自由に、そして幸せに。

あめ

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ん………なんか体中が痛いしだるい……結局意識失っちゃったか~頑張ったんだけどな……はぁ起きたくないな~ゆうちゃんの事だから病院連れてってるよね……起きたら病院とかやだな……
ゆうちゃんのスマホ…全然力入らなかったとはいえ立ち上がった位置から投げたし壊れてないか心配だな…怒ってるかな……ちゃんと謝らなきゃだよね。
それに、優しく抱えて家に連れて行ってくれようとしてたし……ちゃんと謝ってありがとうって言わないとだよね……

…………だとすると流石に起きなきなだよね…起きずに話すは出来ないしね…。あーーーーほんとにやだ。起きたくない。

病院やだなーーはぁ………
ん?……なんか聞こえる…?………ゆうがなんか泣いてる?!うそ?!え?!

「((ガバッ))なんで?!なんで泣いてるの?!どうしたの?!」
「!?!?!?!!?!???」

突然ガバッと起きたからちょっとクラっとした。
ゆうは物凄く驚いた顔をしている。沢山泣いたのか真っ赤になった瞳が驚きで零れ落ちそうになってる。驚きすぎでしょ…ふふっ。

しかしなんでゆうちゃんが5歳程度の見た目になってるんだろ……可愛いけど、血まみれで心配だ……怪我して痛くて泣いてるのかな……。

「ゆう、d「みか!みか?みかだよね!ほんとにみか?本当に美影?生きてる?」え…あの」
「………あ!怪我!大丈夫?!物凄く血まみれだけど……そんないきなり起きてクラっとしない?!「ねぇ!ちょっと一旦ストップ!」…え?」

「え?じゃないよ!バカ!なんで急にそんな捲したてるように話し出すかな…?ゆっくり話しなよ!」
「あ…ごめん。」
「うん。で?なに?僕が怪我してるって?僕は確か体調不良だったよね?どこも怪我してるはず……な、い……??
・・・・・・・・・え?血まみれじゃん。どゆこと。」
「だろ?!だから平気かって聞いたんだよ」

優を落ち着かせて自分を確認してみると…僕の身体は血で真っ赤だった。でも、自分で触ってみると怪我してるはずの敗れた服の下は傷一つなかった。まるで傷口が再生したかのように。

「ゆう、大丈夫。怪我はしてないよ。
……ということはゆうも怪我はしてない?ゆうも血まみれだよ。」
「え?!………ほんとだ怪我してない。良かった~((ギュ-ッ))」
「うん。ねぇゆうも確認して」

ゆうは僕に怪我がないのを触って確認すると安心したのか抱きついてきた。
元気そうだからゆうも同じ状況だと思うが確認して、安心したいので先を促した。

「…?!ほんとだ!俺も血まみれだわ……でも怪我してない。」
「そう。ならよかったよ。それでひとつ聞きたいんだけどさ…」
「なに?」
「ゆう、だよね?なんか、子供だけど。てか…僕も目線低いし手も小さいし、僕ももしかして子供だったりする?」
「え?!俺も子供なの?!うそ……まじだ……手が小さい……みかの事で頭いっぱいで気付かなかった」
「なにそれ((クスクス))
それで?俺“も”ってことは僕も子どもの姿ってことだよね?」
「え?あーそうそう。そうだよ!同じ顔にその綺麗な青い瞳も変わらない。ただ、年齢が恐らく5歳程になっていて髪の色も白から金色に変わってる。」
「え?!僕の見た目そんなに変わってるの?!なんで髪色変わってるの?!確かに白い髪は嫌だったからいいけど……ゆうは年齢以外そんなに変わってないのに……あ、よく見れば茶色み掛かった黒い髪が混じり気ゼロの真っ黒になってるね!」
「あんま変わってないんだな」

一頻り見た目について話したあとずっと気になっていたもう一つの事を聞いてみる。

「ねぇ、なんで子供なの?見た目も少し変わってるし。謎なんだけど……ゆめ?」
「俺にもわからん。やっぱ夢だと思う?」
「二人共が夢って認識してることってあるのかな?普通見てる本人だけじゃない?夢だと思うのって」
「……確かに」
「でしょ?じゃあこれ夢じゃないってこと?
…なんか風も感じるし、血の匂いもする。なによりさっきゆうにハグされた時の感覚がリアルすぎだし……。
でも、現実だとしたらありえないよね?見た目も年齢も変わってるとか」
「あぁ。しかも夢じゃなかったら……この状況が現実ってことだろ?……さすがに受け入れるのに時間かかる。」

そういうとゆうは僕の前から少しズレて当たりをほそ目にして、見た。
「え?この、じょう、きょう…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?
オエェェェッッ    オエェェェッッ    はぁはぁはぁっ    オエェェェッッ!!     
はぁはぁっ   はぁはぁはぁっ はぁっはぁっはぁっ!……オエェェェッッ………はぁっはぁっはぁっ……」
「あ!ごめん!!大丈夫か?!……もう見なくていいから。大丈夫だから。ごめんな、大丈夫。怖くないよ。気持ち悪いな、吐いていいよ。落ち着くまで背中さすってるから。とりあえず呼吸だけは俺に合わせててね。…すぅ~~‥はぁ~~‥すぅ~~‥はぁ~~………」

そうしてゆうは僕を抱きしめ背中をさすり僕を落ち着かせてくれた。

「ご、ごめん…はぁはぁはぁゲホゲホ…大分落ち着いた。ありがとう」
「うん。ごめんな?俺で隠れてて見えてなかったんだな。パニック起こしてなかったから珍しく平気なのかと思ってたんだ。
怖い思いさせてごめん。目瞑って。案内するから離れよう。大丈夫、この人たちは俺がちゃんと眠らせるから」
「え?!いいよ、僕も手伝うよ!こんな数1人でなんて……いや、数の問題じゃないよ。流石に精神的にしんどいでしょ!」
「…でも、みかには無理だろ?落ち着いたって言ってもまだ震えてるし、まだ肩で息してるし。俺は大丈夫だから。みかのこと心配なんだ。無理しないで」
「むりなんて…僕はゆうのことが心配だよ……うっ……そんな顔で見るなよぉ…わかった、わかったから!じゃお願いします!でも、無理しないでね!しんどかったら休憩しようね!最悪子供だけでも眠らせてあげられればいいと思うし。キツかったら言ってね」
「おう!まかせて!ふふっ…じゃ、目瞑って。移動しよう」
「ん。お願いします」
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