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第二部
パーフェクト・ワールド・レインxx ③
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「俺は、オメガはひとりでは生きられない、なんてことはないと思う」
ぽつりと呟かれた台詞に、はっとして顔を上げる。彼の表情は、やはりなにも変わっていなかった。
「でも、信頼できるアルファがいるなら。ずっと一緒にいたいって行人が思えるアルファがいるなら。つがいになったほうが、きっとずっと生きやすい」
「……でも」
「幸せになれる」
それが自明の理だというような口調に、またしても言葉を呑んでしまった。
同種でない誰かに、オメガでない誰かに言われたら、絶対に反発する。いや、同じ性を持つ人間でも、たとえば、相手が水城だったら頷けなかった。でも、この人は。
ぎゅっと行人は手を握りしめた。
「逃げたわけでも、負けたわけでもない。運命だったって、だけだ」
運命の、つがい。そんなものが本当にあるのだろうか。そんなものに縋らないといけないのだろうか。
――オメガだから。
オメガだから、そうしないと生きていけない。この人の、つがいは幸せだろうな。そんなことを考えていたことを、ふと思い出した。
この人のつがいに選ばれることはないだろうけれど、でも、それでも、と。
そんなことを願っていた。
「だから、行人が決めたらいい」
そんなふうに言うくせに、この人は自分がどう答えるかわかっている。期待している。
やっぱり、ひどい。
「大丈夫」
震えそうになる声を叱咤して、行人は頷いた。
「大丈夫です。だから、ちょっとだけ、ひとりにさせてください」
この人のつがいは幸せだろうなと思っていた。この人はアルファなのだと信じて疑ってもいなかった。
この人のつがいに、行人はなりたかった。この人が自分と「同じ」だと知った今も、その思いは消えていない。
それでも、この人は「恋じゃない」とアルファの顔で笑って言ってみせるのだろう。
それがどれだけ残酷か、すべて承知した上で。
ぽつりと呟かれた台詞に、はっとして顔を上げる。彼の表情は、やはりなにも変わっていなかった。
「でも、信頼できるアルファがいるなら。ずっと一緒にいたいって行人が思えるアルファがいるなら。つがいになったほうが、きっとずっと生きやすい」
「……でも」
「幸せになれる」
それが自明の理だというような口調に、またしても言葉を呑んでしまった。
同種でない誰かに、オメガでない誰かに言われたら、絶対に反発する。いや、同じ性を持つ人間でも、たとえば、相手が水城だったら頷けなかった。でも、この人は。
ぎゅっと行人は手を握りしめた。
「逃げたわけでも、負けたわけでもない。運命だったって、だけだ」
運命の、つがい。そんなものが本当にあるのだろうか。そんなものに縋らないといけないのだろうか。
――オメガだから。
オメガだから、そうしないと生きていけない。この人の、つがいは幸せだろうな。そんなことを考えていたことを、ふと思い出した。
この人のつがいに選ばれることはないだろうけれど、でも、それでも、と。
そんなことを願っていた。
「だから、行人が決めたらいい」
そんなふうに言うくせに、この人は自分がどう答えるかわかっている。期待している。
やっぱり、ひどい。
「大丈夫」
震えそうになる声を叱咤して、行人は頷いた。
「大丈夫です。だから、ちょっとだけ、ひとりにさせてください」
この人のつがいは幸せだろうなと思っていた。この人はアルファなのだと信じて疑ってもいなかった。
この人のつがいに、行人はなりたかった。この人が自分と「同じ」だと知った今も、その思いは消えていない。
それでも、この人は「恋じゃない」とアルファの顔で笑って言ってみせるのだろう。
それがどれだけ残酷か、すべて承知した上で。
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