彼の執着〜前世から愛していると言われても困ります〜

八つ刻

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本編

サッカー観戦

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皇くんと私が前世で夫婦?
いやそんなまさか・・・
まず前世って。でも、もし本当なら・・・

子供も三人いたって言ってたっけ・・・。
男の子かぁ。皇くんに似てめちゃめちゃ可愛いんだろうなぁ・・・。
って私と皇くんの子供!?
という事は私と皇くんはそういう事をしたというわけで・・・・・・ぎゃぁぁぁぁ!
私、自慢じゃないけどまだそんな経験ないし、子供なんてそんなーーー

「ーー・・・い、おいっ!百合!!」

先日の皇くんとの会話を考えて百面相してたらしい私を、てるが呼んでいた。

「な、何?」
「何じゃないよ、食べ物と飲み物買いに行くんじゃないの?」

輝は訝しげに眉間に皺を寄せている。どうやら私は相当変な顔をしていたらしい。

今日は輝と国内リーグを観に来ている。
二人とも特に好きなチームはないけど選手や戦術、面白そうな試合はよく観に来てた。

「ちょっと色々考え事してて・・・ごめん。何か買いに行こっか」

いけない、いけない。
今日の試合ゲームは私たちの好きなチームから国内リーグに移籍した選手が出る試合。
なかなか取れないチケットがやっと手に入ったのに、他の事を考えてる余裕なんてないんだから。


輝と私はメインスタンドから場内にある売店まで向かっていった。
試合開始キックオフまで残り二十分。時間は十分にある。

「輝は何にするの~?」
「俺は焼きそばかな」
「いいね!少しちょうだい」

列に並びながら輝と今日のスタメンについてや、その海外選手について楽しく話していると少し後ろの方から声がした。

「あれ~?百合亜ちゃんじゃない?お~い」

私の前に並んでいた輝が先に声に気付き、チラリとそちらを見る。

「百合、お前の知り合い?」
「え?」

こんな所で声を掛けられるとは思わず、振り返ってみると数人後の列に橘くんがいた。

「橘くん!?」
「やっぱり百合亜ちゃんだ。偶然だね~」

列から離れ、私たちの元に歩み寄る。

「え、折角並んでたのにいいの?」
「いいの、いいの。ハーフタイムの時にでもまた来ればいいし。で、百合亜ちゃん席どこ?」
「メインスタンドのロアーだけど・・・」
「まじ?一緒じゃん!近かったりして♪」

橘くんは目線を輝に向け、にっこりと笑った。

「で?こっちの彼と二人で来てるの?彼氏?」

その言葉に輝の頬に赤みが広がっていく。
ちょっと!そんな反応されたら誤解されちゃうでしょ!

「違うの!ただの幼なじみでサッカー友達!」
「噂の幼なじみかぁ~てっきり彼氏かと思ったよ」
「百合・・・知り合い?」

ハッ!ついつい橘くんのペースに巻き込まれて、輝を置いてけぼりにしてしまっていた。

「輝、ごめん。こちら橘くん。同じ大学なの」
「橘 清春で~す。てるくん、よろしく」
「・・・・・・秋吉あきらです。よろしく」

なんだか二人の雰囲気が怖くなった気がしないでもないけど、突っ込む事もできない。
タイミング良く売店の順番が回ってきたので、流しておく事にした。

「あ、ほら輝。順番来たから頼もう」
「あぁうん。橘さんだっけ。良かったら一緒にどうぞ」
「え、いいの?てるくん優しいなぁ」
「・・・・・・」

さっきから橘くんは輝に敵意を持ってる感じで話してくるような・・・。
だけどさすが輝。優しい。後ろの人、ごめんなさい。


無事、食べ物と飲み物を買って席に戻ろうとすると橘くんも同じ入口まで着いてきた。

「?橘くんの席もこっち?」
「うん、そう。二十二列の281番と282番」

・・・私と輝の席は二十二列の283番と284番だ。

「隣・・・だね」
「まじで?!すげー偶然!」

ほんと、こんな事もあるんだなぁと席まで一緒に向かう。
橘くんもサッカー観戦するような人だとは思っていなかったから、これからランチの時サッカーの話ができるかと思うと顔が綻んでしまった。

軽く三人で喋りながら席に戻るとそこには思わぬ人がいた。

「あれ、リリィちゃんだ。偶然だね?」

片手を上げて王子スマイルを浮かべるその人はそう、皇 万里くんだった。
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