユイを1人にしておけないもの』
「ありがとう」
バザー会場に到着。
既にジョシュアさんとパトリックさんが、設営を始めている。
運動会とかで設営されるテントだ。私達の2つ分のスペース。半分はビアンカとルージュの待機場所となっている。ちょっと申し訳ないけど、ビアンカとルージュは大きいし、仔達も後からくるからね。前が販売・試着ブース。後ろに待機スペースだ。
両隣のお店の人にまずごあいさつ。もし、荷物が多かったら、どうぞ、と言っておいた。
左右は職人ギルドが借り、いくつか工房所属の新人さん、見習いさんの作品が並ぶ。左は革製品は財布や靴、ポーチ、鞄がならびに、通常よりお安め。右は籠や、木製、陶器製の皿やカップが並ぶ。私が挨拶にうかがうと、若い職人さんが、噴き出していた。後ろにいたルージュね。
それから、Sサイズのマジックバッグから、母作成の服を出す。私はテーブルにリボンが付いたヘアゴムを並べていき、ジョシュアさんとパトリックさんが、手際よく、キャスター付きハンガーラック(父設計)に次々に服を下げていく。ルージュは待機場所でゴロリ。
「ケイコさん、やはり、これはメインとなりますからトルソーに着せましょう。目を引きます」
「でも、これが一番高いんですよ、もっと手軽なものを」
「そちらは店先に出しましょう。こちらはテント内で、お客様が思わず中に入りたくなるような位置に」
「そうですね、では、これをここにして」
パーカーさんと母が色々設置。一番高価なワンピースは、グラデーションのラベンダー色で、袖も肘くらいでふわっとシンプル。ただ、これは着る人を選びそう。私の顔では絶対に合わない。私はと言うと、母作成、ぺんたごんの綿麻のワンピース、腕回りゆったり、ウエストは紐調整できる優れもの。
「なすび体型でも大丈夫」
と、母が。
…………………………
時々、思う。晃太はこういう所が母に似ているんだろうなあ。
きいぃ。
本当の事だから反論できない。
ぶちぶち思いながら、私は子供用のトルソーに白地に水色のリボンの付いたセーラー服を着せる。
く、かわいか。
準備を整えていると、あっという間に時間が過ぎて、開始時間となる。
わぁ、とお客さんが流れ込んでくる。
さ、セールス、セールス。
やはり、お手頃のヘアゴムが人気。
ヘアゴムは私が担当。鏡を見せながら、営業スマイル炸裂だ。
「こちらの色はいかがですか? こちらはシルク地を使用していますので、光沢が違いますよ」
慣れないことすると、頬骨が痛いこと。
それでも、ちょいちょい売れた。
服装系はパーカーさん親子が大健闘している。
もともとパーカーさんのお店で何点か出していたので、今回の出店を聞いたお客さんが来てくれていた。姿見の前で合わせ、試着する。流れるように動いている。母お会計。途中でダイアナちゃんを連れたフィナさんが合流。フィナさんも販売員になり、ダイアナちゃんはルージュにぴったり張り付く。
私は慣れない販売員をしてもたもた。顔が痛か。
しばらくしてヘアゴムがぱたり、と売れなくなり一呼吸する。
ただ、服装コーナーは大盛況だ。やはり、ぺんたごんの布で出来たのが、売れている。シルク地と桁が違うからね。
「ユイさん、少し回って来てください。せっかくのお祭りですし。ヘアゴムは自分達が見てますから」
ジョシュアさんが気を使ってくれた。お言葉に甘えて、ちょっと回る。
『ユイ、待って、私も行くわ』
「そんな遠くにいかんよ。ダイアナちゃん寝とるし」
私は手ぶらでうろうろ。近くを一周する。本当に人が凄いなあ。あまり長く離れるわけにもいかないから、直ぐに戻る。結局誰も私の事なんて振り向きもしない。当然やね、ビアンカとルージュがいるから私だと分かるくらいだろうからね。
ふと、左の革製品を扱っているブースに止まる。小銭入れがズラリと並ぶ。価格は一律1000。うん、サイズ的にいいかな。
「見てもいいですか?」
「はいっ、こちらはディアーの革でとても柔らかいです」
新人さんが熱心に説明してくれる。
硬貨が30枚程入るサイズだ。
これ、寄付の時にいいかも。確か、ノータでは紙に包んだ気がする。やっぱり袋に入れた方がいいかな。これ安いしね。
「これと、これ、これもください。ギルドカード使えます?」
「はい」
私はアイテムボックスから冒険ギルドカードを出して支払いを済ませる。
よし、次に寄付する時は、これに入れてしよう。あらかじめお金も入れとこう。
再びなんちゃって販売員に扮してみた。
昼前に、ざわめきが起きる。
父と晃太がビアンカと仔達を連れてやってきたのだ。晃太はバギーを押し、抱っこひもに花をいれ、父は元気とコハクのリードを持っている。
全員裏から待機場所に移動。どうやら、しっかり遊ばせて来たのかおねむモードに。母と昨日作っておいたサンドイッチとクラムチャウダーで昼食を済ませる。もちろんパーカーさん達の分もある。
「よろしいんですか、頂いても?」
「はい、どうぞどうぞ」
お店の場所確保や色々してもらったからね、これくらいしないと。しかも今日パーカーさん達は、日当的なものは受け取らないと。
「ダイアナを助けて頂いたのです。これくらいしないと」
と。
こちらとしては、ありがたいばかりだ。サンドイッチくらい出さないとね。
ハム、ハムと卵、ハムとキュウリ、ハムとレタスとチーズ。卵、卵とキュウリ。ポテトサラダ。ツナ、ツナとキュウリ。たっぷり並べる。
ビアンカとルージュにもたっぷり。サンドイッチ用のパンではなく、マルシェのカンパーニュだけどね。
交代で休憩。
「お母さん、これ、美味しい」
ダイアナちゃんはハムと卵がお気に入りのようだ。
良かった、良かった。
お昼ご飯の後、ちょっと退屈になったダイアナちゃんを連れて、パトリックさんがバザーを回る。
売れ行きはまずまずだ。ヘアゴムは半分以上売れた。
服の売れ行きもいい、特にぺんたごんの生地の服は半数以上売れている。シルク地はまあまあかな。やっぱり価格が違うからね。
更にしばらくすると、ざわめきが、起きる。私達とは違うざわめき。
なんだろう?
