子連れの界渡り

みき

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森のくまさん

3

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ガサッ


由「!!」

足音の主が現れ、その姿を見た私は悲鳴をあげることなく、息をのみ込んだ。



姿を現したのは2メートルはあるかと思うほど大きな熊だった。





熊!!

大っきい熊!!

馬鹿でかい熊!!

初!野生の熊!!

森のくまさん!?


私の脳内は今、パニック状態。私の頭の中では森のくまさんの曲が流れている。



あるぅ日~ 森の中ぁ~ くまさんにぃ~ 出会ぁった~



って、出会ったらマズイでしょっ!!落し物なんてしてませぇ~ん!


逃げなきゃっ!あっ、ダメだ。動いたらダメ!死んだフリしなきゃ!!



ガサッ

熊が一歩こちらに近づいてきた。



ぎゃぁぁ!!こっち来ないでぇ~!!



ガサッ

もう一歩また熊が近づいてきた。


あぁ~もうダメ!せめて娘だけはぁ~!


血の気が引いていく感覚がした。
私はぎゅっとキツく目を瞑り、娘を抱く腕の力を加えた。そして、体が傾くと同時に私の意識は遠退いていく。


完全に意識を失う前に思ったことがある。







あれ?熊が服着てる?






そして、私の意識は途絶えた。



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