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第226話 第4ダンジョン 攻略開始
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報酬を受け取り、ギルドを出た俺達は真っすぐ目的地へ向かった。
そう、念願の第4ダンジョン上層である。
この未攻略ダンジョンで俺達アルフレッドパーティーは最前線に到達し、開拓者となるのだ。
「皆、第4ダンジョンの攻略ペースはどうする?第18ダンジョンと同様に1日10層でもいいが…」
「低層はつまらないですし、私は早く上層に行きたいです。」
「だよね~!!低層は数日中に攻略したいかな~」
「オレは模擬戦ができれば何でもいいぜ!!」
「だ、第4ダンジョンは攻略者が多いから低層で模擬戦は出来なさそうなのです。」
「そうなのか!?じゃあ早く上層に行こうぜ!」
「私は皆様の望むままに。」
手ごたえのある魔物やレアアイテムが現れる上層に最速で向かいつつボス部屋で模擬戦をする…
全員俺と全く持って同意見だ。
ソフィアが着いて来られるか少し心配だが、アイリスの指導で”闘気操術”を習得していたので高速戦闘は難しくとも足枷になることはないだろう。
ちなみに将来サポーターとして同行するソフィアの練習も兼ねているのだ。
「…よし、なら出来るだけ早く低層を攻略するぞ!」
「おう!!!」
「はいっ!!」
方針が決まり、まずは商会で必要アイテム8割引クーポンを使って不足していたものを買い足した。
その後早めの昼食を取り、ちょうど正午に第4ダンジョンへ到着した。
「やはりたくさん並んでいますね…」
「まあオレ達は気にしなくていいんだがな!!」
並んでいる攻略者達から不満と嫉妬の眼差しを向けられつつ、50mほど伸びている列の横を堂々と通り抜けた。
スーが並んでいる人々を嘲笑しながら進んでいたが、ソフィアに叱られると大人しくなった。
列がざわついているのを横目に門に到着し、攻略優先権を見せると門番の騎士団員がこちらへ敬礼した。
「ア、アルフレッドパーティー御一行様ですね!!記録の扉に登録し次第どうぞお入りください!!!」
「ああ。」
入り口横にあった記録の扉を開通し、第4ダンジョンに入った。
「おぉー--!!!」
「こ、この前のダンジョンとは違うのです!!」
そこはダンジョン内部が坑道のように土や鉱石で構成されており、天井から太陽のような光が差し込んだ空間であった。
情報通り、第4ダンジョンは他のダンジョンとはまるで異なる特殊な性質を持つ。
この見た目もそうだが、1番はやはり自動修復機能は付いているものの壁が破壊可能であるというものだ。
床は破壊不能オブジェクトの上に土が盛られているだけだが、壁を叩けばさらさらと土が削れ落ちる。
その上第4ダンジョンの壁は自然界と同様の法則で鉱石が生成されるという。
つまり、第4ダンジョンは探索だけでなく発掘もできるのだ。
そのため鉱業が盛んに行われており、冒険者の他に採掘隊も潜っている。
だが鉱業が始まって何十年も経つため、低層にある大抵の鉱石は大方掘り出されている。
自動修復機能が付いているとはいっても自然と同様の摂理に基づいているため、魔物とは違いすぐにリポップしないのだ。
「アルフレッド、いつも通りお願いします。」
「それなんだが…少し試したいことがある。試してみてもいいか?」
「分かりました。」
まずはいつも通り”構造探知”で1層の構造と2層へ続く階段の位置を把握する。
それと同時に”魔物探知”と”罠探知”を”構造探知”と合わせて行使し、魔物と罠の位置も把握。
ちなみに罠はなく、”鑑定”によると魔物はFランクのコボルドだった。
最後に新たに習得した”鉱石探知”を行使し、”アイテムボックス”から”鬼人剣”を取り出す。
「はぁぁぁぁぁ!!!!!!」
そして2層へ続く階段の方を向き、両手剣Lv.9”ノヴァディザスター”を行使した。
TPによって強化された無数の斬撃は次々と壁を切り崩していき、坑道に新たな道が生まれて行く。
ちょうど魔物が攻撃範囲に入り、途中で断末魔のようなものが聞こえたが無視する。
数十秒間の発動を終えると、階段まで約50m程度のショートカットが形成されていた。
「な、何という力業…」
「さ、流石はアルフレッドなのです!」
常識人であるソフィアがぽかんと口を開けて目をぱちぱちさせている。
俺はギルドで初めてこの情報を見た時、前世のゲームでこんな仕掛けがあったと思い出したのだ。
「さて…階段まで進むぞ。」
採掘が出来ているだけあって自動修復にはなかなか時間がかかるようだ。
周囲を観察しながらショートカットを歩いて進んだが、一向に穴が塞がらない。
ギルドの情報通り損傷によって修復時間は変わり、全損すると1日はかかるのだろう。