人垣が割れて、1組のカップルが堂々と進む、あ、ダストン様や、隣には金髪の美しい女性が。わあ、きれいな人。奥様かな? 後ろにはセザール様と、これまたきれいな金髪のお姉さんが。それからダイアナちゃんくらいの女の子で、少し小さな女の子、更に小さな、多分男の子かな、めっちゃかわいか。きれいなお姉さんがだっこしている。あれだよ、絵画に出てくる天使的な感じだ。ダストン様は、気楽にと声を掛けながらこちらに。あ、お辞儀ね。はい、しますよ、お辞儀。
「奇遇ですなミズサワ殿」
「はい、ハルスフォン様。先日はありがとうございます」
「ふふ、それは今はなしで。せっかくの祭りです。楽しみましょう。紹介します、妻のイザベラです」
「はじめまして、ダストン・ハルスフォンの妻、イザベラでございます」
流れるような動きでスカートを摘まんでごあいさつしてくれるので、私達も慌て頭を下げる。
やっぱり奥様ね。年齢不詳な感じだったけど、とてもきれいな女性だ。うん、セザール様と仕草が似ている。セザール様は顔立ちはダストン様だけど、よくみたら目元は奥様だ。
………………え? いくつ? セザール様くらいのお子さんいるんよね?
「セザールはご存知でしょう。こちらは娘のシエナ。そして娘の子供達、私の孫になります。リザベル、タチアナ、シーマス」
この絵画に出てきそうな子供達が孫? 年の順にご紹介してくれた。女の子達は可愛くごあいさつ。男の子は恥ずかしそうにきゃっ、かわいか。こちらもペコリ。
「ミズサワ殿も買い物ですかな?」
「いいえ、母が作った服の販売をしています」
私が説明。パーカーさん一家も緊張しながらごあいさつ。
「ねえ、あなた、私少し見たいわ」
「もちろんいいさ。ゆっくり見るといい」
奥様、イザベラ様は嬉々としてテントの中に。お付きのメイドさんとさっそく見て回る。
「私も見たいわ、セザール、シーマスよろしく」
「え、ちょっと姉上…………」
シエナ様が抱えていたシーマス君をセザール様にバトンタッチ。慣れない抱っこをするセザール様。姉上って事はシエナ様はお姉さんやね。しかし、きれいなお姉さんやね。スカイランのアステリさんもきれいだったけど、この人もきれいや。
でもって、イザベラ様と並んだら姉妹みたいや。イザベラ様にこんなに大きなお孫さんがいるなんて思えない。あれや、美魔女や。うらやましか。
「きれいなお母さんとお姉さんですね」
思わず、シーマス君を抱き直すセザール様にぽつり。
「ミズサワ殿、あの表の顔に騙されてはいけません。母と姉はですね……………」
「「セザール」」
「はい、すみません」
イケメンセザール様が形無しだ。無表情で直立不動になっていた。
3,081
あなたにおすすめの小説
私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません
藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は
愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。
夫が愛人を持つことも、
その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。
けれど――
跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。
その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。
私は悟ったのだ。
この家では、息子を守れないと。
元々、実家との間には
「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。
ならば話は簡単だ。
役目を終えた私は、離縁を選ぶ。
息子と共に、この家を去るだけ。
後悔しているようですが――
もう、私の知るところではありません。
恋は、母をやめてから始まる――正体を隠したまま、仮の婚約者になりました
あい
恋愛
両親を失ったあの日、
赤子の弟を抱いて家を出た少女がいた。
それが、アリア。
世間からは「若い母」と呼ばれながらも、
彼女は否定しなかった。
十六年間、弟を守るためだけに生きてきたから。
恋も未来も、すべて後回し。
けれど弟は成長し、ついに巣立つ。
「今度は、自分の人生を生きて」
その一言が、
止まっていた時間を動かした。
役目を終えた夜。
アリアは初めて、自分のために扉を開く。
向かった先は、婚姻仲介所。
愛を求めたわけではない。
ただ、このまま立ち止まりたくなかった。
――けれどその名前は、
結婚を急かされていた若き当主のもとへと届く。
これは、
十六年“母”だった女性が、
もう一度“ひとりの女”として歩き出す物語。
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫」と笑った夫。~王宮から私が去ったあと「愛していた」と泣きついても、もう手遅れです~
水上
恋愛
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫だ」
夫である王太子はそう笑い、泣き真似が得意な見習い令嬢ばかりを優先した。
王太子妃セシリアは、怒り狂うこともなく、静かに心を閉ざす。
「左様でございますか」
彼女は夫への期待というノイズを遮断し、離縁の準備を始めた。
「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」
イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。
ある日、夢をみた。
この国の未来を。
それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。
彼は言う。
愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。
みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」
魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。
ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。
あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で一人の騎士と運命的な出会いをする。
【2024年3月16日完結、全58話】
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。