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番外編
大好きな2人(リクエスト)
しおりを挟む俺は今、とてつもなく悩んでいる。
燈真とお兄ちゃんが2人で何やら企んでいるのだ。
俺が話しかけても2人でどこか行くし、構ってくれない。
大好きな燈真を大好きな兄に取られ、大好きな兄を大好きな燈真に取られている。
2人の仲が良いのは嬉しいが、同時に複雑な感情も混じってくる。
「もー!2人してなんなのー!!もっと俺にも構ってよー!!」
寂しくなり、つい思っていたことを口走る。
「琳冬、ごめんね?ほら、兄ちゃんのとこにおいで~!」
「琳冬、オレのとこにくるよね?ほら、琳冬の大好きな燈真だよ~?」
今度は2人して腕を広げる。2人に抱きつきたいけど、どっちから抱きつけばいいのかわからない。
「え、えと、えと…?」
「「琳冬、おいで」」
両脇から甘く囁かれ、更に困惑する。
「うぅ……んわっ!?」
いきなり両側から抱きつかれる。
左右にいる燈真とお兄ちゃんの顔を交互に見る。2人とも優しく微笑んでおり、恥ずかしくなってくる。
「琳冬~?兄ちゃんから離れたいのか~?」
「ほら、暴れないの」
恥ずかしさがMAXになり、どうにか抜けようとするが2人には適わない。
諦めて2人のされるがままにする。
「んぅ…あったかいの、ねむくなる……」
あれから何時間すぎたのか、2人は全く離れる気がないらしく、俺はうとうとと船を漕ぎ始めた。
「寝ていいよ琳冬、兄ちゃんと寝ような」
「おやすみ琳冬、一緒に寝よう」
2人に運ばれ、ふかふかなベッドの中へと入る。
一気に睡魔に襲われ、抗うこともなく夢の中へと誘われていった。
「……寝たか。おい、琳冬から離れろ」
「離れるわけないだろ。義兄さんこそ離れろ」
眠った琳冬を挟んで2人が言い争っている。
仲良くしていたと琳冬が勘違いたのは、琳冬が見ていないところで謎に競っていたからだった。
2人は琳冬にバレないよう、静かに喧嘩することが増えた。
「おい、あんまり大声を出すなよ。琳冬が起きたらどうする」
「そっちこそ声が大きいんじゃない?」
2人の間には、相変わらずバチバチと火花が散っている。
「んへ、とぉま~、おにぃちゃ~……
だいすきぃ…」
「「ッ……今日は、これくらいにしよう」」
琳冬が絡むと息が会う2人は、喧嘩するほど仲がいい……かもしれない。
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