派手に破壊したが残念ながら”鉱石探知”に反応はなく、”ノヴァディザスター”に巻き込まれたコボルドの魔石1つを回収して2層へ上がった。
そう、念願の第4ダンジョン上層である。
この未攻略ダンジョンで俺達アルフレッドパーティーは最前線に到達し、開拓者となるのだ。
「皆、第4ダンジョンの攻略ペースはどうする?第18ダンジョンと同様に1日10層でもいいが…」
「低層はつまらないですし、私は早く上層に行きたいです。」
「だよね~!!低層は数日中に攻略したいかな~」
「オレは模擬戦ができれば何でもいいぜ!!」
「だ、第4ダンジョンは攻略者が多いから低層で模擬戦は出来なさそうなのです。」
「そうなのか!?じゃあ早く上層に行こうぜ!」
「私は皆様の望むままに。」
手ごたえのある魔物やレアアイテムが現れる上層に最速で向かいつつボス部屋で模擬戦をする…
全員俺と全く持って同意見だ。
ソフィアが着いて来られるか少し心配だが、アイリスの指導で”闘気操術”を習得していたので高速戦闘は難しくとも足枷になることはないだろう。
ちなみに将来サポーターとして同行するソフィアの練習も兼ねているのだ。
「…よし、なら出来るだけ早く低層を攻略するぞ!」
「おう!!!」
「はいっ!!」
方針が決まり、まずは商会で必要アイテム8割引クーポンを使って不足していたものを買い足した。
その後早めの昼食を取り、ちょうど正午に第4ダンジョンへ到着した。
「やはりたくさん並んでいますね…」
「まあオレ達は気にしなくていいんだがな!!」
並んでいる攻略者達から不満と嫉妬の眼差しを向けられつつ、50mほど伸びている列の横を堂々と通り抜けた。
スーが並んでいる人々を嘲笑しながら進んでいたが、ソフィアに叱られると大人しくなった。
列がざわついているのを横目に門に到着し、攻略優先権を見せると門番の騎士団員がこちらへ敬礼した。
「ア、アルフレッドパーティー御一行様ですね!!記録の扉に登録し次第どうぞお入りください!!!」
「ああ。」
入り口横にあった記録の扉を開通し、第4ダンジョンに入った。
「おぉー--!!!」
「こ、この前のダンジョンとは違うのです!!」
そこはダンジョン内部が坑道のように土や鉱石で構成されており、天井から太陽のような光が差し込んだ空間であった。
情報通り、第4ダンジョンは他のダンジョンとはまるで異なる特殊な性質を持つ。
この見た目もそうだが、1番はやはり自動修復機能は付いているものの壁が破壊可能であるというものだ。
床は破壊不能オブジェクトの上に土が盛られているだけだが、壁を叩けばさらさらと土が削れ落ちる。
その上第4ダンジョンの壁は自然界と同様の法則で鉱石が生成されるという。
つまり、第4ダンジョンは探索だけでなく発掘もできるのだ。
そのため鉱業が盛んに行われており、冒険者の他に採掘隊も潜っている。
だが鉱業が始まって何十年も経つため、低層にある大抵の鉱石は大方掘り出されている。
自動修復機能が付いているとはいっても自然と同様の摂理に基づいているため、魔物とは違いすぐにリポップしないのだ。
「アルフレッド、いつも通りお願いします。」
「それなんだが…少し試したいことがある。試してみてもいいか?」
「分かりました。」
まずはいつも通り”構造探知”で1層の構造と2層へ続く階段の位置を把握する。
それと同時に”魔物探知”と”罠探知”を”構造探知”と合わせて行使し、魔物と罠の位置も把握。
ちなみに罠はなく、”鑑定”によると魔物はFランクのコボルドだった。
最後に新たに習得した”鉱石探知”を行使し、”アイテムボックス”から”鬼人剣”を取り出す。
「はぁぁぁぁぁ!!!!!!」
そして2層へ続く階段の方を向き、両手剣Lv.9”ノヴァディザスター”を行使した。
TPによって強化された無数の斬撃は次々と壁を切り崩していき、坑道に新たな道が生まれて行く。
ちょうど魔物が攻撃範囲に入り、途中で断末魔のようなものが聞こえたが無視する。
数十秒間の発動を終えると、階段まで約50m程度のショートカットが形成されていた。
「な、何という力業…」
「さ、流石はアルフレッドなのです!」
常識人であるソフィアがぽかんと口を開けて目をぱちぱちさせている。
俺はギルドで初めてこの情報を見た時、前世のゲームでこんな仕掛けがあったと思い出したのだ。
「さて…階段まで進むぞ。」
採掘が出来ているだけあって自動修復にはなかなか時間がかかるようだ。
周囲を観察しながらショートカットを歩いて進んだが、一向に穴が塞がらない。
ギルドの情報通り損傷によって修復時間は変わり、全損すると1日はかかるのだろう。
派手に破壊したが残念ながら”鉱石探知”に反応はなく、”ノヴァディザスター”に巻き込まれたコボルドの魔石1つを回収して2層へ上がった。
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