185 / 188
第185話 海底ダンジョン 中層①
しおりを挟む
安全地帯で上層の魔物からドロップした海鮮類を調理し、美味しくいただいた。
どれもドロップしてすぐに“アイテムボックス“に収納して鮮度を保ったので、街で売られているもの以上に美味しかった。
『ふぅ…一休みしたし中層行くか。』
上層ボスの時点で手強い敵となっていたので、俺は油断せずにバフをかけて結界を展開して21層へ下った。
そこは真っ暗な海だった。
『深海か…最悪だな…』
前世で友人に勧められて深海に潜るホラーゲームをしてからというもの、完全にトラウマになってしまったのだ。
『この機会に克服できたらいいのだが…ん?』
結界がピシピシと音を立てて何かを防いでいる。
水圧だろうか…?
そんなことを考えていると、遠くで光の玉がふわふわと漂い始めた。
それは一つまた一つと増えていき、気が付けば前方を封鎖されていた。
『アンコウの魔物か…?顔怖いんだよな…』
“3Dレーダー“で周囲を索敵すると、なんと数十匹の反応に囲われていた。
そして、そのうちの一体が物凄い勢いでこちらに近づいてくる。
『なっ…!?!?』
俺は急いで“並列思考“で魔法をストックし、次々と光の玉目掛けて風属性魔法限界突破Lv.1“暴風球“を“直接魔法転移“した。
ゴゴゴゴゴゴゴ…という大地が揺れるような音と同時に、反応が次々消滅していく。
これはアンコウの魔物の断末魔だろうか…?
『…断末魔を上げるってことは”暴風球”を行使しても即死させられていないってことか…』
今までの魔物は全て、相手が何か行動を起こす前に”暴風球”で粉々になっている。
アンコウはHP総量が多いということだろう。
『…このままちゃちゃっと仕留めよう。』
”並列思考”の片方で”暴風球”をストックしてはもう片方で”直接魔法転移”を繰り返し、数十分が経った。
何とか全滅させることに成功し、ひとまずこれで落ち着いて探索できる。
『ふぅ…死体を確認してみるか。』
少し前方に進むと、予想通りアンコウの魔物の死体がうようよと漂っていた。
『…怖いな。』
怖いのは顔面と鋭い歯だけではない。
”3Dレーダー”で確認したときは攻撃で忙しくて敵の方を見れなかったが、最低でも体長10m以上はあったのだ。
もし魔法を習得しておらず、武技で挑むしかなかったとしたら…考えるだけで恐ろしい。
『神様、魔法を使えるようにしてくれてありがとうございます…!!』
死体を”鑑定”すると、魔物スキルは”灯火”という身体の一部を光らせるスキルだった。
これは光属性魔法”ライト”などで応用が効くので、”略奪”はしないでおいた。
ドロップはアンコウの肉と提灯だった。
肉はあんこうの唐揚げにして後でいただこう。
その後、暗くて一寸先も見えないので、”ライト”をフィールド全体にいきわたるよう均等に配置し、明るくして探索をした。
探索を始めて数十分
五つの宝箱が一つの場所に集まっているのを見つけ、五つの内二つは弱い罠、二つに”毒魔法”の際と同じくらい強力な罠、そして一つに非常に強力な罠が仕掛けられていた。
『これは期待できるぞ…!!』
まずは弱い罠が仕掛けられた二つの宝箱を開けた。
こちらは”力のアンクレット”と”体力のアンクレット”だった。
『アンクレットって確か…足に着けるやつだよな?』
蟲のダンジョンの獲得品と被らないようでよかった。
しかし、あまり派手な装飾品を付けまくっていると悪徳貴族のような格好になってしまうので、それは控えよう。
次に強い罠が仕掛けられた二つの宝箱を開けた。
こちらは”水中跳躍の靴”と”水中飛行の服”、”水中呼吸の兜”だった。
『効果が付与された品か…!それも海底ダンジョンに特化してる…!でも”水中呼吸”と”水中移動”のスキル持ってるから要らないな。』
地上に持ち帰ってオークションに出品したら、おそらく金貨数十枚は下らないだろう。
…だが、お金には困っていないのでわざわざ出品しに行くのは面倒だ。
『…”アイテムボックス”で眠ってもらうか。』
最後に、強力な罠が仕掛けられた宝箱だ。
魔法のスクロールより強力なものとなると、まさか古代魔法だろうか…?
”罠解除”で罠を解き、唾を飲み込んでからゆっくりと蓋を開けた。
すると、中には古びた本が入っていた。
『本当に古代魔法の魔法書が…!?』
”言語理解”でタイトルを読んでみた。
「伝説の都市は実在した!!」
と書かれていた。
『…とりあえず読んでみるか。』
中身はまるで前世のファンタジー小説のような、心躍る展開のストーリーが書かれていた。
地下に眠る機械文明や天空に浮かぶ立派な城、オリハルコンで作られた巨大な街など…様々だ。
「これは…ロマンであふれてるな!!時間はたっぷりあるし今度巡ってみるのもいいかもしれない!!」
ただ一つ気がかりなのは、
「我々は皆Lv.500を超えており、世界で一番強いと言っても過言ではなかった。しかし、海底ダンジョンの最深部にあると言われる人魚の街にだけはたどり着けなかった…どうか我々の意思を引き継ぎ、人魚の街に辿り着く者が現れることを願う。」
という記述が本の裏表紙に書かれていたことだ。
『Lv.500以上の集団がたどり着けなかっただと…!?』
俺はソロだが、Lvは624で強力なスキルもたくさん習得している。
Lv.500超えの集団と戦っても勝てる自信がある。
『…俺がその意思を引き継ごう。』
…まあ”七つの大罪シリーズ”の収集ついでなんだけどな。
どれもドロップしてすぐに“アイテムボックス“に収納して鮮度を保ったので、街で売られているもの以上に美味しかった。
『ふぅ…一休みしたし中層行くか。』
上層ボスの時点で手強い敵となっていたので、俺は油断せずにバフをかけて結界を展開して21層へ下った。
そこは真っ暗な海だった。
『深海か…最悪だな…』
前世で友人に勧められて深海に潜るホラーゲームをしてからというもの、完全にトラウマになってしまったのだ。
『この機会に克服できたらいいのだが…ん?』
結界がピシピシと音を立てて何かを防いでいる。
水圧だろうか…?
そんなことを考えていると、遠くで光の玉がふわふわと漂い始めた。
それは一つまた一つと増えていき、気が付けば前方を封鎖されていた。
『アンコウの魔物か…?顔怖いんだよな…』
“3Dレーダー“で周囲を索敵すると、なんと数十匹の反応に囲われていた。
そして、そのうちの一体が物凄い勢いでこちらに近づいてくる。
『なっ…!?!?』
俺は急いで“並列思考“で魔法をストックし、次々と光の玉目掛けて風属性魔法限界突破Lv.1“暴風球“を“直接魔法転移“した。
ゴゴゴゴゴゴゴ…という大地が揺れるような音と同時に、反応が次々消滅していく。
これはアンコウの魔物の断末魔だろうか…?
『…断末魔を上げるってことは”暴風球”を行使しても即死させられていないってことか…』
今までの魔物は全て、相手が何か行動を起こす前に”暴風球”で粉々になっている。
アンコウはHP総量が多いということだろう。
『…このままちゃちゃっと仕留めよう。』
”並列思考”の片方で”暴風球”をストックしてはもう片方で”直接魔法転移”を繰り返し、数十分が経った。
何とか全滅させることに成功し、ひとまずこれで落ち着いて探索できる。
『ふぅ…死体を確認してみるか。』
少し前方に進むと、予想通りアンコウの魔物の死体がうようよと漂っていた。
『…怖いな。』
怖いのは顔面と鋭い歯だけではない。
”3Dレーダー”で確認したときは攻撃で忙しくて敵の方を見れなかったが、最低でも体長10m以上はあったのだ。
もし魔法を習得しておらず、武技で挑むしかなかったとしたら…考えるだけで恐ろしい。
『神様、魔法を使えるようにしてくれてありがとうございます…!!』
死体を”鑑定”すると、魔物スキルは”灯火”という身体の一部を光らせるスキルだった。
これは光属性魔法”ライト”などで応用が効くので、”略奪”はしないでおいた。
ドロップはアンコウの肉と提灯だった。
肉はあんこうの唐揚げにして後でいただこう。
その後、暗くて一寸先も見えないので、”ライト”をフィールド全体にいきわたるよう均等に配置し、明るくして探索をした。
探索を始めて数十分
五つの宝箱が一つの場所に集まっているのを見つけ、五つの内二つは弱い罠、二つに”毒魔法”の際と同じくらい強力な罠、そして一つに非常に強力な罠が仕掛けられていた。
『これは期待できるぞ…!!』
まずは弱い罠が仕掛けられた二つの宝箱を開けた。
こちらは”力のアンクレット”と”体力のアンクレット”だった。
『アンクレットって確か…足に着けるやつだよな?』
蟲のダンジョンの獲得品と被らないようでよかった。
しかし、あまり派手な装飾品を付けまくっていると悪徳貴族のような格好になってしまうので、それは控えよう。
次に強い罠が仕掛けられた二つの宝箱を開けた。
こちらは”水中跳躍の靴”と”水中飛行の服”、”水中呼吸の兜”だった。
『効果が付与された品か…!それも海底ダンジョンに特化してる…!でも”水中呼吸”と”水中移動”のスキル持ってるから要らないな。』
地上に持ち帰ってオークションに出品したら、おそらく金貨数十枚は下らないだろう。
…だが、お金には困っていないのでわざわざ出品しに行くのは面倒だ。
『…”アイテムボックス”で眠ってもらうか。』
最後に、強力な罠が仕掛けられた宝箱だ。
魔法のスクロールより強力なものとなると、まさか古代魔法だろうか…?
”罠解除”で罠を解き、唾を飲み込んでからゆっくりと蓋を開けた。
すると、中には古びた本が入っていた。
『本当に古代魔法の魔法書が…!?』
”言語理解”でタイトルを読んでみた。
「伝説の都市は実在した!!」
と書かれていた。
『…とりあえず読んでみるか。』
中身はまるで前世のファンタジー小説のような、心躍る展開のストーリーが書かれていた。
地下に眠る機械文明や天空に浮かぶ立派な城、オリハルコンで作られた巨大な街など…様々だ。
「これは…ロマンであふれてるな!!時間はたっぷりあるし今度巡ってみるのもいいかもしれない!!」
ただ一つ気がかりなのは、
「我々は皆Lv.500を超えており、世界で一番強いと言っても過言ではなかった。しかし、海底ダンジョンの最深部にあると言われる人魚の街にだけはたどり着けなかった…どうか我々の意思を引き継ぎ、人魚の街に辿り着く者が現れることを願う。」
という記述が本の裏表紙に書かれていたことだ。
『Lv.500以上の集団がたどり着けなかっただと…!?』
俺はソロだが、Lvは624で強力なスキルもたくさん習得している。
Lv.500超えの集団と戦っても勝てる自信がある。
『…俺がその意思を引き継ごう。』
…まあ”七つの大罪シリーズ”の収集ついでなんだけどな。
0
あなたにおすすめの小説
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる